【兵庫県】筱見四十八滝・形見の時計探し周遊


【山 域】 兵庫県篠山市 筱見四十八滝
【日 時】 2008年4月26日(土)
【メンバー】MICKEY、矢問
【コース】 筱見四十八滝キャンプ場−筱見四十八滝−滝周回下山コース
先週の日曜日に、ハイキングデビューするコマコさん(矢問の母)を連れて篠山市の筱見
四十八滝から小金ケ嶽へのルート
に行った。その際に、峠山を過ぎたあたりで、コマコさ
んが「あっ、時計がない!落としたみたい。お父さんの形見の時計をつけてきたの・・・」と
言い、「どこで落としたか分からないし、落ち葉や土やらできっと見つからないわ・・・
もういい」と言いながらも、形見の時計だ。 残念そうで寂しそうな顔が忘れられない。
先週の日曜日の8時25分から峠山の先の10時半くらいまでの行程の間の出来事だ。

そして、2008年4月26日の朝
「どこかへ行くの?」とMICKEY。「蘇武岳か剣尾山」と僕。「コマコさんが落としたお父さんの
形見の時計を探しに行かないの?」MICKEYも気になっていたようで、本当は、神戸でやっ
ている「ルーブル美術展」の前売り券を買い、今日だけ特別解説が予定されているのを楽
しみに1人行くつもりで早起きしていたMICKEYだが、予定を変えてくれると言う。感謝!!

山で僕以上に目印を見つける目の利くMICKEYが一緒なら発見確率が格段に上がる。
「僕も気になってる・・・。落ち葉や岩場が多くて見つけにくい分、残っている可能性もある。
みんなの通る登山道で落としていたら、あの日も僕らのすぐ後ろを、だっちゃん達4人が
歩いていた。目に付かなかったとすると、だっちゃん達が歩いていない、僕とコマコさん
だけが歩いた登山道からはずれた斜面で残っている可能性が高いと推測している。
その一部分のルートがこの1週間ずっと気になっていた。ダメモトで行ってみよう!!」と僕。

8:20
ワンコを連れた男性と、テントを張っていた旅のライダーに挨拶して出発。
コマコさんのスタート地点の、東屋横のトイレあたりからくまなく探すことにした。
何層にもなってる落ち葉を除けて探す 滝の横の祠をお参りするMICKEY
滝道に入り、落ち葉や木の枝をストックと手袋で除けながら、1歩1歩、登山道いっぱい
の幅と、つかんだだろう木の根のあたりや、岩の間も這うようにして2人の目で探す。
「お父さん、どこ?教えて頂戴。お願いよ」とMICKEYはつぶやき続けて探している。
弁天の滝のところにある祠にもMICKEYはお参りし、しっかり「発見祈願」をしている。

木の根をつかんで登るところや鎖場も、ゆっくりじっくり隙間まで探した。
「無いなぁ」「あきらめないで1歩1歩探そうよ。絶対にあるって」「そうだな」
長靴姿の男性が1名下りてきた。地元の人のようだ。

展望テラスの所に来た。「ここで、だっちゃん達と会った。その後も僕たちが先に進んだ」
その後の徒渉点の水の中もしっかり探した。MICKEYは落ち葉を綺麗に除けて半歩ずつ
時には停止して細かく広く探している。
「もうすぐ大滝だ」「大滝から先が一番怪しいのでしょ」「そう思ってるんだけど・・・」
「でてきて〜」とMICKEY 大滝25m 右が登山ルートだが直登
9:30
大滝。コマコさんが記念写真を撮ったあたりもくまなく探す。ない。
ここからは斜度がきつくなる。足跡は今日までの雨と落ち葉で無くなっている。
「しっかりね」「了解」慎重に、先週つかんだ木と岩を思い出しルートをとり探す。
急斜面もMICKEYは安定! 急斜面は終わるが・・
滝終了点の道標手前の右の岩場へと登山道は行くが、僕とコマコさんが先週とった
ルートはこのまま直登の時々虎ロープがある土の斜面ルート。
1歩1歩左右の落ち葉を除けてチェック。「このあたりから稜線手前が一番怪しいと思っ
ている。ここは人がほとんど通らない。ここにあれば残っている」「しっかり探しましょ」

