【丹波】西光寺山(712.9m)


【山 域】丹波・西光寺山(712.9m)
【日 付】2006年11月18日(土)
【コース】キリツメ−巡視路−西光寺山−P672m−Ca618.2m
      −Ca372m−中畑 ・・・・ キリツメ
【メンバー】矢問、MICKEY
5年前の4月に登った西光寺山。岳人12月号にキリツメからのルートが紹介されている。
地形図を見ても、下山路がどうもあやふやだが行ってみよう。
近い山なので、珍しく夜明けの明るい時間に家を出た。「こんな遅い出発も珍しいね」
山肌が崩れている プラ階段が続く
8:30
西脇市の県道36号線「キリツメ」バス停のそばに駐車して出発。
上を見て高圧送電線の方(北東)へ。「この道だろう」と進んでいくと右へと曲がり民家。
違うようだ。左の山道へと進むと巡視路らしくなった。石がゴロゴロ。新しく作った巡視
路もほぼ地形図の巡視路と沿っている部分があり「どっちかな??」と迷う部分も。
右側が崩れている斜面もある。
プラ階段が尾根筋を直進している。地形図の波線路は左だ。
机峠の鞍部に出るには左だが、山頂よりに出るのはプラ階段のようだな・・・と考えている
ウチにMICKEYはプラ階段をどんどん登って行ってる。ついていくか・・・・。
しんどい階段登りだ。地形図の波線の机峠への旧道の方が楽そうな感じ・・・。
暑くてTシャツ1枚になり登る。

9:10
尾根の鉄塔。MICKEYは先に逆方向の明確な踏み跡が続く聖徳太子ゆかりの机峠の方
(東)へ行ってしまったらしく戻ってきた。
鉄塔から南西に進む道は鉄塔部分で草に覆われていて最初が分かりづらいが、コンパスを
見てすこしかき分けるとしっかりした広い尾根道が現れる。
広い落ち葉の尾根道 紅葉は赤く綺麗だ
自然林が続き、次には右が植林という尾根道。
下山路がまた別にあるような青看板。次には住吉町・今田町の峰境看板がある。

先に行ってたMICKEYが戻ってきた。「この先、どんどん下るし、全然来ないし・・」
「それで正しいよ。一旦下るから。」2分間ほど休憩するとTシャツの2人は、直ぐに冷
えて寒くなったので直ぐ出発。みるみるうちに、またMICKEYの姿が見えなくなった。

気持ちの良い落ち葉の絨毯道。「たったいままでいました」というような鹿の寝床に何度
も出くわす。上を見れば紅葉。実に静かだ。

「住吉行者山経由下山口約2キロ」の立て札。
行者山というのは、ピークではなく、以前たぬきさんのページで見たことがある。
5年前に「こぐり岩」の方から登ってきた道とぶつかる。
山頂にはもう少しだが登りがきつくなる。

「山頂に着いたよ〜。展望は最高です〜。東屋が出来ていますよ〜」とMICKEYからの
山頂コールが無線機に入る。「あと5分ほどで追いつきます〜・・・しんどいです〜」
5年ぶりの山頂 キムチ鍋を作りながらワッチ
10:00
西光寺山 山頂に着いた。おおっ、なかなかの展望だ。
山頂付近は紅葉しているがまだその範囲は狭い。
「お腹はまだ空いてないよ」「でもいつ雨が降り出すか分からないし、食材も重たいし
食べてしまおう」小さな東屋で食事の準備。食材だらけのザックから次から次に出す。
「今日は具だくさんのキムチ鍋にした」「え?みそ煮込みうどんと違ったの・・・」
東方面 下山後に行く今田温泉方面もよく見える
三角点から東屋のある南方面の展望
食材を切ったり準備をしていると、六甲方面からBHNさんがCQを出しておられた。
その他、川西モービル移動や和歌山、奈良の山頂からのCQコールも綺麗に入る。
「鍋は温まるなぁ」「今回使用のダシはちょっとおいしくないね」「すんませ〜ん・・・」
椎茸、マイタケ、もやし、ニラ、白菜、豆腐、豚肉でお腹一杯。うどん玉は持ち帰ることに。

食事が終わりかけると、地元の男性が登って来た。「まだ紅葉は少し早いか・・」と。
写真を撮りに来られたようだ。軽装の若い女性2名も登ってきた。

「うわっ、DQKさんからのボクへのコールだ。」東屋から少し離れ三角点の所でQSO。
父たぬきさん(DQKさん)、やまあそさん(IXWさん)、母たぬきさん(IRCさん)達は、
ここから直線距離で約30km北西の雲頂山(地形図では雲須山)に登頂中である。
やまあそさんとはネットではもう古いおつきあいだが、お会いしたことはまだ無い。
今日がやまあそさんとは初QSOで、お会いするより先に声を聞く事が出来た。
気持ちの良い雑木林 だんだん怪しくなってきた
11:15
僕がQSOしている間に、東屋にいるMICKEYはザック内に荷物を片付けてくれていた。
南への尾根沿いに進むべく出発。ウバメガシの自生地であり、 露岩の上を通る。
今田町本荘バス停への道を左に見て先へと進む。

