沢【比良】安曇川・口ノ深谷
【山 域】 比良・安曇川/口ノ深谷 【日 時】 2010年6月19日(土) 【コース】 坊村−口ノ深谷出合−13mの滝−10mの滝−15mの滝 −登山道−ワサビ峠−御殿山1097m−坊村 【メンバー】BAKU・PINE・くり・のーきょー・マユ・矢問 |
朝から雨が降り続き夜にはきつくなった。明日は2〜3mmの降水確率が朝6時まで 80%、昼まで50%、昼から20%。小雨から良くなる傾向時間が前倒しになれば 水量も豊富になり楽しい場合も多いが、遅くなれば逆に沢登りには危険な沢と激変する。 「中止かな」と思っていると「朝には止むさ!決行するぞ」とBAKUさんからのメール。 「やっぱりね〜。小雨だしBAKUさんならきっと決行すると思ってたわ」とMICKEY。 朝4時半に坊村に向けて家を出る。雨は止んでいる!!。湖西道路では青空ものぞいた。 昨夜までは激しい雨音で、下がりきっていたモチベーションが上がり始めた! 道路の温度計は21℃。この気温で雨に遭わずに溯行できれば寒くはない。 6時半過ぎに坊村に着くと、BAKU号にマユさん、PINE号にくりさん同乗で到着済み。 しばらくしてのーきょーさんが到着。いるかさんは急遽来られなくなったとのこと。 マユさん、のーきょーさんとの溯行は初めて。PINEさん、くりさんとは08年12月の つららの下がる京都府相楽郡の和束川・不動谷ゴルジュにご一緒して以来の久しぶり。 僕より7つ8つ歳上のベテランクライマーのご夫妻だ。 まだ沢経験が浅いマユさんは、囲炉裏の月例会では会ったことがあるが、沢では 初めてで、今日は期待と不安でワクワクドキドキしているという。 明王院の横の明王谷沿いの林道に車を進め、2つ目のふくらみに駐車し準備開始。 昔はもっと上まで車で行けたが、林道にチェーンがかけられてからはここから歩く。 6:55 口ノ深谷出合に向けて出発。林道をしばらく歩く。坊村までの安曇川は、昨日までの雨で 濁流になっていたので、予想はしていたが明王谷の水量と勢いがいつもとは大違い。 |
今日は水量が半端じゃ無い! | 水圧に飛ばされるなよ〜 |
7:40 橋をこえたところの左手、口ノ深谷出合から溯行開始。斜瀑5mも水が噴き出している。 腰まで浸かって右からへつり滝に横たわるブナの倒木をモンキーのごとく右岸へと渡る。 この木が無かったら今日のこの水量突破は水圧で苦労させられただろう。 滝でも無いところも雨後の水量で小滝になって吹き出している。 次の斜瀑7mも突破できる水量と水圧ではない。右を巻き気味に登るのだが、土に雨がし っかり含まれてズルズル。慎重に登る。登れば下りないといけない。ズルズル、慎重に。 |
こりゃ近づけない | BAKUさんもPINEさんの確保で登る |
谷幅1.5mの廊下奥に10mの滝が吹き出しているが近づくことも出来ない水量。 PINEさんがトップで右のガリーを登る。粘土質の土に水が多くてズルズルがひどいので 安全のためにザイルをセット。後続はアッセンダーをつけて草や木の根をつかみつつ登る。 これまた沢に下りる急斜面は慎重に木の根をつかんで足場を探しつつ下る。 ここからの小滝は快適にそれぞれのルート取りで通過。 |
この滝は左を巻くのだが・・ | すぐ右の岩壁を登ります |
8:30 |
アッセンダー初体験のマユさん | ラストのBAKUさんも到着 |
後続は感謝しつつ、アッセンダーをセットして木の根や浮き岩を確認しつつ登っていく。 |
水の音で声が聞こえない | それ行けどんどん |
次の3mは左からへつって行き、続く小滝を過ぎ、5mの滝は、腰まで浸かり右からへつ り気味に登って左の岩へと逃げる。 「こんなにいろんな経験が出来る沢登りは初めてです。一杯勉強できる」とマユさん。 |
