【岡山県】残雪の駒ノ尾山から後山までスノーシュー


【山 域】 岡山県 駒ノ尾山・鍋ヶ谷山・船木山・後山
【日 時】 2013年3月3日(日)
【メンバー】MICKEY、矢問 (+ワンコのコマちゃん)
【コース】 駒ノ旺山荘横-駒ノ尾山(1280.7m)-鍋ヶ谷山(1258m)
      -船木山(1334m)-後山(1344.6m)-船木山-後山キャンプ場
 
朝3時に起きて出発準備。「人の少ない稜線をスノーシューで歩きたいな」という相棒の
リクエストで、5年前に単独で行った駒ノ尾山から後山までのスノーシュー登山に行く。
深夜割引のきく朝4時前に中国道に乗れた。岡山方面への車が走っていなくてガラガラ。
加西SAで朝食を食べ、パンと宝塚ハードドーナツを購入し、佐用JCから鳥取道へ入る。
「動物飛びだし注意」の標識があるやいなや「わぁーーッ!」と二人とも大声をあげた!。
丸々と太ったタヌキが道路に飛び出して向かってくる。ブレーキと急ハンドルで回避!!。
大原で降りて地道を行く。ここからは、まだコンビニなどは無いルートで暗い。

6:10
雪がうっすら積もった広域林道はまだ真っ暗。今回は5年前に試したかった船木山のすぐ
西から派生する南西尾根を下りCa1016.8mを通るルートで下山したいのだが、その末端
を偵察。広域林道の周りも5年前にはなかった獣よけの金網が張り巡らされている。
「う~ん・・・下山してきて網の出口が見つからないとつらいな」とあちらこちらを偵察。

「やめたほうがいいかも。もう1つ試したかった船木山から真南に下り西へ無雪期の谷道
に入らずそのまま南下する尾根を下りキャンプ場の道に出て見よう」と僕。
「まともな無雪期道を行った方がいいのでは。またヤブコギとか・・・」とMICKEY。
2008年の3月にそのルートで下山したけど雪で岩や沢に苦労したから良くないよ」と僕。

6:30
広域林道のふくらみのある地点に駐車し出発。駒ノ旺山荘への登り道は薄い雪が凍り気味
で滑りやすい。鳥の声が多く天気は良い方向に向かっていて明るい。気温は0度。
この両側にも獣よけ網が張り巡らされている。ドアは所々にあるが・・・。
   
 駒ノ旺山荘  この橋を渡って登山道を北進する
6:55
駒ノ旺山荘の横を通過する。ワンコの姿が見えない。
今回は前回2008年の失敗をしないように登山口から西への地形図の無雪期ルートを素直
に登るつもりだったが、前回失敗と思ったルートがさらに整備されていて正規ルートのよ
うに変わっていた。「このルートの方がよさそう」とMICKEYは早くも上着を2枚脱いで
Tシャツ1枚になりガンガン登る体制。「寒くないのか」とまだ寒くて上着を脱げない僕。
   
 Tシャツ1枚のMICKEY/林道に出た  林道終点は右から登山道へ
「バーン!」と大きな銃声音。「びっくりした~」「猟師がいるのかしら?」とMICKEY。
鳥の鳴き声がした。獣脅しの人工音かもしれないが、静けさの中で驚いた。(7:15a.m.)

途中で雪が深くなりスノーシュー装着。岩には大きなつららが沢山。MICKEYがパンチで
割って落としていく。やはり登山道として整備されたようで、以前のように困ることは無
かった。林道終点のような所に出て右手からまた登山道として入っていける。
   
 まだしばらくはツボ足で  スノーシュー装着
   
 上の林道への斜面登り  「登山口はこっちだよ」とMICKEYを呼ぶ
7:40
さらに上に林道が見えたので左手から斜面を登ると、立派な林道に出た。
「どっちに進めばいいの?」とMICKEY。「地形図にはまだ反映されていないけど林道が
延びたんだろう。目的の支尾根に乗るには左だな」と偵察に行く僕。
   
 林道にあった登山口 ペースが速いMICKEY・・・ 
少し左へ行くと「駒ノ尾山、登山口」という明確な道標があった。
ここからも階段状に整備された登山道になっている。
「こりゃ、今回は楽ちんでルートに取り付けたな」と思いつつフウフウ言いつつ、呼吸を
整えながら登る。MICKEYはどんどん先に登っていくので姿が見えたり見えなかったり。
「ちぇっ」やや大股で力強く登るMICKEYのスーシュー跡の歩幅に合わない。
   
 どんどん登る 速度が落ちないのはなぜ? 
   
