【京都北山】片波川源流域の台杉と片波山
【山 域】 京都府 片波川源流域台杉観察路と片波山(湯槽山) 【日 時】 2008年5月17日(土) 【メンバー】MICKEY、矢問 【コース】 @片波川源流・伏条台杉群生地域観察路 A片波川東谷林道−鍋谷峠−片波山(湯槽山763.1m) |
「天気が良すぎで暑くなりそうよ。手軽な涼しい風の吹く森くらいがいいね」とMICKEY。 「片波川源流の台杉の観察路に行こうか。観察路なので、ちょっと歩くルートとしては 短すぎるけど。近くの山にでも登って昼食にすればいいし」「そのプランでいいわ」 R477号線・京都市右京区片波町の片波川沿いを北上。片波林道の西谷林道へと入る。 【@片波川源流・伏条台杉群生地域観察路】 片波川源流京都府自然環境保全地区は平成11年(1999年)に指定された。 鍋谷山の南側にあり、片波川東谷と片波川西谷までの間に伏条台杉の群生地がある。 貴重な木々や動植物保護のための立ち入り禁止地区と、アシウスギの巨木群ある伏条台杉 群生地域観察路として、一部が自然観察路として整備、公開されている。そこへ行く。 |
林道ゲート左に広い駐車スペース | 立入禁止地区と観察路を示す看板 |
9:00 片波の集落から西谷の林道に入り、チェーンのゲート(開いていた)の左横にある、広い駐車 スペースに停めた。目の前の斜面に踏み跡があるが、これは尾根沿いに二の峰へと続く踏み 跡で、帰りのルートに使うことにして、往きは林道をしばらく歩き、観察路の入口から入る。 |
「向こう側が見えるよ」 | 「いろんな木が共生してるね」 |
木道や丸太階段そして道標や観察路案内板は整備されていて、一の峰、二の峰、尾根別れ、 東尾根と観察路は設置されている。 「おはようございます」一眼レフカメラを持った1人の若い男性が下りてきた。珍しく人に会った。 |
「これも立派よね」 | 実に大きい |
持参したガイドウォークのパンフレット地図には「迎えの大栗」「大櫓杉」「大主杉」「三本杉」 「谷守杉」、そして東尾根広場の「平安杉」「昇竜の栗」「留杉」などが記されている。なかでも 東尾根広場にある「平安杉」と呼ばれる巨木は幹周15メートルありこの観察路では最大と されている。 |
「これまたご立派!」 | 左下が矢問です〜 |
「芦生研究林の赤崎中尾根や井ノ口山で見る芦生杉より杉の表面が凄くカサカサのようと いうか老人のようというか、痛々しく老齢感のある芦生杉の巨木が多いね」とMICKEY。 「本当だなぁ。なんかここの芦生杉は木肌が荒れて痛んでいるって感じがするね・・・」 |
「木肌が痛んでるね」 | 「私がちっぽけに見えるね」 | 「これも大きいよ」 |
「う〜ん、ご立派」 | 「これも見事ね」 | 「イヌブナの新緑も綺麗ね」 |
樹齢400年以上といわれる巨大なアシウスギの群生と、ブナやカエデの新緑に包まれた 森の静けさは実に気持ちがよい。箕毛谷のイヌブナの新緑がこれまた素晴らしい。 「朝の散歩には良い所ね。これだけカエデやブナもあると紅葉の頃も綺麗でしょうね」 |
箕毛谷にも芦生杉 | 「あなたも立派ね」 | 「あれも大きいね」 |
「これが平安杉ね」 | 「これもどっしりしてるね」 | 「新緑もいいわ〜」 |
「大きなアシウスギが縦に切られたような跡があるね。芦生研究林にもあった、ばん摂り跡の ような感じ」とMICKEY。「このあたりは古くから御杣御料(みそまごりょう)という御料林だった から、産出する木材が皇室で使用されてたらしいよ。明治維新後民間に払い下げられたらし いから、これもばん摂り跡かもしれないね」 |
東谷林道へと下り鍋谷へ登り返して片波山(湯槽山)へ行こうと思ったが、MICKEYは 「私は車でのんびりして待ってるわ。」というので、車に戻ることにした。 帰路は二の峰から尾根づたいに駐車した地点へと戻った。 |
「ここは展望がいいね」 | 「駐車地点に到着〜」 |
10:35 駐車地点。ここから車で東谷へと回り込み、鍋谷への出合付近へ移動。 【A片波川東谷林道−鍋谷峠−片波山(湯槽山766.1m)】 東谷へと回り込みデコボコ林道を、地形図と景色を見比べつつ進む。 これが鍋谷峠への谷筋だろうとみきわめた林道のふくらみに駐車。 出合は伐採地となっておりしかも鹿よけネットが囲んでいる。 そこに行くにもまず川を渡るのだが危なっかしい丸太橋が下に見える。 「私はここで車の中で昼寝をしながら待ってるわ。携帯は圏外だから、状況報告は無線機 で12時から30分ごとにQSOしましょ」 「了解。山頂で一緒に昼ご飯にすればいいのに。木に囲まれていて涼しい山頂だよ」 |
