【鳥取】残雪の沖ノ山(1318.2m)


【山 域】 鳥取・岡山県境 沖ノ山(1318.2m)
【日 時】 2009年3月28日(土) 日帰り
【コース】 岡山県側・若杉原生林駐車場−P1140m−県境尾根
      −P1196.3m−沖ノ山1318.2m−若杉峠−駐車場
【メンバー】矢問単独
先週の冠山も今年は雪が少なかった。今日は近場の低山に行こうかと思っていたが、昨日
おとといと寒波の再来で雪が降ったところもある。しかも今日から2年間、1000円高速道路が
始まる。そうだ、ちょっと出発時間が遅れたが、鳥取県の沖ノ山へ行こう!
残雪登山の旬の時期は1ヶ月ほど過ぎた沖ノ山だが、新雪に期待。
笹ヤブがどこまで新雪でマシになっているかが鍵だ・・・。

用意していた地形図を変更し、スノーシューやアイゼンを詰め込んで、6時に家を出る。
高速は混んでるだろうな・・・と思いきや、空いてる!走れ、走れ〜。
流石にいつもは見慣れない関東方面ナンバーが多い。佐用ICで下りて北上。
宝塚から乗ったので1300円だった。

コンビニで朝食を済ませて、大茅スキー場に近づくと家々の屋根に新雪が積もっている。
スキー場は真っ白。ここから道路にも積雪。昨日ノーマルタイヤに履き替えた・・・。
チェーンは持参しているし、4WDで慎重に進む。気温はマイナス1度と出ている。
誰もいない若杉原生林駐車場も15cmほどの積雪。
駐車場も15cmほどの積雪 「若杉休息舎」
8:45
出発。1人の男性の鳥取ナンバーの車が一台来た。登山だろうか釣りだろうか。
この吉野川は大茅スキー場から上部はイワナ、下部はアマゴの生息している川。
斜面にもブナが出だした ブナが多い斜面だ
「若杉休息舎」まで、新雪にくるぶし程度沈みながら歩く。ここから斜面に取り付く。
新雪にキックステップで登っていく。傾斜が緩くなった1050m地点でツボ足から早々と
スノーシュ装着。新雪なのでスノーシューを履いても10〜15cm沈む。
枝にも新雪が積もっている 新雪の積雪量にも満足
P1140mへの登りにかかるあたりは、新雪を枝にまとった多くのブナが、青空に映えてと
ても綺麗だ。「これだけ雪が積もったとは!来て良かった!」
P1140mは右から巻くようにトラバース。このトラバースする斜面も美しい。
新雪が表層雪崩のように滑るところもあるが、スノーシューのエッジでしっかり止まる。
第一番目のヤブを超えたぞ また笹藪の海か・・・
県境尾根まであと少し(標高差40m)という1150m地点付近で、雪から頭を出した胸高
くらいの笹の海に行く手を阻まれた。しばらく進んだが、絡み合った笹の枝をかき分ける
のに疲れる。胸のあたりまで笹からの新雪をかぶるので真っ白になる。
先週の冠山のヤブコギに比べれば赤子のようなレベルだけどね」と独り言。
腰高の藪・・・回避するぞ こちらは笹も雪の下で登りやすい
ずっと右手の方を見ると、ややマシそうな斜面が見える。やや下り右へのトラバース。
そこからやや谷気味のくぼみを登る。県境尾根手前でまた笹の海になったが、先ほど
の背丈は雪から出ていない。膝ほどなので「えいやっ」と踏み込んで進んでいく。
最後の笹藪は膝高で楽だ いい感じになってきた
スノーシューが笹に引っかかるのでいったん脱いでツボ足で進む。この方が断然早い。
県境尾根に出た 沖ノ山が遠くに見える
10:05
県境尾根。スノーシューを再度履いて西進。沖ノ山が見える。「遠くに感じるなぁ」
新雪の上をスノーシューで快適に気持ちよく歩く。
新雪で気持ちよい アップダウンを繰り返す
振り返ると先ほどのP1140mの左手奥に三室山、右には植松山黒尾山後山、駒の尾山
などが見える。立派なブナが沢山ある尾根。左手は植林が迫ってきている。
本当にブナが多くて良い感じ 沖ノ山が近づいてきた
10:45
林道にぶつかった。その右手(進む予定だったルート)は笹が顔を出している。
しっかり雪の積もっている林道を進むことにする。鹿の足跡が多い。熊でなくてホッ。
「やまあそさんの言う、ブロンズ像を見落としたのかな・・・帰路にでも探そう」
林道は積雪たっぷり ブロンズ像にご対面!
11:05
「うわっ!ここか!ブロンズ像は!会えた会えた」
ここからも残雪の多い林道を進む。沖ノ山山頂から東の鞍部に林道が接近した。
ここから登ろうか・・・と迷ったが、山頂の真南の尾根から取り付く事にして前進。
「バタバタバタ!」「うわっ」真横の石の穴からキジが飛び出した。
ぶつかりそうになった。「びっ、びっくりした〜」
林道は鹿の足跡のみ もうすぐ山頂だ
取り付く斜面が急で雪が滑る。細いチョロチョロ枝沢があるのでスノーシューを脱いで
階段のような沢筋の岩場を登っていく。こりゃ、簡単で登りやすい。直ぐにしっかりした
積雪になるも、ツボ足で山頂直下まで進み、傾斜が緩くなってからスノーシューを履いた。
沖ノ山 山頂 上には青空!!
11:40
沖ノ山 山頂。周囲の木々の枝には雪がついて樹氷も残っている。青空に映えて綺麗だ。
上からパラパラと枝についた樹氷が太陽に照らされて落ちてくる。これまた綺麗。