 後山までの稜線が見えた  ここを過ぎれば駒ノ尾山の山頂
「うわ~、綺麗よ~」と姿は見えないMICKEYの声が上から聞こえる。船木山や後山へ
の稜線が見える地点に出たのだろう。山頂にも先に到着したようだ。
僕もその稜線が見える地点に来たときに「うわっ!」と驚いた。
駒ノ尾山の案内犬で有名なワンコのコマちゃんが僕の足のすぐ後ろにピッタリといたのだ。
「おおっ、この積雪の中、ここまで登ってきたのか?すごいなぁ!!」と僕。

このコマちゃん、つい先日フジテレビの「めざましテレビ」で「今日のワンコ」で放映されて
さらに有名になったこの山のスターなのだ。 
   
 「コマちゃん、エライねぇ。初めまして」  一緒に写真を撮る
9:00
駒ノ尾山の山頂。MICKEYはダウンを着て待っていた。
MICKEYはこの山頂には3年前の6月に西粟倉村から登って、ダルガ峰へと歩いたことがある。

コマちゃんが僕と共に登ってきたのを見て、MICKEYが「うわ~、あなたがコマちゃん。
かわいいねぇ。エライねえ。前足の筋肉がすごいわ!」と抱きしめて話している。
2年間の老犬介護で昨夏愛犬を亡くしたので、なおさらかわいく感じている様子。

コマちゃんも一緒に写真に撮った。クラストしているところでコマちゃんは寝転んで背中
をこすりつけるのが好きなようだ。凍っている所を探しては仰向けに転がり回っている。
さっきまで晴れていたのににわかに雲に覆われた。風も冷たい。
気圧は安定していて悪くはない。「晴れたり曇ったりの予報だし、また晴れそう」と僕。
   
 氷っているところでは背中をスリスリ さあ、鍋ヶ谷山へと向かおう 
9:10
船木山に向かってMICKEYがスタート。その後ろをコマちゃん、そして僕が続く。
避難小屋を過ぎるとスノーシューでも膝まで沈むところが何度か出てくる。
「この前の氷ノ山より断然ましよね。雪がサラサラフワフワで軽いし」とMICKEY。
   
 「お~い、待ってくれ~」速いなぁ・・・  相変わらず登りが速いMICKEY
   
 だんだんと船木山が近づいた 樹氷も青空に映える 
   
 「雪庇には気をつけて」「了解」  振り返ると駒ノ尾山の白い山頂
   
 このあたりの雪は深い  道標はまだ雪の中
コマちゃんは右へ左へ気ままに消えたり現れたり。つかず離れずという感じ。
鍋ヶ谷山でMICKEYは待っているかと思ったら姿はなく、どんどん進んでいる様子。
   
 ここを過ぎたらすぐ船木山の山頂  船木山でコマちゃんと再会のMICKEY
10:30
船木山。MICKEYが待っていた。「ここからは南に雪庇が続くので慎重にルート取りを。
北側は下手をすると滑っていきそうな斜面で、クラストしてるし」と僕。
「アイゼンの方がいいかな」とMICKEY。
「いや、ライトニングアセントならこの斜面なら行けるし、すぐにまた雪が深いし」と僕。
MICKEYにここから予定している下山ルートを斜面を見て説明。
「こんなルートよくわかったね」「いや~、2008年もコンパスと地形図見っぱなしだった」
突然、コマちゃんが現れた。「こんな所まで来て帰れるの?」とMICKEY。
コマちゃんはのどが渇いたのか、雪をガツガツ食べている。
   
 ここからも雪庇に注意  もう後山の山頂が見えた!
「もう、ここで下山する?」と僕。「えっ、もうそこに後山が見えてるし私は14年ぶり
の後山
だし行こうよ。天気もいいし、気持ちいいし~」とMICKEYが先にスタート。
コマちゃんは後山キャンプ場へのルートを知っているのか、南へと下っていった。

一旦下って後山への登りが始まる。日の光に照らされて雪庇が綺麗に輝いている。
左(北)の方を見ると、先月登った氷ノ山の白い頂きが綺麗に輝いている
MICKEYのトレースに従って登って行くが、なかなかうまいルート取りをしている。
   
 後山でもコマちゃんに再会  ずっと駒ノ尾山まで見える
11:20
後山の山頂。「あ~14年ぶりの後山だわ~」とMICKEY。
前には無かった「宍粟50山」の山頂柱がある。「後」の文字から下は雪の中だ。
祠は以前同様に雪の頃はブルーシートで覆ってある。
「この岡山最高峰の山頂柱は以前からあるけど、宍粟50山の山頂柱やルートの整備は
OAPさんたちがやっているんだよ」と僕。「大変な作業よね」とMICKEY。
山頂の積雪は2008年よりも雪が多い。北の尾根からコマチャンが登ってきた。
「えっ、船木山で南に下っていったのにどんなルートで北の尾根から来たんだろう。」と
地形図で見るもわからない。急斜面をトラバースでもして来たのだろうか。すごい!
駒ノ尾山と同じく、ここでもコマちゃんと一緒に写真を撮る。
そのあとすぐにコマチャンは北の尾根へと消えていった。どこへ行くのだろう。
   
 ランチタイムはホッコリと♪ 下山開始、船木山へ一旦戻る 
「ここでランチタイムにしよう」と雪スコで固い雪を50cmほど堀り、イスとテーブル
を作り食事タイム。「綺麗な景色を見てランチは本当においしいわ~」とMICKEY。
MICKEYはうどん、僕はチゲ風ちゃんぽんにした。
食後はショウガ紅茶ラテで宝塚ハードドーナツ。「あ~、気持ちいいねぇ」とMICKEY。
南西方向の眼下には麓の集落まで綺麗に見える。

