【越美国境】残雪の美濃俣丸から黒谷山
【山 域】 越美国境 美濃俣丸から黒谷山 【日 時】 2008年4月5日(土) 【メンバー】矢問単独 【コース】 二ツ屋の導水施設−鈴谷林道−912m−1115m−美濃俣丸(1253.8m) −1125m−1025m−800m−黒谷山(634.4m)−二ツ屋の導水施設 |
3月22日に、山日和さん達と笹ケ峰へ登ったが、時間切れで美濃俣丸を回って下山でき なかった。もう二週間経つので残雪も減ったと思うが、「奥美濃のヤブ山(まつお出版)」 には「奥美濃最深部の難峰」とある美濃俣丸。ヤブや笹が本格的に出る前に登ってみる。 名田庄を経由し小浜に抜けて敦賀へと地道で目指す。このルートは道が混んでないし、 高速道路利用より25qの短縮。ラジオ中継では、タイガースがジャイアンツに勝った! 敦賀で夕食をとり、ちょっと遠回りして県道207号の山中隧道を通り、山日和さんが言って た「南今庄駅前」を経由し、広谷ダムに21時半到着。 今夜はトイレの所にも東屋にも誰もいない。満天の星。ここで今夜は車中泊する。 朝4時に車が2台来た。4時半に起きて朝食。5時過ぎに薄明るくなってから、下山点の 確認をして、自転車をカーブミラーにデポして移動。 二週間前の駐車地点の雪塊はとけて倒木があるもののまだ先まで行けそう。二ツ屋の導 水施設まで行って、ここを駐車地点とし出発準備にかかる。 スノーシュー、アイゼン、ピッケル、ツェルト、ロープをザックに・・・ズッシリ重い。 車が1台来た。ご夫妻連れで先週も雪の状態を見に来て、今日は美濃俣丸から笹ヶ峰に 登るという。また1台来た。笹ヶ峰に登るらしい。また1台来た。千回沢山へ登るらしく林道を さらに行けるところまで行くといい車は走っていった。 |
雪がすっかりとけた林道 | 尾根道のヤブはひどくない |
5:35 二ツ屋の導水施設を出発。橋を渡り左岸を進み、橋を渡って右岸へ行くとここから未舗装 になる。2週間前はこのあたりにも残雪があったが、いまは全くない。 地形図を見て、2つ目のヘアピンカーブあたりで尾根に向かおうと進んでると、その20m ほど先に赤テープが見えた。「ここから取り付いている人がいるのだな」 「イテテテ」登り始めたらタラの木。まだ芽が出るには早い様子。残念。 |
2週間前に登った笹ケ峰方面 | これから登る美濃俣丸方面 |
急な斜面だが登れないことはない。15分ほど登ると「あれ?林道とぶつかった」 林道のカーブ地点に出たのだ。そこにも赤テープ。 アツイのでタイガースのアンダーシャツ1枚になる。ヤブを少しかき分けて5分ほど 登ると尾根に乗れた(6:10)。尾根のヤブはまだ思ったほどうるさくなく歩くのに支障 はない。 尾根に乗って30分ほどで雪が現れ始めた。早朝だし根雪なのでしっかり締まっている ので歩きやすい。朝日で影になった、これから登る美濃俣丸が見え始めた。 締まっている雪は歩きやすく、2pも沈まずガシガシ歩ける。快適な尾根道だ。 振り返るとダム湖が見える。南には三周ケ岳が見え始めた。 |
良く締まった尾根の雪 | 振り返ると自分の足跡のみ |
歩きやすい尾根道 | 三周ケ岳方面 |
8:10 Ca1115m地点。西にはダム湖、南には国境稜線の向こうに三周ケ岳が見える。 東にはどんどん近づく美濃俣丸。さあ、あと一踏ん張り。早朝は涼しくてバテない。 |
美濃俣丸が近くなる | ブッシュ岩稜地点 |