丸太橋と鹿よけネット | 最初は左岸を、そして右岸 |
11:10 さて、鍋谷峠を目指し、片波山を目指す。 片波山は地形図では湯槽山とあるし、湯船山と言う人もいる。北山では谷には名前がつい ていても山には名前がついていないことが多いという。昔から谷が林業のための道筋につ かわれ、地元の人たち生活に密着していたためらしい。このため何々谷山というように谷 の名前をとって山名にしている場合が多い。 ちなみに鍋谷は山頂から北東の谷だし、湯槽 谷は山頂から南東の谷の名前のようだ。 以前、この北にある井ノ口山へ行った際に、丹波広域基幹林道という幅5メートルの車道が 山頂近くまで工事中だった。鍋谷峠の東側の集落から登ったが、峠がつぶされていたのを 思い出す。今はどうなっているのか・・。残念なことにこの地、この林道工事のために多くの 立派なアシウスギが伐採されたり、イワウチワの群生地が壊されてしまった所も多い。 川に下りると不安定な丸太橋を渡るよりその横を飛び石で渡る方が安全と分かった。 鹿よけネットは「出入口」の紐をほどき、入ってからまたしっかり閉め谷筋へ。 細い踏み跡を拾いながら、まずは左岸を進み途中で右岸を進む。 また鹿よけネットを開け閉めして谷沿い右岸の踏み跡を進む。ここからは伐採されていな いので日陰で涼しい。 大岩の二俣。しっかりした踏み跡は左俣で、行きかけるが方角が北を指す。右俣を進む。 途中の斜面でやや踏み跡が不鮮明となったが、時々赤布やテープが残っており心配ない。 |
ナベタニ峠の面影はわずか・・・ | 峠の北側を見る | 峠の南側を見る |
11:35 鍋谷峠。全く昔の峠の面影はない。ドーンと南北に真新しい広域林道が走っている。 東側へ下りていく踏み跡もどこへやら・・・という感じ。この峠から北へ行くと井ノ口山。 |
此処を登っていく | 右手には芦生杉 |
ここからは、林道の西側の尾根沿いに南進する。直ぐ右手斜面に大きな芦生杉がある。 踏み跡を登っていくと右にも左にも正面にも芦生杉の巨木が現れる。 |
立派な芦生杉がある | 尾根道真ん中にも芦生杉 |
展望のきく所にも芦生杉 | 中央奥に東谷林道が見える |
西側の東谷林道が見える尾根に出た。そこにも立派な芦生杉がある。 車はそこから見える地点のやや南側に置いたので見えない。 登りの傾斜がゆるくなった。そろそろ山頂だ。おっと、12時。無線機オン。 MICKEYのコールサインをメインで呼び、QSYしてQSO。59で入感。 「そろそろ山頂まで1〜2分。山頂でお弁当を食べてから下山する。」 「了解。涼しい風で車内でウトウトしながら下山するのを待っていま〜す」 |
片波山 763.1m |
12:02 片波山 763.1m。「片波山」「湯槽山」など山頂札が沢山ぶら下がっている。 山ランの方達も多いらしく、コールサインがついた山頂札も多い。 無線機はメインも他の周波数も静かなもの。山に囲まれているからだろうか。 ゆっくりとおにぎりとパンなどの弁当を食べる。昼寝をしたいくらいに涼しく気持ち良い。 |
植林の為に枝が邪魔で? | 林道近くにも芦生杉 |
来た道をまた戻る。ブナノ新緑や芦生杉の静かな道だ。東側下に見える林道ギリギリにも 芦生杉が見える。あのあたりにあった他の芦生杉は伐採されたのだろうな・・・・。 シャクナゲの木もあるが花の気配はない。 12:30に車で待つMICKEYに定時QSO。こう言うときも無線機は便利だ。 12:55 駐車地点。「車の中も涼しい風が通って気持ち良かったよ」 「静かな山で山頂も気持ち良かったよ。来れば良かったのに」 車にザックを積み込んでいるときに「チクッ」「あっ、やられた・・・」 僕の最も苦手なブユ(ブト)に左目横を刺されたようだ。 「あ〜・・・また明日くらいからまぶたが腫れて2日程目が開かないだろうな・・・くそ〜」 沢登りでは過去に2度ほど経験したが、こんなところで・・・。油断した・・・。 帰路についた。国道477号線、川西市の「一の鳥居」手前で正面衝突事故発生で渋滞。 「この道はカーブが多くて事故が多いね」「気をつけないとすぐ中央線を割るからなぁ・・」 いつもの所でガソリンを入れる。やはりガソリンの値上げは痛い。しかも指定カードの時は 2円割引だったのに1円のみになった。山に行くと使いもしていない立派な林道を沢山見る。 ガソリン税は正しく使われているのだろうか。「遠出は控えめに」で節約するしかない・・・。 ラジオでは、タイガースのデイゲームが始まった。今日も勝てよ〜!!(※勝ちました!) |
本日のルート(@観察路 A片波山) |
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