【芦生】芦生研究林・上谷 区画法でのシカの個体数調査2015
【山 域】芦生研究林・中山神社区画/長治谷区画 【日 時】 2015年11月28日(土)~12月29日(日) の2日間調査 【メンバー】京都大学15名、同志社大学2名、首都大学東京1名、 岐阜大学4名、日本大学9名、一般調査協力者5名の合計36名 |
芦生研究林のシカ (ニホンジカ、カモシカ) の個体数調査は、京大の森林生物学研究室の 研究者のみなさんが「ABCプロジェクト」(芦生生物相保全プロジェクト)として毎年取り 組まれている基礎調査。個体数調査からシカの個体数密度を推定して、将来の適正な生 息数の割り出しなどの基礎データとして活用される。 2013年にも参加して、昨年2014年も参加する予定だったのに、調査日の数日前に歩道を 歩行中に右折する車にはね飛ばされて右膝にヒドイ打撲を負い、歩くこともつらく参加出来ず やむなく欠席。連絡係の学生さんや、ペアを予定していた学生さんに迷惑をかけてしまった。 今年は4大学の学生さん達が集結する。京大と同志社大の学生さんの中には2年前も会って いたりこの研究林内でも会っているので、知っている人もいるが、岐阜大の応用生物学部と 日大の生物資源科学部の学生さん達は初めて会う顔。 今年も僕は京大6時半集合ではなく、須後8時半着に直接行くことにした。 余裕を見て家を5時半に出た。美山のかやぶきの里や芦生ロードパークで一休み。気温1℃。 道が空いていて1時間前の7時半過ぎに須後に着いてしまい、周囲を散策してみんなを待った。 メタセコイアの葉ももうだいぶ落ちている。オニグルミの冬芽も大きくなっている。 |
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8時半にみんなが到着した。今年の連絡係のK君に挨拶。「2日間、よろしくね!」 2年前の連絡係だったI君とも久々に会えた。「今回もよろしく」狩猟免許も取ったとのこと。 宿泊荷物や食料をクラブハウスに運び込む。ガスがはれてきて青空になりだした。 2年前はクラブハウスが使えず「山の家」での宿泊だったが、今回は使える。 無線機やヘルメットを配布し、番号を記録していく。さあ、長治谷小屋前へと出発。 僕はYさんの車に日大のF君と乗せていただいた。日大はドローンで調査するらしい。 今年の心配は、去年の交通事故以来、低山しか行っておらず登る速度もゆっくりリハビリ モードで登っているため、調査起点までの速歩での登攀速度について行けるかどうか・・・。 際奥部への到着が遅れると、手前区画の担当者の起点からの出発を待たせてしまうのだ。 今回の僕の担当区画は中山地区が最奥地点のI区画と、長治谷地区は初めてのD区画。 |
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まずは中山地区へ。午前のペアは京大のK君。中山神社裏の急登をT先生に続いて登っていく。 登り3分の2あたりで息が切れだして、後ろの人に先に行って貰った。流石に若いK君は元気だ。 無線機で全員の配置確認が出来ると、A区画から調査開始の出発。 I区画の僕らは、無線機とルート取りGPSは僕が担当し、記録はK君に体験して貰うことにした。 |
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I区画は2年前も2度調査で歩いたが、尾根付近に大量の糞が点在するし、足跡も多く、ねぐらも ある事は今年も同じだった。警戒音は聞こえるが肝心の鹿の姿が見えない。 警戒音の方向を無線機でその区画方面に伝え、新鮮な糞の位置などを記録する。 調査区は60分から90分で終えるのが原則だが、停止観察が少なかったので15分ほど早く 終わってしまった。隣の区画のYさんもほぼ同時刻。そのあと定点AにいたHさんが、鹿の目撃 報告を無線でしていた。僕らやYさんの担当区画の下部に近い。 「あ~、もう少し停止して観察しておけば良かった・・・」後悔先に立たずとはこのことだ。 明日はじっくり時間をかけて下ることにする。 本部へ戻る途中に技術職員のHさん達が作っておられた狩猟塔がほぼ出来ていた。鹿を狙うらしい。 本部に戻り記録の清書をして、昼弁当タイム。ストーブの点いている長治谷小屋の中で食べた。 午後は長治谷地区のD区画。Fさんの先導で登った。中山地区の登りほどではないが、後半で やはり息が切れる。パラッとアラレが降った。昼からのD区画は初めて。一人で調査して記録した。 ウツロ谷の鹿よけネットを先日下ろしたからか、ウツロ谷に近い区画の無線のやりとりが多い。 鹿の警戒音、鹿が走って行った、等々。ウツロ谷のエサが多い所を狙っているのかもしれない。 |
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D区画は最終地点が長治谷のトイレ前。 落葉したオオバアサガラのジャングルをかき分けて本部まで直ぐだ。 情報の収穫が少なかったが、記録を清書して最奥部から戻ってくるみんなを待った。 1日目の調査を終えて、クラブハウスに戻る。夕食準備と風呂タイム。 足の疲れが明日に出ないようにメンテしておいた。風呂に行こうとするが並んでいるらしい。 風呂上がりのYさんが「ぬるくて寒かった」という。湯冷めも怖いのであきらめてストレッチを しておいた。明日、帰りに河鹿荘でゆっくり温まればよいし。 日大チームのドローンで撮った画像をパソコンで見せて貰った。画像はぶれずに綺麗だ。 針葉樹の所は下が見えないが、広葉樹の落葉しているところは土の所もしっかり見える。 どんどんとドローン技術を進化させて調査するらしい。 4年生が食当として大活躍。Fさんも大量の食事作りに慣れているだけあり素晴らしい 包丁さばきと、手際の良さ。Hさんもあれこれと忙しく手伝っている。 米は5キロを大釜で炊いた。「余るのでは・・・」と思ったが、いらぬ心配だった。 キムチ鍋、石狩鍋、シシ肉、鹿ハム、青椒肉絲などがどんどん出来ていく。 若いみんなの食欲はすごい。 鹿調査にはふさわしい名と思い、歓談タイムに「秋鹿酒造」の「秋出し」を差し入れした。 Hさんの差し入れのパウンドケーキが実に美味しかった。 研究課題や興味のあることなど、みんなの話を聞いていると「若いっていいなぁ」と思う。 |
