【敦賀】黒河川・口無谷から岩籠山(765.2m)
【山 域】敦賀:黒河川・口無谷から岩籠山(765.2m) 【日 付】2006年8月5日(土) 【コース】口無谷出合−ゴルジュ−二俣・左俣−岩籠山 −夕暮山−北西尾根−山集落(〜口無谷出合へ車回収) 【メンバー】MICKEY・矢問 |
朝4時前に自宅発。美山、名田庄を抜けてR27号線を福井県の敦賀方面へ向かう。 敦賀手前の佐田から県道225号で東進し211号で山集落へと南下する。 右手(西側)に野坂岳を見ながら、黒河川沿いに黒河林道を南下。 今日はこの林道を挟んで左手(東側)の岩籠山を口無谷を遡行して登る。 岩籠(いわごもり)山は、敦賀三山(野坂山、西方ヶ岳、岩籠山)の中でも最も人気のある 山といわれている。 暑がりの二人は朝の日差しをまともに受けなくて済む西側の谷から山頂を目指し、日陰の 期待できる南西尾根で下山しようという計画だ。 今日のルートは参考遡行図はないので、読図と勘と経験で涼を楽しむ。 |
綺麗な水に明るい川床 | 「涼しくて気持ちいいね」 |
8:00 口無谷出合の橋のふくらみに駐車し橋の右手から入渓。外気温は20度。 「花崗岩の明るい谷ね」とMICKEY。水も透き通っていてとても明るく、気持ちいい。 |
15mの滝の巻きは左! | 城壁の様な岩壁の割れ目を狙う |
5分も経たないうちに地形図に3つ滝記号がある内の1つめの滝。15m程ある。 ゴルジュ帯で、左右を見上げる。「右の方が巻きやすそう」と意見が一致し滝から少し手 前の右の斜面を登る。だんだんと岩面が立ちだし岩登り。しかももろくてボロボロ。 「これじゃ、沢へ下りるのも難儀する。戻って左を巻こう」下りるのも一苦労。 左のザレを登る。途中からこういうところが得意のMICKEYが先行。途中で右へと行き かけるがまだ早い。「上に見える岩の城壁のような割れ目を狙おう」くず岩の足場で登り にくい。MICKEYが先に岩の割れ目を通過して無事に巻けたようだ。「メガネが曇って足 場がよく見えない」と岩の割れ目に到着し困っている僕に的確に足場を指示してくれた。 沢へ下りると滝の落ち口まで僕は偵察に。豪快に水を吹きだしている。地形図をみつつ、 最初に巻こうと登った右の岩場を見て「やめて良かった」と思った。切り立っている。 |
「左水際を登れそうね」 | 残留ロープで下降 |
8:30 地形図に3つ滝記号がある内の2つめの滝。18mほどある。「これは左の水際を登れそ うだな」「でもこの釜を泳いで行って登れなかったらショック。1人で登ってくれば」 「先は長いし巻くか・・」右から巻くことにした。登ると台地状なっていて沢へ下り戻る 地点を物色。ここが良さそう、とロープを出して木にフィックスしようとその木の根元を 見ると「あれっ、ここに虎ロープが途中までぶら下がってる」それを使い、MICKEYが 先行下降。続いて僕。この滝の落ち口も僕だけ偵察へ。落ち口の右岸に大岩がある。 「影になっているのに明るくてこんな沢大好き」「気持ちいいなぁ。涼しいし」 |
爽やかな沢歩き | 22mの大滝 | 岩間に古い残留ロープ |
9:10 「す、スゴイよ〜!」とMICKEYが感動して見上げてる。地形図に3つ滝記号がある内 の3つめの滝だ。22mほどある。水の落ち際で気持ちよさそうに水に当たっている。 地形も素晴らしい。屏風のような岩壁から落ちている。ゆっくり休憩。 「どこから巻くの」「右の屏風沿いに進めそう。少し戻って右の枝沢の口から登ろう」 「登れそうにないよ・・」「その岩間を登ろう。おおっ、残留ロープがある。やはりここ から巻いた人がいるんだな」「ロープの木のくくり目はもう苔が生えてるから古いね」 巻き上がると台地状。屏風の上を歩いているのだ。「赤テープがある」とMICKEY。 沢へ慎重にもどり、またまた落ち口を確認に。この滝が気に入ったのかMICKEYも来た。 |
