【淡路島】先山と諭鶴羽山と2つの水仙郷


★その1★
【日 程】2014年2月1日(土曜日)
【山 域】淡路島・先山
【コース】下内膳・四丁-丁石道-先山(せんざん)448m・千光寺
      (下山後に灘黒岩水仙郷でスイセン観賞)
【メンバー】矢問、MICKEY
今日は天気が良いので、13年ぶりに淡路島の2つの山と2つの水仙郷を楽しむべく、
家を4時半に出た。どちらの山も寺や神社まで車で行けるが、古い参道から徒歩で登る。

久々に明石海峡大橋を渡る。
1998年3月にはこの橋の開通に先駆けて実施されたブリッジウォークに、山ネットの視覚
障害の方達を息子や囲炉裏の山仲間と共にサポートして、徒歩で往復歩いたのを懐かしく
思い出す。

淡路SAで朝食をと考えていたが、下りのレストランは工事中で上り側に回り食事した。

洲本ICで下りて、先に先山(せんざん)へと向かう。まだ暗い。

13年前に常隆寺山に登って諭鶴羽山へと向かう時にも見た「淡路富士」が先山だ。
先山(せんざん)は「さきやま」とも読め、イザナギ、イザナミの二神が国生みを行った
ときに、最も先にこの山ができたという言い伝えがあり、それが山名となっているらしい。

今日は、南側の先山口のバス停から北へと登るのではなく西側の下内膳の集落から登る。
西側から高速道路の上を渡ったすぐ右手に2~3台停まれるスペースがあるが、さらに先の
「四丁」の丁石横に少し広くなった所があり、四台くらい停まれそうなので駐車した。 
   
   
6:45
うっすら明るくなったので、出発。鳥の声が多い。舗装路を一丁ほど行くと左の下内膳から
の道とぶつかり、その先に2台の車が停まっている。ここが車止め。
「四丁の所に置いておいて良かったね」とMICKEY。同感。

七丁からは舗装階段になっているが、段差が登るのにはとても楽な段差。
九丁の手前で土の道となる。7時過ぎに朝日が樹林の中にも差してきた。
地元の人が掃除されているのか、ほうきが置いてあり、落ち葉などは綺麗に掃かれている。
   
   
   
   
   
   
7:20
上内膳からの道との合流点。上内膳側を見ると鳥居と巨樹が見えた。ここから2分ほどで
十七丁の丁石があり、建物があった。「先山 東茶屋」とあったが、閉まっている。

階段を登ると「先山千光寺」。淡路四国八十八ヶ所の第1番霊場、淡路西国三十三ヵ所 
第1番霊場、淡路島十三仏 第1番霊場など、淡路島の庶民信仰の中心であるらしい。

右手に淡路十三仏霊場第一番の不動堂があり、お参りをして左手へ。
左手には庫裏があり、流石に一番札所で開いていた。
   
その先の階段を登っていくと展望所。
展望が利くように伸びた木の先を切ってしまっているのはどうかと思うが、このあと行く
諭鶴羽山も見える。遠望が少し霞んでいる。
ニュースで言ってた、中国の春節祭の爆竹等の大気汚染も影響しているのかもしれない。
展望所の後ろの石段を登る。地元の男性と思われる3人が下りて来られたのでご挨拶。
     
     
7:30
石段を登れば鮮やかな赤の仁王門が現れた。仁王門を守る仁王像は、運慶の作であるとも
いわれている。仁王門を入ると左手に「十八丁」の丁石。

右手には三重の塔があり、左手には白い鐘楼堂があり、その梵鐘は国の重要文化財らしい。
正面には本尊千手観音を安置した本堂がある。
   
「この狛犬、なんかおかしいよね・・・イノシシみたい・・・」とMICKEY。
「うん、ここの狛犬はイノシシだよ」と僕。

それには、こういう言い伝えがある「播州の狩人である忠太が為篠王(いざさおう)という
白い大猪に矢を放ち、追いかけたところ、大猪は矢を負ったまま海を渡って先山に逃げ、
大猪を追ってこの山に入った忠太が猪に矢を再び射掛けると、それは大猪ではなく、
実は千手千眼観世音菩薩様であって、その忠太は名を寂忍と改め、諸行を深く反省して
出家し、この山に七堂伽藍を建立し、この菩薩を安置した」という伝承があり、今も本堂
の前の鎮座しているのが狛犬ではなく猪であるらしい。
   
