沢【京都】和束川・不動谷(仮称)ゴルジュ
【山 域】 京都府相楽郡 和束川・不動谷(仮称)ゴルジュ 【日 時】 2008年12月7日(日) 【メンバー】茂木氏と海外溯行同人所属者、日本山岳会関西支部所属者、 その他、そして囲炉裏の仲間達、総勢(女性4名を含む)19名 【コース】 駐車場−10m滝・堰堤−ゴルジュ帯−不動滝 −八番集落北−釣堀谷(仮称)ー駐車場 |
11月の中旬に茂木さんから、久しぶりの沢企画メールが飛び込んできた。 「12月7日に南山城村の和束川源流の不動滝ゴルジュへ行きます。 むずかしくはありません。童仙坊の丘陵にあがる標高差100mの小さい谷です。 それでも幅50センチのゴルジュは見物ですよ。」とのこと。 9年前の11月下旬に小山伏さんと大峰の岩屋谷、7年前の11月下旬にMICKEYと 南紀の内鹿野谷に沢登り行ったことはあるものの、12月・師走の沢登りは初めて(^^;) 朝6時半に家を出て、名神で大山崎から京滋バイパスに入り笠取で下りる。 集合時間は10時なので、時間つぶしに信楽の町をうろうろしてタヌキを見てから「なご みの湖」の湯船森林公園フィッシングエリア駐車場に8時半着。気温はマイナス5℃。 目の前は釣り場では、もう何人も竿を出している。関東方面の車ナンバーも複数台ある。 10時に集まったのは、茂木さんの海外溯行同人から、囲炉裏から、日本山岳会関西支部 から、そしてその他の女性4名を含む総勢19名。茂木さん配布の登山届け用紙に記入し、 それぞれ自己紹介。茂木さんだけでは目が届かないので、3チームに分けた。 「狭い谷が大人数で埋まってしまう〜」と小山伏さん。 |
「えらい人数やなぁ(^^)」 | 「下りて登ってまた下りる〜」 |
10:20 出発。10分ほど林道を歩き右手の斜面を強引に下り入渓。徒渉し少し斜面を登り、また 下って沢筋に入る。「おおっ、早速10mほどの滝か!」と思ったらその奥に堰堤が見える。 |
「ここ下るの〜(@_@);」 | 滝の向こうに堰堤 |
堰堤手前が滝になっていて左岸を上る。「おおっ、濡れたところが凍っていて滑るぞ」 次の堰堤は右を登る者、やや傾斜の緩い左を登る者と分かれる。 |
細い沢となり小滝が2つほど続く。4mほどの滝の左岸を登ると沢は両岸がせりたちはじ め、いよいよゴルジュ帯に入る感じがしてくる。 |
11:10 ゴルジュ帯突入。細い。本当に2人が立てない幅が続く。岩壁に手足を突っ張り通過した り、水面ぎりぎりに顔を伏せて岩間をくぐり抜けたりが続く。 |
水面ぎりぎりにくぐる | 「よっこらせ」 | 「お〜、出た〜」 |
小さくて細い人は有利なゴルジュともいえる。 岩がボロボロと崩れるので、押し気味でホールドとして進み、足を慎重に乗せる。 |
この滝は右岸を巻く | 5mほど下の沢筋へ | 濡れた岩は氷面 |
11:25 ゴルジュを抜けると十字路風となり左に滝がかかっている。ロープのある滝の右岸を登る。 少し進んで、また右の沢へと下りるのだが、女性のために茂木さんがロープをセット。 小滝が続く。先行者は左岸を行く。僕はせっかくだし小滝を登りながら沢の中を飛び石で 行く。ところどころ凍っていて登りつつバランスを取るために滑らないように踏ん張る。 |
つらら爆弾!! | 凍った岩面を直登した |
氷を割りつつ登る小山伏さん | シャワー気味に登る |
後ろの小山伏さんに「凍ってますよ〜」というと、ハンマーで氷を割りながら登って来た。 ハンマーもハーケン打つだけでなく、こういう使い方もあるのか(^^;) 「パシッ」上から何か落ちてくる。見上げると、つららが一杯岩盤にぶら下がっていて、 太陽の熱でとけて落ちてくる。つららを見ると杉の子さんの捜索の時の大蛇ーを思い出す。 大蛇ーの突端へ無線機を持って捜索通信したときも周囲はつららの岩場通過だった・・・。 前を見ると、奥の4mほどの滝の右水際をシャワー気味に登っているが苦戦している。 後続の僕らはサッサと左岸を巻き登った。登ってすぐに大滝の気配! |
スラブの不動滝 | 記念写真 |
11:35 不動滝。約20mの滝と言われている。ツルツルのスラブの滝だ。 「このあたりも行場だった」と小山伏さん。ここの滝の前でランチタイムとなった。 それぞれ個性ある食事開始。僕は寒いのでおでんとうどんにした。 小山伏さんもみんなにおでんを作り振る舞う。「あたたまりますよ」と酒を振る舞う人も。 茂木さんの沢談義を楽しく聞きながらランチタイムは過ぎていく。 動いていると寒くないが、止まっていると濡れた足がジンジンと冷えて来る。 「このスラブの不動滝は今日は登らず巻きます」との茂木さんの言葉のあと、でみんなで 記念写真を撮って出発準備。 |
