【兵庫】ブナ林が残る三久安山(1123.2m)


【山 域】 兵庫県宍粟市・三久安山(1123.2m)
【日 付】 2007年4月28日(土)
【コース】 蓮華岩山隧道(トンネル)−P951m−三久安山(1123.2m)
      −南尾根−林道−蓮華岩山隧道(トンネル)
【メンバー】矢問、MICKEY
今年は桜も早かったし、もうブナの新緑も楽しめるかも。やまあそさんオススメの宍粟市
一宮町にある兵庫の1000m級の山の1つである「三久安山(さんきゅうあんさん)」に向かう。
GWスタートといえども、兵庫の山なら毎年のように渋滞知らずで静かに楽しめるはずだ。
ゆっくり6時半に家を出る。
名水「千年水」 古い石仏道標
途中の道沿いの西公文の部落にある一宮町名水七選の1つ「千年水」を今日の昼食とお茶
用に汲み、「蓮華岩山隧道」というトンネルを目指す。途中にもある古い石仏道標からも、この
三久安山は蓮華岩山とも蓮華山とも言われていたようだ。
ここからトンネル上へ 「そこが尾根筋ね。フゥ」
9:15
蓮華岩山隧道。トンネル手前には車を2〜3台は置けそうなふくらみがある。
トンネルの手前側と向こう側を見上げて支尾根に乗りやすいルートを探る。
トンネルを越えた左手(谷側)から登る事にした。やや滑りやすく、僕が先行して登る。
尾根に登ったところに黄色テープがあった。トンネルの真上からの細い尾根筋の木は最近
伐採されたような歩きやすい所と、伐採木がそのままで通りにくいところが交互に来る。
急に曇りだし、パラパラっと5分間ほど少し雨が落ちたが直ぐ止んで青空に戻った。

左斜めへの仕事道らしき踏み跡がある。尾根筋を直登するか迷ったが、方角的にも離れる
訳ではないし、その杣道を進む。今度は右へと折れる。ジグザクにうまく行くのかな、と
期待していたら次に左に折れてしばらく行くと、全く踏み跡が無くなった。
仕方なく元の尾根方向の右へと振りながら灌木帯のヤブコギで前進あるのみ。
「やっとヤブを抜けたね」 「良い感じに開けてきたよ」
10:00
嫌気が差し始めたら尾根筋に出た。太い立派な自然木が出始めた。ブナも点在している。
左手(南側)に展望が開けた。阿舎利山(1087.2m)や一山(1064.4m)が見える。
南から南西方面の展望
「良い感じの尾根ルートね」
「ブナあり、展望良しで、流石にやまあそさんのおすすめのルートだなぁ」
P951mに向かう北西尾根に乗ると心地よい風。ここからは気持ちの良い尾根歩きだ。

振り返ると南東のP743mに向かう踏み跡もある。地形図を見ると、溝谷の集落から谷
沿いにそのまま北の尾根の鞍部にでも乗り、635.4mの三角点に向かい、尾根をずっ
と北西へと、ここまで来るという方法もあるのかも知れない。
P951mまであと少しね 落雷?台風の爪跡?
実に展望が良い。これから行く三久安山からその南尾根、そしてずっと南先の山々。
地形図には林道が途中までだが、展望では南尾根に沿って相当南部まで続いているように
見える。これはなかなかの展望だと見とれてしまう。小鳥のさえずりも実に多い。
ススキの草原 これから歩く尾根を見ながら
P951m手前からはカヤトの草原のような尾根になる。
MICKEYも展望の良さにおおらかな気になり、「今日はデイゲームよ〜」と大きな声で
六甲おろしと各選手の応援歌を歌いながら歩き出した。前方にいた鹿が驚いて逃げた。
立派なブナの木々が尾根筋に現れ出す。まだ少し新緑には早いが、その分展望もきく。
台風の通り道だった爪跡か、複数のブナが根元から倒れているのが痛々しい。
右手の植林帯の上限にタムシバが咲いている。 しばらく進むと今度は左手が植林帯に
り広場のようなタムシバの咲く地帯となったが、これはやや左に振りすぎた。
右へのブナが多い尾根へと戻る。
もうすぐブナも新緑ね あの林道はどこまで続くの
ここからのブナは先ほど以上に立派でありずっと続く。新緑時期も紅葉時期も素晴らしい
に違いない。二人とも青空に向かって力強く立つ立派なブナ林にしばし見とれていた。
ブナが続く尾根道 新緑も紅葉も良いだろうね
左手には藤無山が見える。「藤無山もここから見るとなかなか良い感じの山ね」
「以前はスキー場から登って、展望も無くてつまらなかった。今度は新しく開拓されたと
いう違うルートも興味があるしそこからでも登ってみようか」
「ろっこうおろしの〜♪」 三久安山(1123.2m)山頂
11:25
三久安山(1123.2m)山頂。誰もいない静かな山頂。小鳥のさえずりと気持ちの良い風。
最近アマチュア無線の免許をとって、山頂コールデビューをされる予定で、姫路と神河町の
境界にある高場山(797.6m)にやまあそさん達と登っているはずのしみけんさん(MHFさん)を
無線機でコールしてみるが応答無し。どこかの山が邪魔しているのか、早すぎるのか・・・。
この山からは直線距離で南東方向に24キロほど先だ。

