【南紀】法師山と百間山


【行き先】  南紀・大塔山地:法師山と百間山
【期 日】  2006年1月28日(土)
【メンバー】 MICKEY、矢問
【コース】  法師山登山口−P1006−法師山(1120.2m)
       −尾根を西進−百間山(999.2m)−百間山登り口
       −千体仏−板立峠−法師山登山口
近畿で今日晴天なのは「和歌山南部のみ」の予報を信じ「法師山」を狙うことにした。
朝3時40分に自宅を出て、法師山登山口に7時30分に着いた。
大塔山系のシンボル的な法師山。やはり南紀の山は遠い。
法師山登山口 自然林が気持ちいい
7:40
登山口から急登になる。体がまだ眠っている感じで動きが鈍い。
MICKEYも久々の山行で体力が心配という。これはいつもの牽制球だろう。
木の根が張る人一人分の踏み跡の両側には背丈ほどの笹が続く。
15分ほどでタママツ尾根に乗る。四方向の交差地点。もう暑い。早々と上着を脱いで
左への進路を登る。笹や木々でやや薄暗い。
シャクナゲやアケボノツツジの木も多い。花の時期はきっと綺麗だろう。
751m地点を過ぎると、ブナやミズナラなどの綺麗な自然林の道となる。
赤やピンクのテープが意味もないくらい多くついているのがつや消しだ。
息が切れて何度も呼吸を整える。MICKEYのペースは落ちない。やはり牽制球だった。
50m位の差がどんどん広がりもうMICKEYの姿はずっと先で見えない。
「いつものことさ(^^)」お互いに単独行と同じ状況で静かな山を楽しんでいると思えばいい。
P1006からの法師山
8:25
P1006。ここからピラミッド型の法師山が綺麗に見える。美しい姿をしている。
その姿に見とれていたが、MICKEYに追いつこうと気を取り戻し、一旦下ってまた登る。
途中で待っていてくれた。土が霜で盛り上がっている。山頂直下の反射板が近づいた。
法師山 山頂 これから行く百間山方面
8:50
法師山 山頂。行動食をとりつつの360度の晴天の中の大展望。「いい山ね」とMICKEY。
まだ登っていない東には大塔山、西には百間山、半作嶺をはじめ、東方面には昨年9月に
沢登りで登った大雲取山、北には昨年11月に登った冷水山などが見える。
反射板も山頂の直ぐしたにあり邪魔にならない。三角点も流石に一等三角点。立派な石だ。
ピストンであっさり下山しようというMICKEY。西に屏風のように見える尾根を見ると
尾根筋を歩いてみたくなった。せっかくの機会だし、百間山まで縦走してそこから下山す
ることにした。尾根の状況がわからず時間が読めないが、MICKEYも了解してくれた。
以前読んだ記録では、途中で尾根がややこしく迷った記録や、岩稜帯で苦労した記載が
あったことを記憶している。何とかなるだろう、と百間山を目指していざ西へ。
下りすぎた気持ちの良い北尾根 尾根からの素晴らしい景色
9:05
まず北の尾根に下る。素晴らしい尾根筋だ。特に左が切れていて高度感を感じる。
トットット・・・と幅の広い尾根道を快速で下っていたが・・・。どうしてこんなに左斜面が
切れているのか・・・地形図と合わない。しまった!自然林の尾根筋に目を奪われて
西の尾根に入り込む地点をすでに過ぎて北東尾根に乗っているのだ!なんてこった!
がっくり・・。「綺麗な尾根筋ね」と笑顔で言ってたMICKEYが「しっかりしてよね!」
と怒り出す。距離400m、高度差50mをぶつぶつ言われながら登り返す。面目ない。
百間山は中央の奥の山
西の尾根に入り込むところはテープがあるもののややわかりにくい。「ここだったのか・・」
踏み跡の幅も人一人分と細い。「ホントに今度は合ってるの?」とMICKEY。「うん」。
P1003は南斜面を巻くように踏み跡を進む。次のP1029は法師山への看板があり、踏み跡
は2方向にある。きっと左は南尾根に通じるものだろうから右の北への進路をとる。
