【奥美濃】残雪の野伏ヶ岳1674m
【山 域】 奥美濃/野伏ヶ岳1674m. 【日 時】 2010年4月3日(土) 【コース】 石徹白川・だいしん橋(左岸)−和田山牧場跡・拓牧碑−ダイレクト尾根 −野伏ヶ岳−北東尾根−和田山牧場跡−だいしん橋・左岸P 【メンバー】矢問単独 |
もう兵庫の山の雪もほとんど無くなってきた。明日は晴天。残雪の山へ行きたい! 「野伏ヶ岳も薙刀山も展望はいいですよ〜」と山日和さんからオススメメール。 奥美濃の山々にはまだ雪がたっぷり残っている。「よし、行くぞ!」と20時過ぎに出発。 土日割引になるように、0時10分過ぎに白鳥ICを出て、白山中居神社を目指す。 MICKEYと大日ヶ岳に登ったのが5年前、山日和さん達と願教寺山に登ったのが3年前。 「久しぶりの道だ」と思いつつ満天の湯への登り道は、道路脇の残雪がまだすごい量だ。 斜面から道路に流れている水が凍っている上に満天の湯から先は道路にもうっすら積雪。 「えっ、雪の下り道か・・」先週冬タイヤから履き替えてしまったが、今履いてるタイヤも Mud&Snowなのでこれくらいならなんとかなるだろう。4WDにロックして下る。 白山中居神社の駐車場にはまだ1台も来ていない。石徹白川の橋の左岸の両駐車スペース には1台ずつ駐車あり。さらに橋を渡り林道の様子を偵察。まだ1台も駐車していない。 橋の左岸まで戻って夜明けまで仮眠を取ることにした。この駐車スペースは車の高さまで 雪の壁で囲まれており冷蔵庫に入っているように冷える。夜中にどんどん車が増えた。 4時過ぎに起きて、ゆっくり朝食。来たときは計3台の車が8台になっていた。 5時15分過ぎに、隣の車の同年代の男女が出発し、次に山スキーの単独男性が出発した。 |
だいしん橋・左岸駐車スペース | 林道から離れて尾根筋を行く |
5:20 出発。アイゼン、ピッケル、そして帰りの雪が腐っていたら歩きにくいのでスノーシューも 持参する。小白山谷に架かる橋手前で山スキーの男性を抜いた。除雪されていない橋を 渡り、その先の雪はストックも刺さらないほど早朝でカチンコチン。 先に出た男女がゆっくり歩いておられたので抜いた。前には誰の姿も無くなった。 林道を離れて尾根筋を登ることにした。左手は植林、右は自然林の尾根道だ。 右手に白い雪姿の山が見えだした。カチンコチンの雪で滑る滑る。途中でアイゼンを履く。 今朝付いたようなアイゼン跡がうっすらとあるが、前には誰もいない。 |
無風と晴天で最高の眺め | 野伏ヶ岳 |
6:35 左手奥に拓牧碑が見える。和田山牧場跡だ。西の野伏ヶ岳から北方面の山々の雄大な景色 が眼前に広がる。「すごい!」晴天の空に真っ白な雪原と白い山々がまぶしく輝いている。 |
牧場跡をずんずん下る | 左手がダイレクト尾根 |
今日は一日晴天予報だが、北の方面の空が晴天の割にやや白っぽいのが気になる。 「野伏ヶ岳か薙刀山かどちらを先に登ろうかな」という迷いは消えて、晴天のうちに山頂 からの展望を目に焼き付けるためにも、野伏ヶ岳のダイレクト尾根を目指す。 スノーモービルも走るのだろうか、そのような数日前の走行跡があちらこちらにある。 |
雪解けを待つ巨樹 | 池の雪もとけ始めている |
7:10 池の水も一部とけて蛇のように蛇行型に走っている。水際の積雪はまだ2mほどある。 尾根に向かって斜面をアイゼンを効かせて登る。雪の照り返しがきつくなってきたので 目もまぶしいし、汗も少し出だした。サングラスをかけようか悩みつつ、この素晴らしい 景色を直視したいのでサングラスはかけずに登ることにした。 |
ダイレクト尾根への斜面を登る | 尾根に乗った! |
7:20 尾根筋に乗った。素晴らしいブナの尾根だ。日焼け防止のクリームを顔に塗りつつ小休止。 下を振り返ると山スキーの男性も200mほど後ろの池周囲を進んできているのが見える。 その後ろをずっと遠くまで眺めても誰の姿もない。朝の男女はどこへ行ったのだろう・・。 左右の真っ白な山々の景色に酔いしれながら登る。なんと気持ちの良い尾根なのだろう。 |