汲んできた千年水できつねうどんを作っていると、だっちゃん(JCLさん)からのコール。
但馬の妙見山にTさん(BHNさん)と登っているらしい。ここから直線距離で20キロほど北東だ。
これからザゼンソウを見にいくとか。お二人と交信し、タイガースの話題でも盛り上がった。

次に高場山からやまあそさん(IXWさん)のコールが来た。僕がしみけんさんをコール
していたのが聞こえたらしい。5人で登っているとか。山の名を覚えにくそうにしている僕に
「安産で産休と覚えて(^^)」とアドバイスをもらった。なるほどね。「安産産休」か!

続いて、本日の目的の1つでもあるしみけんさんとの初QSOが成功!「うわっ、凄く若々しい
声だ!」と僕もMICKEYも驚く。続いてGORYUさん(VXIさん)とも初QSOができた。
なんとGORYUさんとは以前いろりで顔を合わしていたと判明。
「あっ、やはりあのGORYUさんでしたか」と。

食事を済ませ、下山しかかったものの、直ぐに下るのももったいない気分。
「お茶にするか」とまた座り直して千年水でキャラメルマキアートを作り、フィナンシェでお茶タイム。
日陰もあるし、ホントに気持ちの良い山頂だ。
名残惜しい山頂をあとに 分岐を下る
12:50
下山開始。南尾根を下る。やまあそさんから先ほど無線機で分岐の注意箇所を聞いていた
ので、左を見つつ進むとその進むべき尾根が見える。このピークが4つの分岐点だな。
六甲山の極楽茶屋からのYJLさんのCQに応答しつつ進む。
六甲山からは直線距離で約70キロほどある。
RSレポートは、当局は59で良く聞こえる。相手は51とのこと。

「なんだ、あの下に見える白いのは」「雪じゃないよね???」双眼鏡で見るとコンクリートの
林道のようにも見えるが・・・・。「林道で車まで帰るので、帰路で分かるさ」
はしごへの分岐を示すプラ札 植林際の尾根をさらに下る
次は林道に続くはしごへの分岐点だが、こちらは分岐地点に沢山のテープとヒメシャラの
手前に「白いプラ札」がかけてあったので迷うことなく左の斜面を下る地点が分かった。
これまた馬の背風の支尾根で右(南)の展望が素晴らしい。鹿よけネット沿いだがネットは
地面にずっと落ちている。
「シャクナゲが綺麗ね〜」 トラロープがある急な下り また展望が開ける
やまあそさんが無線で教えてくれたシャクナゲやイワウチワの地帯では、多くの花が僕らを
迎えてくれた。「シャクナゲが綺麗ね〜」「蕾も良い色してるなぁ」

トラロープがある急な下り。そして尾根の踏み跡が行き詰まりとなったとき右手を見ると
赤テープがありまたロープ。そこに朽ちかけているはしごが続いていた。
はしごを下ると林道 林道の崩落地点
13:50
それを慎重に下りると林道。「どっちへ行くの?戻るのはこっち」と逆に行きかけてた
MICKEYを呼ぶ。「もうデイゲーム始まって20分だなぁ」と言うとMICKEYはラジオ
をザックから出して聞き始めた。なんと準備が良いのだろう。「一回裏、あっ、負けてる!」
桜が点在してまだ咲いていた 青空に映える桜

林道は日陰で涼しかった。「よかったよかった。」暑がりの二人には気になっていたのだ。
エンジン音が聞こえると思ったら林道をユンボで工事している。谷間から崩れた土砂を取
り除いている。この土砂だと、先ほどのはしごの所までは車では行けなかったのだ。
「通って良いですか」「気をつけて土砂を越えてね」と気持ち良く通過させてくださった。
新しい堰堤も見える。上から見えていた白いコンクリートの林道部分にさしかかった。
ここも左斜面からの土砂で林道が分断したようで、差し歯のようにコンクリートで林道を
つないだのだと判明した。青空に映えて桜がまだ咲いている。ツツジも咲いている。

14:30
トンネル横の車に到着。帰路で家で使うべく千年水を10Lほど汲んで帰ることにした。
「千年水」の所には朝とは違い、4台の車がそれぞれポリタンク満載で汲んでいた。

帰路の中国道も渋滞無く、ラジオで聞くデイゲームには負けたものの、加西あたりを走っ
ていると福崎のBTIさんのCQに応答しつつ走行の注意アドバイスをいただけた。
また宝塚に近づいたときには、能勢の妙見山からのLLAさんのCQに応答しながら気持ち
良く高速走行できた。

昼からは雷雨という天気予報は全くのハズレで好天の1日。
三久安山、良い山だった。いつまでもあの尾根のブナ達を残して欲しいものだと思う。

本日のルート
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