沢【若狭】耳川-折戸谷水系・牛谷から庄部谷山
【山 域】 若狭:耳川-折戸谷水系・牛谷から庄部谷山 【日 時】 2015年7月4日(土) 【コース】 牛谷出合-三ツ俣出合-Ca510m二俣-クワノ木ガマ谷 Ca795m-Ca855m-庄部谷山(855.9m)-南尾根-黒谷右俣 -黒谷林道-駐車地点 【メンバー】山日和・ひい・バーチャリ・矢問 |
梅雨時期の週末の天気予報は頻繁に変わっていく。土曜の方が日曜よりはまだ良さそう。 山日和さんから、久々のメール。曇り予報、降水確率40%の牛谷へ行くとのこと。 瓜生氏の「嶺南の谷・耳川水系編」でも紹介されており、山日和さんの過去記録も読んだ。 2009年5月に溯行した南側の割谷へ溯行した時も、こんな感じの天気予報だった・・・。 朝5時に山日和さんとの集合場所へ行き、山日和号でひいちゃん宅へ行きピックアップ。 バーチャリさんとは賤ヶ岳サービスエリアで7時に合流予定。 賤ヶ岳SAへ向かう車中で「あっ、雨具を忘れちゃった・・・。」とひいちゃん。 「基本装備を忘れたって!まあ、降らないと思うけど、もし降ってもウインドブレーカー と大きなゴミ袋を中にかぶれば何とかなるだろう。」と慰めにもならない回答をする僕と 山日和さん。賤ヶ岳SAで待つ、バーチャリさんとも久々にご挨拶。「お久しぶりです」 僕は家で食べてきたが、3人はここで朝食。シビシビと降ったがすぐにやんだ。ホッ。 8:35 林道折戸線入口の道が三つ叉に交差しているすぐ東側のふくらみに駐車して出発。 5分も歩けば牛谷出合。川を渡渉して牛谷へ右岸から入る。水はそれほど冷たくない。 |
小滝が続く谷で、ヌメリもなくホイホイと進める初心者・初級下の癒やしの空間と言われ ているだけに、草本類や木本類に目をやりながら進めるのも気持ちが楽で良い。 久々のひいちゃんが、何度か足がすくんだりして溯行スピードがユックリズムになるが、 今日の溯行は日頃の疲れを癒しに来たのでもあり、みんなもゆっくり進んだ。 ゆっくり進めば、周囲の観察も出来て楽しい。 |
この谷には沢筋にクマシデの枝が張りだしてきている所がとても多い。 「サワシバ、クマシデ、イヌシデ、アカシデの違いは・・」と葉を見て一人で納得。 ヤマアジサイも沢山咲いていて、谷に彩りを添えている。普通は装飾花の花弁状萼片が 4枚が多いが3枚のも目につく。白いノリウツギの花も沢山咲いている。 |
この谷は人が入ることが少ないのだろうが、苔の色がどこを見ても本当に美しい。 沢沿いの岩場にはイワタバコの葉が沢山あるので、散形花序をつけ8月頃に開花する花期 には綺麗だろうと思う。その時期には周囲に沢山あるトリカブトも咲いているだろう。 芦生の森でもなかなか見つからなくなったハワサビもあった。 もう花期を終えているが、ショウジョウバカマもとても多く目に付く。 |
右岸にカツラの木がある。花期を終えかけているオオバギボウシもまだ咲いていた。 「おっ、この葉は!」とよく見ると、芦生でもよく見るヒメザゼンソウもあった。 右岸に五右衛門風呂の風呂釜。炭焼き窯が1~2箇所あるのでその作業小屋跡だろうか。 トチノキに顔が出せるくらいの穴があり、山日和さんが顔を出して、カメラでパチリ! |
11:20 Ca510mの二俣で行動食を摂りつつ15分間の小休止。ギンリョウソウが点在している。 当初の予定は、山日和さんが行ったことがない右俣へ進む予定だったが、「良い感じの谷」 と山日和さんのいう、左俣のクワノ木ガマ谷を詰めることに変更となった。 「ピィー」シカの警戒音が聞こえた。 |
2m3mの二段の滝を越えると、左手に炭焼き窯跡がある。 右斜面に巡視路のチェーン階段を見つつ進み、最後の二俣を右へと詰めに入る。 もう女性陣にはお助けロープが要るようなこともないだろうと、先行すると2箇所ほど 念のためお助けを出した所があった。倒木に立派なナメコがついていた。 「すごいね、これ」と嬉しそうなバーチャリさん。「またここにもあるよ」と僕。 |
沢筋を離れて右斜面を稜線に向かって僕とバーチャリさんが先行。 なかなか急で所々にほんの少しある草木をつかんでは登るのだが、とても息が切れる。 |
