【芦生】カヅラ谷から小野村割岳


【山 域】 カヅラ谷から小野村割岳
【日 時】 2010年5月8日(土)
【コース】 須後−小ヨモギ作業所跡−カヅラ谷作業所跡−カヅラ谷
      −小野村割岳931.7m−雷杉−芦生古道−須後
【メンバー】矢問単独
今朝5時15分からNHK「かんさい想い出シアター」の「ちょっといい旅・森へ行こうよ」で
平成元年5月に放映された「芦生の森に万物やどる」が20年ぶりに再放送された。
35分間の画像は、鹿害やナラ枯れなどの今とは全く違う深い緑の芦生の森だった。

「今日は予定を変えて久々に芦生へ行こう!」と思い立ち、現在の許可入り口である
須後へと朝7時に家を出る。芦生に行くのにこんなに遅い時間に出るのは珍しい。

連休が終わり車もほとんど走っていない。「かやぶきの里」のあたりも静かだ。
口芦生の手前に手打ちそば屋が出来ていた。須後の駐車場には車が7〜8台。
駐車場には人影はない。

9:00
入林届けを新しくなったポストに入れて出発。
今日は03年9月に歩いたカヅラ谷から小野村割岳に登り、芦生古道で須後へと戻る
ルートをとる事にした。
長距離なのに出発時間が9時と遅いが、陽も長くなったので17時には戻れるだろう。

メタセコイヤも新緑で輝いている。100mほど前を1人の男性が歩いているのが見える。
橋を渡りトロッコ道を歩く。橋を渡りすぐの電信柱のすぐ斜面側にあった芦生古道の起点
の白い小さな看板も無くなり、斜めの踏み跡ルートももう数年前から全く姿を消している。
帰路ルートでの稜線からの下り口やジグザク道もきっと不明瞭になっているに違いない。

井栗さん宅のトロッコ道沿いの田畑の周囲にあった鹿よけネットが無くなっていた。
よく冬場にネットに鹿が引っかかっていたのを思い出す。
いろんな種類の鳥たちの歌声が賑やかだ。由良川の風がひんやりと心地よい。

トロッコ道の周辺に沢山あった草花はほとんど鹿が食べたのか、無くなって歩きやすい反
面多くの花に会いながら歩くことが年々出来なくなってきている。陽当たりの良いトロッコ
道沿いに多くあるタラの木は2番芽、3番芽が沢山出ていた。
由良川本流では、釣り師が1人糸を垂れているのが見える。
花びらが沢山落ちている。上を見上げると石楠花の花がポツリポツリと咲いていた。

9:15
灰野。前を歩いていた男性を抜いた。男性は灰野の集落跡方面に行った。
石楠花を見ながら、芦生奥を過ぎ単管を使ったアルミの橋を渡り進む。
軌道上に杉の倒木が数カ所。

軌道上に倒木が・・・ 赤崎の橋は崩落
小ヨモギ作業所跡 カツラの新緑が美しい
9:40
小ヨモギ作業所跡。この小屋周辺の木々も枯れてしまったものが多く変に明るい・・・。
カツラの木々の新緑は目にまぶしいくらい美しい。秋もここは黄葉が美しいところだ。
微妙に傾いている 刑部谷の軌道は完全に崩落
10:05
フタゴ谷を左に見て「ここか・・・」次の橋が実に苦手な橋。平成4年にかけられた頃は
今のように、微妙に傾いてはいなかった。規則正しくはしご状に並んだ角材をうまく土踏
まずに噛ませながら進むのだが、なんとなくいや〜なバランスが必要となる。
カヅラ谷作業所跡 正面が本流・右手がカヅラ谷
10:25
カヅラ谷作業所跡。ここの作業所も無くなったので広くて明るい河原となった。
草がぼうぼうだったところは今や全く草が無くなっている。
ここからカヅラ谷に入るのだが、今日は沢靴ではなく登山靴のまま進むため、スパッツを
つけた。右岸に左岸にと飛び石で渡りながら進んでいく。「前回のように沢靴なら、ジャ
ブジャブと楽なのになぁ」と思いつつ、渡りやすいところに目安をつけては飛び石で進む。
このカズラ谷の斜面の草もほとんど無くなり、土がむき出しだ。以前はこの谷で朝の水飲み
に来ていた沢山の鹿を見たが、今日は時間が遅いせいか一頭も見かけない。
「うわっ!」太くて長い蛇が足下で動いた。「ホッ」マムシではなくシマヘビだった。
その後にマムシ草を2度見た(^^;)
立派なミズナラの木も点在するが、カシノナガキクイムシが広がっているようで枯れてし
まってる木も増えている。六甲山でもどんどんナラ枯れ被害が出ていて調査されている。
立派なサワぐるみの木の新緑が美しい。
右手にある(左岸)開脚しているかのように岩を抱く木は今日も元気そうだった。