「頑張れマユさん!」 | 「頑張ります!」 |
岩間の滝を登りつつ、左に曲がったところでマユさんが大岩で滑って登れないようす。 登りつつ滑った際に、顔を岩面で打ったようで、PINEさんやくりさんが下からヘルプ。 「少し痛いけど大丈夫です。」横の歯が少し欠けたようだ・・・。 (のーきょーさんが小滝を越えるときに滑って転んでしまい、すぐ後にいたマユさんに ぶつかってしまったとのこと。マユさんがのーきょーさんを避けようとした拍子に 岩角に歯をぶつけてしまったとのことで、歯が少し欠けてしまったというという。 後続の僕たちは前方に大きな岩があり、左に回り込むまで見えなかった) |
くりさん渡る | マユさんも渡る |
続く5mは左きわから登り滝中を右へと横切る。女性には水圧と足場までが距離があり PINEさんがシュリンゲを投げて左岸岩側からお助け。 |
それいけどんどん! | 滝のそばへと入っていく |
9:20 新緑の綺麗なところで休憩。「まだ登山道が横切らないなぁ」「普段なら滝にならない所 も小滝になっていて時間がかかっているし、どの岩もすごく滑りやすい。巻くのにも土が じゅくじゅくでレベルが上がってるしなぁ」「時間もたっぷりあるし、ゆっくり行こう」 休憩を終えて歩き出したらすぐに登山道が横切った。「やっとここか〜」と地図を見る。 |
滝のすぐ横の木の根を頼る | 「マユさん慎重に」「ハイBAKU先生」 |
9:40 13mの滝。滝のそばまで行ってPINEさんが左を見つめている。「ここやな」と登る。 溯行図ではもっと手前から巻くようだが、ここが良いとの判断。木の根をつかみつつ登り 右へトラバース気味にこれまた木の根を頼りに岩の足場を見て慎重にかけつつ巻き進む。 |
「す、滑りますね」「木の根をつかめ」 | 手も足も細かい緊張場 |
滝の落ち口に出た |
首から下はシャワー | 左水際を登る | 水圧で足が飛ばされそう |
慎重に少し下りると落ち口に出た。「よう滑る。木の根、様々や」「ホンマやなぁ」 「緊張しました〜。足も手もフル活動」とマユさん。「ええ経験やな」とBAKUさん。 |
この6mは左の岩壁を巻く | 頑張るマユさん/スラブ状で悪い |
次の6mの滝も水が噴き出している。左の木に残留シュリンゲがぶら下がっている。 そのすこし右手に残留ハーケンがあり、それにカラビナをかけてPINEさんがルート工作。 「ハーケンから先で左に岩壁を回り込んで登るときにスラブ状でいやらしい所」と、この 沢に3度来ているBAKUさん。小さな岩の手がかりはある。フリクションを効かせて登る。 その後も小滝がいくつも続くが快適に進める。のーきょーさんが合図している。 キノコだ。「ブナハリタケかな」と。ブナハリタケは秋のキノコなので、これはウスヒラタケと 思うが、どうもキノコはまだ自信が持てない。「BAKUさん食べてみる?」「いやや!」 |
どの小滝もゴーゴーという水量の音。声も大声でしゃべらないと聞こえない。 次の斜瀑6mや10mも水が噴き出しているので直登不可。右を巻き気味に登る。 |
綺麗な10mの滝 | 右から巻く |
11:45 小滝が続き、綺麗な10mの滝。右から巻いて次の斜瀑5mもそのまま右から巻く。 チョックストン4mは右から巻くが、これまた土が水を含んでいて滑る滑る。 |
手も足も少ない泥状壁面トラバース | 奥でアクロバットの、のーきょーさん |
途中のトラバースのところの手は少しの草しかなくてマユさんが緊張している。 「ゆっくりで良いから手や足の三点確保で。木の根もしっかり確かめて」「はい!」 廊下状の奥にチョックストンのような二条5m。なかなかの水量。 のーきょーさんが左岸に両手、右岸に両足のブリッジ状態で頑張って挑戦するもドボン。 みんなは素直に右から巻くことにした。 |
