【奥越】イワウチワ満開の銀杏峯
【山 域】 福井県大野市・銀杏峯 【日 時】 2013年5月5日(日) 【コース】 小葉谷登山口-Ca1044m-銀杏峯(1440.7m) -前山(P1150m)-林道-小葉谷登山口 【メンバー】MICKEY、矢問 |
「う~ん、曇っているなぁ。今日もガスが濃い・・」ナイトンと登った日を思い出してしまう。 昨日は平家岳に行けず荒島岳を登り、前夜車中泊した宝慶寺キャンプ場の駐車場にある 登山届けボックスに登山届けを出して、夜が明け始めた中を小葉谷登山口へと移動。 山の上部がガスで覆われている。北側の展望での山々を見ても上はガスが覆っている・・。 「晴れるの?」とMICKEY。「気圧の変化からはゆっくりと回復。8時か9時にはガスが 消えると思うんだけど。ナイトンと登ったときは山頂でホワイトアウトに見舞われたので 極楽平でうろうろしてしまったよ。今日は良い展望を期待したいなぁ・・」と僕。 |
山の上部がガスって見えない | タムシバの花に迎えられ |
4:55 「お願い/登山道荒廃防止の為、無雪期ストック使用の方は先端にゴムキャップ等を 装着し登って下さい。里山銀杏峯を愛する会」 「銀杏峯の貴重な植生を守り、山に優しい間伐刈り払い整備中。植物の採集、盗掘 お断りします。里山銀杏峯を愛する会」という前には無かった2つの看板が鳥居のそばに 立ててある。「保護をしている人達がいて山を楽しめる。ありがたいことだ」と感謝する。 鳥居をくぐって登り始める。前はもっと藪っぽい印象だったが、歩きやすい。 ガスがしばらく晴れそうもないが、鳥の声がとても多いのは気持ちの良い朝だ。 「きっと晴れるさ。ただし早く山頂に着きすぎると待ち時間が長くなるので、ゆっくり登ろう。 上はまだ雪もあるし風もあるのできっと寒いよ。」と僕。 周囲にはタラの芽もまだ小さいものが多い。やはり季節は兵庫よりゆっくりモードだ。 紫のキクザキイチゲが咲きかけている。雪解けのあとに咲く花だ。 しかし、実に登りやすい登山道。「このあたりで藪と格闘した」とか「ここの登りは難しかった けど、雪がないとこんなに簡単なのか・・・」とナイトンと登った頃を思い出しながら登った。 タムシバの花も沢山咲いている。 |
再会した林道からさらに上へ | イワウチワが満開 |
5:15 林道に出た。「ここまで車で来ても良いのじゃないの」とMICKEY。 「下山時のことを考えると、ここまで車で来たら登り返さないとならない」と僕。 林道を少し左に行き鉱山跡石垣の所へと登る。 このルートも昨日の荒島岳と同様にイワウチワの花がとても沢山咲いている。 |
キックステップで | ブナの木 1,100m |
残雪が出てきた。慎重にキックステップで登る。うっすらと足跡があるが数日前のものら しい。溶けて消えかかっている。「ガス、晴れるかしら・・・」「晴れる、晴れる」 5:50 マンサクの黄色い花を見てすぐに「ブナの木」の立て札の所。標高1,100m地点。 雪の横の土が見えているところにはショウジョウバカマが咲き始めている。 あの子(ナイトン)、雪の多い残雪期にこの勾配をよく頑張って登ったね」とMICKEY。 「木をつかんでオラウータンのようにしつつ急勾配をホントによく頑張ったよ」と僕。 |
滑らないように! | またガスが出てきた・・・ |
6:10 「これより急登注意」の看板。標高1200m地点だ。 ナイトンと登ったときは「ここまでの方が急だった」と感じたところだ。 |
右斜面へ滑落しないよう慎重に | ここを左に行くと極楽平 |
6:50 「これより下り要注意」の看板。標高1300m地点だ。これで急な部分はほぼ終わる。 「ここを左に行くと極楽平」右の部子山へ行くルートが気になるが、まずは左(東)へ。 全身が骨だけになった鹿の死骸がある。「安らかに・・」とMICKEYが拝んでいる。 |
「ガスで先が見えないよ~」 | 根曲がり疎林帯の案内図 |