12:40 稜線に出た。ひいちゃんと山日和さんは最後の斜面を登っている最中。 グリップが効かずに力が抜けるのでクタクタ。僕は沢靴から登山靴に履き替え準備。 他の三人はランチ場で履き替えるとのことで、先に行って貰った。 少し北西に行くとP795m地点。3人に追いついた。ヤマボウシが咲いている。 イワカガミがびっしりある尾根筋を進む、この庄部谷山までの稜線は2007年10月に 逆コースで単独で歩いたことがある。ブナ林の素晴らしいルートが始まるのだ。 途中の斜面を猿が走って行くところをバーチャリさんが見つけた。 13:10 Ca855m地点。ブナ林の素晴らしいランチ場である。 周囲にはヤマボウシが咲いている。白いものは苞で花は真ん中に小さなものが集合してい るのだがもう花も終わり実になっていた。季節は確実に進んでいる。 「あっ、沢で水を汲むのを忘れた・・・」と山日和さん。ラーメンが作れない・・・。 「はい、お湯ありますよ」「水あるよ」と、お助けロープのお駄賃代わりに、2人の女性 から山では一番高い水を貰うこととなった。 3人は「じっとしていると冷えるね」と濡れたシャツを着替えて、温かい食事。 一方、暑がりの僕は、濡れた上着のまま冷たいお茶漬け。 ブヨは少ないけど飛んでいるので蚊取り線香をつけた。 流石に曇り空。時間と共にやや寒くなった。 |
14:00 ランチを終えて、庄部谷山へと向かう。 沢道具をザックに入れると実に重くなる・・・。動くとすぐに体は寒くなくなった。 ここからは極太ではないものの、ブナ林がそれはそれは素晴らしい。 「いいねぇ」「すばらしいねぇ」と女性陣の声。ガスっぽいのも良い雰囲気を醸し出す。 ナツツバキの白い花が沢山落ちている。上を見ると張りだした枝にまだ咲いていた。 「バーチャリさん、ブナハリタケがあるよ。ハルゼミの抜け殻もあるよ」と僕。 14:40 庄部谷山。もう5回は来ている山頂だが、いつも静かにブナたちが迎えてくれる。 集合写真をとりつつ15分ほど休憩。 「もう3時か」いよいよ下山開始。当初は黒谷の右岸尾根を下る予定と聞いていたが、 手前の左岸尾根を下り始めた。「時間がかかりすぎたので予定変更したのかな」と思って いると「あっ、ごめん、間違えた」と山日和さん。この左岸尾根は2007年10月に僕も 登っている。最後の林道との接点は山日和さんの方が詳しいので安心していけるが、最後 の沢へのトラバースは山日和さんのルートでもやや嫌らしいことを記憶している。 |
力強いブナの木の幹や、変わった形の幹など見ながら進む。真新しいクマハギの杉の木が 複数本あり、歯形がしっかり残っている。 ツルアジサイの花が咲いていた。花期を終えたサルトリイバラも実を付けている。 送電線鉄塔を過ぎて、ユズリハなどの藪っぽいところが始まると、流石にやぶこぎの番頭 さんは「水を得た魚」のごとく「藪を得た山日和」というやぶこぎネットのことわざ通り、 スーッと吸い込まれていきパワー全開。女性陣からは山日和さんの姿はもう見えない。 |
16:05 黒谷の右俣の沢岸に降り立った。良い感じの雰囲気のところだ。 ここは以前来たので記憶に残っている。小休止。 ここから林道とは名ばかりの林道終点へ行くには嫌らしいトラバースがある。 グリップが弱いスニーカーのバーチャリさんも踏ん張って頑張る。 ひいちゃんは斜面歩行にビビリが入りつつもWストックで一歩一歩頑張る。 |
16:30 堰堤に出た。渡渉して左岸の鉄はしごを登れば黒谷林道の終点に出られる。 鉄ばしごを登り、崩落地点を進み、林道終点へと向かう。 オニグルミも沢山の実を付けている。花期を終えたいろいろな木々には実が付いていた。 サワフタギの白い花はいまがピークのように沢山咲き誇っている。 |
17:05 駐車地点に到着。「お疲れ様~」「ありがとうございました~」とみんなで握手。 「雨にも遭わずによかったね」「ホントホント、良かった良かった」 2~3mの滝で山日和さんが女性陣にお助けロープを数回出す場面もあったが、女性達も 適度なシャワーを楽しんだりして進める癒やし系の沢だった。稜線のブナ林もよかった。 雨にも遭うこと無く、気持ちの良い気温のもとでバテること無く楽しめた。 ひいちゃん、バーチャリさん、いろいろと差し入れを頂きありがとうございました! 山日和さんのフルコースは終わらない。敦賀きらめき温泉リラ・ポートへ行って汗を流す。 行き先はここだろうと予想して、平和堂の会員カードを持って来ておいた。 5人までは300円割引になるカードだ。汗を流して、そこのレストランで食事をしつつ歓談。 「闇下の帝王」といるのにまだ外は明るい。 めずらしいことをするとやはり!今まで我慢してくれていた空から雨が降り出した。 バーチャリさんとここでお別れし、ひいちゃん宅経由で山日和さんとの集合地へ。 「山日和さん、また次回もよろしく!」とお別れして、家には22時半に帰着した。 |
本日のルート |
この1つ前は「【播磨】白岩山から高畑山」の記録です |