【兵庫】丹波市:雲頂山(876.4m)
【山 域】 兵庫県丹波市:雲頂山(876.4m) 【日 時】 2009年11月28日(土) 【コース】 青垣町大稗集会所−粟鹿峠・お杉地蔵−一ノ瀬林道 −関電巡視路−馬が背−雲頂山−馬が背−北尾根 −沢出合(「左・たしま道」の石碑)−粟鹿峠−大稗集会所 【メンバー】MICKEY・矢問 |
家の付近はもう雲も薄く晴れ間も見える。今日は昼まで天気が悪くて昼からは晴れると いうが、現地へ行ってみないとわからない・・・。昼から晴れるならなんとかなるかも。 2006年11月に西光寺山に登っているときに丹波のたぬきさんご夫婦ややまあそさんと 無線でつながった「雲頂山」へ登り、さらに北上して「粟鹿山」も登ろうと思ったのだが・・・。 「雲頂山ってどこの山のこと?」とMICKEY。「黒川ダム湖の東にあるピーク」と僕。 「兵庫丹波の山(上)」(ナカニシヤ)には「雲須山(くもすやま/火の谷)」と記載されているが、 これは国土地理院の『点の記』に書かれている点名。やまあそさんによると、地元(生野町 黒川)では雲頂山と呼ばれており(黒川にある大明寺の山号が雲頂山)、地元の人も役所を 通じて地理院に訂正を求めたという。どうやら点の記に書かれる時に『頂→須』と間違わ れたと思われるとのこと。 6時過ぎに家を出るとたぬきさんから携帯メール。「丹波は雨が降ってますよ」と。ガーン! 丹波に入ると空が黒くなり雨が降り出した・・・。行く方向はさらに黒い雲・・・。憂鬱だ・・。 大稗集落の集会所駐車場に着いたとき(8:50a.m.)にも霧雨が降り続いている。 MICKEYは「雨が止まないなら登らないで帰ろうね」と。しばらく車内で様子を見ることにした。 10:10 もう1時間20分も空を見上げて待機している。霧雨は止んだが、空はまだ黒くガスがある。 山の頂きはガスの中で見えない。本当に昼から良くなるとは思えないが、期待もしている。 「とりあえず行けるところまで行って雨が降り出したら戻ろう」と雨具のズボンをはいて出発。 集落の人と挨拶。雨が上がって畑に出るようだ。黒豆が干してある。正月用かな。 「こんな遅い出発だと雲頂山の一座になる可能性大。それなら1本西の一ノ瀬谷の林道に 入っておれば峠越えをしなくて済んだのになぁ」と思いながら歩いていると、粟鹿山から 下山時に使おうと思っていた林道の立派な獣よけゲートを開け閉めして進みかけた。 |
陶芸教室もある窯元 | 巡視路はここを進む |
「あっ、ごめん。この林道に行くのは間違い」と煉瓦造りの煙突が2つある陶芸の窯元と 民家の間の「火の用心」の関電巡視路札があるところまで戻りせせらぎ沿いを入っていく。 小さな獣よけ網ドアを開け閉めして進む(10:25)。交差する巡視路の位置からも峠越えの 道をまっすぐ進む。一ノ瀬谷の林道からの巡視路を登るなら、ここで左の巡視路に入って 南西に進み、尾根越えをしたほうが早いが、それでは「お杉地蔵」さんに挨拶できない。 ジグザクに植林帯を登っていく。鹿が走り回っている。 (雲頂山だけなら南西に巡視路で尾根越えして帰路に粟鹿峠を通って帰ってもよかった) |
粟鹿峠と『お杉地蔵』 | 一ノ瀬谷林道に出た |
10:55 粟鹿峠に着いた。峠の手前右手に地蔵菩薩の石仏があり、これが『お杉地蔵』らしい。 このお杉さんにまつわる話をやまあそさんの記録で知った。MICKEYに話すと「なんて かわいそうなお話しなんだろう・・・。今度はお供えのお花を持ってまた来たいわ」と。 やまあそさんの山行記録より 「話は二つあって、一つは但馬に住むお杉という娘が大稗に住む好きな男の元に通って いたが雪の降る夜に帰ろうとしてこの粟鹿峠で凍死したというもの。もう一つは奉公先の 和田山から父の知らせを聞き、いつもは通らない粟鹿峠の途中で凍死したというもの。 この石仏はそのお杉の供養に建てられたという」 峠からしばらく下ると谷の下で丸太3本の橋があり踏み跡は対岸に。右岸を下っていく。 一ノ瀬谷のひとまたぎで渡れる細い沢を渡って林道に出た。(11:10) 林道を南下し、送電線鉄塔を目指す。左手の斜面が広く伐採された所が見えた。 巡視路のスタート地点を探すべく右手に注視しながら歩く。 |
伐採斜面と植林が見えるが | 「神船・大名草の森」という木柱 |
