【但馬】黄葉まではあと少し先の氷ノ山


【行き先】 氷ノ山(鳥取県側から登る)
【日 時】 2014年10月4日(土)
【メンバー】MICKEY・矢問 
【コース】 鳥取県若桜・自然探勝路-リフト中間駅-三の丸(1464m)
      -氷ノ山頂上(1510m)-甑岩-氷ノ山越え
      -町道・登山口-「氷山命水」の小屋-駐車場 
昨年9月、久々に木曽御嶽山にMICKEYと登り、今年も今月初めに別のルートで登る予定
にしていたが、先週末に火山噴火が起こった為、御嶽山へ行く予定を急遽中止にした。

紅葉・黄葉にはまだ早いが、去年2月に歩いた積雪時の氷ノ山ルートを雪の無い今、歩い
てみることにした。台風18号が2日後に近畿に近づくが、今日は夕方まで「晴れ」の予報。

朝4時前に家を出た。星が沢山輝いている。「いまのところは予報通りだな」
中国道の加西SAで朝食。山崎ICを下りると、晴れ予報のはずがどんより曇り。
戸倉トンネルあたりから霧雨が時々降り出す。「天気予報はハズレかな?」いやな予感。
MICKEYは助手席でぐっすり眠っている。気温は14℃と出ている。風が強い。

7:00
冬に駐めた駐車場(スキーシーズンは1日600円だったが今は無料?)に着いて、まず
少し下りトイレへ。そして去年2月にリフトに乗った地点や切符売り場の今を見に行った。
   
リフトはこの時期当然動いていないので、アルパインヒュッテの先に続く自然探勝路を
利用してリフト中間駅、そしてリフトトップ駅へと向かうために、アルパインヒュッテの
方へと向かう。

朝一番にこの坂を登るのはちょっとしんどい。ヒュッテまで車を乗ってきてスタートして
も良いとも思う。ヒュッテの先には畑もありイチゴや野菜が作られていた。
周辺の草本類のああでもない、こうでもないと観察をしながらのんびりと進む。
ミゾソバやイヌタデの花が沢山咲いている。白いウメバチソウの花も可憐に咲いている。
道標があり、僕らは高天原方面へと向かう。
ススキの原を3m幅くらいに刈って整備されており歩きやすい。
   
   
植林帯に入るところに「ニホンジカを捕獲しています」という地図と写真がある。
この辺りも芦生と同じく鹿害で林床の植生はどんどん無くなり、サンカヨウなども減って
きているという。  ( この辺りの鹿害の参照ページ その1 その2 )

踏み跡のような斜面を進むが、どうも自然探勝路とは言えない。じっと周囲を観察。
「あっ、10mほど下にしっかりした自然探勝路が見える!」下って軌道修正。
「整備された道はここにあったのね」とMICKEY。樹林帯に入るときには気づかなかった。
   
   
ワサビ谷の方へと道は下って行く。苔むした石が多々あり、大径木も多くて良い雰囲気。
「苔の多い所は今日みたいなガスっぽい日が湿気もあって苔の色も鮮やかに見えるね」
「こういう湿り気のある環境の岩肌にはダイモンジソウとかジンジソウが自生していそう
だが」と僕。斜面を見ると「やはり!あったよ!」。岩陰にジンジソウが咲いていた。
   
   
   
8:05
展望台。「今日は曇り気味だし薄ガスがでていてパッとしないね」とMICKEY。「同感」
ここからも大径木が点在する。「立派な老木達だな。」
   
   
   
8:25
リフト中間駅。「なつかしい~。去年の雪の時にここでリフトを乗り継いだね」とMICKEY。

「おはようございます」降雪前に男性が5~6名、スキーコースの草刈りをされている。
下の切符売り場からこの中間駅までは終わっており、このあとトップ駅までされるようだ。
「早いね~。三ノ丸を通って山頂までは遠いよ。気をつけて行っておいで」と笑顔で送っ
て下さった。「ありがとうございます。山歩きを楽しんで来ます」と僕たち。

「こんな所に丸太の急階段があったのね」とMICKEY。MICKEYはどんどんと先に行く。
僕は休み休み後ろの景色を振り返りながら登って行く。
「着いたよ~」と上からMICKEYの声。僕はヒーヒー言いながらまだ登っている。
   
