【宍粟】残雪の駒ノ尾山北尾根・大海里山(P1206.6m)展望スノーシュー


【山 域】 岡山県と兵庫県境 駒ノ尾山北尾根・大海里山(P1206.6m)
【日 時】 2017年2月4日(土)
【メンバー】MICKEY・矢問 
【コース】 ちくさスキー場手前・登山口付近-駒ノ尾山の北尾根・大海里山(P1206.6m)
 相棒は日頃の疲れが残っているらしく風邪の引き始めか「短い距離なら」と。
僕もこのところ疲れ気味。無理せず長距離スノーハイクはやめて、4年ぶりに久々に駒ノ尾を、
北尾根から最短で登って展望を楽しむのを目的とした。地形図とにらめっこ。
残雪期に南側から2度登っており、前回登ったのは4年前のおひな祭りの日だった。
北側からは初めてだ。

前日用意をせずに寝たため、4時すぎに起きてスノーシューなど雪山装備をあれこれ準備
して家を5時半過ぎに出発。(スノーシューのベルトの点検まではしていなかった・・・))
南側から登り後山まで回る時は、3時に家を出るが今日は目的が違うのでややのんびり。

山崎ICを下りて千種スキー場方面を目指して北上。例年と大違い。全く周囲に雪が見え
ずやや不安になったが、以前「空山」に登ったときの西河内地区へと西進しだすと路肩に
も雪が大量に見え始め、家の屋根にも80センチ以上の雪がどっさりとのっている。

気温はマイナス2度。路面の濡れているところは完全に氷でツルツルだ。スキー場へ向か
う車もどんどん増えて続いている。車の置き場に予定していた路肩は完全に除雪置き場と
化しておりスペース無し。Uターンしたくても路肩雪で道が狭く出来ない。スキーへの車
の流れに乗り、スキー場入り口の駐車料金係りのおじさんの横でUターンさせて頂いた。

車中から、無雪期の駒ノ尾登山道入り口看板が路肩の雪の中に少し見えた。登ろうと目星
をつけていた尾根はそのやや南側だ。駐車できるスペースがある路肩まで道を下り駐車。
 
9:00
出発。スキーに行く車の人々が、車道を歩く僕らを「何する人ぞ」と見ながら通過していく。
目的の尾根付近までスキーの車に気をつけて道路を歩くのだが、凍っていてツルツル。
ゆるやかな登り道なので滑って歩きにくい。車は凍った路面を走っていると分かっているの
だろうか、と思うくらいのスピード。きっと急ブレーキでは滑ってしまい停まらないだろう。

膝まで沈んで登山口の看板近くの路肩の高い雪壁を登って周囲を見たが、目的の尾根の
付け根には向かいにくく、深雪の小さな沢を越えて斜面を登って回り込む必要がある。

スノーシューを装着しないと沈んで歩けない。「ザックを下ろして、装着しよう」
MICKEYの「あっ!」という大声。 スノーシューの両側ともかかとのベルトが断裂した!
加水分解とも言われる経年劣化だろう。「今日はもう無理だわ」とMICKEY。
「僕のスノーシューは前が3本のタイプ。僕の前ベルトの真ん中をそれぞれ1本外して
付けてみよう」と試してみた。あれこれしていると半時間が直ぐに過ぎた。

「なんとか行けるわ。前の各2本はまだ大丈夫みたいだし」とMICKEY。
「経年劣化だし、他のベルトも登っていると切れるかもね・・・」と心配しつつ進む。

「切れたらそこで今日はやめて帰ればいいさ」と僕。

小さな沢に下りると対岸斜面の雪壁登りに腰まで雪まみれで四苦八苦。
MICKEYは左手にルートを探すが無理とわかり僕のトレース利用で登ってきた。

林道のような台地状に乗り「あとは時計回りに回り込んだら尾根に取り付ける」 と回り
こんだが、ここもとりつき斜面がなかなか急だ。ジグザグにトレースを切っていく。
   
「目的の尾根に登れた。あとは進行するのみ」と後続のMICKEYがベルトに負荷がかか
りにくく登りやすいように、トレースをつけつつ登る。いつもなら「私が先に行こうか」と
言ってくれるMICKEYも今日はしんどそうなので僕が先行を続けることにした。

スギの花粉が今年は去年の4倍以上飛散するだろうというニュースのとおり、周囲のスギ
を観察すると沢山の花粉が付いている。ヒノキの花粉はまだ先なので目立たない。
ウサギやテンの足跡ばかり。特にウサギの足跡が多い。木の根元に穴を掘って巣にしてい
るところからも僕らに気づいてつい先ほど逃げ出たような足跡もある。

無風なので耳や鼻も痛くならずに比較的今日は楽に登れる。数日間、腹筋運動を頑張って
おいたことも良かったのかもしれない。MICKEYはいつものパワーが出ないようだが、
僕にはこれくらいの速度が息も切れず無理なく丁度良い。

Ca1,091mあたりで、このまま大海里山に向かうか、左手にトラバース気味に進んで稜線上
の大海里峠に向かうか相談。ベルトが駒ノ尾までもつのか、稜線までももつか・・・。

ピークに登れば北尾根稜線歩きスタートとなり、また下るがピークは展望は良い。
駒ノ尾までのアップダウン稜線歩きに、MICKEYの前ベルト4本がもつかどうかも不安。
「稜線まで行けるだけでも今日は良しとしよう」とピークへの直進に決定。

