【兵庫】甲山周辺不思議発見ウォーキング
【山 域】兵庫県西宮市・甲山周辺の不思議を観る 「不思議発見ウォーキング」 【日 時】2013年4月29日(月・祝) 【主 催】全国森林インストラクターひょうご会 インストラクターM氏による案内と不思議発見解説 【メンバー】MICKEY、矢問 他計20名 【ルート】阪急逆瀬川駅(9:35amバス)西宮ゴルフ場-五ヶ池-甲山山腹道 -神呪寺-甲山八十八カ所-県立甲山森林公園-阪急仁川駅14:30 |
27日と28日は兵庫の北西端の新温泉町の山を登り、 今日は子供が小さい頃に 何度か登った甲山周辺の植物や岩石などの勉強会に参加することにした。 ルーペや双眼鏡を持って、いろいろ学んだ。良い天気でとても暑い日だった。 |
ランチ場所からの甲山 | アプライト観察場から甲山 |
アカメガシワの葉をガムテープで | ウラジロノキの葉の観察 |
Q1.アカメガシワの赤い葉表とウラジロノキの白い葉裏の謎 A:アカメガシワの赤色は星状毛で、若葉を紫外線から守るためのアントシアニンの色。 成葉になると脱落する。(ガムテープを貼ると綺麗に葉の型になってとれる) ウラジロノキの白いのは綿毛で無駄な水分の蒸散を防ぐ役割があるため、成葉にな つても脱落しない。 |
イヌビワを観察 | ナイフでカットして観察 |
Q2.イヌビワの白い乳液は何のため A:白い乳液はゴム成分を含み、被食防衛に重要な役割がある。接着力があるので虫の 口をふさいでしまう。 |
湧水湿地の植物観察 | 冬鳥が多く来る五ヶ池 |
Q3.湧水湿地でも花が咲く A:(五ヶ池そば)このような場所は地形的には湧水湿地といい、生物学的には湿原と いう。貧栄養の土地なので、食中植物の仲間の花が咲く。例えば、モウセンゴケや ミミカキグサ、ホザキノミミカキグサなどが見られる。 |
オオマリコケムシを探す | 杭のそばにいるという |
Q4.ぶよぶよした寒天のようなものは何 A:オオマリコケムシといい、外肛動物オオマリコケムシ科に属する。個虫は非常に小 さく細胞外に寒天質を分泌して群体を形成する。水質の悪化したところで見られる。 TV番組の探偵ナイトスクープで試食していた。 |
タンスイベニマダラの観察 | 関西学院大の近くの水路にも |
Q5.川の石が赤褐色になっている原因は A:タンスイベニマダラという紅藻類。県RDBのCランク。清水にしか生息しない。 フィコエリトリンという同化色素をもち、緑色光を光合成に利用する。 (普通の植物は緑色光をあまりりようしない) Q6.森林公園に川や海で見られる玉砂利があるのはなぜ A:このあたりの地層は大阪層群(約200万年前)と呼ばれる。玉砂利はチャートが ほとんどで、チャートは丹波層群(約2億年前)に見られる岩石。角が丸くなって いるのは川から流れ着いた証拠だといえる。 |
源頼朝の塚 | 寺院と植物の解説 |
Q7.源頼朝の塚と書かれた石碑と五輪塔がなぜこんなところにあるのか A:鎌倉時代初期に源頼朝が廃れていた神呪寺を再建した。そのことに対して頼朝に 関係の深い人たちが建てた。 Q8.ヤマモモの木に瘤のようなものがあるのがこれは何 A:ヤマモモこぶ病で細菌による。昆虫の体についたものが幹や枝に侵入したり、こぶ から飛散して感染する。 Q9.甲山に2種類の岩石があるのはなぜ A:甲山は花崗岩の岩盤を突き破って安山岩が吹き出してできた(約1200万年前)。 当初は安山岩に覆われていたが削られて現在のような形になった。ここはその両方 が見られる位置である |
甲山と桜の紋などの解説 | 「サクラ材」と書き直されているが・・ |
Q10.寺院にまつわる植物の謎。説明板が一部消されているわけは A:相輪の九輪(クリンソウ)・風鐸(ホウチャクソウ)・瓦紋(サクラ)-本尊 菩提樹・ご本尊(サクラ) ギボウシ等の説明 |
神呪寺の名の由来は | お参りする人が多い |
Q11.「甲山・神呪寺」の名前の謎 A:甲山は「神の山(こうのやま)」が「甲の山」になり、歴史的仮名遣いでは甲を 「かふ」と表記したので。 神呪寺は「神の寺(かんのじ)」から。呪いの字が使われたのは、神呪(じんしゅ) は真言の意味があるから。 Q12.コナラに姫りんごのようなものが付いているのはなぜ A:タマバチが冬芽に産卵するとその刺激によって「虫こぶ」ができる。こぶの中で 成虫が育つ(単食性)。(5月半ばによく見られる) |
「昔、子供達ときたね」 | 地学の時間にも習ったアプライト |
岩石の覚え方 | ヒメハギが沢山咲いている |
Q13.岩石の中に石が混ざっているのはなぜ A:岩脈といわれるもので、地中で固まった花崗岩の割れ目に後からマグマが貫入して できた。岩質はアプライト(半花崗岩)といわれ、流紋岩と花崗岩の中間的な性質 のもの。 |
採石場のあと | 矢穴 |
Q14.岩石に穴が沢山あけてあるのはなんのため A:石割の方法で矢穴といわれるもの。のみで穴をあけ、くさびを打ち込んで割る。 江戸幕府による大阪城再建のために切り出そうとしたもの。東六甲山で多く見られ る。石目を見て割るので石目が外れた?けがで中断?再建に不要になった? |
ツガの観察 | ツルグミを食べてみる |
ナワシログミを食べてみる | 珍しいマツバラン(シダ類) |
Q15.なぜここにツガの森があるのか A:ツガは中間温帯(兵庫県では標高500~600m)に生育する樹木。 ツガ材は関西ではヒノキよりも上等とされる。神社仏閣の建築材に使われたので、 神呪寺の関係者が植えたのであろうと推測される。 飛鳥時代-クスノキ 奈良時代-カヤ 平安時代-ヒノキ の仏像が多い。 ヤママユ・・・上に穴はOK、正常に羽化した。横穴は寄生バチによるもの。 ヌタバ・・・・・ダニオムシなどの虫を体からとるほか、体温を下げるためにも使う ヒメハギも見られた。森林公園では鳥や木々の観察会も実施。 いろいろな事を学べた一日だった。 いろいろ解説して頂いたM氏に感謝! |
本日の不思議発見観察ルート |
この1つ前は「【但馬】但馬牛の守り神を祀る牛ヶ峰山」の記録です |