【台高北部】雪の明神岳・桧塚奥峰・桧塚
【行き先】 台高北部 明神岳・桧塚奥峰・桧塚(1402m) 【日 時】 2005年12月30日(金) 【コース】 大又−明神平−明神岳(1432m)−桧塚奥峰(1420m)−桧塚(1402m) 【メンバー】MICKEY&矢問 |
天候がスッキリしないので正月前後に予定していたアルプス方面を中止。 4年前の12月は明神岳と薊岳へ行ったが、雪の頃の桧塚奥峰や桧塚を大又からのルート で行ってみたかった。足を雪から抜いてラッセル疲れを軽減すべく、ツボ足やワカンではなく、 今回は氷ノ山でも活躍した、スノーシュー(MSRのLIGHTNING ASCENT 22)で大又から 関西百名山の1つでもある桧塚までの雪の時期のロングルート・ピストンを計画した。 「なんとかこの時期の桧塚までを歩いてみたい」と4年前同様に前夜発。 大又林道終点は傾斜があって眠りにくいので、大宇陀道の駅に午前0時に到着して仮眠と した。 午前5時に起床してゆっくり朝食を食べる。県道219−R166−県道16−県道220で林道 終点を目指す。大又の集落に入ってから道に雪が見えだした。凍結した林道を慎重に登る。 林道終点には1台も車がない。 |
しばらくはアイゼンなしで進む | 沢の徒渉は慎重に「滑るなよ〜」 |
7:00 スノーシュー、アイゼン(矢問12爪、MICKEY10爪)とともに念のため、補助ロープや ピッケルも持って出発。林道終点は工事中でデコボコ。4年前は足跡さえも無くてスタ ートからラッセルで手こずったが、数日前に歩いたようなかすかなトレースがある。 旧あしび荘手前の沢渡りもうまくいった。登山道は雪と凍結部分で滑りやすい。 明神滝のところで「明神平までで体力を消耗しないようにアイゼンをつけるよ」。 明神滝が雪に覆われて上部はブルーの氷となっている。「綺麗な色ね」とMICKEY。 |
雪に包まれた明神滝 | 「滑りやすいよ」 |
アイゼンをつけてからは楽になった。ここからはジグザク道が続く。 今日の下山時はジグザクに下りずに直線で下るつもりで上を見上げた。 |
樹氷のトンネル | 杉の枝も雪で重そうに垂れ下がる |
木々は雪を重そうにまとっている。水場の水は流れていた。 4年前に困ったトラバース地点も薄いトレースが残っていて、ピッケルやロープは今回不 要で楽ができた。 |
明神平の東屋は雪だらけ | 「さて、スノーシューで出発よ」 |
8:55 明神平。東屋で休憩しようと思っていたが、全く人が行った気配もなく、足跡もない。 さらに雪が周囲と同じ積雪。「東屋での休憩は無理だな」天理大の小屋前に1人用のテン トが2つ。スキーの人のようだ。あしび荘の玄関へと進み、しゃがんで風を避けて休憩。 しかし風がきつくて体が冷えて休息にならない。アイゼンをスノーシューに履き替える。 「晴天の予報が大はずれね。曇っているし風はキツイし・・・」とMICKEYは不満そう。 三ツ塚分岐に向かって登り開始。スノーシューの浮力は絶大で足抜きのパワーがいらない。 三ツ塚分岐を明神岳へと尾根道を進み出す。これがスゴイ南からの強風。飛ばされそうだ。 時々太陽の光が差すがスッキリ晴れてくれず曇っている時間の方が長い。 4年前のラッセルからするとスノーシューの楽さは格段の差だ。 |
くぐる倒木にも雪が積もっている | 明神岳からの展望 |
9:50 明神岳(1432m)。4年前はツボ足で膝近くまで沈んで大変だったし、今日もここまでは真 新しい膝近くまで沈んでいる足跡があったが、スノーシューでは3センチも沈まないので 実に楽であった。 ここから左斜面へと下るのに、すーっとそのまま直進してしまった。 山頂の木に10センチほどの小さな「桧塚奥峰」の矢印プレートが打ち付けてあったのに。 100mほど下って「あれっ、これは笹ケ峰方面への尾根を下ってる。ごめん!!」。 この登り返しがまたキツかった。途中から右へトラバース気味に進み進路修正。 |
桧塚奥峰へと進む | 「あと少しで桧塚奥峰の山頂よ」 |
