【丹波】篠山市・県下最大のイヌザクラがある西ヶ嶽
【行き先】 丹波 篠山市 西ヶ嶽 727m 【日 時】 2016年5月21日(土) 【メンバー】矢問 単独 【ルート】 知足-林道西谷線-廃道・谷沿い登攀-西ヶ嶽 727m -谷筋廃道下山-林道丸山線-丸山集落 |
FIGOの今年9月に有馬富士である勉強会の担当樹種が「イヌザクラ」と決まった。 イヌザクラと言えば、兵庫最大のイヌザクラが西ヶ嶽でクリンソウの保護活動をされている 方達が宍粟市のイヌザクラを抜く巨樹を発見されたという昨年のニュースを覚えている。 イヌザクラの花の時期は過ぎたが、この機会に一度その巨樹を目にしてみたいものだ。 しかし、記事からの情報としては「谷間」「標高550m付近」「スギ林の中」というだけ。 どこを起点とした谷筋かは不明。「どの谷筋だろうか」と、地形図とにらめっこ。 近年、西ヶ嶽はクリンソウの群生で知られるようになった。しかし、今日はその群生地点を 見に行くのが目的ではない。その場所ならすでに知っている。 クリンソウは「プリミン」という有毒物質を持っているので、シカなどが食べない「不嗜好性 植物」でもあるので、人に盗掘されたりイノシシに掘り返されない限り残存できるようだ。 西ヶ嶽への谷筋のルートは北斜面にも南斜面にも何本もあるし、550m付近というのも 等高線で見ると範囲がべらぼうに広い。北斜面の谷筋ではそんな巨樹は記憶に無い。 登ったことがない南斜面の谷筋ルート2本に絞り、登りと下りで通ってみることにした。 地形図に点線はあれど廃道同然に崩れていて明確な登山ルートではないであろう。 相棒は風邪で喉が痛いから行かないという。単独で6時過ぎに家を出て篠山を目指した。 |
07:30 黒岡川沿いの丸山南新町線・県道544号を走り、登りに使おうと思った谷筋の起点で ある知足の集落のふくらみに駐車して出発。 谷を進み始めると、入り口の民家の上から僕に向かって大きな声で呼びかける男性がいる。 振り向いて会釈すると「先月、この谷道で熊が出たから十分注意しなさいよ」とのこと。 「有り難うございます」といいつつも「熊よけ鈴を車内に置いてきてしまった・・・。」 |
篠山市林道西谷線の林道ゲートを開け閉めして入る。手を叩いたり声を出したりしながら歩く。 「なんか不気味だな」斜面に多くの白い花が目に付いた。バイカウツギが見事に咲いている。 ミズタビラコも咲いている。「沢山の花と出会えるかな」と期待もしつつ進む。 「日ノ谷」や「前谷」の札が倒れていてどの谷がその名かわからない。 しばらく行くと右手に熊かイノシシでも入る金属製の大きなわなが置いてある。 やはり熊が出たのは事実らしい。谷筋の静けさが余計に恐くなってきた。 |
林道らしさがなくなり道は荒れて無くなっている。鹿の通り道らしい踏み跡状を進む。 群落とは言えないが、10株以上のクリンソウが固まって咲いていた。もう花の時期が 終わり、今日は見られないと思っていたので、熊の怖さとは裏腹に嬉しい気持ちになった。 タニウツギやヤブデマリも今は盛りと咲いている。 最後まで道はなくても地形図を見つつ忠実に谷筋をたどって尾根まで出ようと思っていた が、崩れ方がひどくなり最後の斜面は登りにくくなったので、そこまで谷筋直登にこだわる ことはないと判断し、左手の支尾根に登って尾根道に出た。静かで涼しい風が吹く。 東へ3分ほど歩けば山頂だ。 |
09:15 西ヶ嶽 山頂。727m。「この山頂に来たのは2008年の10月以来だな」8年ぶりだ。 南斜面側にモチツツジが咲いている。山頂の大きな木にも白い花が満開状態。 この木は「ウラジロノキ」だ。花が咲いているこの時期に来たことがなかった。 モチツツジやウラジロノキの花が沢山綺麗に咲いているせいか、クマバチがやたら多い。 ウラジロノキの木陰に入って、無線機FT1DでAPRSを発信。 これで家に居る相棒にも無事登頂がわかる。 すかさず相棒から返信が来た「早い登頂ね!慎重に下山してお土産よろしく」とのこと。 しばらく休憩しつつ展望を楽しむ。 下山路としては、しばらく尾根筋を東進してからの地形図の点線の谷筋を狙ってみる予定。 木陰の尾根道を東進する。モチツツジが沢山咲いているし、ヤマフジも咲いている。 |