「落ち口の水で顔を洗うわ」 | 「この石組みは何かしらね」 |
左岸に割れ口のある石組みがある。「これどこかの沢の中にもこんなのがあったよね」 |
「水しぶきが気持ちいい」 | ナメ状の小滝が連続する | まだまだ続くナメ状小滝 |
9:35 8mの滝が豪快に水を吹き出している。「巻き方は・・・」「これは左からやね」 巻いた右岸に1m位の高さで古い石垣がある。これまた何の石垣なんだろう・・・。 この滝の落ち口も花崗岩の明るい落ち口。明るい花崗岩のナメや階段状の小滝が続く。 「ホントにこんな明るい沢は好きだわ〜」と気持ちよさそうに進むMICKEY。 |
「頑張って登るわ」 | 「どこまで続くのナメ〜」 |
右手の木の葉の間から林道の白いコンクリート壁が見えた。林道が走っているようだ。 何段も続くナメ滝や小滝を楽しみながら進む。左岸や右岸からの枝沢の水量も結構ある。 左手にはブナもある。 |
「ナメに満腹〜」 | 「ナメがまだ続くよ」 | 「赤木沢の詰め風景みたい」 |
10:20 左手山斜面が伐採されている地点。ここから10分間ほどは日陰ではなく明るい沢歩き。 「ここは赤木沢の詰めの部分を感じさせる雰囲気」とMICKEY。なるほどそうも言える。 炎天下からまた木漏れ日の日陰の沢になった。ホッ。 |
伐採地の右手を沢は続く | 「また小滝が出てきたよ」 | 「小滝の蓮瀑帯ね」 |
「ここは簡単に登れるよ」 | まだナメと小滝が続く | 「直登しよっと」 |
10:40 二俣。左を進む。ここからも小滝がいくつも続き飽きさせない。というかもう満腹。 岩籠山と夕暮山のコルに向かうか、岩籠山に直接向かうか・・・直接向かうぞ! |
左のこの滝を登るか・・ | 右のこの滝が正解か・・ | 左を登ると溝状のナメ滝 |
11:30 「どん詰まり??」そんな沢幅も狭い地点に来た。左と正面に4mほどの滝がある。 地形図と首っ引き。どん詰まりで回りの景色が見えない。「どっちを登るの」とMICKEY。 「沢の水もそろそろ切れるだろうし、ここでランチタイムしながら考える」 12:00 「やや水量の多い左の滝を登る。方向的にも合ってる」 この滝で水を補給しておいた。(これがあとあと二人には助かった) |
「待ってたよ」と大樹 | 「やっと登山道に出た!!」 | 登山道を3分で山頂 |
滝の左手の木をつかみながら登る。岩間溝状の細い滝登り過ぎると正面に孤立の大樹。 だんだんと斜度がきつくなる。北へ北へと踏み跡のようになってきた沢の源流を進む。 山頂まであと170mというあたりで水が切れた。「ここを西に進めば山頂」 ここからがキツかった。木をつかみ体を引き上げる斜面の連続。沢靴が滑る。途中で休憩。 スズメバチが1匹つきまとってうるさい。「スズメバチジェット」を吹きかけたら静かになった。 木をつかみ、そしてまたつかみ・・・腕がだるい。 12:35 「出たぞ。登山道だ」「うわ〜、ホント。フラフラになったわ〜」 晴天の炎天下に飛び出た。山頂へは登山道を右へ少し登り左に折れる。 |
岩籠山 山頂 | 大岩を頂く南のピーク |
奇岩が点在のインディアン平原 | 木陰の登山道で夕暮山へ |