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2日目は、6時起床だが、朝食や昼の弁当づくりの食当は5時前から起きている。 寝床を片付けて部屋の掃除をする。外に出るとすごいガス。夜中に雨が降ったようだ。 喉がイガイガして、咳がなかなか止まらずしばらく歩いた。止まってから台所に行きお手伝い。 朝もFさんは朝食づくりに学生さん達と大活躍。 T先生もほっけを焼いて下さっている。配膳や昼食のウインナー巻きなどのお手伝いをした。 外に出て出発準備。クラブハウス前の大ケヤキの樹皮の中に昆虫の幼虫らしきものが沢山いる。 「これはヨコヅナサシガメの幼虫ですよ」と教えて貰った。 「外来種です」昆虫の絵が沢山描いてあるTシャツを着ているだけにすごく詳しい。 そういえば、池田の五月山でもこの虫は見たことがある。 |
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2日目は、昨日の逆で、まずは長治谷調査区から着手する。 行動食を手にして、尾根ルートの区画は昨日同様にFさんが先導するのでついていく。 やはり2日目は昨日より足が重い。途中で息が切れた。D区画はそれほど奥ではないので 中山のI区画よりは気が楽だ。雨がパラッと来たが直ぐにやんで後は降らなかった。 |
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昨日1人で調査した D区画。今日は岐阜大のI君と調査する。芦生は初めてで楽しみに していたらしい。崖を回り込みC区画手前で本格的にジグザグに下り始める。 途中にある大きな木を見て「これはなんの木ですか」と問うので「これがアシウスギ。この 森ではもっと太くて立派なアシウスギがまだまだあるよ。」と言いながら伏条更新などの 話しをしながら調査した。糞や足跡はあるが鹿の姿が見えない。停止して双眼鏡で見たり じっと鹿の足音がないか鳴き声がしないかも調査した。 |
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本部に戻り、清書作業。朝みんなで作ったおにぎりを食べて、ウインナー、バナナ、ゆで卵、 そして温かいチョッピリ薄めのシチューを飲んで、昼からの中山地区の調査開始となる。 昨日以上に斜面登りの時に息が上がった。「交通事故後の鍛え方が足りないな・・・」と反省。 昨日と同じく担当はI区画。今日は同志社大のK君とペア。家は妻の実家近くで、小中学校は 妻と同じだし、森林インストラクターやシダの先生など共通の知人もいたりして驚いた。 日大のドローンの音が上空で聞こえてきた。本部に戻り、清書をして長治谷小屋の冬支度。 窓部に板をはめ込んでいく。これから長い冬が始まる。 最後に記念の「集合写真」を撮る。K君がセット。せっかくだからドローンでも撮ろうという事に なり準備。ケースから1分ほどで準備できる。「素早いなぁ」とみんな感動。 飛ばしてみたが、調査でバッテリーを使ってしまい飛行安定せずやむなく断念。 |
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明日から18日までは入林制限がある。平日の夜明けから午前9時までは銃器により鹿の 捕獲をされるのだ。2日と9日は時間に関係なく終日実施されるので、入林禁止となる。 クラブハウスに戻り、ヘルメットや無線機の回収と部屋の掃除。 T先生やK君に挨拶して解散となった。学生達は京大に戻り反省会(打ち上げ)があるらしい。 僕は河鹿荘に寄って湯につかって温まり、かえで御膳(鹿肉料理)を頂いて帰路についた。 2日間とも天気が崩れずに本当に良かった。帰路は気温7℃だった。 来週の5日(土)も芦生に来る。枕谷の鹿よけネット下げとブナの継続調査があるのだ。 ★今回の「区画法によるニホンジカ個体数調査の2日間集計」のメールを頂いた★ ●長治谷区画(111.67ha) 11月28日 4頭(オス;1、メス;1、仔;0、不明;2) 推定密度(頭/㎢) 3.58 11月29日 4頭(オス;0、メス;3、仔;0、不明;1) 推定密度(頭/ ㎢) 3.58 ●中山神社区画(86.95ha) 11月28日 2頭(オス;0、メス;2、仔;0、不明;0) 推定密度(頭/ ㎢) 2.30 11月29日 6頭(オス;0、メス;6、仔;0、不明;0) 推定密度(頭/ ㎢) 6.90 ●全体(182.07ha) 11月28日 6頭(オス;1、メス;3、仔;0、不明;2) 推定密度(頭/ ㎢) 3.30 11月29日 10頭(オス;0、メス;9、仔;0、不明;1) 推定密度(頭/ ㎢) 5.24 |
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