【神戸】冬芽観察会と七草がゆと再度山


【日 程】2014年2月9日(日曜日)
【山 域】神戸市立森林植物園・再度山
【コース】①神戸市立森林植物園
     ②再度公園-再度山(ふたたびさん)-大龍寺-再度公園
【メンバー】矢問、MICKEY  
 今日は10時から神戸市立森林植物園で冬芽観察会がある。家を8時過ぎに出た。
宝塚から裏六甲の県道51号線で有馬を経由して行くのだが、ここ数日の積雪で船坂から
有馬付近の降雪は、家の屋根を見ると50cmは超えたようで冬支度のない大阪やなにわナ
ンバーの普通車やトラックが車道上に乗り捨ててある。よって対向車線を走る部分もある。

今朝の雪道も走り抜けられない車が続出。4WD車なので慎重になんとか通過できた。
森林植物園の手前で大型トラックが横に向いて両方の道を塞いでいる。何度も脱出しよう
とアクセルをふかすがタイヤが雪でスリップして空回りが続く。10分ほど何度か勢いを
つけて脱出し道が開いたので進めた。その大型トラックは勢いを付けた時に電柱に擦れて
しまい、電信柱上部の足場鉄が荷台アルミ横にぐさりと入り20cmほど破損していた。
   
①【冬芽観察会と七草がゆ】
9時半に受付を済ませて資料を頂く。事前申込みは70人限定だが85人を超えたらしい。
しかし、この積雪と今朝の道では来られない人も続出で、8~10人ずつ4班になった。
「11時半にはお楽しみの「七草がゆ」を始めるので各班ともここに戻るように」とのこと。
僕とMICKEYは丸レンズ眼鏡のK先生の班となった。

すぐそばのメタセコイアの対生の冬芽を見て、常緑のセコイアメスギの樹皮の働きを学ぶ。
ネムノキ(マメ科)は陰芽なので、芽が出るのが遅い。ハクウンボクの複芽の観察。
イロハモミジやチドリノキのようなカエデ科の冬芽は対生で準備されていた。
   
葉の落ちた時期の木の名前は難しい。冬芽の各部分の名前、冬芽の7タイプ、対生や互生
などの芽の付き方、その形状、葉痕や芽鱗痕の特徴を学べば葉のない頃でも木がわかる。

葉痕の観察では「さる」のヤシャブシ、カラスザンショウ、「三蔵法師」のガマズミ、
「こうもり」のニセアカシア、「ピエロ」のキハダ、「ひつじ」のオニグルミなどの葉痕を
いつくか見て学んだ。イチョウの芽鱗痕の特徴や芽鱗痕での年数の見方も学べた。

冬芽では「春に伸びる芽が裸のまま」のアジサイ、クサギ、クマノミズキ、アカメガシワ、
ムラサキシキブ、「1枚から数枚の大きな皮にすっぽりつつまれている」スズカケノキ、
ユリノキ、タムシバ(葉芽)、ホオノキ、「何枚ものウロコのような」サクラ、ブナ、クマ
シデ、コナラ、「ふかふかとして毛皮のようなものを着ている」ハクモクレン、コブシ、
シデコブシ、「冬芽にねばねばした液におおわれている」トチノキ、「ねんねこの防寒
コートで赤ちゃんを包んでいる」
エゴノキ、ハクウンボク、「2つの芽が仲良く並ぶ」
イロハモミジ、カツラ、オオカメノキ等々の7タイプの冬芽を観察。

冬芽のピンチヒッターの主芽と副芽は、鳥が主芽を食べても副芽がピンチヒッターになる。

冬になっても葉を落とさないヤマコウバシもあった。黄褐色に紅葉し、葉の一部は落とす
ものの、かなりの葉は枝に付いたままで冬越しするのでこの葉は「受験のお守り」なにる。
クスノキ科なので、葉を揉むと芳香があるためについた名が「山香ばし」

その他の木々や花のこともK先生から丁寧に説明を受けていろいろ学ぶことが出来た。
早春に展開するモクレンの冬芽は、南からの日光を浴びて、南側が早く膨らんで成長する。
それにともない先端が北を指す
このよう
に方向を知ることができる植物を方向指示植物(コンパスプランツ)という。
山の中での方角を知る目安になる。(ただし、反射光がある場合は一概には言えない)
   
   
さて、七草がゆをいただく。
今年も1月に家で食べたが、本当は旧暦正月の初子(ね)の日、つまり7日なので、正しくは
今年なら2月6日が七草がゆの日に該当する。今日の方が近い日といえる。

七草の古今集の歌や、七草粥の意味、春の七草が地方によって違うこと、本家といわれる
京都の「七野の七草」の説明や、七草を鉢植えにされている本物の七草を見つつわかりや
すく説明を受けた。
   