12:40 岩籠山(765.2m)。360度の大展望。この山頂の南の岩がてっぺんに見える山や奇岩の あるインディアン平原にも行こうと思っていたが、実に「暑い!」二人とも顔を見合わせて 「ここからよく見えてるし、今日は見るだけで十分かな」「うん、うん。展望はいいけど暑くて 死にそう。はやく日陰に行って沢装束を着替えようよ」とMICKEYの言葉に賛成し登山道に 戻った。「向こうに見える夕暮山の山頂付近は反射板もあって炎天下みたいよ」 「でも、そちらに向かわないと戻れないし・・」「行くか・・・」 日陰の登山道。早速、沢装束からハイカー姿に変身。しかし、寝不足が一気に二人をおそ いだし「昼寝したいね〜」としばらく休憩。またまたスズメバチが一匹うるさい。 「スズメバチジェット」スプレーで撃退・・・のはずが、何度もやってきてスプレーしまくる。 ここからは日陰の登山道がしばらく続く。ブナもまじる涼しい登山道。 |
夕暮山から岩籠山を望む | 南西尾根へ入り込めない・・・ |
13:25 分岐の道標。「夕暮山へ約10分・岩籠山へ約30分」インディアン平原への時間は消えて いた。ここから北へ下ると市橋へと続く一般道だが、僕たちは夕暮山へと向かう。 反射板に近づくともう木陰のない炎天下。反射板を過ぎて夕暮山の三角点を過ぎて、その ままP690mを目指して広い尾根を南下し、Ca584mへ南西尾根に乗り入渓点に降りる つもりだったが、P690mへの南下点が定まらない。腰高の笹や低木で入り込めないのだ。 「無理してでもしばらくヤブコギするか・・・」「どこまで続くか分からないのでしょ」 「広い尾根だから笹や低木が生え邦題の時期かな・・・入渓点付近から見上げたら降りて こられそうな尾根だったのに、Ca584mまでが辛いかなぁ・・・」「遠回りになるけど山集落 への北西尾根の登山道を素直に降りようよ」「そうするか・・。車の回収がそこから林道戻 りで3キロあるけど・・・」と、南下をあきらめて山集落への北西登山道を下ることにした。 (※二俣まで沢沿いに戻り、二俣そばから左岸にあった林道を下ると入渓点から10分の ところに下れると、洞吹さんや山日和さんに後日教えていただいた) しっかり踏まれた登山道だ。しかし傾斜がゆるくてなかなか高度が落ちない。 だらだら下りは足にこたえてくる。日陰の涼しい登山道だが風がなくて二人ともバテてくる。 時々風の吹く地点で休憩しつつ下る、そしてまた下る。それにしても長い尾根だなぁ・・・。 |
「この川を渡って左に行くと林道ね」 | 黒河川にかかる「みやのいりばし」 |
14:40 右の沢にある滝の音が聞こえ出すと堰堤に出た。3分ほどでまた堰堤。それを過ぎて高圧 線の下を登山道は進む。鉄の橋が架かっておりそれを渡り左へと川沿いに散策園道の遊歩 道を進むと駐車場があり、今朝「ここに車をデポしておこうか・・」と悩んだ見覚えのある赤い 「みやのいりばし」に出た。(15:00) 日陰にMICKEYを待たせておいて、手には汗ふきのバンダナと水を持って、車のデポ地への 林道を3キロ回収に歩く。綺麗な黒河川を見ながら日陰もある林道で良かった。 15:45 入渓点の車を回収。クーラーをガンガンきかせてMICKEYの待つ地点へ。 ここの外気温表示は29度に。ラジオでは、今日の大阪は35度を超えているらしい。 「今回の周遊ルートで行くなら、春や秋の涼しいときが暑がり二人にはいいかもなぁ。」 「でもすごく明るい沢で気持ち良かった。水もおいしかったし」 次はどこへ行こうか・・・・。 |
本日のルート 赤:遡行ルート 青:下山ルート |
この1つ前は「鈴鹿・渋川遡行オフ」の記録です |