全くトレースも無い桧塚方面への静かなルートをこれから進む。 無雪期ならテープやリボンが目に付きやすいのだろうが、この時期は木もテープも雪に覆 われている。めざといMICKEYが怪しい形のものの雪を取り払うとテープであったりリ ボンであったりする。全くトレースはないルートなので、慎重にコンパスと地形を確認し つつ進む。桧塚奥峰へあと300mほどという地点でスノーシューの単独男性とすれ違っ た。スメール方面から桧塚そして桧塚奥峰と通過して来たのだろうか。もしそうなら、 ここから先はその人のスノーシュー・トレースがあると言うことだ。MICKEYが休憩したい と言うが「あと少しで桧塚奥峰だからそこで休憩しよう」と提案。 |
桧塚奥峰(1420m) | エビのしっぽ |
11:05 桧塚奥峰(1420m)。山頂プレートは特にない。スゴイ風で、カメラの三脚も何度も倒れる。 「こんなに風がキツイと寒くて休憩できないよ〜」とMICKEY。 右手へ少し行くと展望が開ける地点があった。 |
「桧塚まであと少しよ〜」 | 「あの岩を過ぎれば山頂ね」 |
桧塚へは逆に少し左へ行き北東の尾根へと進む。 「桧塚まであと600m程だから頑張 ろう」「あの正面に見えている所? この調子なら行けそうね。」とMICKEYのペースが 速くなった。どんどん先に行く。 青空が時々出る。木々についたエビのしっぽの長さも30センチほど成長している。 |
桧塚(1402m) | 桧塚の小さな山頂プレートとCD |
11:30 桧塚(1402m)。 「やったなぁ!来られたなぁ!」「長いルートだったけどスノーシューの 威力はスゴイね。なんとか来られたね!」展望をしばらく楽しむ。 小さな山頂プレート1枚とCDのプレートが1枚ぶら下がっている。三角点は雪の下。 |
桧塚から桧塚奥峰へと戻る | 展望も良い尾根道 |
ここも風がキツイので、帰路時に桧塚奥峰のむこうにあった風の弱い樹林帯で昼食にする ことにした。いつになく今日の二人は腹ぺこになっている。 |
ランチタイム | 桧塚から来た道を振り返る |
12:10から30分間のランチタイム。スノーシューを脱ぐとやはり膝まで沈んだ。 今日はチャンポン麺にした。体が温まる。青空も時々出るがまだまだ曇り時間が多い。 帰路も長いので食べたら直ぐに出発にした。自分たちのトレースも風で消えかけている。 明神岳への登りにかかったとき、桧塚奥峰の手前ですれ違った男性が下りてきた。 |
明神岳への苦しい登り | 桧塚奥峰への小さな方向プレート |
スノーシューのヒールにあるリフトを立てて直登する。 このヒールリフターを立てると、傾斜の斜面を登るときに実に足首が楽なのだ。 明神岳から三ツ塚までの尾根筋は朝と同様に風がキツイ。 三ツ塚の斜面を右にトラバース気味に明神平へショートカットした。 |
明神岳からの尾根道は帰路も強風 | 明神平が見えた「ホッ」 |
13:30 明神平。 ここまで戻ると2人ともホッとできた。あとはジグザク道をスノーシューを履 いたままジグザクに進まずにまっすぐに下って時間短縮する。 傾斜も何のその〜と、先に下る。MICKEYは尻セードで下ってきている。こりゃ早い。 ベンチの所でスノーシューをはずして収納。あとはノーアイゼンで下る。 |
直線滑降尻セード! | 明神滝の左横の急斜面も尻セード! |
明神滝の巻き道もすすまずに滝のすぐ左横の木道手前斜面をそのまま下ることにした。 ここでもMICKEYは尻セード。「ワ−−ァ、気持ちいいよ〜」「沢筋に吸い込まれるなよ〜」 いたるところに大きく太いツララがある。小さいのを折ってMICKEYは食べていた。 14:30 林道終点の車のデポ地に到着。桧塚まで往路4時間半、昼食30分、復路2時間半だった。 朝は1台も無かった車が、6台ほど停まっていた。岐阜や京都など他府県のナンバー。 凍結している林道を4WD+ローギヤで慎重に下る。 帰りに入る予定のやはた温泉は、残念ながら29日から3日まで年末年始休業だった。 |
本日のルート |
この1つ前の記録は「紀北・生石ケ峰」の記録です |