「さあ、不動滝を巻くぞ」 | 行場だけにはしごまである |
不動滝の落ち口 | ポットホールも沢山ある |
12:15 出発。スラブの不動滝の右岸を巻く。ロープがある。落ち口もつるつるの岩盤で近くまで 行ったが立つ勇気はなかった。しばらくはナメが続くが季節柄落ち葉がかぶり全体像が見 えにくい。ポットホールも沢山ある。水量のあるときはよほど急流になるのだろう。 「一人で来たとき、ここで2時間一人宴会してたんよ。矢問さんもまた一人ででもMICKEY さんとでも来たらエエと思うよ」と小山伏さん。 「源頭部を見に行かないと気が済まない矢問さんは、藪が静かな時期に行くと良いですよ。 今日はそこまでは行かずにここで隣の谷を下ることにしますね」と茂木さん。 |
左岸に道がありそこを進む。しばらく行くと植林帯になり集落。 滝の説明板などがある。滝の中腹に祠があり、滝の右手に7mの不動明王の磨崖仏が 彫られているとある。(ステンレスの説明板には40cmの不動明王の磨崖仏とある。 大きさがとても違うが・・・) 「見たかったなぁ」というと「祠は崩れてた。不動明王はとても薄くて見えにくい」と小山伏 さん。「また次回来たときに見に行くことにします」と僕。 |
12:50 斜面を下って沢へ。右が急斜面でなかなか嫌らしいトラバース。 30mの岩ミゾを下る滝を巻き下ると、いきなり水のある谷がなくなった。 |
ザーッと水が流れる音は聞こえるのだが、流れが全く見えなくなった。 苔びっしりの大岩が谷を埋め尽くしている。岩と岩の間をのぞきこむと、3mほど下の ナメにスゴイ勢いで水が流れているではないか。 「大岩を越えるとき落ちたら大変や」と僕。「この岩、なかなか厳しいな」とBAKUさん。 ズルッと滑って岩でガーンと側頭部を思いっきり打った。ヘルメットで助かった。 |
大岩を越えるのに汗が出る | やっと終わった大岩越え |
左岸の登山道のまま進む者、真ん中のゴロゴロ岩の沢筋に下りていく者(僕もその1人)、 茂木さんと右岸の斜面を進む者と3ルートにいつのまにやら分散。岩も大きくて左岸や右 岸の近くにはヤブもあり全体像がなかなか見えず、全員のルートがつかめないまま進む。 「下からこの岩の下のナメをくぐって登るのも楽しいかも」と小山伏さん。 西からの支流が入る手前、駐車場まであと600m程の地点で全員いるかを茂木さんが確認。 「ユーエスさんの姿を見ていない」とラスト3人も言う。離れるときに誰にも何も告げて いないようで、しばらくみんなで待つが来ない。 小山伏さんと僕の二人で待つことにしてみんなは先に行ってもらった。 小山伏さんが一服吸う間も、大声で呼び続けたが姿も見えず返る声も聞こえない。 「あの沢山あった岩間に落ちたんでしょうかね・・・」と僕。 「一旦下って、まだ姿がなかったら捜索に戻ろう」と小山伏さん。みんなを追いかけた。 |
釣り場 | 駐車場への道 |
13:50 堰堤の右手に道がある。釣り場に続く道だ。途中の池は釣り場となっている。 駐車場から見えていた斜面の道だ。朝見た張りぼての大堰堤が見えてきた。 14:10 駐車場。「おお、ユーエスさんがいる!」小山伏さんも僕もホッとした。 やはりみんなから離れる際の笛等での合図の仕方も打ち合わせていないと仲間に心配を かける。こういうときも無線機があると便利だろう。事故でなくて良かった。 「冬場でもヤブがおとなしくなった小さな谷で楽しく遊べるでしょ」という茂木さんの挨拶で 今回の沢行を終了し、14時半に解散となった。 大滝を登らないならハーネスもロープも不要といえる短くも楽しいゴルジュだった。 久々の小山伏さんとの沢行きであり、BAKUさんとも久々の沢だった。 企画の茂木さんに感謝!! 帰りは朝宮の茶畑を見ながら、学生時代に自転車でよく走った天ヶ瀬ダムを通り、宇治の 茶畑を見て、平等院の横を通り、宇治西ICから高速に乗って帰った。 16時には家に着き、明るい内に季節はずれの沢装束を洗って干すことができた。 |
本日のルート |
1つ前の記録は「【但馬】冬モード開始の氷ノ山(1510m)」の記録です |