【兵庫の山】 摩耶山・山ネットサポート山行


【行き先】 兵庫県 六甲山系摩耶山(702m)合流ハイク
【日 時】 2005年12月11日(日)
【コース】  A:黒岩尾根道コース 新神戸駅 9:30〜山頂13:30
       B:学校林道コース 新神戸駅 10:00〜山頂12:30
       C:天狗道コース  新神戸駅 10:00〜山頂13:30
       D:上野道コース  王子公園駅10:10〜山頂13:40
       E:青谷道コース  王子公園駅10:10〜山頂13:15
    阪急梅田駅―王子公園駅(D・E)―三宮(A・B・C)〜歩行
    〜摩耶山(合流)〜ロープウエイ+ケーブル〜阪急王子公園駅
【参加者】 合計36名(視覚障害者12名 ・サポーター晴眼者24名)
視覚障害者との登山サークル「山ネット」で5コースに分けて山頂で合流するという試みは
初めてだ。各コースの下見隊も大変だった事だと思う。

摩耶山は弘法大師が摩耶山中の天上寺に仏母の摩耶夫人を納めたことからこの名がつい
た山だ。摩耶山は「関西百名山」にも「ふるさと兵庫50山」にも選定されている。

Aコースは梅田駅に午前8:30集合、BとCコースは午前9時に、DとEコースは
午前9:30に梅田駅に集合であった。僕は最も長いコースのA黒岩尾根コースのサポートに
行くことにした。囲炉裏の仲間であり沢登りの達人の茂木さんや常連のおりーぶさんも別コー
スのサポートで参加とのこと。

Aコースは、他の4コースと比較すると2時間ほどのルート所用時間差がある。
集合時間差やスタート時間差から見て、相当ペースアップのサポートをしないと難しい。
Aコースは、視障者とのコミュニケーションと安全を確保しつつの時間配分が要求される。

 分散コースの時の弱点であり難しさは視障者と晴眼者の配置バランス。
各グループの視障者にも晴眼者にも山歩行やサポートの慣れ不慣れがある。
さらに山頂合流となると、その歩行スピードの調整がうまくいかないと待ち時間が長いグルー
プは山頂で体が冷え切ってしまう時期だ。はたしてうまくいくだろうか・・・。

 梅田駅では世話役のMCさんと簡単に打ち合わせして、Aグループは先に出発する事に
した。下見をしたFHさんをリーダーに、いつも出席者名簿やルート時間記録でお世話に
なっているNMさんをはじめ、YUさん、FDさん、そして僕がサポーター。
視障者はキナバルも登頂したYOさん、頑張り屋のTGさんという、合計7人グループだ。
FHさんと僕以外は女性だが、気心の知れたまた足のしっかりしたメンバーなので、なんとか
合流時間の14時という時間通りのサポートは出来そうだ。

9:30
三宮駅で逆ホームに行くというハプニングも笑いで済んで、新神戸駅からスタートした。
女性陣からの声で、TGさんを僕がサポートロープで山頂までサポートすることになった。
TGさんのサポートは初めてだが、以前の例会で歩行の足取りを見ているので心配はない。
後ろからはNMさんがサポート。FHリーダーの指示で先頭を歩くことになった。
「僕は下見をしていないのに、先頭??。ま、今日は念のためにハンディGPSにAコースの
ルートを入れてきたし、TGさん、頑張りましょう」と出発。
布引の滝・雌滝 雄滝 紅葉も予想外に残っていた
布引の滝・雌滝 雄滝 紅葉も予想外に残っていた
生田川の左岸沿いのハイキング道を進む。布引の滝までは後鳥羽院や在原行平など歌碑が
多い。水量の少ない布引雌滝や雄滝を見て、今年の3月に完成した布引ダムを右から巻き
上がると布引貯水池。そこには自由に飲める「水のみ場」がある。
布引貯水池 「どれどれ、おいしい水かな」
布引貯水池 「どれどれ、おいしい水かな」
「う〜ん、これが六甲の水か。おいしい」とここに来た周囲の人を見ても大抵飲んでいる。
TGさんも「おいしいね」と。ここから先の道沿いにもあちらこちらに紅葉がしっかり残って
いるところが点在して驚いた。この辺は寒いのですべて散っていると思っていたのに。
紅葉茶屋、あけぼの茶屋とありトイレ横のベンチで小休止。
TGさんから大福を頂く。他の方からはチョコレートやガムも頂いた。右手には、お地蔵様
などもある。桜茶屋を過ぎて市が原を過ぎると、右に六甲縦走路の天狗道がある。天狗
道は1994年に家族で六甲縦走したときに通ったことがある。今日は布引谷を少し入って
黒岩尾根を登るコース。登に入る前に再度小休止し、上着を脱いで気合いを入れる。
ジグザクに登る。TGさんの足取りもペースもしっかりしている。YOさんは順調そのもの。
落ち葉の絨毯が気持ちいいね 左が切れ落ちてるよ、気をつけて!
落ち葉の絨毯が気持ちいいね 左が切れ落ちてるよ、気をつけて!
急な部分や右が切れている痩せ尾根や、左が切れている細い尾根道を慎重に通過。
振り返ると海が見えるし船も見える。西には住宅地のマンション群が見える。
「お墓みたいに小さく見えて並んでる」という声もでるほど小さく整然と並んで見える。
西風を心配していたが、全くキツイ風が吹かないのでこの尾根道も快適だ。落ち葉の絨毯
の所もあり、自然林の気持ちの良い尾根だ。時々ある丸太の砂止めの階段状の登りが
玉に瑕だが、あとは静かで気持ちいい。後ろから1人の男性が来たので抜いてもらった。