   
8:40
リフトトップ駅。去年2月のここの光景は目に焼き付いている二人。
雪壁のところでスノーシューをつけてここからの急登をラッセルしながら登った。
無雪期の今は丸太階段を登るのでラッセルが無い分、楽だ。

きつい風は笹原で弱められるもとても冷たいが、登りの暑さが苦手な二人には「丁度良い」。
きつい登りが終わりなだらかになると、背丈より高い両側のチシマザザが強風を遮って
くれて風力は気にならず歩きやすいが、登りの体のほてりは無くなり寒くなってきたので
上着と雨具の上を着た。三ノ丸の展望東屋が見えてきた。
   
9:30
三ノ丸避難小屋。
針金のドア締めをあけて中に入りしばし行動食を少し食べつつ休憩。
緊急用のペットボトル水なども置いてある。記録を読むと利用している登山者もいる。
小屋の記録簿に休息したことを記して出発。
   
   
   
時々、一瞬だけ青空が出たり薄日がさしたりするも、ガスがすっきりと晴れてくれない。
三ノ丸の展望所あたりからの景色が好きなのだが、今日は全くダメ。
「今日は絶対に晴れないよ」とMICKEY。「晴天予報は完全にはずれだよな」と僕。
ぬかるみの辺りは新しい木道がつけられ、土が流れてしまっていた丸太階段には、その横
から土をとり「盛り土」をして歩きやすく整備されていた。整備写真も木に付いていた。
苔の色が鮮やかで、苔や周囲の木々も観察しながら歩く。
今日は「どんぐり」「カエデ」「樹皮」「シダ」「苔」の参考図書もザックに入れてきた。 
   
「山頂まで登山者には一度も会わなかったね」とMICKEY。「他の短いルートで山頂に
登っている人は沢山いると思うよ。僕らと同じく晴天の天気予報につられて」と僕。
   
10:40
氷ノ山 山頂についた。無雪期だけに、去年の2月より2時間ほど早く到着できた。
外には1人。小屋前でハンディー無線局がガスと風の中で元気にCQを出していた。
小屋に入ると6名ほどが食事や休憩をされていた。僕らも行動食をとり休憩した。

無線機FT1DでAPRSを発信しようとするとアンテナがない。「家に忘れてきた・・」
MICKEYの無線機のアンテナを借りて発信した。
 
携帯電話の電源を入れてみた。アンテナが1~2本立ったり消えたりしているのを見てい
ると突然電話が鳴り出した。「月曜日の台風時の朝の業務をどうすべきか指示を出して
欲しい」と職場からだった。人事異動してまだ1ヶ月の職場。判断と決断が難しい事態だ。
電波状況も悪かったので「今、山の上なので下山して再度夕刻電話をする」と切った。
   
11:10
下山開始。ガスもまだ晴れないので甑岩に登っても仕方ない。通常の登山道で下る。
時間が無かったり天候が悪化したら仙谷ルートで戻る予定だったが、このまま氷ノ越まで
行き、雪の頃に下ったルート沿いの旧伊勢道を下り「氷山命水」の所へ出ることにした。

こんなパッとしないガスッぽい天気なのに、2~3人のパーティーや、小学生の子供連れ
ファミリーなど4~5組登って来る。このルートは昨夜の雨水でぬかるんでいたり石や木
の根なども濡れて滑りやすい所もある。「雪の頃の方がここは歩きやすいね」とMICKEY。

とうとうガスだけでなく、霧雨が降り出したではないか。天気予報は大ハズレとなった。
大した霧雨ではないので雨具の上でだけ着た。風に揺れて木の葉の雨水が落ちてくる。
   
   
12:00
氷ノ越。小屋の中をのぞくと、数名の男女が食事中。
「こんにちは」と挨拶だけして出てドアを閉め、外の説明板を読んでいたら、「まだ入れ
ますよ」と親切に若い女性が言いに出てきてくれた。
「いえいえ中をのぞいただけで、すぐ下ります。ありがとうございます」とお礼を言った。
   