しかしこの踏み跡もそのまま北の尾根を進むものかもしれない。西へ曲がらないので先ほ
どのミスを繰り返してはならないとまた分岐へ戻り左の踏み跡を偵察。やはりこれは南尾
根への踏み跡。先ほどの北の踏み跡を進むと、分岐へ戻り返したすぐ5m程先で踏み跡は
西に折れていた。「熊らしき大きな糞がある」とMICKEY。その後も3度ほど見た。
時々「百間山へ」とかまぼこ板大の札がかかっている。逆に登ってくる人はいないのか。
右の岩場を通過しないと道がない! 「岩場もこの下りで終わりね」
10:10
岩稜帯。「これか・・・」と周囲を見る。左は滑り台のように一枚岩。右は切れ落ちていて
ハング状だ。岩の中央部のバンドのようなところに足をかけて通るにしても手がない。
MICKEYは切れ落ちている側を通るのでは、というが先がない。岩の上部をつかんで通
過するのが安全のようだ。確保の補助ロープを今日は持っていない。岩がはがれ割れない
ことを祈りつつ慎重に通過する。と、次も岩。左は行けそうもない。右のハング下に人一
人がやっと乗れる幅がある。そこををうまくくぐりつつ下るしかない。その右は落ちている。
僕の最も苦手なハング下のくぐり抜けだ。体が硬いし右へ滑り落ちそうで・・・・苦手だ・・。
「こんなの、怖くないわ」とMICKEYは下りてきた。度胸があるヤツだ。僕は苦手だ・・・・・。
一般ハイカーにはおすすめできない岩稜越えがある尾根ルートといえるかもしれない。
目の前のP1008へ直登しかけていると踏み跡は左斜面へと続いている。そのまま南尾根
を下ると車を置いた地点へいけるのでその踏み跡かも知れない。迷ったが偵察。
南側のやや傾斜のましな尾根からP1008へ登る踏み跡のようだ。えらく遠回りした。
「直登すれば良かったな」と思ったが後の祭りとはこのことか。
P1008 「下ったと思ったらまた登りなのね〜」
10:50
P1008の四等三角点。岩稜越えで疲れて小休止。晴天でポカポカと暖かい。
しかしここからの西進の下りは北からの冷たい風で寒く、あわてて上着を着た。
笹をかき分けて進む所も多い 百間山までもうすぐだ!
北側の景色が素晴らしい。静かな尾根道。今日も誰にも会わない山行となりそうだ。
百間山 山頂 百間山から見た法師山と尾根筋
11:55
百間山。最後の登りは急だった。「着いたな!」「来られたね」と簡単に昼食にした。
法師山や通ってきた尾根筋が見える。山頂の土が減ったのか三角点の土中の部分が相当
浮き出ている。風もなく雲もなく暖かくて眠くなった。20分ほど休憩。
踏み跡は南と西へ2本ある。西へ行けば三ツ森山から半作嶺へと続く。
今日は南へ下り「千体仏」へのルートを下る。杉の植林帯であり結構急な下りだ。
大岩と松 千体仏
ところどころ階段状に土止めがされている。「スゴイ岩!」とMICKEY。左手に大きな岩が
ありそこにはへばりつくように松も生えている。
下りながら正面にときどき法師山の雄姿が見える。

12:35
「百間山登り口」に出た。前は涸れ沢で水が流れていない。「千体仏」方面へは5分。
そして千体仏が林道終点で、そこから林道を進む。「まるで芦生の地蔵峠からの林道下り
みたいね」とMICKEY。ここでも正面に法師山が見える。15分で朝通った県道に出た。
板立峠への緩い登りそして下りをのんびり歩く。下りは楽で良い。車も人も全く来ない。
県道を下って行くと途中に、圧倒される広い範囲の一枚岩のスラブの斜壁がある。

13:10
法師山登山口。和歌山ナンバーの車が1台停まっていた。
昨日MICKEYがやけどをしていたので、帰路にあるやけどにも効くという「鮎川温泉・黄金
の湯」で汗を流そうと思ったのに、残念ながら鮎川温泉はつぶれていた・・・。
南部(みなべ)で梅干しとミカンを買って帰路についた。本当に良い天気の一日だった。
本日のルート
この1つ前の記録は「芦生・豪雪の大段谷山(795m)」の記録です