【山 名】摂津歌垣山(553.5m)


【日 付】1997/11/24(月)
【天 候】晴れ
【ルート】倉垣上村・摂津歌垣山登山口−歌垣山−堀越峠−倉垣−上村
【地 図】昭文社 山と高原地図50「北摂の山々」
【参考書】山と渓谷社「大阪周辺の山」

本で見ると歌垣山から妙見奥の院への歩行2時間コースが紹介されているが
今日は歌垣山のみをラッキー(シェルティ 1989/11/16生 牝)の散歩がてら
行くことにする。息子は「家にいる」と冷たい返事。

9:15
ラッキーと車で自宅を出る。国道423号線回りで天台山と光明山の
登りを清滝まで行き、野間峠に下る道で行ったので1時間もかかって
上村農協前到着。グニャグニャ道でラッキーは車酔いで嘔吐。ゴメン。
遠回りしてしまい川西から26キロ1時間もかかった・・・
(ちなみに帰りは一庫ダムから知明湖沿いに下田尻を通って川西へ
18キロ35分だった)

10:15
登山口がわからない。とりあえずそれらしき道を進んだが、くり林。
10分ほどで道が途絶えてしまい、150メートルほど南へ。
きれいな登山道にでた。スタートからきつい登り。木の階段や丸太の
階段が綺麗に整備されている。右には清流、回りは鳥の声。
地図には30分と書いてあるが、なかなか息の切れる登り。
雪の季節やボッカ訓練には近くて良さそうだなぁと思う。
ラッキーは、さきさきすすみ振り返っては「早く来い」の顔。
分かれ道ではくんくんにおい、正しい道を進んでいる。えらいなぁ。
息がきれる。3度ほど小休止。寝不足がたたる。

10:55
右は「ふれあい広場・頂上見晴らし展望台」、左は「かがいの広場・
歌詠場・歌碑」の分岐到着。右へ行き5分で三角点へ。なかなかいい。
特に西側が開けてよく見える。トイレや屋根付きベンチ、4人ほどで
いっぱいになるような展望台がまだ新しい。実に静かだ。

11:10
かがいの広場へ。男2名と女2名の中年グループと挨拶。
綺麗なログハウス。森林学習館となっているが中は何もないし、
しまっている。歌詠場は10メートル5メートルほどの屋根付きで
大理石で整地してあり立派なもの。歌碑も大きい。
ここのトイレも屋根付きベンチも新しい。ラッキーに朝食を与えて
私は地図と景観を楽しんだ。剣尾山や三草山、妙見山がきれいに
見える。晴天で気持ちいい。この広場はテントも張れそう。
歌碑の説明を見ると・・・

「昔、未婚の若者は定めた日に山頂などに集まり即興の歌を交わし
結婚の相手を決めました。これを歌垣とかカガイと言いました。
713年(和同3年)に上撰された摂津風土記には次のように
記されています。『この岡の西に歌垣山あり。昔、男も女もこの上に
集まり登りて常に歌垣を為しき因りて名と為す』と山頂の歌碑には
『くらかきの里に波よる秋の田はとしながひこの稲にぞありける(匠房)』
と刻んであります。1068年(治歴4年)後三条天皇即位の大嘗祭の
主基頭(すきがしら)大江匠房卿が主基田に指定されていた歌垣山西麓の
倉垣の里を訪ねたときの歌です」とあった。勉強になるなぁ。

「としながひこ」とは天皇即位の大嘗祭に献上する米を作る男子のこと。
万葉集以降の歌集「未木集」に載っている。わかりやすく言うと歌垣とは
歌ガイ会のことで古代より未婚の男女が山で歌を唄いながら踊ったりしたとも
いわれている。この歌垣山は常陸の筑波山、肥前の杵島岳と並んで歌ガイ会
三名山と言われているらしい。今でも中国の雲南省では何万もの未婚の男女が
山上でこのようなことをしているとのこと。興味深い山である。

11:45
かがいの広場から北に車1台走れるくらいの舗装道がある。地図には
無い新しい道だがいい道なので下見しないわけに行かない。下ってみた。
5分ほどで10メートル10メートルのコンクリートで平坦にしたところ
がある。材木の集めるところかな。そこからさらに5分。ゲートがあるが
開いている。さらにすすむと整備されたくり林。
あと5分下るとまたゲート。今度は完璧に閉鎖されていた。ガクッ。
もとの道を登り、12時15分に元の位置へ。三角点横から最初に決めて
いた堀越峠への道を下った。途中で小学生2人と幼児を連れたお父さんと
挨拶。10分くらいは快適な道だったが、急な下りが始まった。こちらの
丸太階段はジグザグ配置で下りにくい。ラッキーも困っていた。

12:35
堀越峠に着いた。ここもわかりにくく通り過ごしそうな登り口。妙見山へ
2キロの立て札があるが今日はここまでとする。ここからは県道732号線
沿いに下る。トラックが多いが歩道があり歩きよい。
12:55
車を留めた農協の手前のパン屋の前に「摂津歌垣山登山口」の石柱。
登山口はここだったのか。「頂上まで1395メートル」とある。
帰りはラッキーが酔わないように近道で帰ろう。
ラッキーを少し休ませて13:15出発。

今日歩いたコースは三草山から歌垣山、妙見山とつづく環状自然歩道と
看板案内板にあった一部である。地図では豊能自然歩道となっている。
杉原や長尾からの登り口も次回は試してみたい。妙見奥の院までの
コースや妙見山までのコースも雪の頃また歩いてみようと思う。

97/11/24(月) 17:05 矢問源氏(やとうげんじ RXK02757)

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付録:下は5ヶ月後の1998年4月に次男と行ったときの風景

奥の院に向かう道の水たまりには
無数のオタマジャクシが
頂上のログハウス前
よっくんが応募した短歌が入選!
2002年12月8日の山ネット「歌垣山から野間の大ケヤキ」の記録にリンク