【芦生】芦生の森・調査観察区画の防鹿ネット上げ作業 2014
2014年4月29日(祝) ボランティア有志9名+T先生 (ボランティア有志9名=H・F・T・H2O・F夫妻・ふぉれすと・MICKEY・矢問) |
昨年11月16日に「芦生地域有害鳥獣対策協議会」の「知ろう、守ろう芦生の森」の 植生調査区画の防鹿ネットを下げてから、約5ヶ月が過ぎた。 一昨年は5月16日、昨年は5月11日に春のネット上げ作業を行ったが、5月になって からネットを上げるのでは、それまでに芽吹いた新芽などを冬期にお腹を空かせた鹿が 採食している場合があり、ネット内で鹿害から守りつつ植生変化を観察しているのに、 枯死したものと食害をうけたものが混在する。 やるなら「雪がとけてすぐ」もしくは「新芽が芽吹く直前」にしないと防鹿ネットでの保護区画 の意味が無いとずっと思っていた。 今年のネット上げ作業の予定は4月19日が第1候補であったが、雪がまだしっかり残 っていてネットを雪の中から掘り出す作業に時間がかかりすぎるので中止となり、第二候 補の4月26日もまだ残雪と林道の整備が完全ではないので延期となり、雪もなくなり芽 生えもまだの4月29日にボランティア有志のみで実施することになった。 今回の何度も変更になった南丹広域振興局の森林管理部門と、ボランティア有志との 連絡窓口を奈良のHさんがしてくれ、29日(祝)の入林許可を得た。 集合は8時に生杉。天気予報は雷+降水確率80%と悪いが、ネット上げ作業に雨など 関係ない。芽吹きが鹿に食べられないうちに作業をしないと意味が無い。 朝5時過ぎにMICKEYとともに家を出た。小雨が降っている。 名神+湖西道路を走り、真野で下りて途中のコンビニで軽く朝食と昼弁当購入。 生杉には7時20分に到着した。集合時間まであと40分もある。 奈良のHさんが到着し、舞鶴のF夫妻、地元のTさん、続いてふぉれすとさん、そして 26日と27日に由良川流域の植生調査でご一緒したFさん、そしてH2Oさんが到着。 Hさんから「来て頂いて嬉しいです!」と、参加者の1人1人に行動食を下さった。 「ありがとう。こんな気をつかわなくてもいいのに。自分の意志で来たんだし」とお礼を言った。 Fさんからは、芦生研究林の腕章を渡され、僕を含め3人が腕につける。 |
地蔵峠手前のトイレの所まで各車移動。 Fさん、H2Oさんは少し遅れて出発するとのことでHさんが待機し、僕たち6名は雨具を 着て長靴を履き、傘をさして先に地蔵峠に向けて出発した。 林道にも春の花がたくさん咲いている。 木々の新葉の芽生えが淡い緑で美しく、雄花雌花の展開も始まっている。 8:50 枕谷の調査区に着いた。一部の支柱は雪圧でやや斜めになっていた。 下に丸めていたネットは雪をかぶっていないので、綴じ紐外し作業がはかどる。 支柱が一部雪圧で斜めになっている。傘も要らないくらいの小雨になり、雨が上がった。 |
ネット上げ作業では僕が一番慣れているようなので、まずネットを上げて引っかけ固定し、 横紐を可能な限りピンと張るように引き、引っかけ部にずれないように巻き押さえる。 斜め支柱がある部分は、蝶ねじを一旦外すので手間がかかる。端から順次引っ張りつつ 張っていく。順次みなさんもやってみるものの、結構力を入れないとネットが下がるのだ。 巻き役、引っ張り役、支柱付けはずし役などに分かれて順次実施。 少し遅れてHさん、Fさん、H2Oさんが到着。T先生もお見えくださった。 Hさんはミニ脚立も持参。2mの引っかけ部に力を入れて巻くには有効だ。 |
T先生から再度、赤白ポールでのネットの高さ確認、ネットの張り方と出入り口の閉じ方 の説明を受けつつ、作業をする。手前の区画を終えて、奥の区画もスムーズに実施できた。 今年は早くしたためネット内の芽生えはまだ無いので、鹿の食害による被害はまだ無い。 「こういう時期にやはりこの作業はしないとね」 ミニ脚立をネット内にデポしておくHさん。 ネットの内外の植生調査は今年は6月に実施される予定と聞く。 |
10:00 今日はこの作業のみ。ここだけでは時間が有り余ったので、T先生が研究されている 野田畑の調査区とウツロ谷のお手伝いに、支柱や荷物を分担して持ち移動する。 |
まずは野田畑のネット内のアザミ観察(2カ所のネット内の違い)と、ネットの説明、そして ネット内の周囲50cm部分のみ鹿が外からどのような方法でアザミを食べるのか、という 不思議なお話しを伺い(後日カメラ設置をして観察予定らしい)、ネットを上げた。 今年はバイケイソウとともに、ヒメザゼンソウがやたらと増えている。 次に、ウツロ谷のABCプロジェクトの入り口部分の金属網+ネット設置のお手伝いにと みんなで向かった。 |
11:15 ウツロ谷も、いまはまだ草本類の緑が少ない。支柱パイプが雪で流されて不足。 3列作るのを2列のみとなった。その上に置く金属ネットはまだ雪の下に埋もれて いたので、みんなで雪をポールや板でガシガシと掘り返して出して、セッティング。 「ありがとうございました」とT先生。「こちらこそありがとうございました」と僕たち。 ここでT先生とお別れする。 雨は作業中ずっと全く降らなかったが、ウツロ谷の作業中から風がきつくなってきた。 おなかもすいたので、沢の土手で風よけできるせせらぎそばでランチタイムにした。 |
ランチも終えて、周囲の植物を観察しつつ、みんなでのんびりと車へと戻った。 鳥の声も多く、「あれはアカゲラ」「あれはイカル」「あれはヒガラ、センダイムシクイ、 ミソサザエの声」と、流石に良く知るHさんやふぉれすとさん。 MICKEYは大好きな「ブナの新緑」がとても綺麗なので「綺麗!いいわ~♪」の連続。 他の木本類の新緑もみずみずしくて上を見ても遠望しても、淡い緑がとても綺麗だ。 残雪もまだあり、キンキマメザクラも沢山まだ花を付けている。 |
14:00
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