【日 付】 1996年7月24日(水)〜27日(土) 【天 候】 晴天 【山 域】 北アルプス(剱・立山) 【ルート】 24/室堂−雷鳥平−別山乗越−剣沢キャンプ場 25/剣沢キャンプ場−剱岳−剣沢キャンプ場 26/剣沢キャンプ場−別山−真砂岳−大汝山−雄山 −一ノ越−雷鳥平キャンプ場 27/雷鳥平キャンプ場−室堂 【地 図】 昭文社 山と高原地図4「剱・立山」1:40000 【参考書】 立山・剱岳を歩く(山と渓谷社) 立山黒部(日地出版) |
毎年夏の家族登山に、今年は息子2人は塾のスケジュールで不参加。
妻も準備登山での体づくりが十分ではないとのことで不参加。
私独りの山行きとなった。
一人なら自家用車はやめてバスの方が安上がり。大阪の阪神ホテル下から
出ている富山地鉄観光の室堂直行バスで(往復19000円)ことにした。
23日19:30妻に駅まで送ってもらった。
午後21:45バス発車。上高地直行バスとは違い、古いタイプのバスなので
席と席の間隔が狭くて窮屈。姫路工業高校の山行き団体と一般客。
一般客はそれほどいなかったので、一人2席を使えたのが救い。
途中の京都からも一人女性の登山者が乗り室堂方面へ。
24日04:45
有峰口で二人下車。太郎山や薬師岳へ行くとのこと。
05:00
桂台(標高663m)到着。立山有料道路が6時から開通なので1時間待ち。
時間がもったいないなぁ・・。ここから一般車両は通行できない。
ドライブイン剱に行く人や5台のみ停まっている駐車場で体操する人など。
07:00
室堂着。途中の弘法平のあたりで運転手さんが「あれが名瀑100選の弥名滝」
とバスを停めてくれた。4段合計350mの日本一の高さ。
天狗平から剱岳が見えた。「でかい」。
室堂手前の大谷の雪もまだ5mはある。その間をバスが走った。
バスターミナルからすごい雪景色。登山道も雪で覆われている。
朝食のビスケットを食べながら、雪の多さに圧倒。
07:30
いざ出発。地獄谷へは帰路に行くことにして、みくりが池の横からみくりが池
温泉を通り、雷鳥荘を過ぎ雷鳥平へ急な斜面を下る。前を行く人が滑り転んだ。
いよいよ雷鳥沢へ下る | 雪が多いぞ |
雷鳥沢キャンプ場は300張のテントが張れるはずなのに50張り程度であとは
雪雪雪。テント場がまだ雪に覆われている。ここまで一緒だった人たちはテント
を張り始めた。ここでこの状態なら剱沢の方は・・。
登山客よりスキー客だらけ。顔中に白い日焼け止めを塗っている。
キャンプ場を過ぎて少し下る。道が(雪の上の踏み跡が)3つに分かれている。
地図では2つのはずがスキーヤーの踏み跡で分からない。
ここから誰も前後に登山者はいない様子。右を選ぶ。
200m位行ってどんどん雪深い方へ行くので「おかしい」と気づき、
スキーヤーに道を聞くが知らない様子。戻って中央の道へ。ペイントと道標が
あり確信。きつい雷鳥坂を登り始める。ずっと雪上を登る。アイゼンをつけてい
ないので滑る。すぐ横をスキーヤー。50分ほど雪上を登り、やっと雪のない
高台へ。登りはさらにきつくなる。しかし雪上の冷たい風が心地よくそれほど
ばてない。止まっていると寒いくらい。途中で京都からバスに乗ってきた若い
女性に追い抜かれた。休まずマイペースの登り方はベテランか。
9:45
別山乗越の剱御前小屋前についた。6人が休憩していた。剱沢から来たパーティ
が「大雨注意報にどしゃぶりで剱岳には登れなかった。テントもシュラフも
ボトボト。来年来年・・」と。晴天続いてくれよ。
剱御前小屋前にて | 剱沢への下り開始 |
ヘリコプターが小屋に物資を運んできて、すごい風。一人が帽子を飛ばされた。
10:25
前方に剱岳がでんと構えている。岩の固まり。
ここから剱沢キャンプ場まではずっと下り。雪の反射で目が痛い。サングラスを
もってきていない・・。なかなか急な下りの上に、雪渓を3つとおる。膝まで埋
まるところもあり進みにくい。テント場が見えるが30張りほど。小屋と野営管
理場との間の300張り張れるテント場のはずの三田平は雪の中。
水場も雪に埋まっている。
11:00
剱沢野営場に到着。早速残り少ないテント場に張る。めまいがして気分が悪い。
今年は雪がすごく残っている |
めまいがひどく休み休みテントを張る。20キロの荷物を下ろすとほっとした。
管理場に登山計画書の提出と野営料金を払いに。何泊しようが清掃協力金として