ナイトンとホワイトアウトでうろうろしたあたりに来た。今は視界が30mほどある。 ザゼンソウなどがある方に先に行くことにした。「ああ・・・やはりまだ雪の下か・・・」 と「自然遺産・根曲がり疎林帯案内図」の看板が雪から出ている。 ザゼンソウやカタクリやサンカヨウやキスミレが見られる地帯なのだが、まだ雪に覆われ ている。ルートを修正し山頂へと向かう。 |
銀杏峯 山頂 | 右の石仏が外れている |
7:10 銀杏峰の山頂。誰もいない。風が冷たい。時々ガスが晴れて一部の展望。 展望を楽しむためにも、もう少し待つしかない。携帯は時々つながる。 祠のなかの石仏2体のうち右のものは台座が外れていた。 |
「西に部子山が見えてきたよ♪」 | 部子山へと向かう |
「おおっ!!だんだんとガスが晴れてきたよ~」と寒そうに歩き回っているMICKEY。 「ガスで全く見えなかった部子山が西の方にかすかに見えだしたぞ。」と僕。 一番見たかったのは、昨日と逆にここから荒島岳を見たかったが、なかなか東側のガスが 飛ばない。西側はどんどん晴れてきた。 「部子山へのルートが雪でつながっているか気になる。行けるところまで行って見よう」 「西側は綺麗に晴れてきたし、うまく行けるといいね」とMICKEY。 またあの鹿の死骸の所をとおって西側を何カ所かを偵察。どこも激ヤブでうまく行けない。 |
残雪が切れていそう・・・ | こっちも行けないか偵察しましょ |
少し稜線上にもどり雪渓西へ進むがまた激ヤブに阻まれた。「少し我慢してとおれば 行けるかもしれないから偵察してみる」と激ヤブに突入。枝が邪魔してすすめない。 MICKEYは雪渓をやや南側へと下り巻き込めるのではと偵察しだした。 「危ないからそれ以上雪渓を下るな。滑り出したら止まらないぞ」と僕。 「回り込めそうだけど・・・やはり無理かなぁ・・・」とまだ下部の藪の周囲を見つめてる。 |
MICKEYは登るのが速い・・・ | 部子山をバックにして |
「今日はガスが晴れて部子山や、周囲の展望が開けただけでも良かった」と僕。 「ナイトンは頑張ってここまで登ったのに展望が無かったなんてかわいそうに」と相棒。 「あの時は、下山時に林道に近づくにつれ少しずつ晴れたんだけどね・・・」と僕。 「登ってきたルートで下るの」とMICKEY。 「ナイトンと下ったルートで下ろうか。林道への尾根だけ少し北向きにかえて」と僕。 「じゃあ、もう一度山頂へと戻るのね。まっ、展望も良くなったしいいか」とMICKEY。 また鹿の死骸の横をとおって行く。 1人の男性がやってきた。今日会う初めての人だ。「名松新道からですか」と僕。 「そうです」と男性。「部子山に行くつもりでしたが、雪渓が切れていてゲキヤブで断念 しました」と僕。「無理でしょうね」と、男性は僕らが登ってきたルートを下るようだ。 8:35 再び銀杏峯の山頂。ガスが晴れて東側以外はすばらしい展望なのに、荒島岳だけが 山頂部分しか見えず、中腹や下部はガスの中で全体像が見えない。「残念だなぁ」 |
銀杏峯山頂から北進開始 | 以前は気づかなかった石仏 |
山頂から北進する。やはりナイトンと来たときより雪が多くないので、踏み跡やルートが わかりやすい。ただ、雪が少なすぎるとまたまた心配・・・。前山からナイトンと下った バリエーションルートが先ほどの部子山へのルートのように藪に閉ざされていたら、名松 新道をそのまま相当し下まで下るハメになり、車の回収に林道を登りかえさないとなら ない。それはいやだ!! 8:40 大イチイの木の所に石仏がある。ナイトンと来たときは雪の下で全く気がつかなかった。 |
「 素晴らしい景色ね」 | 「いい感じに雪が残ってるわ」 |
前山 1,150m | 「前山の激藪をうまく越えたね」 |
