【比良】残雪期の武奈ヶ岳


【山 域】 比良山系:武奈ヶ岳1214.4m
【日 時】 2010年2月20日(土)
【コース】 坊村・御殿山登山口−御殿山1097m−ワサビ峠
      −西南稜−武奈ヶ岳1214.4m
【メンバー】矢問単独
2月に入ってMICKEYと台湾に行ったり、旧正月の神戸・南京町に2日連続行ったりと
食べてばかり。MICKEYは今日は山には行かないという。
筋肉も落ちてしまうので、単独で久々の武奈ヶ岳へ。出発が6時前と遅れた。

名神高速走行でD-STARにて生駒RPTでJN3VDEさん、続いてJI8PBGさんとQSO。
湖西道路を走っていると晴天の空に雪をかぶった武奈ヶ岳がそれは美しく輝いている。
天気予報は晴天だが、気圧の変化は激しいのでどうなることやら。今の気温は0℃。

90分で坊村に着いた。明王院横の駐車スペースはもう2台分しか空いていなかった。
隣の京都ナンバーのご夫妻や他の2台も登山準備中。ショートスキーの人が先に出発して
いった。皆さんは厚着をされているが、僕は上は下着と上着だけにした。
道路沿いや民家回りも除雪で固めた雪が少し残っている程度。

8:00
出発。ピッケルは不要と判断し、車に置いた。アイゼン、スノーシューを今日の装備とした。
明王院は工事中のようだ。その横を通り御殿山登山口から登る。最初から急登。
このルートで雪の頃に登ったのは9年前の2001年2月。その時より断然雪が少ない。
植林帯のしばらくの間はうっすら雪がかぶった程度で土が見えているが、15分もすると
土も見えなくなった。湖西道路から見た晴天とは違いうっすらと雲がかかり始めている。

先に出発されたご夫妻がアイゼンを装着されている。しっかりかむ雪なので挨拶をして
僕はそのままで先に登る。先行者の足跡にもアイゼン跡は無い。
いつもと違ってどうも体の動きが鈍い。登り始めたところなのに足の疲れを感じる・・・。
「P846m」と木に板が どうも今日は足が疲れる
9:15
「P846」と木に板がぶら下げてある地点。地形図のCa846m地点。
「まだここか・・・。今日はなんだか足の調子がいまいちだな・・・だるく感じる」
地形図の点線は谷道からのルート。そちらへの足跡が多いが、せっかくの雪の時期だし、
尾根筋へのルートをとることにした。2人ほどの足跡がある。
エビの尻尾 コーギーとご夫妻
9:55
エビの尻尾が枝に沢山ついている。写真を撮っていると「ガサガサッ」横を見ると・・・
「ウワッ、狐!」・・・違う・・犬のような顔・・・ウエルシュ・コーギーだった。
短足なので雪の腹当てをつけていてかわいい。「どうした。一人かい」と犬に話しかけて
いると、後ろから飼い主のご夫妻が「すみませ〜ん」と笑顔で登ってこられた。
僕も、昔は亡き愛犬ラッキーとよく雪の兵庫の山に行ったなぁ・・・と思い出した。
1人の男性が下ってきた。「もう武奈に行ってきたのですか」と聞くと「はい。だんだん
曇ってきましたね。昼から悪くなりそうですよ。お気をつけて」とのこと。
こんな時間にもう下山とは、暗いウチから出発されたのだろう。
途中で、コーギーのお二人を抜いて先に御殿山へと登る。
なかなかの展望だ まだ武奈ヶ岳までは遠く感じる
10:15
御殿山1097m。4人ほど休憩されている。武奈ヶ岳が見える。今日は遠く感じる。
後からきたコーギーがここでも人気だった。2人が先に行ったので僕も先に行くことに。
ワサビ峠への下り開始 ワサビ峠
ここからワサビ峠の下りが9年前は怖かったが、今日はそれほどの雪ではなく、凍結して
いないのでザクザク+シューッと半滑り状態で下っていける。5分でワサビ峠。
細く狭く低い雪のトンネル
峠からの登りは細い壁と木に挟まれた切り通しのような所を通ったり、そこに雪の乗った
木が倒れ込んでいてトンネル状になっていてきわめて低くしゃがんで通ったりするため
上着やザックに雪が沢山かかってしまい、バタバタと何度も何度もかかった雪を払った。
だれかが落としたのか、赤いモンベルのヤッケが木の根元に落ちていた。そのままに。
御殿山方面を振り返る 武奈ヶ岳まではあと一息だ
10:35
登り切って振り返ると、雪をかぶった堂満岳がどっしりと見える。
いま通ってきた御殿山からのルートを見ると、御殿山には沢山の人影が小さく見える。
バスで到着した登山者達もそろそろどんどん登ってくる時間だ。
後続者ほど先に行く者のトレースがしっかりついているので、ペースが速く追いつかれる
可能性大。静かな山頂で先に写真だけでも撮っておきたい。「さて、行くか」とザックを担ぐ。
これから行く先を見ると、尾根が右へとカーブしてその先に目的の武奈ヶ岳が見える。
「あと一息だ。」と思っていると、太ももが固まったように動かない。「ウッ、なぜだ!」