しかし、簡単には七草がゆを頂けないのが、この観察会。昔の風習も全員が体験する。
七草を7日の朝、または6日の夜に調理するときに七草たたき(七草ばやし)をする風習の
実践がある。柳のまな板の上に七草を載せて、右手にヒバシと包丁、左手にしゃもじと
すりこぎを握り、まな板をトトトン、トトトンと7回ずつ7度合計49回たたきながら刻む。

「ななくさなずな~、唐土(とうど)の鳥が~、日本の土地に~渡らぬ先に~ストトン
トトトン ストトントンと たたきなせえ~♪」
と大声で歌いながらたたきながら刻むのだ。
神戸新聞などの人も来ていた。「記事になるのかしら」とMICKEY。

この七草タタキのナズナ打ちの「七草ばやし」はもともと鳥追いの歌で、年の初めに
唐土(中国方面)からやってくる、作物を害する敵(鳥)を追い払って豊作を祈る行事が
七草と一緒になったのだと言う。この歌詞は青森や和歌山など地方によっては少し違う。

森林公園の女性スタッフさん達が大きなお釜2つに沢山の七草がゆを用意して下さった。
地元の人などからのたくあんや白菜などのお漬け物も沢山あった。温まるし美味しい!
「おかわりは3杯でも4杯でもどうぞ~」との女性の声に甘えて何度もおかわりした。
僕もMICKEYもお腹が一杯になった。「スタッフの皆さん、ありがとうございました!」
13時過ぎに解散となった。

「近くの再度山にでも行ってから帰ろう」 

②【再度山】
観察会の解散後に、森林公園の西口から出て再度山に行くつもりで積雪の園内を西口近く
まで歩いたが、森林公園の駐車場が閉まる5時までにここから往復して戻れるかが、微妙
な時間になった・・・・。
車で再度公園まで行って、そこから短時間で登ることにした。
   
13:35
再度公園駐車場に車を置いて修法ヶ原池(しおがはらいけ)の前まで寄り道。
池沿いにはバードウォッチングの人がちらほら。この付近は永久植生保存地でもある。

再度越えを大竜寺方面へとしばらく登り、左手に七十七号と刻まれた石柱(明治33年・
神戸市界)のある所から東へと登る。岩場や雪があり滑りやすい所もある。
   
13:55
再度山470mに着いた。公園からだとたった20分。測量基準点にタッチ。
弘法大師が「再び訪れた山」らしい。
展望はほとんど無い山頂だが、海の方がかすかに見える。
   
   
南へと大龍寺に向けて下る。細い踏み跡に雪があり、滑りやすいので慎重に下る。
赤い字で「天狗」と書かれた天狗岩があり、その右上に弘法大師が自作されたといわれて
いる「亀の石」がある。天狗岩の横を登ってみると、左下に顔を彫った岩があり、右の岩の
先に「亀の石」。甲羅に雪が乗っていた。
   
   
14:05
貴姫大明神を過ぎると寄進された祠が続く。
ここが奥の院らしい。そこからさらに下っていく。
祠は続く。地震で崩れたのか、バラバラになっている祠もある。
   
   
14:20
大龍寺。「ぼけ封じ近畿十楽観音霊場」の1つ。「第八番 再度山 大龍寺」である。
摂津国八十二番霊場、近畿三十六不動尊 第九番霊場、摂津西国第六番札所でもある。
「ボケ封じ、しっかりお参りをしよう」と二人して家族のことも祈った。
左手には「ぼけなし観音」もある。
JKC神戸の「愛犬の霊位」の塔もあったので、亡愛犬を想いつつ手を合わせた。

鳥居をくぐり下って行くと、伏見稲荷のように寄進された鳥居がずっと続く。
「寺なのに鳥居が続くのはなぜだろう」
   
   
   
仁王門を出て右手に「名木・椎の森」の看板があり、少し下ると左手にはヒヨコ登山会の
金剛山の山頂のような採点表の名簿、右手には「毎日登山・壹万回塔」がある。
善助茶屋跡には「毎日登山発祥の地」の記念石碑がある。
ここが全国でも多くある「毎日登山」の発祥の地とも言われ地元の人にも愛されている。
「大龍寺までは登っても、再度山までは毎日は登っていない感じがするなぁ」と僕。

14:55
公園駐車場に到着。親子連れの子供達が雪遊びをしている。
帰路も県道51号線で有馬から宝塚へと走った。朝より雪はとけてマシにはなっていたが、
ノーマルタイヤの車は立ち往生。ガードレールに乗り上げてレッカーに頼っていた車や、
下りカーブが曲がりきれずガードレールに激突していた軽自動車など悲惨な光景もあった。
朝と同じく車線上にそのまま乗り捨てある車もあったので、対向車線を走るため危険。

16時半に帰宅し、雪道で汚れた車を洗った。手が冷たかった・・・。
 本日の楽ちんお散歩登山ルート
 
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