【芦生】芦生の森・調査観察区画の防鹿ネット上げ作業 2019
  2019年4月18日(木)


2011年から始まった「知ろう守ろう芦生の森」の植生調査活動も9年目に入る。
昨冬は降雪前の11月28日に調査区の鹿柵ネットを下げた

そのときはまだ義父母は健在だったのに、12月に義父、そして2月に義母が他界した。
昨春から介護を始め、平成の終盤にこんなことが起こるとは思いもしなかった・・・。

今年は雪解けが早くて18日にネット上げを実施することになったと連絡が来た。
 ※(2016年は4月2日に実施したので今回よりも雪解けがさらに早かった)
急な実施連絡と平日と言うこともあり、知人数名にも声をかけたが参加は無理とのこと。
結局ボランティアメンバーは3名しか参加できない。

本日の芦生研究林の枕谷調査区での植生調査活動は、冬期積雪時に下げていた鹿害防護
ネットを上げることと、各プロットのブナの稚樹が生きているか枯死しているかの本数を
記録する。
そして春のメンテで忘れてはいけないのは、プロット区画の角の「木杭」や各プロット区
画のラインの「テープ」が、融雪時に折れたり切れたりしたところを、しっかりと補修しなくては
ならない。そしてブナの稚樹位置の旗串も折れていたら刺し直す必要がある。

昨年春はこのメンテがしっかりとされていなかったために、夏の繁茂期に区画やラインが
わからず、暑い中、大変な労力を要してボランティアの人たちにも不満が多発した。

昨年晩秋の時もラインのメンテがテープが無く全く手つかずだったので、今回は例年に無く
春のメンテに時間を要することが予想される。

今回MICKEYは仕事で不参加。7時10分に家を出た。
   
   
ウチの近くではもう桜の花はほぼ散ったのに、かやぶきの里の付近の桜は満開状態だった。

9:25
芦生研究林に到着。
「おはようございます」技術班長のKさんとご挨拶。
そして、北海道から赴任された技術班長のSさんともご挨拶。

まだ南丹局の方達が到着していないので、櫃倉林道沿いの草本観察をしに歩くことにした。
   
もう遅いだろうと思っていたがトクワカソウが、かろうじてまだ咲いていた。
イワナシの花はもうほとんど花を落としていた。

2016年の4月にイワウチワだと思っていたのもは葉の形からトクワカソウのようだ。
トクワカソウ(イワウメ科 イワウチワ属)は、葉が広楕円形(長さが幅より長い)で基
部が円形またはくさび形となる。一方、イワウチワ(イワウメ科 イワウチワ属)は、本
葉の形がまるく、団扇のような形なのでこの名がある。葉は広縁形で、長柄があり、基部
は心形またはくさび形。縁は波状の鋸歯があり、質は厚く光沢がある。

つまり、葉が広楕円形(長さ>幅)で基部が円形またはくさび形のものをトクワカソウと
呼ぶが、区別が難しい個体もある・・・・。  

森林インストラクター京都会のMさんとご挨拶。「お久しぶりです」
そして久々に参加で春の作業は初めてとなる森林インストラクター大阪会のFさん到着。

芦生研究林からは技術班長のKさんとSさん。そして枕谷の現地で合流となる研究林長
のI先生。南丹局からはIさんとMさん。合計8名。

10:05
Kさんが運転して下さるマイクロバスにボランティア3名は乗車して出発。
ササの調査で何度かご一緒している技術職員のFさん達数名が重機で林道の整備をされ
ていた。
   
   
10:45
木杭やリンロンテープを持って、地蔵峠を出発。下っていくと前は無かった倒木があった。

枕谷の調査地に着いて、まずはブナの稚樹の残存本数調査。春はブナだけの調査なので通
常なら楽のはずが、融雪で目印の旗串が折れたり無くなったりしていて、今回はやや苦戦。
今回は慣れたボランティアの参加人数が少ないので、串を刺したり記録したりとなんとも
例年のようにはなかなか進まない。

他の場所で学生さん達と作業をされていた研究林長のI先生も合流。
   
   
   
   
ランチタイムを終えて、木杭の打ち直しやテープの貼り直し、木杭の赤ペンキ塗りなども
実施した。これで夏の調査時には昨年のような区画がわからないという苦労はないだろう。

そしていよいよネット上げをしようとしていると、区画2で作業されていた技術班長のK
さんが僕を呼ぶ声。「ネットの上部が、どうもおかしいんだが・・・」と。
我々の区画のネットも上げてみようとよく見てみると・・・・。

「あっ!上部のロープが鋭利な刃物で切られていて数メートルしか残っていない!」と僕。
「こちらの区画のネットもそうなのか。だれがこんなことをしたのだろう」とKさん。
これではネット上部を鹿が飛び越えられないようにピンと張れなくてたるんでしまう。
「ロープは持参していないし、とりあえずネットをかけておこう」ということになった。
「たるんでいるので防鹿ネットならぬ防イノシシネット状態ですね・・・」と僕。
「警察や、T先生にも伝えておかないと」とKさん。

ブナの稚樹の葉がどんどん展開して鹿の食害にあわないうちに、ネットをピンと張らない
とならない作業が残ってしまった。なんとも残念無念!!
今日の作業はここまでにして、須後へと戻る。
   
14:30~16:00
研究林の事務所2階で、研究林長のI先生から今までの調査結果の報告を詳細に受け、こ
の活動の意義を提示して頂いた。また、南丹局のMさんから芦生地域有害鳥獣対策協議会
としての今後の活動の方向性などの説明を受けた。

また、これからの新規調査に関して、ボランティアの集め方や広報などに関しての意見な
ども出し合った。平成から令和になっても、協力できることはしていきたいと思った。
 


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芦生研究林に行く前日・・・・

【シロバナウンゼンツツジ】/清和台東まち山のコナラ群落

   

兵庫県川西市清和台3丁目付近の「虫生川周辺の自然を守る会」のS会長さんから、今年
のシロバナウンゼンツツジの公開日は4月15日(月)~22日(月)とのお知らせを頂いた。

   
   
朝日新聞の朝刊にも載っていた、17日(水)に相棒と訪問したが、例年のような満開には
まだ数日かかりそうな花の数だった。

ここも今年は花の咲くのが遅いようだ。この地は他にも沢山の貴重な草本や木本があり、
住宅地そばにも関わらず植物観察にはとても魅力的な地で、地元の人たちや子ども達に
愛されている。

mixiやTwitterを通じて、僕からも公開日をお知らせし、見に行ってくれた知人もいた。
   
   
この日はJ-comの記者さんや読売の記者さんが取材に来ていた。
J-comの記者さんから取材を受け、その様子は翌日の夕方のニュースで
放映された。スマホアプリで放映を家族も見たらしい。
   
最終日の22日にも再訪した。17日とは大違い。ウワミズザクラも満開で、シロバナウンゼン
ツツジも9分咲き。公開日を明日まで1日延長したとのこと。
昨年も17日に見に来たのだが、今年は一週間ほど遅いような開花状況であった。 
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