【京都】東山周辺・ナラ枯れ薪割りウォーク2012


【山 域】 京都府東山周辺・高台寺山国有林
【日 時】 2012年12月8日(土)
【メンバー】MICKEY・矢問
【コース】 青蓮院門跡・拝観−将軍塚−東山山頂公園/薪割り
      −清水山−清水寺・拝観 ・・・錦市場・新京極 
京都の東山のナラ枯れの状態を観察しつつ、それらの伐採木を薪にする「京都の森を
守ろう・薪割り大作戦&ウォーク」に去年の12月に参加
し、今年も参加することにした。

今回は180名の参加らしい。 同日にこれまた去年も出席した「芦生の森シンポジウム」が
あるのだが、同日になってしまいそちらには参加出来ないのが残念。
   
 8時半の集合場所  今日の説明チラシを頂く
   
 青蓮院門跡の老木  庭の黄葉は今年は終わり
朝6時に家を出て、電車で京都の烏丸へ行き、地下鉄で東山駅まで。そこから徒歩で
青蓮院門跡の北側の「あおくすの庭」に8時半集合。

今日は9班まであり、今回も僕とMICKEYは1班になった。
1班のリーダーは去年と同じく芦生の森での防鹿ネットの作業にもご一緒しているSさん。
Sさんからは「遠くからいつも京都の森に熱心に取り組んでくれてますよね。是非、来年は
京都森林インストラクター会に入って下さいよ」と、お誘いを受けた・・・。
横でそれを聞いていたMICKEYが笑っている。

8:45
まずは後援者でもある青蓮院門跡の拝観から。僕は去年も拝観したのでササーッと
済ませ、天皇陛下と皇后陛下がここにお越しになったときの写真を見ていた。
庭の紅葉は去年よりも散ってしまっている。先週までが綺麗だったらしい。
   
 ギャップの太陽光を求めて  くん蒸での殺虫場所
去年と逆コースで今年は出発。森林インストラクターのSさんが木々の説明をしつつ進む。
常緑の高木のナナミ(?)、落葉しているタマミズキ。タマミズキは下部の枝を自分で落として
どんどんと上へと伸びていく。木肌がめくれているムク、ツブラジイの実が今年も沢山落ちて
いる。カクレミノ、ヒイラギににたリンボク、黄葉したタカノツメやコシアブラ、赤い実を付ける
コバノガマズミ、冬芽が鳥の爪のように曲がっているサカキ、ヤマウルシ、今年も実が沢山
ついているフユイチゴ、葉書の木とも言うタラヨウ等々。
   
 フユイチゴが沢山ある  「これがタラヨウの葉ね」
Sさんの説明に、MICKEYが大きく頷いたり感心したり。
「逆とは言え、同じルートだし、去年もSさんが説明してくれたのにもう忘れたのか?」と僕。
「ほぼ忘れたような・・・。何度聞いても新鮮なの!」とMICKEY。
雨後でタカノツメの落ち葉が多い所はカラメルのような香りが漂っていた。
右に折れるところに大木の切り株。ナナカマドの切り株らしく、その横に小さな萌芽があり
生意気にも紅葉していた。このルートには3本だけナナカマドがあるという。

東山の知識として/昭和初期から昭和40年代くらいは赤松だらけだったこの東山周辺。
東山では松茸もワンサカ採れていたらしいが、燃料革命で森林利用が減り、シイが増加。
京都三山の象徴的な木であった赤松が1970年頃から枯れ始めた。マツノマダラカミキ
リにより運ばれたマツノザイ線虫によるマツ枯れだ。そしてマツ枯れ跡に増えたコナラや
シイ(コジイ・スダジイ)が拡大し、1990年頃から日本海側を中心にカシノナガキクイムシ
によるカビの一種により突然赤く枯れる大径木のナラガレ被害が増加し、京都にも広がり
ここ東山も広い範囲で被害。東山連峰のかなりの部分がすでにシイ林となっている。
「京都トレイル」を歩くときは是非こういう森の変化にも関心を持って欲しい。
(嵐山周辺の山も同様にNPOが保全活動を行っており、今月22日にシンポジウムがある) 
   
 丸太をバケツリレー/1班  手動油圧機の調子が悪い・・・
   
 ギュッと針金で薪の結束 どの班も今年は量が少ない 
10:10
去年同様に東山山頂公園でヘルメットと軍手を渡され薪割り開始。
パッと見て去年より木の量が3分の一程度ととても少ない。今回は「体験重視」らしい。

まずは各班とも1列に並んで丸太のバケツリレーで各班の油圧機まで運ぶ。
各班が油圧機や手動機で太い丸太をある程度の大きさに裂き、さらに細くする。
そして針金で1束ごとに束ねて運ぶ。我々1班の手動機が壊れていてなかなか進まない。
大きな斧で割った方が早いのに、今年は量も少ないので11時から子供達に体験させるら
しい。MICKEYは今年は主に斧での薪割りに意欲を燃やしていたのでガッカリした様子。
束ねて運んでとMICKEYは今年もよく動いている。
   
 ツブラジイを炒る府大の先生  斧での薪割りは少しだけ
晴天だった空がにわかに曇り、10分くらい小雨が降った。風が急に冷たくなりMICKEYと
共にフリースとダウンを上着の下に着込みにザック置き場まで行った。「寒い〜!!」
去年は汗が流れるくらい労働があったけど、今年はやや拍子抜け。だから寒いのだ!
     
