【但馬】花回廊の御祓山に登るなら「今でしょ!」
【日 程】2014年4月19日(土曜日) 【山 域】兵庫県養父市大屋町 御祓山(773.1m) 【コース】①糸原・登山口-北尾根コース-みづめ桜-御祓山 ②樽見の大ザクラ ③加保坂のミズバショウ公園 【メンバー】MICKEY・矢問 |
「コバノミツバツツジの群生地に行きたい」と長びいた風邪がやっと治ったMICKEY。 兵庫の山では御祓山がコバノミツバツツジの群生している山として良く知られている。 明日、日曜日は天気が崩れるらしい。今なら巨木のみづめ桜もまだ咲いているに違いない。 朝4時過ぎに家を出て舞鶴道の西紀SAで朝食をとり、北近畿道を走り大屋町糸原へ。 |
6:35 大屋町糸原の登山口にはまだ1台の姫路ナンバーの車のみ。気温は5℃。やや寒い。 左手には桜の花が咲き、右手にはヤマブキの黄色い花が斜面に咲いている。 登山者のためにと、すごく沢山のスキーストックが置いてある。 杉の植林帯をしばらく歩く。ほだ木のような長さに綺麗に切られていてる丸太は苔むして いてあちらこちらにある。昔は椎茸栽培がされていたのだろうか。 右手にミツマタの花が沢山咲いている。左手にも咲いている。 東屋の手前、右手に「通行禁止」の古い説明板。下山ルートに使おうと思っていた南側 の尾根の登山道が崩れたり荒れているようで未整備のため通行を禁止しているようだ。 「僕らならいけると思うが、また上で考えよう」 「ピィー」と、牝鹿が警戒音を鳴らして斜面を駆け上がっていった。 |
6:45 東屋。この横の桜はもう散って地面が桜の花びらで埋め尽くされている。 ここから登り開始。コバノミツバツツジが満開の時期だ。その数は半端じゃない!!。 「す、スゴイ量で圧巻!綺麗」と声を出しっ放しのMICKEY。 |
もう終わるかもう終わるかと思いきや、コバノミツバツツジの花が続くすごい群生地。 流石に「花の回廊の森」といわれるだけある。御祓山に登るなら「今でしょ!」。 所々に「みづめ桜まで○○m」という道標や札があるが、その両者は全く一致しない距離 表示。所々分岐があるが、斜面が崩れた際に新しい登山道が作られている感じがする。 地元の方達の整備がこの群生地を守っているのだと思うとありがたいと思う。 |
下部では終わりかけていた馬酔木の花が、上に登るにつれてまだ沢山咲いている。 白い馬酔木と赤いミツバツツジのコラボの道が続く。上の方はヤマザクラもまだ花がつい ていて風が吹くと風に乗って桜吹雪が舞って、青空に映えなんとも言えない良い感じだ。 一旦、植林帯に下りそこを抜けると左手上にミズメ桜の巨木が見えてきた。 写真を撮ってる男性が見えた。あの姫路ナンバーの車の方だろうか。 |
7:35 みづめ桜。「おはようございます。早いですね」やはりあの姫路ナンバーの車の方だった。 「ちょっと葉がではじめているけど桜の花はしっかりまだ咲いていて良かった。写真を撮る には早朝がイイですね。お二人の登って来るのも撮っていました。お二人で撮ってあげ ましょう」とおっしゃって下さり、カメラを渡し撮って頂いた。 この桜はエドヒガン桜。樹齢600年、根回り21.5m、幹まわり5.3m、樹高21.5mの 立派な桜だ。「すごいよねぇ!。こんな斜面に良く耐えて!感動するわ」とMICKEY。 |
(よく行く能勢の妙見山の桜と同じ種類だ。ウチでも去年その妙見山の採種祭で採種し 指導を受けた通りに保管したものを、今年の2月にまいてこの春に20数本が発芽した。 妙見山にはエドヒガンの群生地があるが減ってきて、NPOの方達で植樹もされつつあり、 その活動地にこの4月11日(金)には、登山家の田部井淳子さんも見に来られていた。 2008年に妙見山で種を採取し育て、2011年に植樹したエドヒガンの花が6年かかりやっ と今年開花が見られた、というニュースもあった。) 「あっ、綺麗な羽の鳥がみづめ桜の樹洞のそばにいるわ!」とMICKEYが指さす。 綺麗なオレンジ色の羽を持つキビタキが老桜の枝間をチョンチョン飛び移っている。 「背中にも黄色い羽が見えたから夏鳥のキビタキに間違いない。」と僕。 「背中は黒かったよ。旅鳥のムギマキじゃないの」とMICKEY。じっと見つめつつも、よく 確認しようと、2人とも双眼鏡を出している間に飛び立ってしまった。「あちゃ~・・・」 それから下山までは双眼鏡を胸に下げて歩いていたが、再会せずだった。 |
男性とお別れして、僕たちは山頂へ向かう。ロープ場もあり埋設された黒いケーブルが ときどき顔を出している。登りはいつものごとくMICKEYが速い。どんどん先に行き、 MICKEYの姿は見えなくなった。僕は息が切れて、休み休み息を整えつつゆっくり行く。 左手にはアンテナ設備の残骸があった。 |
