【芦生】芦生研究林の防鹿ネット内外の継続植生調査 2014年8月
2014年08月02日(土) 京都大学・芦生研究林
今年6月に「芦生地域有害鳥獣対策協議会」の「知ろう、守ろう芦生の森」の植生調査区 画の植生調査をしてから2ヶ月が経った今日8月2日(土)は継続調査の日である。 近畿中部南部は朝から雨予報。家を出る7時には雨が降っていた。芦生の方は曇り予報。 雨だと植生観察と記帳に苦労するが、暑さに弱い我々夫婦には曇りくらいがありがたい。 いつものように吉野屋で朝食をとり、ファミマで昼食の買い物とコーヒータイム。 |
美山のかやぶきの里(8:40am)では、1軒が数名の男性でカヤの吹き替え作業中だった。 いつものように、少し散歩してから芦生に向かった。 9:30 芦生研究林の指定駐車場に車を停めて講義棟で受付をした。 今日の班分けを見ると僕は1班、MICKEYとTさん達は2班。 Fさん、ふぉれすとさんは3班。Hさんは4班。 参加者リストの参加回数を見ると、僕とHさんが最多回数参加者になっていた。 今日ヘルプで来て下さる予定だったUさんは僕と3班だったが、急用で欠席だった。残念。 今回の参加者はボランティア24名、そして京大生も2名参加とのこと。 そして、京都大学と研究林の先生方が3名、南丹振興局から1名、南丹市から6名。 研究林事務所前から、バスと南丹市の公用車で地蔵峠へ向かう。 |
11:00 地蔵峠から、各班ごとに調査用の荷物を持ち、枕谷への調査区へと向かう。 途中で、毎回説明のあるクマはぎの木の説明を受ける。年を経るごとに、クマはぎあとが どう色が変わるかも毎年見ていると観察できる。また別の所のくまはぎの所も観察。 |
11:15 枕谷調査区。今回は調査区内のブナの実生調査と、出現種および被覆度の調査。 8月は春先や秋とは違い、沢山の草本が繁茂し成長しており出現種とその被覆度を暑い中 で草をかき分けつつ記録するのはなかなか大変だが、これも3年目になると、毎年の反省 により串の準備の仕方の工夫や、以前の記録種の写真の事前配布、稚樹の位置のプロット 図などがあるために、1年目、2年目、3年目と実施回数ごとにどんどん作業がスムーズに なり効率よくすすんでいる。これも1年目や2年目にいろいろ経験したからこそである。 |
6人ずつ4班に分かれ、さらに3人が1セット(1人が記録、2人が調査)となるはずが、 急用で来られなくなった方が3名いたので、要員構成を一部変更。 MICKEYの2班に研究林長が入られた。 僕の1班では、Mさんと僕が二手に分かれ、僕は2回目参加の女子大学生のEさんと 初参加の京都のSさんとの3人でチームを組んだ。 |
初参加のSさんに調査区の説明や位置の見方、出現種の見方などを説明し、調査経験を 体感体験していただけるように、EさんとSさんに調査してもらいつつ、僕がヘルプ役で 出現種や被覆度の記録をすることにした。 3年目になると周囲にも顔見知りの方も多くなり、気を遣うこともなく、先生方にもあれ これ気軽に聞けてテキパキと作業が進む。 |
ブナはほとんど枯れておらなかったが、イワヒメワラビや他の草本での被覆でブナ稚樹の 成長に差があるのも興味深い。 出現種には風散布や鳥散布などで毎年変動があり、1,2班のネット内に繁茂している タニウツギなどに被陰されて影響を受けているブナの稚樹もある。 昼からは午前に残った部分の調査。1班は午前に終わっていたのでゆっくり学生さん2人と SさんやNさん、研究林長と歓談。T先生からみんなに差し入れのお菓子を頂いた。 T先生から「芦生も猟師さん達のなみなみならないご協力で、シカがだいぶ少なくなった。 去年と今年6月までで40頭を獲った。植生回復を、柵内、柵外、イワヒメワラビの強制 排除区、放置区等の様々なパターンを設定して調査しているのであるが、これからの森の 再生や再生する方法、保護区画の整備へのヒントがとても多く含まれている、他に類を見 ない貴重な継続調査である」とのお話しがあった。 |
14:20 地蔵峠から長治谷作業所へとバスにて移動し、ミニ講義。 以前は鳥の巣もできるくらいになった長治谷作業所前のススキの原っぱ。そこに鹿柵を作 られている作業真っ最中の所を見学をする。Y先生の実験地で、シカを排除して植生が回 復した柵内にシカを入れた場合、どれほどの植物が食べられるか等を調べられるとのこと。 |
その鹿柵の外側に「熊の糞」があった。種が沢山含まれている糞だ。「ウワミズザクラの 種子ではないかな」とFさん。このあとFさんはこの前のテントサイトで1泊される。 糞があるということは、このテントサイト前にも熊が出没しているということであるが・・・。 |
15:20 今日の植生調査活動は終了し、芦生研究林事務所前へとバスで戻った。 地元のWさんから今日の締めくくりのお言葉を頂き、解散。 |
僕らはいつものように美山町自然文化村に行き、汗を流す。夏休みで子連れのファミリー キャンパーが多くて河鹿荘の風呂も大混雑の様子で、MICKEYは「パスする」という。 僕だけ汗を流すことにして、いつもの「かえで御膳」と「鹿カツ」をたべて帰路についた。 今日、同じ班で調査に頑張った学生さんのEさんのお母さんにご挨拶しようと思ったが、 もう、ここ文化村から帰宅されたあとだった。 朝と違い、かやぶきの里は観光バスが数台と乗用車も沢山あり、すごい人だった。 帰路でもファミマでコーヒータイムをとり、車中で少し仮眠してからのんびりと帰った。 道路の気温標示は26度。雨にもあわず、それほど暑くもなく夏の調査日としては良かった。 仕事でストレスが貯まり、精神的にもしんどい日々が続いていたが、やはり芦生の森は いつも疲れた心身ともに癒してくれる。本当にこの森を大切にしたいものだ。 |
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