500円で良いとのこと。その上、記念にと皮のキーホルダーを下さる。
2時間ほど寝た。剱沢小屋ではO−157騒ぎのために外来者に軽食も出してい
ないとか。ご飯と味噌汁を作って食べた。明日は剱岳だ。しっかり寝ておくぞ。
17:00
太陽が傾きかけると急に気温が下がる。昼間でも雪渓の風で涼しいのに、夕方は
寒い寒い。20:00にシュラフに入ったが寒くて眠れない。持ってきた長袖の
服を2枚着てウインドブレーカーを着て靴下を2枚はいてやっと眠れそう。
25日(木)
02:00すごい星の数。これなら晴れるなぁ。
04:00
起床。雪渓をわたってトイレへ。顔を切れるような水で洗い、カロリーメイトと
ホットカフェオーレで軽く朝食。
05:15
サブリュックに雨具と行動食とお茶、カメラなどを詰めて出発。管理場の横から
左へ下ってすぐ長い急斜面の2つの雪渓を渡らないと剣山荘にたどり着けない。
先行く人たちはアイゼンを付ける。無しは私くらい。傾斜が急で怖い。
朝は低温で、雪と言うより氷状態で足が刺さらず滑る。慎重に慎重に。
05:35
剣山荘到着。しばらく行ってまた登りの50mほどの雪渓を慎重に登る。
06:30
一服剱(2618m)到着。5分休憩。先客3名。テント場が小さく見える。
前剱がそびえて見える武蔵のコルあたりで雷鳥の親子。雛は4羽。
昨年の北岳でもいた。2年連続すぐそばで見れるとは幸運。
どこもスゴイ雪です | 雷鳥 |
07:30
前剱(2813m)到着。ここからはペイントが少なくて、先行く人も右に
左に迷っている。前に行く人が右に巻いて登っていったあと左から下山者が
左と教えてくれた。ペイントが少ないのは危険。私の方が今度は先になり
岩場にとりついた。振り返ると先に行った人は危険な崖で立ち往生。
大声でコースを教えた。その後を来た中学の団体の引率の先生もルートを
間違え立ち往生。引き返してルート変更を教えた。
次に私が左と思い行ったところは崖。正しくは右。
とても右とは思えないこれもすごく分かりにくいコース。
平蔵谷避難小屋らしき建物。本でみた石造りではなく木の小屋だったので
先に行く8人は左へ。登りはここからは右へのコースのはずと疑いながら
右は雪で閉ざされているので私も従った。が、梯子を登り切って下りの人が。
私とあと2人はもどってコースを取り直すことにした。あとの五人は下りの
コースなのにお構いなしに登っていった。これも小屋付近にペイントがあれ
ばこんなことにならないのに。
50mほどほぼ垂直のカニのタテバイを登り切った。
8:30
剱岳頂上(2998m)。晴天ガスなし。\(^o^)/
頂上だよーぉ |
八ツ峰の切り立った岩峰群や剱沢カールの地形、
早月尾根の展望がすばらしい。須佐男尊を祭った祠もたっている。
8:45
下山開始。残りのお茶が少ないのが気にかかる。
カニのヨコバイをスリル満点で通過。足下が見えないので怖い。
9:30
前剱。暑くてバテる。雷鳥がまたいた。一服剱の登りもきつい。
10:20
一服剱。足がくがく。雪渓2カ所越える。
11:00
剣山荘到着。ここは軽食も出すとのこと。カレーを食べた。1000円。
スポーツドリンクも飲んだ。生きかえったぞ。(^-^)
11:30
剣山荘を出て雪渓を越えてテント場へ。朝と違い、雪も柔らかくなり足が
入りやすく安定して歩ける。あとひと登りでテント場。
12:00
テント場到着。へとへと。雪解け水をがぶ飲み。うまい。
さすがに岩山を登っただけある。軍手がボロボロになった。
特に指先は大きく穴になり、無い。
1時間休憩して、下着や靴下の洗濯と体を水で拭き足や頭を洗った。
氷水とおなじで、頭も足もキーンと痛かった。
日焼け止めをぬるのを忘れていた。首と鼻と手がカッカカッカと痛み出した。
濡れタオルと水筒に雪水を入れて氷まくら代わりにしてひやした。
今日は早く夕食(らーめん・ご飯・味噌汁)を食べて寝る。
26日(金)
03:00起床
今日は長距離を歩く。テント内を片づけて、4:00軽く朝食。
テントを撤収して04:45出発。別山に向けて登り開始。
剱御前小屋方面には行かず左へのコースをとる。
きついけど寒いのでばてない。今日は日焼け止めクリームを忘れないぞ。
最初の雪渓で腰近くまで雪に埋まった。岩と岩の間かもしれない。
やはり雪もゆるみだすとこわいなぁ。
06:00
別山(2880m)到着。硯ケ池を見る。この水で経文を書いたとは