   
去年の冬には南西方向に直線的に下ったが、無雪期は笹や木々があるのでそうはいかない。
旧伊勢道を下って行く。キノコがあちらこちらに出ていたり苔の色が実に美しい。

ご夫妻が登って来た。
「上も晴れてませんよね。もうやめようかな」と言いつつ霧雨の中を登って行かれた。
   
   
 
 昨年2月の「氷山命水」の小屋
天気も良くないし展望所への道は行かずにそのまま下る。次のキャンプ場登山口と、町道
登山口との分岐では「氷山命水」へ行きたいので町道方面に下る。
古い倒木にはスギヒラタケなどキノコ類も多く出ていて、あっちを見たりこっちを見たり。

細かい石が固まった「さざれ石」はごつごつした岩。天照大神が腰掛けされたとされる。
「黒い導水パイプが斜面奥に見えるよ」とMICKEY。「きっと、氷山命水への導水パイプだと
思うよ」と僕。途中に水量調整バルブもついていた。

12:45
県道に出た。雪の頃のルートでは途中で広い雪原に出たが、旧伊勢道はそのルートの南側
の樹林帯を下るのだった。「氷山命水」の小屋が見えた。少し戻る。
雪で埋もれていたところには水飲み場があった。小屋には説明書きがあり読んでいると、
人の気配が感じられなかった小屋の中から男性が出てきた。
   
男性はこの小屋と水を管理され毎日ここまで歩いて来られる「水守」のKさん85歳。
水を引いたご苦労やその水質検査のこと、周囲の有名な杉やトチやキャラボクの大径木を
発見したときのこと等をKさんが撮られた写真をもとにいろいろとお話しを伺えた。
雪の頃のオススメルートも教えて下さり、そしてまた来るときはここに電話して下さいと
Kさんから名刺を頂いた。その名刺にも「水守」と記されていた。

「お元気でいてくださいね。またお会いしましょう」と僕たち。(HPに写真掲載も許可頂いた)
「気をつけて帰りなさいよ。また是非来て下さいね」とKさん。
振り返って見ると、曲がり角で僕らが見えなくなるまでずっと僕らを見送って下さっていた。
   
のんびりと旧道をアルパインヒュッテの方へと歩いた。
紫色のツリフネソウや、黄色いオタカラコウの花があちらこちらに咲いている。
途中には今は営業していそうもない「峠茶屋」があった。いけすもある。
斜面には「なぜ今頃咲いてるの?」と思うような、白や紫のアジサイの花も咲いている。

13:30
駐車場についた。
積雪期より3時間早い到着。「去年の雪の時はヘロヘロになったけど、やっぱり無雪期は
だんぜん楽よね。全然しんどくないわ」とMICKEY。 
 
 若狭ゆはら温泉「ふれあいの湯」
 「地元にお金を落としましょう」と去年同様に、若狭ゆはら温泉「ふれあいの湯」へ。
洗い場は5つしかない小さな地元温泉。料金も400円と安いのに、今年からモンベル会
員は半額になるとのことで、200円とさらに安く利用できた。
しかも今日はたった2人とがら空き。

「あ~、さっぱりした」と帰路へ。気温は19℃。朝より5℃上がっていた。
   
   
   
   
職場へ月曜日の指示の電話をしてから高速へ。今日は渋滞も無く道路も空いていた。
加西SAの近くで、車載無線機FTM350AのAPRS画面にやまあそさんのコールサインが
表示され、距離は22kmと出たので430FMでコール。やまあそ号とうまくつながり交信した。
中国道を走るにつれて明るい曇り空になり、今頃薄青空も出始めた。
「なんてこった・・・朝から昼間は晴れで夕方からは下り坂の予報は大ハズレだな」

宝塚で高速から下りて、早めの夕食をとった。
TSUTAYAにCDを返却しに寄ってから、ガソリンを入れて18時半帰宅完了。

天気予報には見事に外れられたが、去年の2月の雪の頃に歩いたルートを、無雪期に冷た
い風を受けながら涼しく再度歩けて気分転換もできて良かった。
黄葉はあと少し先のお楽しみ。過去の自分のレポでは毎年10月最終週あたりが綺麗だ。

歩数計の表示は、3,472kcal消費、21,615歩、17km、燃焼脂肪 75.8g。
 本日のルート (紺色線)
 
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