P609には石柱があり「神戸市界」とある。1/25000地形図にも波線がある。やや広くなっ
ているが昼食にはまだ早い。登りが殆ど済んだ地点まで行ってから食事にしたいという
TGさんの案に賛成して、先へと進んだ。ここからは一旦どんどん下る。そしてまた登りにな
り広めの尾根になる。1つ目のベンチがある地点で昼食にすることにした。
おでんやミカンも頂いた。皆さんのザックは食料で相当重かったろう。ごちそうさま。
10人ほどのグループが進行方向から来て「山頂は寒かったですよ」と教えてくれた。
登山道の北斜面には雪も残ってた 広場にも雪が残っている
登山道の北斜面には雪も残ってた 広場にも雪が残っている
ここの少し先からは東に進路を変えて、また下る。(この北には幕末期に港の居留外国人
との紛争を避けるために西国街道の裏道とした徳川道もある)。下った所は、植生が変わ
って静かな森のような雰囲気で静かなところだった。そこから登りをもう一頑張りすると、
斜面に雪が残っていた。その先のベンチが沢山ある広場にも雪が残っていた。その先は、
食事地点から見えていたマイクロウェーブ塔が乱立しているところ。掬星台の方へ少し進
み、右への踏み跡を登ると鳥居があり大きな岩などが祀ってある。その先の笹の中に三角
点がある。摩耶山は702mだが、三等三角点は698.6m。最高点の702m地点は三角
点の直ぐ西側の地点にあたる木の茂っているところだ。MICKEYは先月、単独で来ている。
「摩耶山に登っても、案外この摩耶山の三角点を見つけられない人が多いのですよ」と僕。
山頂の神社に祀られている大岩 三角点でAグループの記念写真
山頂の神社に祀られている大岩 三角点でAグループの記念写真
三角点で記念写真を撮り、みんなの合流地点の掬星台へと進むと、OIさんのいる天狗道
コースのCグループと会い、ともに合流地点へと進んだ。

13:30
予定より30分早く掬星台に到着。MCさん達のDグループの到着を他のグループと共に、
大きな屋根の休息所で待った。その時、みぞれが5分間ほど降った。ラッキー!
別コースのサポートに来ている、囲炉裏の仲間の茂木さんやおりーぶさんとも会えた。
合流した36名で記念写真 ロープウェイの次はケーブルで下る
合流した36名で記念写真 ロープウェイの次はケーブルで下る
摩耶山は、古くは八州嶺と呼ばれ、旧国境の摂津や和泉などの8つの国が展望できたと
いう。瀬戸内海も遠望できる。この広場の南方面からは見晴らしが良い。
恒例のMCさんの号令で、集合記念写真を撮って、ロープウエイ+ケーブルで下山。
ここからバスで阪急の駅までの予定だったが、待ち時間も多いので、全員歩いて王子公園
駅へと進むことになった。王子公園駅で一応の解散。(最終解散梅田駅16:00)

僕は王子公園駅からさらにJRの灘駅まで歩いてJRに乗った。
家の用事を済ませた後、中山縦走をして清荒神へ行ったというMICKEYと合流して帰宅。

天気も風も味方してくれた一日だった。今回の分散登山は視障者の力量に合わせたコース
が選べて、なおかつ少人数なので目が行き届く。久々に会話も弾んだ例会山行だった。

山ネットの年間山行記録集の担当を毎年している僕は、編集も11月分まで済ませている。
この例会の感想文が各自から届いたら、今年の年間山行記録集の原稿も完成する。(^^)v
本日のA〜Dの5つのコース
本日のA〜Dの5つのコース
この1つ前の記録は「竜門山地・音羽山」の記録です