【箕面】箕面国有林の間伐作業で「きこりになる!」
【場 所】 箕面の勝尾寺園地の箕面国有林 【日 時】 2014年12月7日(日) 【メンバー】大阪森林インストラクター会所属関係者等14名 |
11月26日の夕刻に歩行中、前方から来た右折車に突っ込まれて交通事故に遭遇。 右下腿を強打してボンネットに乗り上げた後、道路に転落。幸い頭を打たなかったが、右膝の 捻挫と右下腿の打撲は骨折寸前でセーフ。痛みは日に日に増強しつつも10日間を過ぎて からは、登山は当然ながら無理でも平地は少しの痛みのみで歩けるようになった。 上半身は元気そのものなので、歩行リハビリも兼ねて、FIO(大阪森林インストラクター会)の オフ会「きこりになる!」に参加させて頂くことにした。間伐経験を積んでおくと、自分の住まい する近場の里山保全活動の時にも知識と経験は役立つ。 色々な山で登山をして楽しませて貰っているが、山が荒れてきていて災害にもつながっている。 自分の出来る無理の無い範囲で、山に少しばかりの恩返しをしてもバチは当たらないだろう。 場所は箕面の勝尾寺園地の奥の箕面国有林270林班そ小班ほかの間伐作業である。 このあたりも散策路が沢山あるので、ハイカーは多い。 |
10時前に勝尾寺園地の駐車場に集合。「おはようございます」と顔見知りの方々。 事務局のKさんと握手。 今日の指導者はFIO会長のIさん他7名、そして参加者は女性2名を含む僕たち7名。 4種類の資料や林地地図を頂き、ヘルメットをかぶってノコギリを腰に付ける。 Aさんから今日のスケジュール説明のあと、I会長の準備体操で体を温めてから、間伐の 意味や方法の知識の復習。特に安全管理について何度も立ち位置などの注意事項が繰り 返された。交通事故の数十倍も、死亡事故はじめ林業事故は発生している。 受け口と追い口、そしてその注意点の説明等、再確認のあと、周囲に見える樹木の1本の 「樹高」をみんなで目視し、10m計で「約22m」とみんなの目を合わせておく。 |
まず尾根筋に入った。ここはヒノキの植林帯。10mのマス目をメジャーで作り、その中 にあるヒノキの胸高直径を記録し、区画内目標本数を計算し、どれを間伐するかを決める。 胸高直径を計る折りたたみできる器具を使って計る。「こうして計るのか」と理解出来た。 間伐する木の要件としては、曲がっている、細い、病気などを見極めて対象木を決める。 立ち枯れ木は放置する。 |
間伐の手本としてヒノキを1本、みんなで間伐する。 倒す方向を検討し見極めて、受け口と追い口を木材チョークで記入。 倒す方向に引っかかりそうな木があるため、角度をつけて倒すべくロープを準備してから、 まず受け口を切る。ヒノキはなかなか堅くてのこぎりが進まない。 「う~、腕がだるい」と数名交代しつつ進める。追い口を切って、くさび打ち。 なかなか倒れない。ロープで引きつつ何度が試すと倒れたものの、1本の立木の枝に引っ かかってしまい、そこからがまた大変。方向替えにもう1本ロープをかけて綱引き開始。 すると、また隣の立木に引っかかり、全員で綱引き開始。「倒れた~!!」 年輪を数えると約60年。 |
手本の間伐でスムーズに行く予定が、うまくいかない場合の対処法として、これはこれで 勉強になった。最初の倒す方向の見極めがどれほど大事かがよくわかった事例となった。 昼食後に、3つの班に分かれて間伐開始。僕らは3班。斜面を下りスギの植林帯へ。 あれこれと選別し、間伐木を決めて実施。ヒノキに比べると切り進めるのが楽だ。 倒すときに、重心の見極めが少し違ったのか、少し方向がずれて倒れた。 倒してからも玉積みしてずれ落ちないように玉積みすべく、3~4m位に切っていく。 これがまた腕にこたえて疲れる作業。林業を本業としている方々のご苦労がわかる。 |
間伐の予定時間を終えて、広場の集合場所へ。ヘルメットとのこぎり等の道具の手入れ。 Nさんによるロープワークの学習会。今日は4つを確実に覚えることとのこと。 8の字結び(Bowline Knot)、本結び(Reef Knot)、舫い(もやい)結び(Bowline Knot)、巻き 結び(Clove Hitch)の4つが今日の課題。 登山や沢登りをしているおかげで、これらは身についていて助かった。 初めてする人たちは苦労されていた。やはりこういうロープワークは、必要場面で何度も 使わないとなかなか身につかないものだ。 |
最後にシンボルツリーの樹高のはかり方を直角三角形の定規で実習。 同じ木を見ても5m位の差で2グループに分かれるくらいに樹高目測値が違った。 トランシットコンパスを使って答えを求めようとしたが、これも答えがうまく出ずに宿題と なった。 体が冷えて寒くなったら、ヒノキの間伐材を輪切りにすべくノコギリ作業をして後日使用される クラフト材料造りで体を温める。体も温まるものの、なかなか腕も疲れる。 今日の予定通り、15時30分に解散となった。 「FIOのみなさん、ありがとうございました!」と挨拶して、車へと向かう。 日なたに出ていない限り、今日の作業時間以外は下半身がとても冷え込んで寒かった。 せっかくトイレがあるのに、男女トイレ、車いすトイレも水が流れず、故障していて、 僕たち以外のハイキンググループも、トイレにとても困った1日だった。 帰路では車内のヒーターを最強にして体を温めつつ帰宅し、すぐに風呂に飛び込んだ。 |
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