「ここがコマコさんが一息ついた岩。ここまでにあると思ったんだが・・・」
「あきらめないあきらめない。稜線まではまだあるし」
「先週はロープ沿いに左に行って右に行き稜線に向かうルートをとった」「了解」

落ち葉を除けて枝を除けて探し続けるが見つからない・・。MICKEYは10mほど後ろ
を細部にわたって探している。ロープ場を過ぎると傾斜がゆるくなり小さな岩場がある。
「あの岩場までがあるかないかの勝負だと思っていたのに、もうそこか・・・・」

10:15
岩場に着いた。「もうすぐ登山道と合流する。万事休すかな・・・」
コマコさんに携帯電話で報告「先週のルートをMICKEYとくまなく探してるけど、残念なが
ら見つからない・・。」と話し始めたときに10mほど下で探しているMICKEYが叫んでいる。
この木の左手に落ちていた!! 左の写真の拡大写真
「あった!あった!あったよ!!」とMICKEYが叫びながら手を振っている。目には涙。
「コマコさん、ちょっと待って!MICKEYが見つけたみたい!時計の色は?金?ウンウン。
バンドの色は?ウンウン。間違いない。あった!あった!」と僕までもらい泣き。

MICKEYに電話を替わる。「見つからないと電話で報告してるのかなぁ、と上を見つつ、
お父さん、どこ、教えてよ、と念じながら、ふと左手下の木の横の苔の所を見たら、お父
さんの形見の時計が裏を向いて落ちていたの。良かった!持って帰りますからね!!」
「ホントなの?見つかったの?奇跡やわ!ウレシイ!!」と電話の向こうのコマコさん。

そこだけが木の葉が積もっていなかった。この1週間で降った雨は小雨だったからその苔
の台地からは流され落ちてなかったのだ。落ちていたらもう見つかってはいなかったろう。
バンドの留め金の一部がはずれて落ちたようだ。時計にもバンドにも傷は全くない。
「この木を持って右へ行き際にはずれて落ちたのだろうね」「あって良かったわ〜!!」

「今週は小雨が降っていたのに時計は止まっていないね。防水じゃないのに」
「コマコさんが山の中で落とした時計が動いている夢を見たって言ってたからなぁ。峠山まで
行かなくて済んだね。稜線手前の稜線と並行の廃道を通って周遊コースで下山すれば楽に
下れる。」「了解。今日の目的は登山じゃないしね。早く戻って渡してあげないとね!」
「早く持って帰ってあげよう」 ヒカゲツヅジもまだ良く咲いている
稜線に続く尾根道に左右からの道がぶつかる地形図にも載っていない合流点。
「先週はこれをまっすぐ尾根沿いに稜線に出たけど、これを左にいけばピークを通らずに
周遊下山道にぶつかる」「ちょっとヤブっぽいけど良い道ね。ピーク避けて行きましょ」
ヤブっぽい並行道 「もうヤブ地帯も抜けたね」 尾根との合流点・下山開始
10:40
稜線との合流点。「先週はここで上から僕とコマコさんが来て、だっちゃん達は稜線北の
並行道からやってきた」「大滝から、この合流点までに落ちていると予想したのは当たって
たね。今来た道、道標に通行困難って書いてあるけど通りやすい道だったよね」
「僕たちには通りやすくても一般のハイカーには通りにくい道ってことでしょ」「そうか〜」
「しっかりした道ね」 「新緑が気持ちいいわ」
ここからは縦走路を離れ、周遊下山コースをとった。コバノミツバツツジやヤマブキが美しく
木々の新緑も美しい静かな道だ。

「時計があって良かったね」
「本当にMICKEYのおかげやね。ありがとう。僕一人だったら見落としてたと思う。
帰路でもう一度通ってもあのルートの外側の木の裏までは目が届かなかったと思うし・・・」
「お父さんが、連れて帰ってくれよ〜と呼んでくれたのよ、きっと」
「本当に奇跡のような発見やったなぁ。ありがとうMICKEY」

11:00
駐車地点に到着。車は僕らだけだったのに、5台になっていた。
スニーカー姿の若い女性達が滝ルートに行くらしい。ルートの説明をしてあげた。
観光バス2台に乗った登山団体が来た。スゴイ人数・・・。先に行ってて良かった。
コマコさんに時計を手渡すため、持参したおにぎりを車内でほおばりながら実家へと急いだ。
本日のルート・「×印」が父の形見の時計発見地点
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