P672mには慰霊らしき石柱があり「洞ケ山西光寺諸死精霊」と彫られている。
月刊誌「岳人」でこのピークを「洞ケ山」と載っていたのは、この石柱の文字からか。

この先の尾根道ははっきりしている。
「なんか単純な尾根道で展望も無いね」とMICKEY。
4m程の卵型の大岩 シダで全く踏み跡は不明 ロープで崖を慎重に下る

12:00
Ca618.2m。この付近から西への踏み跡を探すが無い。尾根を少し先まで進むが無い。
行ったり来たり。ピークから少し戻り西の尾根へと細木をかき分けて強引に進む。
古いブルーのテープが1つあったが道は続いていない。木々にザックがひっかかり進みにくい。
大きな岩群が目の前に現れた。右へ回り込んで下る。どうも尾根筋からはずれている。
地形図とコンパスを頻繁に見て周囲を観察する。

右へ右へとトラバース気味に木々をくぐって1つそして2つと地形図に現れない程度の小さな
尾根を乗り越えて目的の支尾根にやっと乗った。
うっすらと踏み跡がある。赤い杭も草の間に見えて、これで行けるかと思ったら地形図の
Ca371m地点で尾根筋への道はとぎれ、右下のシダの葉に覆われている谷間へと続いている
ように見えるが、実際は踏み跡など無いに等しい。右は植林帯で、左は自然林という境目だ。
一旦下りかけたが、「基本は尾根道」と思い直し、またCa371m地点まで登って確かめるが、
その先の尾根筋はヤブがひどくて行けそうもない。
「下って沢沿いの堰堤工事の道でも探そう」とその自然林と植林帯の境目のシダの海を下る
ことにした。 ※(帰宅して月刊誌「岳人」を見るとこれが紹介ルートであったが、きっとこの
  取材時はシダの葉で辺り一面が覆われていなかった頃ではないだろうかと推測する。)


13:40
林道のようなものが見える。近づくと手前は崖でありシダで足元が見えない。注意、注意。
「下りたいけど今日はロープを持参してないなぁ」「私、8mm10mなら持ってるよ」
「エライ!それなら下りられる」先に僕が下りてMICKEYが続いた。
しかしその林道の様なところは15mほどで終わった。また西南西へとヤブコギ・・。
「もう!!ザックがひっかかって疲れる疲れる・・」と弱音をブツブツと吐いていると「頑張らないと
下れないよ。ガンバレ!」とMICKEYに活を入れられた。

「下に堰堤が見えたよ」 堰堤の工事道で林道へ
13:50
「おおっ、あの下に白く見えるのは堰堤に違いない」と僕が言うとMICKEYが先行した。
「堰堤!、堰堤よ。工事道が左岸にずっと続いているよ」これで長いヤブコギは終わった。
「愛の泉」 再立地蔵 キリツメ行者山の登山口
14:00
わき水の「愛の泉」で喉を潤して、林道を下る。岳人紹介の下りルートは厳しかった。
「つらい下りだったなぁ。岳人の取材の記事はいつのだろう」「私は楽しかったよ」と。
ヤブコギで時間を使いすぎて、キリツメへ向かうバスの時間はとっくに過ぎてしまった。

畑があり再立(ふたたち)地蔵さんがある中畑の集落からバス停でいうと7つ歩いて
戻らないとならない。それも緩やかな登り道を約4km・・・・。ふぅ。

大型廃品回収のトラックが「ご家庭で不要になった、草刈り機、耕耘機、チェーンソー
などはございませんか」と放送しながら走っている。荷台には耕耘機が乗っている。
「流石にこのあたりの廃品回収の回収物の台詞はちがうなぁ」と顔を見合わせた。

西光寺山と歩いた尾根を眺めながら、県道より東の川沿いの道をキリツメまで歩いた。
キリツメのバス停手前に大きなたぬきが立っている。水車も沢山ある不思議な所だ。
ここからキリツメ行者山を経由して西光寺山に登られたのがたぬきさんややまあそさん
のレポだった。

15:00
緩やかな登りの4knの道を終えて車に到着。車に乗るとポツリポツリと雨が降り出した。
「絶妙のタイミング!!。ラッキーだったなぁ」「日頃の行いがいいからよ〜」「・・・」
今田温泉で売っている、ゆず味が豊かでうまいポン酢を大2本買って帰った。

★今回の下山ルートは月刊誌に載っているからと安易に行くことはお勧めできない。
木の葉がしっかりあり周囲の様子が見えにくく、さらに腰高のシダの葉で覆われている
所も多く、踏み跡のかけらもないバリエーション下山ルートである。
地形図の読図とコンパスを駆使する必要があったし、何よりも長い時間のヤブコギに
耐えられる気力が必要と言えるバリエーションの下山ルートであった。
本日のルート
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