9:15 前山への登りもナイトンとは直登したが、雪のないルートはやや左から残雪部分をとおり 巻き上がっている。女性が1名休憩されていた。僕が心配したようにピークから北西への ルートがとても入れないほどの激藪。雪がないときはこんな姿なのか・・・と驚いた。 休憩されていた女性が「ここまでも怖い雪の登りがあって、この先ももっと雪が増えるの ならここから下ろうかと思っていますが、この先はどうですか」と聞いてきたので「この先は 山頂までもう心配するような所は無いですよ。僕たちのステップを拾っていって下さい」 と言うと「そうですか。じゃあ山頂を目指します。ありがとう」と笑顔で出発された。 僕たちは少し下って残雪の所から山頂より薄い藪に突入。5分ほど格闘したらゲキヤブ地 帯から解放されてまあまあ歩けるルートとなった。ナイトンと歩いたときは雪の上を快適に すすめた尾根だが、いまは所々しか雪が残っていない。木々を巻きながら歩くと方向を 間違いやすい。コンパスのダイヤルと針をセットして方角を見定めて前進する。 |
「うわっ、雪に足が沈むわ!」 | 気をつけて回り込めよ~ |
ひどい藪もなくなりだんだんと歩きやすくなってきた。鹿の真新しい足跡がある。 鹿は僕が進みたいルートそのものを下っていったようだ。鹿の足跡に従って下る。 「ここから北へやや方向を変えるよ。変えずに行くとナイトンが失ったストックが見つか るかもしれないけど、今日は林道のカーブの所の法面のさかい目に下るから」と僕。 |
藪も消えた斜面 | 急斜面はロープで |
林道が下に見えた。慎重に木を持ちつつ林道まで下れば大丈夫だが、木の少ない所は 念のためにMICKEYのザック内の10mロープを使い、ワンピッチのみ下った。「あと20m」 |
林道へ下りられた! | 「う~ん、良い天気ね♪」 |
10:15 その先は木をつかめば林道に降りられた。ちょうどカーブミラーが前にある所だ。 「ナイトンとはもっと上部のところに下ったので、今日の方が的確なルート」と僕。 もう左下に僕らの車が見えている。林道をぶらぶらと下る。 林道沿いにはもう大きくなったふきのとうがびっしりとある。あちらこちらにタラの芽や コシアブラの食べ頃の物も沢山あった。やはり兵庫より季節はゆっくりモードだ。 |
「涼しい風で気持ちいいわ」 | 朝とは大違いの登山口の天気 |
10:35 車の所に着いた。「うまく降りられたね。お疲れ様」とMICKEYが握手を求めてきた。 「お疲れさん」と僕。「静かでいいルートだったね。部子山には今日は行けなかったけど 能楽の里牧場からの一般ルートから行けば簡単に登れるし、今日はこれで満足!」と お褒めの言葉。 服を着替えて、登山届けを出したボックスに下山届けを出した。 銀杏峯の山開きと安全祈願は明日6日の朝7時半からこの憩いの森でされるらしい。 |
里の山裾には芝桜 | 芝桜と昨日登った荒島岳 |
またまた「あっ宝んど」で汗を流しに行くのだが、そのまえにまた福そばでそばを食べた いとMICKEYが言う。よほど気に入ったらしい。 福そばに着いたのが、開店時間すぐだったので待たずに座れた。食べている間に長蛇の列。 そして「あっ宝んど」で3日間連続で汗を流す。3日で6個のスタンプが貯まった。 混まない区間の福井から敦賀までだけ高速に乗り、あとは地道で日本海側から名田庄へ。 名田庄道の駅でソフトクリーム休憩をして、GWとは思えないくらいに全く渋滞にあうこと無く 明るいうちに福井県から帰宅できた。 部子山まで縦走出来なかったのは残念だったが、明日もう一日休みがあるのはゆっくりで きてうれしい。「また部子山にはいずれ行きましょ!」とMICKEY。 銀杏峯だけを狙うなら洞吹さんおすすめの、山の裏側、R157中島の先からの「中島コース」が いい雰囲気らしいのでまたそのルートでも行ってみたい。GWにはアプローチもOKらしい。 今週末11日は、京都の芦生研究林に鹿防護ネット張りと植生調査のお手伝いに行く。 |
本日のルート/点線は断念した銀杏峯からの縦走と下山ルート |
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