最後の15mの滝も吹き出してる | バンダナ集合写真 |
12:10 「ゴーーー」音が違う。前を見ると15mの滝が水しぶきをまき散らして吹き出している。 「今回が一番水量が多くて綺麗や」とBAKUさん。滝のそばに行く前に右のツルツルの 岩盤を登らないと行けない。PINEさんが登り、くりさん持参のロープをセット。 みんなはそれを手にして登る。「うわ〜すごいわ〜」マユさんは大感激の様子。 |
滝左のバンドを登るマユさん |
PINEさんは左のガリーに登ってルート工作にかかり始めたが、BAKUさん指定の写真を 撮ることになりまた下りてきてくれた。滝の飛沫で綺麗に写りそうにないが集合写真。 マユさんは「やった〜」と単独でも記念写真。PINEさんはガリーから、しっかりした バンドを右へと斜上し、そこでBAKUさんを呼ぶ。角で確保して、PINEさんがいやらしい 最後の左への滝の落ち口へ、滝中左のツルツル部分を登り右岸でザイルセット。 さらにもう一本、手がかり用にもセット。順次登っていく。ここを滑ったら滝を滑落する。 |
吹き出し出る落ち口 | ラストのBAKUさん |
トップでこのツルツルで水量の多い所を登り確保してくれているPINEさんに感謝! 最後にBAKUさんが登り終え(12:50)、あとは平流をのんびりとマユさんをトップに 進む。河原にはタニウツギやムシカリが咲いている。 |
ここから平流 | 「溯行終了」ここの右手が登山道 |
13:10 登山道に出た。のーきょーさん、マユさん、そして僕は靴を履き替え少し休憩。 マユさんの背中にヒルがぽとりと。指で飛ばした。 パワフルなのーきょーさんを先頭にワサビ峠への登り。昨日の雨水が流れていて沢靴の 3人はホイホイと登り、履き替えた3人はあっちへこっちへ足場を探しつつ登る。 |
ワサビ峠への登り | 御殿山1097m/武奈ヶ岳はガスの中 |
13:40 ワサビ峠。ここは今年2月に武奈ヶ岳へ登った際にも通ったところだ。 ここから5分ほど登ると御殿山1097m。西南稜も武奈ヶ岳もガスに包まれて見えない。 まだツツジが咲いている。「あとは下るだけだけど、ちょっと長くて足にツライよ」と僕。 「頑張りま〜す」とマユさん。 「自然林の新緑が綺麗で、ええ雰囲気のところやねぇ」とのーきょーさんはどんどん下る。 途中の谷道と尾根道の分岐は、暗い谷道よりこの冬通った尾根道を進むことにした。 標高500mを切るあたりから蒸し暑くなってきた。沢後のジグザクの長い下山は足に来る。 14:45 明王院。ここから10分弱で駐車地点に到着。「ありがとうございました」とみんな挨拶。 「これぐらいのレベルならいつでも」とPINEさん。「今日はPINEさんのおかげでお客さん みたいに楽ができた」とBAKUさん。「いろんな勉強が出来て良かったです」とマユさん。 BAKUさんの足にヒルが2匹ついていた。僕は苦手なブヨにおでこの左をやられたようだ。 PINE号とのーきょー号は帰宅。僕とBAKUさん、マユさんは「てんくうの湯」へ行き 汗を流した。「あ〜・・・・ぁ」沢後の温泉はさっぱりして実に気持ちよい。 「昨日の雨と今日夜中の早めの雨上がりが、絶妙の水量になって良かったよな」と僕。 「3度来たけど全然違う感じやった。マユさんも喜んでくれて良かった」とBAKUさん。 駐車場でBAKU号とお別れ。パラパラと雨が降ったがすぐ止んだ。 大津市でJG3UVNさんの栗東からのCQコールに応答し、今日の沢登りのことを話した。 明るい内に沢道具も洗って干せた。写した写真は、今回手ぶれが多いのが残念だったが 久々に気持ちの良い沢登りが出来た。企画者のBAKUさん、そして皆さんありがとう! |
本日のルート |
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