小白山方面 | 尾根の雪は固くて登りやすい |
雪はまだ固くてアイゼンが良く効く。左手に小白山が迫ってくる。 下を振り返ると、山スキーの男性がシールをつけたのかスキーで登ってくるのが見える。 |
小白山方面が開けてきた | 北方面には薄い白い雲が・・・ |
上を見上げるがまだまだ遠く感じる。1人のアイゼン跡があるように見えるのだが、ずっと 先まで見ても人影は見当たらない。よほど早い時間に登られたのだろうか。 ブナが点在しているし、眺めはよいし、最高の登攀だ。やはり天気の良い雪山は最高! |
尾根の分岐点まであと少し | これを登れば山頂だ! |
最後の乗り込み部分か、すごく傾斜がきつくなる。越えるとまた尾根になるのか、絶壁な のか、向こう側の雪の付き具合がこちらからは見えないので左へと斜面をトラバース気味 に尾根に乗ることにした。先行者もそうしているのか、うっすらとアイゼン跡を認めた。 トラバース仕掛けてから、ストックからピッケルに持ち替えておくべきだったと後悔。 雪は固くてストックは刺さらない。頼れるのはアイゼンのみ。慎重に慎重に一歩一歩。 雪の壁の向こう側が見えた。「おおっ、また広い雪斜面の尾根だ!」ホッとした。 あとは山頂まですぐだ。山頂を見上げると今まで姿がなかった男性が見える。 男性がストックを刺しつつ下ってくる。「早いですね」と声をかけて笑顔ですれ違った。 100mほど下で山スキーの人ともその男性がすれ違っているのが見える。 ダイレクト尾根をピストンされて下るようだ。 |
8:35 山頂。360度の最高の展望だ!「すごいなぁ。真っ白な山がこんなに沢山見えるとは」 MICKEYと登った荒島岳や大日ヶ岳も見える。そして北には、薙刀山、日岸山、そして 山日和さん達と登った願教寺山、その奥は別山。そのほか経ヶ岳、赤兎山などの山々が 眼前に広がる。三脚を出していろんな方向で記念写真を撮りまくる。 |
山スキーの男性も到着した。「いい山ですね〜」と男性も笑顔。写真を撮ってあげた。 「こんな良い天気に恵まれて最高の展望で、本当に良かったですよね」などと会話した。 スキーからシールを外して滑走する準備をされている。登ってきた尾根を滑るとのこと。 地形図を見た。北の薙刀山へも縦走しても充分にいける時間がある。 「時間はある。天候次第だが・・・」北の薄い絹のような雲が気にかかる。 |
Google地図へのAPRS表示送信 |
無線機VX-8DでAPRSを試みた。すぐに自分の画面にコールサインが出た。 (Google地図で確認すると福井県大野市のJH9YVX局のi−GATEに届いたようだ) これで家にいるMICKEYに無事の登頂を知らせることが出来た。 無線機ID-92を出してD-STARを試みることにした。岐阜県のレピータはゲート越えが できない。名古屋大学のレピータに飛ばしてみると反応有り。名古屋大から生駒レピータ にゲート越えしてCQを出してみると兵庫県西宮市移動中のJN3VDEさんが応答して下さっ た。無線の掲示板日記に「野伏ヶ岳に行く」と記していたのを見て下さっていたようだ。 VDEさんと無線でQSOしていると、突然風が強くなり始めた。 北の白い絹のような空が急激に広がって青空を侵食しだした。その速度たるやすごく早い。 「お先に下りますね〜」と山スキーの男性が滑っていった。風がどんどんきつくなり、手が かじかんできたので急いで上衣と帽子を手袋を着用した。そうしている内に青空が消えた。 山の天気は変わりやすいが、こんなに急変は珍しい。一日晴天の予報だったのに・・・。 山頂から、あの素晴らしい晴天の展望を見られたのは今日は3人だったと言うことか。 早出をして良かった。あと30分遅ければ、あの素晴らしい展望は望めなかった。 |
北東尾根を下る/小雪が舞いだした | 牧場跡から振り返る/吹雪き出した |
9:15 |
本日のルート 緑:登り 水色:下り |
この1つ前の記録は「【京都丹波】残雪の大江山(千丈ヶ嶽832.5m)」の記録です |