ラーメンを作り、無線機でD-STARをダメモトで試すと、六甲西RPTが反応した。
土曜日は抑圧波が多い六甲なので、うまくつながるか・・・六甲西RPT−生駒RPTに
CQを出すと、京都のJA3SQIさんが応答してくださった。六甲西RPT山かけでは高槻市の
JL3OCCさんが応答して下さった。
鳥取の沖ノ山から直線距離で約100km先の六甲西レピータにハンディー機ID-92の5Wで
飛んだのには驚いた。DVモードでは約60kmと言われている。

430FMでは四国からのCQが数局。JN3IRCさんをコールすると「五台山に登っている
んですよ。今から下山で水芭蕉を見に行きます」と応答があり、他にもJN3DQKさんや、
谷口さん(JJ3BHN)、だっちゃん(JO3JCL)さんもご一緒のようで、久しぶりにお空で
声を聞くことが出来た。
東尾根を下る 展望も良いルートだ
12:30
ふと上を見ると。あれだけ晴天だったのに黒い雲が覆いだした。直ぐそこの北峰はカットし
コーヒータイムも抜きにして出発することにした。稜線で吹雪いたら大変だ。
帰路は東尾根を東進し、林道に下りることにした。この東尾根からの展望もブナも素晴ら
しい。林道接近点で林道へ下りた。ここからは、自分のトレース上を進む。
心配した天気も悪化せず、すぐまた青空に変わり晴れたりやや曇ったりとなった。
記念写真でもとりましょか
12:50
ブロンズ像のところ。「記念写真を撮っておこう」
ここでも四国のCQが無線機に入るが、応答するも相手局には届いていないようだ。

13:45
今朝、県境尾根に到達した地点。ここから下ると早いが、時間もあるし、天気も持ちそう。
朝の男性は沖ノ山への登山ではなかったのだろう。結局会わなかった。
立派なブナが点在する 案内板や道標も
このまま県境尾根を東進し、若杉峠のお地蔵様に挨拶して周遊下山する事にした。
この尾根筋の右手は植林帯が迫っているものの、立派なブナが沢山ある。
この尾根筋は鹿の足跡より、ウサギの足跡が多い。
サルノコシカケにも新雪が積もる スノーシューは快適
道標があり案内板も点在する。若杉峠を直進のように表示してある道標があるが、県境尾
根は一旦谷筋を少し下るので県境を忠実に進んでみることにした。
どうせ同じルートに合流するが、植林帯から離れて右手のブナ林に入りたかったからだ。
サルノコシカケにも雪が積もっている。原生林散策ルートには中国自然歩道でもあるので
ベンチもある。
東屋で展望コーヒータイム くらます・三室
14:30
東屋。直ぐに通過して若杉峠に下るには惜しい展望が広がる。
つららがぶら下がっている東屋でコーヒータイムにすることにした。
コーヒーを沸かし、目の前に広がる氷ノ山、くらます、三室山を見ながらパンを食べる。
若杉峠 峠の地蔵尊
若杉峠に向けて下る。階段状になっているらしく積雪が波打って積もっている。
東屋から3分で若杉峠。美作(岡山県)と因幡(鳥取県)を結ぶ要所であった峠と、説明
看板にある。1754年に地蔵尊が建立されたらしい。
ブナが多いルート 吉野川の源流部
ここからは大茅スキー場方面に谷筋を下っていく。緩やかな斜面で、ブナと鳥の声が多い
気持ちの良いルートだ。花の説明看板、鳥の説明看板など遊歩道であることがわかる。
せせらぎもあり、鹿も沢山走っている姿も見られてのんびり歩くには良いルート。
あと10分ほどで車の所だな、と思った頃に足跡があったが、Uターンして戻っている。
このあたりでスノーシューを脱いだ。今日は一日スノーシューで歩けた。
朝の「若杉休息舎」が見えた。駐車場はもうすぐだ。

15:20
駐車地点に到着。無人の鳥取ナンバーの車がまだあった。積雪が朝よりとけて減っていた。
気温は9度になっていた。10度上がったことになる。

昨年、駒の尾山に行ったときの帰路に寄った国民宿舎あわくら荘で汗を流し(500円)、
佐用ICから1000円高速に。またまた予想外に空いていた。
宝塚で渋滞しているとの案内が出ていたので、神戸三田で下りて有馬富士の横を通って
全く渋滞なしに帰宅。帰路は西宮北手前で下りているので、1000円ぴったり。

新雪の量も満足で、高速道路も空いていて予想外の1日だった。
本日のルート
この1つ前の記録は「【越美】残雪少ない冠山(1256.6m)」の記録です