兵庫50山の1つ、冒険家植村直己が愛した山、蘇武岳に行ってきました。
【山 行 日】平成11年9月26日(日) 【行 き 先】蘇武岳(1074.4m)・・ふるさと兵庫50山の1つ 【コ ー ス】源太夫滝−阿瀬渓谷−廃村金山−金山峠−蘇武岳山頂 【メンバー】矢問源氏とその妻MICKEYの2名+ワンコのヴァイザー 【天 候】うす曇りときどき晴天 |
阿瀬四十八滝と言われるように、滝が何十本もあり、水も透き通っている。
新緑や紅葉の時期は最高のコースだと思う。沢登りは無理なのかなぁ。
滝好きの方は、フイルムが何本も要りますよ(^^)。
家から147キロ、金山バス停と発電所を過ぎ、地道利用約3時間で、源太夫滝
手前のトイレのある駐車場に午前0時30分到着し仮眠。20度と涼しい。
5:40起床
ヴァイザーのダニよけの薬処理と朝食。車は全然来ないので、私たちだけか。
ガイドブックには名色からのコースが良く紹介されているが、台風18号通過後
の水量豊富な沢沿いを歩こうと計画。近頃はこの道、あまり利用者がないとか。
6:12
出発。地図には書いていないが、駐車場の看板から見て、滝が多くあるようだ。
源太夫滝やイモヂカ滝への遊歩道もある。歩き出して3分で、ますらお滝、そし
て水量がすごくて飛び出している鉄砲滝、思案橋があり、恐れ滝とスタートから
ワクワクする景色。カラン橋を渡り、沢の左を歩く。15メートル四方の竹林。
昔金山の人々が雨宿りした岩がおちた「倒れ岩」を左に見て通過。
夫婦滝、よろいの滝、乙女滝、不老の滝、如来滝、にごり滝、くぐり滝と見所の
多いコースじゃないか。
7:00
龍王滝は絶壁で、もう少し水量があると迫力だろう。
「栃の木原生林」の道に入る。栃の実が落ちてる落ちてる。小不動の滝の奥に
この渓谷随一と言われる不動の滝があった。少し登って金山不動尊に到着。前に
は昭和60年に作られた三角トイレがある。横は欧穴ぶち。取水口(昭和31年
完成した阿瀬取水ダム、高低差245メートル)がある。少し休憩する。
二段滝の左に石垣がある。昔は民家でもあったのかも。しばらく行くと「金山
廃村」の札。ああ、このあたりが金山の集落だったのか。室町時代から金や銀の採
掘地として栄えたと聞く。「金山千軒、阿瀬千軒」と呼ばれ、隆盛をきわめてい
たらしい。「豊岡山の会」という木造家が朽ちかけてる。前には柿の木も。建物
の中にはオルガンや釜が見える。豊岡といえば冒険家植村直己氏の行ってた高校
のあるところだな。
7:30
紅葉の滝の横を通過。増水で二本の丸太で作られた橋が流されている・・。
ザイルで引き寄せてかけ直し成功(^^)。ワンコは僕が抱いて渡る。
道がススキで隠されてほとんど見えない。うわっ、また橋が流されてる。跡形も
ない。3歩は水の中。妻がすごくいやがる。「きれいな沢歩きと思え!!」
8:12
満願の滝。すごい!!。しばらく見とれてしまう。ホントに素晴らしい。
うへっ、今度の丸太橋はほぼ腐っている。ゆっくり慎重に渡る。
そのあとはまた2カ所、橋が流されている。どちらも太い3本丸太の橋で1人で
は動かない。4歩は水の中。妻もあきらめてジャブジャブ。渡って靴下をしぼった。
8:50
金山峠(760m)ここからは林道と平行に登山道がある。登山道には「熟練者
に限る」とある。何カ所かの藪こぎ状態と沢渡り滑りやすい岩道続きでワンコが
バテ気味。登山道は下山に使い、登りは林道利用に変更。耀山方面からマラソン
ランナーが次々と登ってくる。「村岡ダブルフルフルウルトラトレーニング」と