本堂の周囲をぐるりと回った。本堂の右手の一段高い所の木に「先山」と山頂プレートが
目についた。こんな所に、山頂札をぶら下げている登山者やハイカーがいるようだ。

本尊真言・千手千眼観世音菩薩を安置した本堂で「おんばざら たらまきりく」と唱えて
お参りするようで、MICKEYが拝んでいる。僕もそれに習った。

7:45
下山開始。再度、展望所で展望わ楽しんでから登って来た参道を下った。
地元の人らしい方達が5人ほど登って来た。みなさん、朝からお参りをされるようだ。

8:15
下山完了。この四丁のスペースは1台もなかったが、最初に車を置きかけた高速道路の
すぐ西側の花壇のあるふくらみには2台停まっていた。
 
 移動しつつ先山を見る
 千光寺・先山へのルート
 


次の諭鶴羽山を登る前に、9時開場の灘黒岩水仙郷が混まないうちに地道で向かうことに
した。

9:05
灘黒岩水仙郷に到着。
開場5分後なのに、第一駐車場には、僕の車とあと2台入れるのみだった(1人500円)。
9時10分には第一駐車場はすでに満車となり、長蛇の車列が道路に出来ていた。 

諭鶴羽山の斜面約7ヘクタールに、500万本のスイセンが自生する。約180年前に
海岸に流れ着いた球根を、猟師が植えたのが始まりらしい。この斜面の雨量や日照
条件に恵まれて株分けが自然に進んだという。
   
   
   
スイセンの群落 八重のスイセンの香りが抜群 
早朝は人が少ない内に写真を撮ろうというアマチュアカメラマンが来る時間なのだ。

青空と海とスイセンが素晴らしい。スイセンの香りもとても素晴らしい。
多くのスイセンの中に点在する八重のスイセンの香りがとても濃くて格別なのだ。

まだ散策路は空いている時間で、ゆっくり出来て、写真も人が邪魔にならず沢山撮れた。
「さて、諭鶴羽山に登ろう。」と僕。

★その2★
【日 程】2014年2月1日(土曜日)
【山 域】淡路島・諭鶴羽山(ゆづるはやま) 607.9m 淡路島最高峰
【コース】黒岩バス停上・古道登山口(表参道)-坊さま角-菊が店跡
     -柴折り地蔵-薬師堂跡-諭鶴羽神社-諭鶴羽山 山頂
      (下山後に立川水仙郷でスイセン観賞)
【メンバー】矢問、MICKEY
灘黒岩水仙郷でスイセンの香りに包まれて、とても気持ちが良かった。まだ昼には
早いので黒岩バス停の広場へと行くと、ここも灘黒岩水仙郷の臨時駐車場になっていた。
「登山なら上に4台くらい停まれるので行ってみて。満車ならここに来ればいいよ」と
誘導係のおじさん。「ありがとうございます」と車で登山口まで登って行くことにした。

13年前は諭鶴羽ダムの所に登山口がある諭鶴羽古道の「裏参道」から登ったので、
今日はその逆の「表参道」から登る。
   
   
9:50
「諭鶴羽古道入り口(表参道)」の看板横のカーブスペースには2台停まっていた。
まだ停まるスペースが残っていたので、僕も停めた。
灘黒岩水仙郷の第一駐車場といい、ここといい、駐車スペースには幸運な日だ。

表参道を登り始めると、スイセンの花もチラホラと咲いている。先ほど行った水仙群生地
である黒岩水仙郷の駐車場にも咲いていた黄色い花「ナルトサワギク」も沢山咲いている。