無線機をつけると岡山市南区の貝殻山からJN4PMOさんのCQ。応答してQSO。
続いてブレイクがあり、高松市の屋島からJI5LWZさんと久しぶりにQSO。
無線で僕が話している間の待ち時間の寒さを、MICKEYは体操をして体を温めている。
   
 太陽が照ると暑い!!  雪庇の下を通過
12:35
山頂に1時間15分もいた。下山開始しよう。まずは船木山まで戻る。MICKEYが先行。
太陽が出たときは実に暑い。勝手なもので「曇ってくれ~」と願う僕。
   
 「大きくて綺麗よねぇ」とMICKEY 植林帯の際を下る 
13:10
船木山。ここから少し西へ行って南へと下る。「ここからは先に行って」とMICKEY。
シルバーコンパスをセットして南へと下るルートに入る。木々があり最初はちょっと苦労
するが、すぐに明確なルートになるのは知っているので先に進んだ。
上を見ると青空が広がっている。「あとは木が多い下山ルートなので暑くないな」

無雪期はドウダンツツジが多いルートだが、花期は、葉が出てから約1週間後(4月上旬~
5月中旬頃)なので、まだ先の話で今は葉も出ていない。

13:20
Ca1136mの手前に道標がある。ここから西へふって谷筋ルートを南下するのが通常ルー
トで2008年の3月に下ったが、谷筋ルートは雪があって歩きにくく行きたくない。
再度地形図を見てMICKEYに説明。「ここからの南下は急な斜面だけど慎重に行けば大丈
夫と思う。植林帯と自然林の境界を進んでいこうと思う」と僕。
「うわっ、またコマちゃんが現れた」と思っていると谷筋ルートの方へと消えた。
   
 急な斜面は尻セードのMICKEY 丸太階段をキャンプ場へ下る 
慎重に下る。後ろから急斜面の下りが苦手なMICKEYは尻セードの連続でついてくる。
「楽しいわ~」と、僕は足に力が入って汗も出てきて疲れ気味なのに楽しんでるMICKEY。
右横斜面に激しく掘り返したところが広がっている。イノシシがエサを求めて掘ったようだ。

また突然どこからともなくコマちゃんが現れ、先に下って行き右手(西)へと消えた。
左側に続いていた植林が正面(南)ではなく左(東)へと続き始めた。
そちらには行かず、直進で南下したいのに・・・。正面は灌木帯で枝が邪魔しそうな気配。

13:50
このまま灌木帯を南に突っ込んでいくか悩んでいたらすぐ左手に階段のような丸太の頭が
見えた。視線を伸ばしていくと雪に埋もれつつもずっと続いている。
「これを下ればキャンプ場につながっていると思う」と後ろのMICKEYに伝える。
ここで、雪も浅いしスノーシューを脱いで壷足で細い丸太階段を進むことにした。
   
 キャンプ場に出たMICKEYとコマちゃん 広域林道へと向かう 
14:00
雪が無くなりススキが雪圧で横倒しになっているところに出た。左手に東屋がある。
「うわっ」またコマちゃんがどこからともなく現れた。そこからはキャンプ場への道と
なっている。炊事場の右手へと進むとキャンプ場のアスファルト道に出た。
2人と1匹がのんびりと広域林道まで長い道を下る。途中に2008年に下った登山口が
あった。青空が広がっている。かんかん照りでなくて暑がりには助かったかもしれない。
   
 2008年3月は谷道をここへ下って来た  日名倉山を見ながら
14:30
広域林道に出た。朝あった道の雪はすべてとけていて無い。気温は5℃になっていた。
車のあるふくらみまではここから5分ほどだ。
車の所について「コマちゃん、今日はありがとうね。楽しかったよ」とMICKEY。
コマちゃんはしっぽを振って、駒ノ旺山荘の方へとトコトコと歩いて行った。

コマちゃんとともに、誰一人にも会わない静かなスノーシュー登山ができた。
着替えながら、歩数計を見ると13,200歩、燃焼脂肪70.4gと出ていた。

僕らはここからすぐ南にある「愛の村パーク」の温泉(600円)へと車を走らせ、汗を流す。
いろいろお話ししていると「今日は半額でいいわ」と言ってくださった。ラッキー!! 
   
 愛の村パーク・後ろは縦走した山々  日名倉山
「あ~、とても気持ちの良い湯だったわ~」とMICKEY。温泉から帰路すぐの地点で振り
返ると愛の村パークの後ろに真っ白の頂をもつ駒ノ尾山が見えた。そして進路には14年前に
登ったきりの日名倉山が青空に映えてどっしりとした姿があった。

大原から宝塚までの高速道路も朝同様に珍しく空いていた。高速をおりてから家の近くの
これまた空いている「金比羅うどん」で温玉うどんを食べて18時10分帰宅完了。
早く帰れたので、明るい内にスノーシューやスパッツ、ストック、靴などを洗えた。
よく歩き、大満足の1日だった。
 本日のルート
 
  この1つ前は「【北摂】パスタランチの前に烏ヶ岳へ」の記録です