8:10 御祓山山頂(773.1m)。角が欠けてしばってある二等三角点が埋まっている。 木々が育ち展望は良くないが、赤松の間から、西に氷ノ山が見える。 「寒いからもう下りようよ。ミツバツツジの花をまた満喫したいし」とMICKEY。 「せっかく持って来たからコーヒータイムにしよう」とコーヒータイム&APRSを発信。 8:35 下山開始。 山頂から少し北に行き西へと進む西尾根も興味があるが今日は来た道を南下。 南の尾根ルートとの分岐手前で男性2人が登って来た。「おはようございます」 |
分岐で1本南の尾根へと進もうとすると「ここにも通行止めって書いてあるし、この山を 守っている地元の人の言うことは守った方がいいと思うけど」とさっさと元来たルートを 進むMICKEY。自然林の多い南の尾根ルートで下山するのを断念してピストンにした。 斜面の雑木の新緑も淡い緑色で綺麗になり始めている。とても鳥の声が多い。 双眼鏡で二人ともキョロキョロ見るが、新緑の葉が邪魔してはっきりと見えない。 氷ノ山や天滝が見えるビューボイントを過ぎるとみずめ桜のところ。 「また見に来たいね。この桜。長生きしてね」とMICKEY。 そこを過ぎると段々と登って来る人に会うことが増えてきた。しかし、男性単独ばかり。 「こんな綺麗な花盛りの山になぜ女性が来ないのかなぁ。絶対喜ぶのに」とMICKEY。 「まだ時間が早いからさ。9時とか10時から登り始める人が多いしねぇ」と僕。 ロープのある急斜面ではMICKEYが急に遅くなる。僕が先に下って行った。 |
コバノミツバツツジの咲き誇る辺りに来ると、下から段々と人が登って来るのがわかる。 女性の姿もちらほらと出始めた。5~10人ほどのグループも登って来るのが見える。 「やっぱり登山は早朝の人が少ない時間が静かだし、涼しいし、いいわ~♪」とMICKEY。 9:55 下山完了。駐車場には、朝の10倍の20台近くの車になっていた。「早朝にかぎるな」と僕。 今から登るという和歌山の男女のグループ。ここまで4時間かかってきたという。 ミツバツツジの群落も今が見頃で、みずめ桜も咲いていることを告げると喜んでおられた。 さて、今日のオプショナルツアーは、もう咲き終わっているが、来る途中にあった樽見の 大桜を見に行く。今登った御祓山のみづめ桜は樹齢600年と言われているが、樽見の 大ザクラは樹齢1000年と言われている兵庫県最大の老木桜。同じく長寿のエドヒガンだ。 |
10:20 樽見の桜への登山口。もう桜の時期が終わったからか、駐車場のトイレも施錠されている。 ここからは石垣の沢山ある登り。この辺りは養蚕が盛んだった昭和初期の桑畑なのだ。 10分ほどで樽見の大ザクラの所に着く。右手斜面にはミツマタの花が沢山咲いている。 |
樹高13.8m、幹回りは目通りで6.3m、根回り7m、樹冠の広がりは東西約14.4m、 南北21.1mにも及ぶと記してある。 平成9年から柱等で樹医等で治療保護し、また元気になってきたらしい。 休息小屋もあり、のんびりと休憩。この桜の周囲にも沢山の桜の木が植えられており、 今は花が終わり葉桜だが、今月初めくらいの花の満開時は素晴らしかっただろうと思う。 「昼には早いし、ここまで来たら加保坂の水芭蕉の自生地にも久々に寄ってみよう」と 今日のオプショナルツアーの第二弾は加保坂のミズバショウ公園にした。 4月下旬から5月上旬が加保坂のミズバショウの花期なのだ。 |
11:20 約20年ぶりの加保坂のミズバショウの自生地。 今は入園料は250円となり、駐車場も綺麗に整備され、木道等で保護されていた。 自生地としての南限は岐阜県の蛭ヶ野高原とされていたが、1975年に発見され、 ここが南西限となったところ。ミズバショウもザゼンソウも咲いていた。 遊歩道上には踏んでしまいそうなくらいタチツボスミレがあちらこちらに咲いている。 展望所からは、先ほど登った御祓山もそのむこうの須留ヶ峰もとてもよく見える。 (なんと、翌20日の朝日新聞朝刊に加保坂のミズバショウの記事が載っていた!) |
南へ車道を下りつつ「加保坂の硬玉(ヒスイ)の原石露頭」をみながら帰路についた。 「今日は寒いやら涼しいやらで汗もかかなかったので、温泉はパスしてこのまま帰ろう」 気温は朝より10℃上がって15℃になっていたが、風は冷たい。 帰路は、和田山のマクドナルドに寄り、新発売のアボガドバーガーでランチタイム。 そのあと北近畿道を氷上で下りて、先週山ネットのサポートで行った向山のふもとの バイエリッシャーホーフでいつも買う美味しいソーセージを数種買って地道で帰路に。 16時に帰宅し、黄砂やヒノキ花粉でザラザラになった車を洗車してワックスがけ。 気になっていた、デイゲームだった阪神タイガースは勝った! 花良し、試合良しで、バイエリッシャーホーフのソーセージがさらに美味い日となった! |
本日のルート |
この1つ前は【丹波】ヒカゲツツジ満開の向山・「山ネット」サポート山行」の記録です |