15分ほどで、気になっていたブッシュ岩稜地点。直登するか巻くか・・・。 雪庇も無いので右から巻くことにした。巻いて急な斜面をステップを切りながら登る。 「アイゼンをつけた方が良かったかな。ピッケルもあるのに・・」と思いながら、さらに 急斜面の次の雪壁になった尾根手前斜面をけり込んでステップを切り痩せ尾根に乗った。 気持ちの良い尾根だ。声が聞こえたので振り返るとご夫妻連れが見えた。僕のとった巻き ルートを登っているようだ。 |
振り返るとダム湖も見える | 山頂への最後の登り |
展望が良いので、持参した20万分の一地勢図で同定をしていたら、ご主人が追いついた。 「綺麗ですね」と声をかけた。ニコリと頷いて周囲を眺めつつ奥さんを待たれていた。 細い積雪の尾根が続く。最後の登りにさしかかる。ステップをジグザグに切りつつ登る。 |
美濃俣丸 山頂! | 残雪の素晴らしい展望が広がる |
8:40 美濃俣丸 山頂。雪解けが進んで、少しブッシュが出始めているところもあり、山頂札が ブッシュの所にあった。無線機をつけるも時間が早くて静かなもの。 記念写真を撮っていると、ご夫妻が到着。地元福井の方で「いろりのホームページはよく 見ていますよ。みなさん全国規模で登っておられますね」「僕は矢問です。よろしく」 沢でもいろんな所を登っておられるとのこと。地元で近いのがうらやましい。 山名を教えてくれる山日和さんが今日はいないので、地勢図を出して山の同定をした。 |
三周ケ岳 | 笹ケ峰に向かわれるご夫妻 |
9:10 ご夫妻は笹ヶ峰から天草山を目指されるので、ここでお別れ。僕も黒谷山への尾根へと別 れた。今度は三周ケ岳を正面に見ながらの尾根道だ。アップダウンが何度もあるのがやや 辛いところだが、何よりも心配なのは雪の切れる標高まで下ったときのヤブ状態・・・。 |
これから進む尾根筋 | この尾根を下っていく |
振り返ると美濃俣丸 | 下る予定の尾根筋が見える。 |
県境尾根を南へ下り出す。くるぶし程度沈んでとても下りやすい。展望も良くて気持ちの 良い尾根ルート。ザクザクザク、素晴らしい展望だ。 1122m地点から1125m地点までの尾根も素晴らしい。 振り返ると美濃俣丸が大きく見える。下ってきた尾根筋もよく見える。 |
広い雪平原 後ろは美濃俣丸 | 尾根筋のアップダウンが見える |
三周ケ岳がすぐ目の前 | 気持ちの良い尾根が続く |
10:35 P1125m地点。直ぐ南に金ケ丸谷を挟んで三周ケ岳が近い。三周ケ岳から大きくどっしり とした美濃俣丸を見たことを思い出す。「でかいなぁ」 県境尾根を西へ進みトラバース気味に北西尾根に乗りかけたが傾斜がきつい。 |
美濃俣丸から歩いた尾根を一望 |
再度稜線に登り返し正攻法で北西尾根に乗ることにした。尾根に出ると(9:10)北西 尾根に下る地点に赤テープがあった。ザクザクザク、斜面を下る。スパッツの隙間からも 雪が下からの圧力で靴との間にせり上がってくる。一旦靴とスパッツの間にたまった圧雪 を取り出した。そこから北東にさえぎるものが無く見える美濃俣丸も素晴らしい。 ゆるい登りにかかる。だんだんとブナの林となってきた。それほど太くないが数が多い。 |
気持ちの良いブナ林 | ここでランチタイム |