「沢山咲いて綺麗ね!これ、海岸線沿いの斜面にも沢山咲いていたよね。」とMICKEY。

「この花は、一年中咲いているので島の人も最初は好印象だったらしいけど、何といって
も草食動物にも有毒で、繁殖力はピカイチの外来種。1976年に徳島県鳴門市で確認され、
1986年には淡路島でも確認された外来植物で、主に淡路島南部で繁殖してて、特定外来
生物に指定されている
から、栽培は法律でも禁止されている花だよ。
名前も鳴門を頭にした「ナルトサワギク」という名前。淡路島にも四国にも紀伊半島にも
増えていて大阪南部にも広がっている在来植物を減らし生態系を崩す花で、抜き取って
ゴミに出すようにと行政も呼びかけているけど、すごい繁殖力で全国にも広がりつつある
やっかいな花。でも、在来種があった道路の法面を工事で削ってしまったり、平地でも
道路工事や建物の撤去で裸地になったところや土砂を山積みしている所に増えるので、
人間が在来種のあるところを裸地にしたり放置した所にはびこるので、ナルトサワギクが
在来種を駆逐したと一概に言うのはどうかと思うんだけどね・・・。
この勢いじゃセイタカアワダチソウのように裸地や道ばたにもっと広がると思うなぁ」と僕。 
ナルトサワギクの特徴
• キク科の一年生または多年生草本で、高さは30~70cm程度。
• 直径2~2.5cmの鮮黄色の花がほぼ一年中咲いている。花びらは通常13枚。
• 海辺の埋立地、裸地、空地、路傍、河川などに生育し、日当たりの良い場所を好む。
• 葉にアルカロイドを含むため、草食動物に対して有害。
• 入れない 捨てない 広げない/特定外来生物:3年以下の懲役、300万円以下の罰金 
 この山の名も先ほど登った先山と同じくイザナギ、イザナミの神によって諭鶴羽権現の名を
得たとか、ユズリハの木が山の中に多いからとか諸説があるらしい。

表参道は木陰で涼しいが、気温が上がってきて、MICKEYはすぐにTシャツ、僕もアンダー
シャツ1枚になった。暑くなると二人ともナメクジのように登り方が遅くなる・・・。

獣よけの金網ドアを開け閉めして参道を進む。ヤブツバキの花も咲いている。

この山は低木層にはヤブツバキやウラジロガシが見られ、亜高木層にはアカガシ、カクレ
ミノ、イヌグス、高木層にはスダジイやタブ、ヤマザクラ等があることで知られているが、
何よりも標高450mから上にはアカガシの群落があるので良く知られている山だ。

10:05
坊さま角。昔、この山にも寺(神仙寺)があったらしい。ここでお坊様が休憩したらしい。
上から登山姿の男女が下って来た。
   
右手に炭焼き窯あとの石組みのようなものがある。

10:25
菊(き)が店(みせ)跡。昔、お菊さんが茶店を出していたらしい。沢山の人が参拝したとか。
すぐ先に五丁の「柴折り地蔵」がある。僕らも手をあわせた。
   
三丁のお地蔵様は下部が割れていた。
薬師堂跡には、発見されたという五輪塔があった。

10:50
右上部が欠けている一丁の地蔵様を過ぎると、ツタの絡まる老木が左手にあり、神社の
駐車場前に出た。(登り始めた登山口からも車道をずっと車で登り来るとここに出る)
鳥居手前の右手には、綺麗で立派な「エコトイレ」があった。
     
鳥居をくぐると右手に親子杉。そしてその前にテントとテーブルがあり、日本酒一升瓶が
2本と小さな紙コップ、そして護摩木が置いてあった。
「どうぞ」と神社の方が紙コップ用のゴミ箱を持参してくださった。
御神酒を小さな紙コップに入れて、ありがたく一杯だけ頂いた。

ここの狛犬は新旧更新中なのか、古い小さなパグのような狛犬と新しいどっしりした狛犬が
隣同士に並んでいる。
   
今年3月22日の採燈大護摩供法要が行われる。諭鶴羽修験道復興500年祭らしい。

護摩木に僕もMICKEYもそれぞれ願い事を書いて、寄付金とともに本堂に納め記帳した。
種子が飛んできたのだろう。境内の端の方にもあの外来種のナルトサワギクが咲いている。

今月2月11日の祝日には「諭鶴羽山早駆け」&「早春登山」のトレイルランが諭鶴羽ダム
からの裏参道3.4km、標高差430mで行われ、完走者全員に「福男・福女」に認定されるらしい。
(参加締め切りは明日の2日まで)

左手にある資料館をのぞいた。諭鶴羽山には1200種以上の植物があるという。
「1200種ってどこまでの範囲で言っているのかな。メチャクチャ多すぎるような・・・」と僕。
花の時期はとても楽しめそうな山ではあるが、芦生研究林より多いのだろうか・・・。