すごいなぁ。日本最高所の池。周りは雪。
硯ケ池にて | 剱岳をのぞむ |
剱岳がすばらしくよく見える。内蔵助山荘から写真を撮りに来ている
おじさんと会話。「晴れていて良かった」につきる。風がきつい。
07:00
真砂岳(2861m)
08:00
富士ノ折立(2999m)を通過して大汝山(3015m)。
黒部ダムが下に綺麗に見える。
少し行ったところに真新しい祠があった。すぐ南に雄山の神社が
山頂に青空にはえてとても綺麗に見える。
もうすぐ雄山神社だ | 若い神主さんですよ |
08:35
雄山(3003m)。神主さんと会話。
今年から真新しくなった社。
あと30分もすれば室堂からどんどん団体が押し寄せてくるとのこと。
周りの山の説明も丁寧にして下さった。
一昨年家族と登った奥穂高などがよく見える。
もう一人の登山者とお祈りとお払いをしていただいた。400円。
白山、富士山、雄山の3霊山の一つ。白山も富士山もここから見える。
社の周囲の小石には名前や月日が書かれている。登山者が下の町から
一つ一つ持ってくるとのこと。決して持ち帰らないで欲しいとのこと。
社務所で祖母や父母の長寿箸や子供達の進学お守りを購入。
09:00
下山開始足場は石だらけで崩れやすく悪い。
「うわぁ団体が登ってくる。」一ノ越山荘まで30分ほどで降りれる
はずが登りの人たちを一人しか通れない所では待つのでなかなか・・。
10:05
一ノ越山荘到着。20分休憩。ここまで来ると登山姿と普段着の人が
いろいろ。室堂や上高地付近ににている。
10:25
少し下って右へ。ペイントで雷鳥荘方面とある。
室堂方面からの団体の蟻の行列とはうってかわって誰も通っていない。不安。
神主さんも「今年は雪が異常に多いので途中に雪渓で道が途絶えているのでは」
と言われたとおり、すぐに雪渓で行く手をはばまれた。ペイントも埋まっている
ので地図とコンパスとかんがたより。通過したと思ったらまた雪渓。
それも急斜面。4つ目の雪渓通過後に全く道が分からなくなった。
山崎カールのすそをトラバースしているのだなぁ。
原則通り下らず登ってみた。ずっと左手にあった。また雪渓を越える。
ひざまでズボッとはまること数度。ヒヤリとする。
巣を荒らすわけでもないのに木のそばで雷鳥が鳴きたてる。ごめんね。
しかし太陽の雪の照り返しが暑いこと。
雪渓をはずれて、木々のトンネルを2カ所しゃがみつつ抜けると雷鳥平の
テント場が見えた。やったー\(^o^)/しかし・・・・大きな雪渓・・・。
どこをどう行けば・・・・クレバスのように割れているところやひび割れの所が
続く。さらに川になっておりのぞき込むと雪の下に4mほどのトンネル状態。
落ちたらつめたいだろう・・・。雪の厚さをたしかめつつ回り込んで行く。
お地蔵さんがあった。
12:05
テント場に着いた。テントをたてて管理事務所へ。
雷鳥平のテント場 |
500円支払い、剱沢と同じようにキーホルダーを記念にといただいた。
スキーヤーだらけ。
14:00
すごいガスが発生してきた。さっきまで見えていた山々が全く見えなくなった。
14:25
雷鳥沢ヒュッテまで行って温泉にはいった。国民宿舎なみの広い風呂場。
みんなスキーをしていて、この時間帯は私の貸し切り状態。400円。
食堂で焼きめしとラーメンを食べて大満足。食堂のおばさんの話では
晴れっぱなしはだめ。3時頃にこれくらいガスでて夕方晴れると次の日も晴れる
とのこと。16:00ころにパラパラッと小雨が1分位有った。
19:30
疲れてウトウト。しかしここも雪渓のかぜで寒い寒い。12度。
27日(土)
01:44ラジオでオリンピックを聞いていたら田村選手が勝って04:00
からの決勝へ進出。星がきれい。首だけ出して星空を見るのが好き。
流れ星も久しぶりに見ることが出来た。
04:00柔道決勝。田村負けた。銀。男子の野村は勝って金。
すごく感動した。となりのアベック登山者もテントで聞いている様子。
05:15起床。
テント場に太陽の光が直接当たるのは真砂岳から見ていた7時頃となる。
それからテントを乾かすか・・・。
7時ころから別山乗越に向かう登山者がちらほら。初日に私が迷ったように
雪だらけで道が分からない様子。3人の人たちにコースを教えた。
08:00
テント場出発。地獄谷を経由してみくりが池から室堂へ。いおうガスがすごく臭い。
すごいガスだ 臭いよぉ | ここは観光客だらけ |