雪山や沢登りで冷えて太ももがつった経験はあるけど、両方の太ももが固まったように
動かないのは始めてだ。「つる前触れかな」とゆっくりと痛みをこらえながら屈伸。
今日はMICKEYがいないので、荷物の軽減もどうしようもない。敗退が無難か・・・。
しばらくしゃがんでテルモスのお湯で「芍薬甘草湯エキス顆粒」を飲む。急な筋肉の痙攣
による痛みを軽減してくれる。慎重に一歩一歩筋肉の様子を感じながら稜線を先へと進む。
稜線が北向きから東向きになる地点でまた太ももが錆びたように固くなった。
もう少し行ったらスノーシュー装着だ 最後の登り開始
トレースがあるとはいえ、ツボ足のもも上げ運動をこれ以上続けると、つってしまう予感。
風が冷たいので上の雨具を防風のために着た。これで寒くない。濡れた手袋も履き替えた。
ここからはスノーシューを装着することに。もも上げが格段に楽になった。
「今日はスノーシューの出番はないな」と思っていたが、意外な展開になった。
ゆっくりゆっくり最後の斜面をダブルストックにも力を込めて登る。
武奈ヶ岳 1214.4m 山頂直下、この位置でAPRSテスト
11:20
武奈ヶ岳 山頂。後続の多人数グループが到着する前に写真を撮るべく三脚を用意。
山頂で写真を撮っておられた男性が「撮りましょうか」と写真を撮って下さった。
太ももが悲鳴を上げている。
山頂から4〜5m北へ下った斜面に座り込んで、スノーシューをはずし休憩。
天気もいまいちだし、風も出てきた。気圧も下がり気味。おなかもそれほど減っていない。
今日はガスをつけて食事をするよりパンなどの行動食でゆっくり休んだ方が良さそうだ。
お湯もテルモスにある。のんびりと足を冷えない程度に休めよう。
Google地図に表示された
無線機VX-8Dを出して、周波数が144.66MHzに移行しつつあるAPRSのテスト。
ザッザッザッザッという雑音入感がありなかなか発信できないが、何度かしていると2度ほど
うまく飛び、画面にコールサインが出た。携帯電話は圏外だが、家にいるMICKEYにはGoogle
地図に位置や時間が表示できているだろうから無事の登頂が報告できている。
ID-92でD-STARにて守山RPTに届いたので、ゲート越えにて生駒RPTや藤沢RPTにCQコール
したが応答無しでハズレ。しばらく展望を楽しんだ。
琵琶湖バレーや堂満岳 スノーシューでどんどん下る稜線
11:55
下山開始。スノーシューをつけてワサビ峠への下り手前まで行くことにした。
休憩したので太ももも大丈夫のようだ。スノーシューの浮力で楽に下れる。
どんどんと人が登ってくるのが見える。粉雪が舞いだした。
アイゼンやワカンをつけている人、ピッケルを持っている人、スキーを履いている人、
いろんなスタイルの人が登っていく。トレースの横の雪原をスノーシューで下る快感。

予定通り、ワサビ峠への下り手前でスノーシューをはずして収納。装備に助けられた。
ここからは往路を下っていく。往路に落ちていた赤いヤッケは無くなっていた。
御殿山ではこれから武奈ヶ岳へ向かう人が大勢いた。
谷道と尾根ルートの分岐点ではコーギーのご夫妻がランチをされていた。
谷道からの足跡が多いが、尾根道の方が好きなので尾根道にした。
単独の男性、グループ、小学生の親子、テント泊用意のパーティーなどとすれ違う。

13:35
下山完了。スノーシューに助けられ、久々に残雪の武奈ヶ岳も楽しめた。
まっすぐ帰ろうかと思っていたが、思いの外早く下山できたので、太ももの事もあるし
久々に朽木温泉・てんくうの湯で汗を流して帰ることにした。

湖西道路を走行中、D-STARにて守山RPT経由・生駒RPTでJE3RLLさんとQSOできた。
車での走行も、144.66MHzでちゃんと走行奇跡がタイムリーにGoogle地図に出ていた。
本日のルート
1つ前の記録は「【北摂】剣尾山から横尾山/北面からのルート」の記録です