その左横にはユズリハの木が神樹としてネットに囲まれて大切にされている。
そのまた左手には「アカガシの杜」とあり、この山の有名なアカガシの群落・極相林がある。
   
山頂へは左手の道を進む。少し進むと「奥の院」がある。
広い土の道を登ると電波塔がある。青空に映えている。またその先にも電波塔。

11:15
諭鶴羽山の山頂に着いた。4~5人の男女の登山グループがいた。
方言を聞いていると四国の方のようだ。

古い2つの祠も御輿を置く石台も、小さな展望東屋も13年前と同じだが、山頂柱の
石柱は真新しいものが立っていた。
   
   
展望を楽しむ。大阪湾の方面は、晴天なのに中国の春節祭の大気汚染のせいか霞んでいる。
反対方向を見ていたMICKEYは「鳴門大橋も見えるし、風力発電のプロペラも見えるよ。
ずっと右向こうに南あわじウインドファームの発電プロペラが沢山並んでるよ」と指さすMICKEY。
ホントに沢山の風力発電のプロペラが回っているのが見える。

男女のグループが下山されて、山頂は僕たちだけになった。御輿の台に座って記念写真。

11:30
下山開始。諭鶴羽神社から表参道に入ると、登って来る男女の登山者がいた。
途中でさらに2組ほどとすれ違った。12時2分前から昼のサイレンが鳴り始め、12時にも
鳴り、12時2分にも鳴った。「お腹が空いてきた」とMICKEY。

12:10
駐車地点に到着。車が2台ほど増えて、道沿いにも2台停まっていた。
 諭鶴羽山への表参道ルート
 
さて、ここからは今日2つ目のスイセン見物に「立川水仙郷」へと向かう。

県道に出て驚いた。朝とは大違いの灘黒岩水仙郷への車の列。
灘黒岩水仙郷の斜面を見上げるとスイセン見物の人の数も列も、ものすごい!。
4箇所の臨時駐車場からのシャトルバスも、満員でピストン輸送している。
臨時駐車場以外の道沿いのふくらみ部分にもぎっしりと駐車していて、人が歩いている。

「うわ~、アリの行列やね。空いている朝一番の時間に行って良かったね」とMICKEY。
「空いているルートや時間を考えるお抱えツアーコンダクターの僕は大変ですわ~」と僕。

海岸線沿いの道の上の法面には、かの外来種の「ナルトサワギク」が一面に咲いている。
それはそれは半端な面積ではない。道ばたにも空き地という空き地にも満開状態だ・・・。
   
   
12:40
立川水仙郷。ここはこんな時間に来ても灘黒岩水仙郷と違い混んでいないのが良い。
割引券をインターネットで出力してきたので各50円引き。おまんじゅうも頂けた。

灘黒岩水仙郷のように急な斜面ではなく、横に広いスイセン畑(受付のおばさんが畑と
言っていた)。香りは八重のスイセンが灘黒岩水仙郷よりは少ない為か、それほど濃く
ない。人が灘黒岩水仙郷のように多くないので、のんびりと散策できるのがありがたい。

探偵ナイトスクープでも放映された「ナゾのパラダイス」や「UFO神社」も健在だった。

食事は洲本の「淡路ごちそう館・御食国」まで行って食べた。満腹になった。
汗を流しに前に行った「パルシェ香りの湯」まで行ったのに、なんと4日まで工事中!
「どうするの~。時間はたっぷりあるけど・・・」とMICKEY。
「露天風呂から明石海峡大橋が見える美湯・松帆の郷へ行こう。割引券もあるし」と僕。
   
   
15:50
松帆の郷でゆっくり汗を流し、道の駅「あわじ」で焼き牡蛎や明石焼き、淡路ビーフバーガーを
食べて、息子にも淡路ビーフバーガーや玉ねぎチップスなどのお土産を買った。

明石海峡大橋のライトが綺麗に点灯したのを下から眺めてから、帰路についた。
ここから家まで66kmと近い。ゆっくり出発しても19時には家に着いた

「30数年ぶりに淡路島を満喫したわ。おいしいものも食べたし温泉も大満足♪」とMICKEY。
MICKEYと淡路島に来たのは、結婚前に、前の職場の人達とのテニスツアーの時以来。
その後は単独や息子達だけを連れて、淡路島には何度か釣りや牧場に遊びに来ている。

「テニスで来たときはまだフェリーだった。あの頃はナルトサワギクなんて花もまだ無かった頃。
数年したら家の近くでもナルトサワギクがワンサカと咲いているかもね・・・」と僕。

歩数計は低山だったので2座行っても、17,523歩 13.8km  2,531kcal  燃焼脂肪28.5g と表示。
  この1つ前は「【北摂】舎羅林山・冬枯れの谷筋ルート」の記録です