【京都】上賀茂試験地 秋の自然観察会/京大ウィークス2015
【日 時】2015年11月7日(土) 9時30分~13時00 【開催地】京都大学フィールド科学教育研究センター 上賀茂試験地 (京都市北区上賀茂本山2) 【参加者】定員30名 |
夏にMICKEYと二人で申し込んだ自然観察会の日となった。家から上賀茂試験地は遠い。 朝6時に家を出た。 阪急電車で四条河原町まで行き、京阪電車で出町柳へ。叡山電鉄の鞍馬線に乗り換えて 「京都精華大前」で下車。秋色の静かな町並みをのんびりと歩いて10分ほど。 |
MICKEYとともに受付をして芦生研究林でもお世話になっていた徳地先生にご挨拶。 「知ろう守ろう芦生の森」のボランティア活動でご一緒している方も参加されていた。 |
講義室でパワーポイントを使った徳地先生による施設紹介の後、事務所周辺から試験地内 の林道や外国産マツ見本林内に設定した全長約2km、高低差約100mの自然観察コースを、 3つの班に分かれて、先生方スタッフによる案内・解説を交えながら約2時間かけて散策した。 標本室なども入れていろいろな資料を見ることができて勉強になった。 |
上賀茂試験地は、1926年に大阪営林署より、国有林の一部を買収し、京都帝国大学農学 部附属演習林上賀茂試験地として設置されたが、1949年進駐軍による接収に伴い、農林 水産省より所管換えを受けて現在地に移転した。元の位置は、試験地の上から見える直ぐ 近くのゴルフ場あたりとのこと。 |
現在の総面積は46.8haで、世界各地に分布する約100種のマツ属のうち、85種が 生育しているので、世界の珍しいマツ属も沢山観察することができる。 |
当初は「はげ山状態」だったこの試験地は、今や総面積の65%はヒノキ、アカマツに広 葉樹が混交した天然生林で、28%が外国産樹種を主とした人工林、7%が見本園、苗畑、 建物敷等とのこと。天然生林は、かつてはアカマツ林であったが、1970年代以降にマツ 枯れの被害が拡大し、1990年代前半には大半のアカマツが枯死したために、現在では 樹齢100年前後のヒノキが優占した林となっている。広葉樹はコナラ、ソヨゴ、ネジキ、 リョウブ、ヒサカキ、コバノミツバツツジ、モチツツジなどがあり、約75年ほどではげ山が どのように変化するか、変化させることができるかを見ることができる試験地であるとも いえる。 |
いま全国で利用されなくなり荒廃しつつある「里山」が、森林利用や生物多様性の観点か ら見直されつつあるが、この試験地には「はげ山も75年間でここまでなる」というヒント になることが沢山あるように思えた。タケ類も見本園に14属88種が育成されている。 現在は見本林園の充実と再整備を目的に、マツ属、ツツジ科、ブナ科、カエデ科などを 中心に導入を進められており、現在生育しているのは99科、350属、750種で、その中で 生育の優れたものは、ツツジ科、バラ科、メギ科などの花木類や、マツ、モミ、ヒノキ科に 属する高木種で、構内の見本園だけでなく、見本林、実験林として植栽されている。 1950年に、アメリカから日本に送られたメタセコイアの苗木100本のうち、3本が構内に 植栽され、現在では樹高が40mに達しており、立派なメタセコイアやラクウショウの 気根も観察することができる。 |
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