11:25 巡視路開始地点に行くと「団子谷」という道標と今年の10月31日に立てられた、三菱重工 神戸造船所、大名草自治会、神楽会、丹波県民局、丹波市と記された「神船・大名草の森」 という木柱がある。若木が斜面に植林されていて、巡視路のプラ階段ルートがその植林地 帯で寸断されていてややわかりにくくなっているが、ピンクのテープが尾根に続く。 これらの若木が生長して立派な森になる頃に僕らは生きているだろうか。 |
植林の若木が点在している | 最初の鉄塔へ到着 |
稜線に出る手前でガスに包まれ出した。「ホントに昼から晴れるの?」と疑いのMICKEY。 「どうも気圧が上向かない。良くなる見込みはなさそうだな・・・」と僕。 |
右手には雑木林が広がる | 落ち葉でふかふか |
無線機から、丹波のたぬきさんが僕をコールしている声が聞こえた。家からだそうだ。 ガスに包まれて気分は急降下を伝えた。風が強くなりとても寒くなってきた。 展望の良い鉄塔のことも聞くも、このガスでは行っても全く展望もなにも見えないだろう。 |
馬が背はガスで覆われている | 雲頂山876.4m/三角点 |
12:45 馬が背。Ca870m地点。4つの尾根の交点のような所だ。ここは不思議と風がない。 「おなかが空いたよ〜」とMICKEY。僕も同じく。 とりあえず雲頂山の山頂だけは行くことにして西への進路を取った。5分ほどだ。 12:50 雲頂山。876.4m。三角点にタッチ。天気が良ければ展望も良さそうなのに・・・。 ここでランチにする予定だったが、風が冷たい。馬が背にもどってそこでランチにした。 上着を着て雨具を着ると体は温かいが指先は冷たい。MICKEYはうどん、僕はラーメン。 おにぎりをわけて食べた。ガスも出てるしコーヒータイムを取らずに出発することにした。 |
馬が背から北の尾根道 | 気持ちの良い雑木林の尾根 |
もう14時。粟鹿山を登って南東尾根を下ってCa914mから大稗へ南下する予定だったが 時間的に無理だし、粟鹿山の上部は厚い雲に覆われている。「今日は雲頂山だけにしよう。」 尾根筋を北へと進み、Ca773m、Ca721mを通り地形図の点線の谷道へと降りて時計回りで 朝に通った粟鹿峠への峠道を戻ることにした。 地形図の点線の谷道へもっとも近い地点まで来たが、尾根筋が実に綺麗。すぐ西側の谷道 に降りずにこのまま東へと尾根筋を進むことに決定。 ずっと尾根を快適に進んでいたが、東へ下るにはやぶこぎになる地点になり、やや北回りで やぶこぎのない植林帯の斜面をトラバース気味に谷の出合を目指して下ることにした。 「こんな斜面を下っていけるの?」とMICKEY。「鹿の足跡がある。たいてい谷の出合へ行く」 下っていくと古い布が2箇所ぶら下がっていた。「仕事道だ。行ける」「ホント!行けそうね」 かすかながら斜めに下っている。沢登りでは良くあるパターンで二人とも慣れている。 |
谷の出合に出た | 「左・たしま道」の石碑 |
14:35 下に林道が見えた。沢の出合のところにドンピシャで出た。 MICKEYが「石碑があるよ」と言う。そこには「左・たしま道」の石碑があった。 一ノ瀬林道を南へ5分ほど行けば、今朝粟鹿峠から下りて林道に出た地点だ。 14:40 「さて今朝の逆で戻りましょ」峠越え開始。粟鹿峠(14:55)で、お杉地蔵にお参りして どんどん下る。石ころと枝打ちの枝で歩きにくい道で、とても長く感じる。しかも薄暗い。 「ピーッ」鹿の声が響く。MICKEYもまねして「ピーッ」と言ってる。 獣よけ網ドア(15:20)を開け閉めして、薄暗い植林帯から解放されやっとホッとした。 15:25 車に到着。雨には遭わなかったが、尾根筋ではガスで天気が回復せずに残念だった。 岩屋山の方面は青空がのぞいているのに、粟鹿山の方を見上げると真っ黒な雲が今もあり ガスで全く山頂付近は見えない。「粟鹿山はまた次回にしたのが正解のようね」とMICKEY。 「あ〜、天気予報通りに昼から晴れてくれれば良かったのになぁ・・・」と僕。 氷上町のバイエリッシャーホーフに寄って、おいしい焼き豚とソーセージを買って帰った。 |
本日のルート |
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