ゼッケンにあり、給水場あり、伴走車あり、「○○さん頑張れ」の立て札が10
メートルごとにある。88キロ走るのだそうだ。鳥取、三重、大阪、兵庫と参加
者のゼッケンもいろいろ。約300人くらい。女性も多い。
右手の山腹では牛の放牧。黒い牛がのんびりと歩いてる。
9:53
「蘇道」という立派な記念碑のある東屋。今日は給水場+給食場のよう。(下山
時にわかったが、この東屋の前の山側に橋があり、その橋を渡るとすぐ登山道に
入れる)しばらく林道を行くと「登山道」という標識を妻が見つけるも、10メ
ートルほど登って行って撤退。背丈より笹が高くて道が全く見えない。長らく人
は通って無いなぁ・・。マラソンしている村岡町の人から「もう少し先の下り際
に裏からの道がある」と教えていただいた。なるほど、こちらは快適。尾根道に
登ると「但馬中央山脈縦走大会」の立て札。妙見山と蘇武岳の縦走の記念のよう。
10:20
頂上到着。涼しいというより、寒い。妻は長袖の上着と合羽を着た。18度で風
がきついせいだろう。三角点の横に展望板があり山の配置が良くわかる。南に但
馬妙見山、北に三川山、南西に鉢伏、氷ノ山などがよく見える。北東の神鍋から
は色とりどりのハングライダーが優雅にふ〜わ、ふ〜わと飛んでいる。
ホントはもっとハイペースで行けたら、妙見山にも行くつもりだったが、この調
子では妙見山の下山は17時を過ぎそうなので見送りとした。エアリアマップで
下山予定にしていた、妙見山から源太夫滝までの旧妙見参道は破線で「道荒廃・
踏み跡程度」とあり、この阿瀬渓谷の実線の道でさえ「道荒廃・踏み跡程度」の
ところが数カ所あったで不安げな妻の顔とワンコのバテ状態から中止とした。
焼きそばやおにぎり、バナナを食べてゆっくりする。気持ちいいや(^^)
11:20
下山開始。林道ではなく、登山道を進む。「別に熟練者に限るコースではないよ
ね」と妻。細くて草でわかりにくいところもあるが、別に普通の道と思う。
地図で見るより林道と接近している。2〜3歩で林道に出られるほど(^^)
12:15
金山峠。「あ〜、ここからまた沢渡りがあるね・・」と妻。13時、その2カ所
をバシャバシャと通過。腐った橋は横へそれて飛んだ。満願の滝でまたボーっと
して、橋のない所をまたバシャバシャ。ロープのある岩場の山側を巻いて下りる。
13時30分廃村。釣り人2人に出会う。「この先にイワナがいますよ」と教え
た。写真を撮っていた1人の老人もいた。13時50分不動尊。ハイカーが8人
ほどいた。廃村までで帰るツアーのよう。ここから下はどんどん人が増えた。
観光バスで来ているらしい。
14:15
下山完了。わき水で泥んこのワンコを洗う。帰路に植村直己冒険館に立ち寄り、
展示品や映画の上映を見て帰ることにした。
ワンコのヴァイザーはひっつきムシ(植物の種子)だらけ。帰宅してとるのに、
2時間半もかかった。
それにしても、こんなに大小の滝がある素晴らしいコースはもう少し草を刈って
整備してもいいのにと思った。このままじゃ、道が草で無くなってしまいそう。
【今回の反省】
ロングスパッツとストックを車に置いていってしまった。
水深25センチ程度の4〜5歩の沢渡りならスパッツがあれば水が入らなかった
のに。京都の北山でベリさん達と経験済み。
ストックもあれば不安定な丸木橋をもっとスムーズに渡れた。
初めてのコースにワンコはチト無理があった。体高より高い岩場や沢渡り、トゲ
のある藪こぎで全て介助がいるため、ペースが遅くなる。しかし、よく頑張って
くれた。ヴァイザーは「バテザー」状態(^^;)。