「この谷かな」と谷への斜面を上から見るも、踏み跡などみじんも無いザレた斜面。 何気なく上を見るとベニドウダンの花が咲いている。この山では初めて見た。 10:05 登山者の声が近づいてきた。姿が見えないうちにベニドウダンの所から斜面を下り始める。 傾斜はきついが、見た目よりも崩れず下りやすかった。登りに使った谷筋よりも明るい気が する。「イヌザクラはないかいな」ときょろきょろしながら右岸へ左岸へと下る。 途中からスギの植林帯となった。しかも立派な太さだ。 「ここからスギを伐採しても運び出すのは至難の業だろうな」とあたりを見ながら思った。 あまりにも立派な杉が多いので、なんとなく「イヌザクラの巨木があるのはこの谷ではな いかな」という気がしてきた。周囲を見ながら下るもそれらしき巨樹は見当たらない。 「イヌザクラの木はこの谷にはないのかな・・・。違う別の谷なのかな。」 |
10:35 予測が外れたのか、とあきらめかけた時、前方に「おや?新聞で見た木に似ているぞ」と 近づいてみた。まさしく去年新聞で写真を見たイヌザクラの巨樹であった。 樹齢1000年かとも書かれていた木だ。「すごいな!!」 幹周りが胸の高さの位置で4.35m、樹高は約20mと言われているイヌザクラだ 宿り木やコケもついている。花の時期に来てみたいものだ。 麓からはなかなかの悪路を沢沿いに登って来る必要がある。クリンソウの群落を探して おられた守る会の方達が、谷筋を登ってきてたどり着いたのも頷ける。 このあたりから沢沿いにクリンソウは何株も点在していて目を楽しませてくれる。 |
11:15 林道に出た。篠山市林道丸山線だ。この林道沿いにもクリンソウは続く。 そして林道の両斜面にはトゲではいつも困りものだが、今は黄色い花を満開にしている ジャケツイバラが実に綺麗だ。 沢の水辺にはジャケツイバラの黄色とクリンソウのピンク色がコラボしている。 涼しい林道の木陰でその花の姿を眺めながら行動食をとることにした。 「ゴソゴソ・・バタバタ」と真後ろから大きな鳥が飛び出した。アオサギだった。 「あ~、びっくりした!!!。熊でなくてよかった・・・驚かすなよ!!」と胸をなで下ろした。 11:50 林道の終わりかけのところにクリンソウを守る会の看板があった。 のどかな丸山集落の田舎道を駐車地点にもどりつつ、道沿いに咲く花を観察しながら歩いた。 この集落は1794年に奥畑から城の水守として移住してきたのが始まりで、約260年の歴史がある。 12戸のうち7戸が空き家となり2007年から古民家改修により地域再生モデル事業として民泊や レストランとして活用されている集落だ。 |
タツナミソウ、そしてエナメル質のようにテカテカと光っているキンポウゲが群生している。 キンポウゲは有毒植物。相棒が毎年庭で植えているラナンキュラスと同じ科だ。 そしてコウゾリナや、アザミの花も沢山咲いている。ヘビイチゴは実になっている。 コメツブツメクサや、タンポポの親分のようなブタナも沢山咲いている。 青紫色や白のニワゼキショウも沢山咲いている。 草をかき分け溝沿いを見るとかわいいトキワハゼも咲いていた。 |
12:30 知足の駐車地点に到着。のんびり走って14時帰宅完了。 12,727歩 10km 2,813kcal 晴天の中、あきらめていたイヌザクラの巨樹にも出会えたし、クリンソウにも出会えた。 そして山頂のウラジロノキの花の満開時に行けたのも良かった。 来年はあのイヌザクラの巨樹に花が咲いているときに行って、是非見たいものである。 |
この1つ前は「沢【芦生】芦生研究林・灰野から七瀬谷出合まで鹿の死体数調査溯行」の記録です |