11:35 P1025m ブナ林の中で気持ち良く昼食タイムとした。木の間からは美濃俣丸が見える。 ラーメンを作る。無線機からは9エリアの声のみだが、それも少ない。小鳥が沢山いる。 このまま北西尾根を下れば3週間前に山日和さんが登りに使った街道の尾ルート。 900m近くなると全く分からないヤブの状態が心底気になるが、今日は進路を一旦西に 振り北西へと黒谷山の山頂を踏んで下ってみたい。 時計を見ると12時10分。ヤブと格闘しても時間もあるし、なんとかなるだろう。 30分ほど歩くと「境界見出標」の錆びたプレートがつけられている木には、赤ペンキが 塗ってあり、その下の雪の中に境界杭の頭が見えだしたではないか。雪が消える・・・。 ヤブが出だした。あまりにも木々や笹が絡み合い、尾根筋が歩けない地点もあり、少し斜 面側に逃げると今度は木々が雪圧で下に向いていて体を跳ね返され戻るのに一苦労。 「何するねん。離せ〜」とからみつく木や笹に叫びまくり喉がカラカラになる。 またコブが見える。あれはP800mだな。ヤブがうるさい。また登りか。フゥ。 |
ヤブと笹に阻まれる! | 黒谷山への尾根筋に出た |
13:05 P800m地点。そこからしばらく進むと地形図では尾根が3ツ又のようになっているが 笹やヤブで見づらい。斜面には雪が点在しているので雪のない尾根に目星をつけて少し下 ると左手に尾根筋が見えた。「あれ?ここで間違えると黒谷山へ行けないぞ」 地形図を見て軌道修正。その尾根は急にヤブが今までのようには無く快適な尾根になった。 痩せ尾根が見えだした。木につかまって木を回り込むように進む。えぐれていて凄く細い。 積雪期にこの尾根は通りたくないなぁ。登りにかかる。尾根筋はヤブがうるさい。左斜面 に鹿の進んだあとがある。「鹿はえらいなぁ」この足跡を拾って山頂付近に出る。 |
黒谷山の三角点 | 黒谷山の反射板 |
14:10 黒谷山。雪は点在。笹が雪圧で寝ていて三角点が見つかるかとキョロキョロ。 あきらめかけたときに三角点を見つけた。「あれ?」笹ヤブの向こうに何かある。 「あっ!」山日和さんが言っていた反射板だと気づいた。そこへ行って小休止。 周囲のフェンスは潰れて倒れている。さて周囲は笹藪・・・。北へ進み右に谷間を見なが ら北東に進路を変えながら下れば植林帯に入り、自転車を置いた所に出るはず。 「あと少しだ」入り組んだ木をまたいだりして足がだるい。 |
ヤブ尾根筋を下る | ダム湖も見えてきた! |
ダム湖も見えてきた。ダムの周囲の道も見えてきた。心配したほどヤブはひどくないが なかなか進まない。植林帯に入ると斜面が急になり段差のあるところもあり、木をつかん で腕に力を入れ続けるためだるくなる。もう道が直ぐそばに見えてきた。 |
デポした折りたたみ自転車 | 車の駐車地点までサイクリング |
14:55 林道に出た。自転車も直ぐそば右手のカーブミラーの所に見える。 自転車に乗ってダム湖沿いに重い体に重いザックを背負って走り駐車地点まで。 下りはすごいスピードが出る。ウォ−−−−っ! 最後は登りで、6段変速ギヤを駆使してもザックが重くて疲れた〜。 15:10 駐車地点。スノーシュー、アイゼン、ピッケル、ツェルト、ロープも使わずじまいだった。 まだご夫妻の車もある。笹ヶ峰に向かった人の車もある。 自転車を折りたたんで車に乗せて、この前と同じく、今庄365スキー場のやすらぎの湯 (500円)で汗を流し、敦賀で早い夕食をとり、がら空きの桜の多い地道で帰路についた。 桜が本当に綺麗に咲いている。MICKEYは今日は醍醐寺のしだれ桜を見にいっている。 もう残雪の越美の山々も終盤で、ヤブ山にも本格的に春が来る。 またまたラジオ中継では、今夜もタイガースがジャイアンツに勝った! 暫定税率が切れて、いつも入れるスタンドではガソリンが121円/L。 高速代なし、往復4000円弱のガソリン代で、越美の山を楽しめた。 |
本日の周遊ルート |
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