 豚汁とお箸を頂く  黄葉が綺麗だ  こういうお地蔵様が点在
11:50
今年も祇園商店街の方達が、具だくさんの豚汁と粕汁を大鍋で作り振る舞って下さった。
京都府立大学の先生がツブラジイの実を炒ってみんなに「食べてみて」と下さる。
お箸はスギの端材で作られた正月用のお箸を3本ずつ下さった。寒い!
豚汁に続き、粕汁も頂いておにぎりを食べる。少しは温まった。

おにぎりも食べ終えて、持参したお湯で抹茶ラテを作りクッキーを食べつつ休憩。


12:45
お昼からの作業もなく、出発となる。「今年は薪割りと運搬労働が少ないなぁ」と僕。
「あ〜、斧で薪割りを沢山したかったのに・・・」とMICKEY。
今回の薪は料理店やホテルの料理のかまど、陶芸の登り窯に使用されるそうだ。

帰路はシロバイやクロバイの木が多い。檜皮葺の皮をはぐところを過ぎて、清水山へ。
   
 清水山  右端が出てきたお地蔵様
13:15
清水山242.5m。
その三角点の少し横手にはこの周辺で掘ったときに出てきたというお地蔵様があった。
     
 お地蔵様みたいな切り株 カワラタケ類による木枯れ  板根が発達している
 イノシシが体をこすってすり減ったという木の切り株はまるでお地蔵様のようにも形が
なっていて、Sさんは「京都のイノシシは信心深いでしょ」と笑う。なるほど・・。
もみの木の大木が帰路ルートに一本だけあるとSさん。少し左側(東)にあった。
去年も見た、このルートでは最も太いネジキにもまた会えた。
ハチの巣のような大きなカワラタケの仲間がついていて枯れ始めている大木もあった。
   
   
   
13:40
清水寺に到着。清水の舞台が上に見える。この舞台は檜皮葺なのだ。
黄葉は先週が綺麗だったらしいが一部残っている。今日もすごく外国からの観光客が多い。
僕が大学時代に所属していたフリーガイドクラブで、初めて外人の観光客を案内したのが
この清水寺。いまでも英語でのガイドで言ってた長い説明セリフはしっかり頭に入っている。

13:50
清水寺の一角で解散。朝日新聞社から今年も僕たちが載っている「号外」を頂いた。
「Sさん、ありがとうございました。また来春、芦生の森で会いましょう」と僕。
「京都森林インストラクター会への入会を期待していますよ〜」と笑顔のSさん。
 
 僕たち1班の特別号外 by朝日新聞
京都洛東ロータリークラブや協賛している大阪ガス、サントリー、京阪電車、朝日新聞など
からの粗品もいろいろと頂いた。
清水寺も今日の後援者なので当日拝観券も下さった。せっかくなので清水寺を拝観する
ことにした。外国からの団体が多くて英語や韓国語やベトナム語などが飛び交っている。
「たまには地主神社も行ってみるか」と綺麗になった縁結びの地主神社も久々に行った。
学生時代にはなかった拝み所や、いろんな新種のお守りが多種あったのには驚いた。
流石にカップルが多い。そして若い和服の女性も多い。

三年坂もスゴイ人混み。七味屋本舗の七味とゆず粉を買って帰る。これは今日のお昼の
豚汁や粕汁の時にもここの七味と山椒粉が出た。京都の老舗で、学生時代も良く買った。

「ここまで来たら錦市場の三木鶏卵の出汁巻きを買いに行こうよ」とMICKEY。
祇園の御茶屋さんが並ぶ京都らしい裏道を通る。「よくこんな道を知ってるね」とMICKEY。
「学生時代にガイドクラブで歩き回ったからね」と僕。

錦市場に行き三木鶏卵で出汁巻き3本を買い、ガラガラの抽選をしてから、出汁巻き1本を
半分ずつして脇道で食べた。「ホカホカで、やっぱりここの出汁巻きは美味しいなあ」と二人。

新京極のロンドンヤで、帰宅してコーヒータイムに食べるロンドン焼きを買い帰路についた。
相変わらず錦市場も新京極もすごい人混みだった・・・。

薪割り作業が去年より少なくて体は疲れていないが、新京極と錦市場の人混みに疲れた。
寒い風が吹くなか、15時半に帰宅完了。15,823歩。「今日は歩きたらないなぁ・・」

明日は堤防の竹藪を刈る作業をして、久々にゴアの雨具の洗濯と撥水メンテナンスをしよう。
 本日のルート
 
  この1つ前は「【北摂】大岩ケ岳(384.1m)から武田尾へ」の記録です