沢登りをしたゲロク谷(ゲロク谷右俣ゲロク谷左俣)を右に見て、さらに東進する。
沢登りして天狗峠へ登った植橋谷を左に見て、右へと南下する。
南下しつつ、次の二俣で以前同様に右俣を山頂まで詰めるか考えたが、今日は登山靴
なので、右俣と左俣の間の尾根に取り付いて左から山頂へ回り込もうと考えた。

11:50
カヅラ谷の二俣。右俣の右岸尾根に取り付く。「おや?」黄色いテープがある。
同じ事を考えてこの尾根を登った人がいるようだ。鹿の真新しい足跡がルート上に続く。
なかなかの急斜面で体も熱くなってきた。石楠花の花もあちらこちらに咲いている。
小野村割岳の山頂はそれほど広くないし人が多いかもしれないと思い、ここでランチ休憩。
小野村割岳 931.7m山頂 笹や下草が全く無くなっている
12:45
稜線に出た。5分で小野村割岳山頂。予想に反して誰もいない静かな山頂。
山頂に以前は多くあった草々がほとんどない状態で、山頂が広く感じる・・・。
木々の間から遠くの山も見える。遠く東に見えるのは武奈ヶ岳か。
VX-8DでAPRS/西宮IC南のJF3UYN局I-GATEまで飛んでいる
無線機をつけた。京都の御林山からJO3ALUさんがCQを出されていたので応答しQSO。
VX-8DでAPRSを試した。他局のAPRS信号がどんどん入る。
13:20
山頂から出発。稜線上の草木の荒廃はひどいものがある・・・。以前とは全く違う風景。
変わり果てた姿を見て気分も落ち込むとともに、足取りまでも重くなってしまう・・・。
救いは、稜線ルートにある立派なアシウスギが今日も僕を迎えてくれたことだろうか。

14:10
「東谷ノッコシ」と書かれた木札が木にかかっている。以前は無かった。
14:20
雷杉。このあたりの笹や低木の茂みも無くなっていた。03年、04年に来たころは、
まだ笹も低木もあったが、最近では07年、08年にも来たが、その時は低木の茂みは
まだあったが、笹がほとんど無くなり、来る度にこのあたりが広く感じるように変わった。
ここも今日は人がいなくて静かだ。コーヒーを湧かしてミニド−ナツでしばし休憩タイム。
ブナの新緑も美しい 大段谷山・佐々里峠・灰野の分岐
15:20
大段谷山・佐々里峠・灰野への分岐。03年06年には笹藪の分岐点だったのに、ここ
も全く笹が無くなり、広々とした分岐点に変貌していた。鹿害はどこまで進むのか・・・。
芦生古道での展望 アシウスギも点在

15:35
ばん取り跡を過ぎて「芦生古道」への分岐。
いままでの稜線の景色の変貌で、いつになく疲れが足に来だした。のどの渇きもひどい。
「このまま灰野へ下った方が楽かな」と思いつつも7年ぶりの芦生古道で下ることにした。
7年前の方が明確な踏み跡であった。今は枯れた木々も多くて荒れた感じ。
尾根筋からトロッコ道へ向かって下る下り点が、以前のように明確にわかるかなと心配し
つつ進む。木に「オネ1−**」と番号を記した白テープ。尾根を進むにつれて数字が
増えていく。何番まであるのだろう。

16:05
「京大膿四期会」の石柱を過ぎて「オネ1−20」の地点。
たしか7年前はこのあたりに明確な下降点があったのだが、今は見あたら無い。
さらに先に少し進むと藪が濃くなり始めた。橋の手前に出るにはこれ以上尾根を進むと
行き過ぎになる。植林斜面だし下れないことはないので下る。
以前はジグザクの斜面につけられた進路がしっかりあったが風雨で流れたのか全く無い。
先ほどの「オネ1−20」あたりから下るのと同じあたりを下った。

16:20
トロッコ道に出た。電信柱のやや東側。ここから橋はすぐそこ。
16:30 駐車場に着いた。車は朝と変わらない台数。どこへ行ってるのだろうか。

美山町自然文化村で汗を流す。「あっ、モンベルカードを忘れた」割引なしで500円。
風呂はがら空きで2人だった。車のラジオではタイガースがカープに負けた・・・・。

大好きな芦生の森もどんどん変わってしまっている・・・。
いつまでも残って欲しい素晴らしい芦生の森。
また、ゆっくりと別のルートでも再訪してみたい。

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