「あと50mで稜線ピークの大海里山。やや急だけどトレース通りに来れば大丈夫」と僕。
「了解。ベルトもまだ大丈夫。ピークまで行けるわ」とMICKEY。
   
   
11:30
稜線に出た。1,206.6mピーク、地形図には無いがこのピークの名は大海里山
2010年6月にも駒ノ尾山からダルガ峰へと、2人でこのピークを踏んでいる。

「360度、素晴らしい展望ね~!」とMICKEY。
「駒ノ尾までこの稜線を1キロ。ほらやや右手に見えてるよ。左手は船木山と後山」と僕。
駒ノ尾下の避難小屋で食事をするつもりだったが、ベルトの不安を抱えて進むのは無謀。

「ここで食事にしよう」とピークから少し稜線を進んで、雪スコップでテーブルとイスを
作った。誰もいない静かな稜線展望レストラン。「晴天で無風で言うことなし」
   
   
「さて展望レストランを開店するか」
まずは味噌煮込みうどんを作って食べつつ展望を楽しむ。
周囲の山々の展望も素晴らしい。「三室山がきれいねぇ」とMICKEY。

1人の男性が僕らのトレース上をやってきた。
「こんにちは」と挨拶。大海里峠に向かって下って行かれた。
「きっと駒ノ尾まで行くのだろうな」と僕。
   
   
「私は前のベルトも心配だし、今日ここまででいい。1人で行ってきたらいいよ。私は
来たルートを下っていって車内で寝て待ってるし」とMICKEY。
「駒ノ尾まで行ったら、帰路はこの南のP1211mから東に延びる1本南の支尾根を
下って戻る予定だったので、もし途中で何かあったら下るルートが違うので会えないし
どうしようも無くなる。今日はここまでで良しとしよう」と僕。

「誰もいない雪の展望尾根でのんびりもいいよね」とMICKEY。
ポーレックスのミルで冬限定のコーヒー豆を挽いてドリップしてコーヒーを作った。

「さて、下山しよう」と、雪スコでテーブルやイスを雪で整地して、スノーシューを装着
すると「あっ、前のベルトが切れた!」とMICKEY。

やはり経年劣化(加水分解も含む)+低温硬化でとうとう切れたようだ・・・。
今日に限って細引きも靴紐の予備紐もザック内に入っていない。代用品・・頭がフル回転。

「ザックの口閉じの丸紐を二人ともザックから抜こう。MICKEYは僕のスノーシューを
履けば良い。僕はMICKEYのスノーシューを履くし。前をこの細紐で縛って固定する」。

「その処置で歩けるの?」と心配そうなMICKEY。「バッチリ!下山だけなら問題ない。」
 
   
13:15
「よし、下山開始しよう」と僕。「今日は登りのスタード時にも、下りのスタート時にも
スノーシューのベルト切れで、頭もフル回転したね」とMICKEY。
「駒ノ尾に向かって進んでいなくて良かったかも。」と僕。

素直に自分たちのトレースを戻ることにした。
P1206.6mでもう一度、周囲の展望を楽しんだ。

先ほどの男性はスキー場の方から来たのかと思いきや、ピークからスキー場方面にはトレ
ースは無く、右の支尾根へ下る僕らのトレースを忠実にずっと利用して登ってきたようだ。
「あの男性は、楽ちんだったろうね」とMICKEY。「そうだろうね」と僕。
   
下りが苦手なMICKEYに合わせてゆっくり下るが、体調も万全では無いMICKEYは、
傾斜がきついところでは苦戦しているようですぐに距離が開いてしまう。
数度待ってはスノーシューの状態を確認し合い、また下る。

「最後が急な斜面だったから、同じ所に下らないでね」とMICKEY。
「わかっているよ。沢も渡らなくて済む地点に地形図を見てうまく下るから」と僕。
 
14:30
カードレールをまたいで道路に出た。「あと少しだから頑張れ」と後ろのMICKEYに言う。
スキー場へ行く車、帰宅する車に注意してスノーシューを脱いだ。
MICKEYは最後の最後で僕のトレースを無視して転倒。
「せっかく良いルートにトレースつけたのに」と僕。苦笑いのMICKEY。
気温は朝のマイナス2℃から4℃なっていたので、道路の氷面も溶けていたので朝より
ずっと歩きやすかった。

14:55
車の所に到着。もう1台車が停まっていた。「稜線で会った人の車かしら」とMICKEY。
帰路にあるエーガイヤ温泉で汗を流す予定だったが、「汗もそれほどかいてないし、
寝不足でこのまま寝ながら帰りたい」というMICKEY。温泉に寄らずに帰ることにした。

道沿いの家々では、屋根の雪下ろしをされていた。とても大変そうだ。
途中でねずみ取り。対向車のパッシングで気がついて難を逃れた。危ない危ない。
行きも帰りも中国道は空いていた。

18:00
途中でめし屋に寄って早い夕食をとり、帰宅完了。往復275km。
もともとのベルトの止めにくさ、外れやすさが気に入っていなかったMICKEY。
MICKEYのスノーシューのベルトを純正部品にするか、純正バンドの代わりによく利用
れている荷物ロープで工夫するか、はたまたテープシュリンゲかアイゼンベルトを活用
するか考えてみたい。(試してみたら、アイゼンベルトがなかなか使いやすいと思った)
 本日のルート/紺ライン
 
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