【行き先】 比良 安曇川・八幡谷 【遡行日】 2002年6月2日(日) 【天候】 晴天 【ルート】 細川橋−堰堤右岸−八幡谷入谷−二俣−武奈ガ岳(1214.4m) −細川尾根−細川橋 【メンバー】矢問&MICKEY |
先週、段ガ峰の倉谷で、傾斜のあるナメ滝でチョンボして肋骨にヒビがはいり
まだ痛みがあるが、医師に呆れられながら「リハ遡行」として八幡谷に行くことにした(^^;)。
痛みの不安と長い遡行行程にワクワクして小学生のように眠れない(^^;)。
予定より2時間早い3時に準備して、MICKEYをたたき起こし3時半に出発。
京都では国道で「気温24度」と表示。早朝は大抵霧が出ている細川に5時に着き、
気温は何と「15度」と表示!山の西側の早朝はいつも肌寒いくらいだ。
もう充分明るい。細川橋右岸を車で上がり、左手にある神社前の駐車スペースへ
行くとテントを張っているグループがあり駐車出来ない。国道に戻り少し先の以前
佐野さん達と仮眠した「細川休憩所」に駐車して準備。「9mm・40mザイルは
重いし今日は持っていかないよ。8mm・20mと9mm・10mのみにしておくぞ〜」
と病人は泣きをいれる。晴天で雲一つ無い(^^)v
5:30
細川橋から右岸の林道を上り、テント者に挨拶して通過。デカイ堰堤の左手へ階
段が導く。しばらく右岸を進むが、草も多くなり沢中の方が歩きやすいので入渓。
綺麗な水だ。
小滝が沢山あって水量もあり気持ちいい。「今日はどんどん直登するぞ〜」
「肋骨に響かないようにゆっくり歩きなよ〜」1m〜4m位の小滝を快適に進む
「これが欅の巨木かな?」と左岸にある巨木を見る。数本同じような巨木が続く(^^;)
6:35
ここからは右岸がガレている。やや右に沢は曲がり、左からの滝を見てさらに進
むと右岸にミズナラの巨木。ここで小休止。涼しいし、辺りの新緑がとても美しい。
このあとはゴルジュとなりやや暗い。こういうところは虫が団体で吹き出して
くるので虫除けスプレーを全身に振りかけた。「防虫ネットまでかぶること
はないやろな」4m位の滝が数本続く全部気持ちよく直登していった(^^)v
こいつは手強いぞ | 「ザイル出すからな〜」と下のMICKEYへ |
「うっ、これが8mの滝か・・。左を巻くか直登するか・・よし、チャレンジする」
と取り付いた。途中までシャワーをかぶりながら簡単だったが、最後の2手がない!
冷水で手がしびれてくる。「大丈夫?戻れば〜」「もう戻られへんがな(^^;)。
頑張ってみる」足を突っ張って手を伸ばして、痛い肋骨も顧みず息を詰め、
きばってなんとかシャワーで突っ切った。「やった!メチャ緊張したぞ〜。
今日の核心部その1かな。ザイル出すぞー」とMICKEYにザイル。
「よくこんな所登れたね〜」とお褒めの言葉。
二俣を右に進み6mの直瀑も濡れながら左際を登る。三段8mは左際を登る。
段々濡れて寒くなってきた(^^;)「東側登山道は今頃炎天下で暑いやろなぁ。
寒いとは贅沢な!(^^)」続く4m、5mも直登し、次の6mもチト苦労しつつ直登してると、
シビレを切らしたMICKEYは左を巻いてきた(^^;)。
9:00
右岸の壁がボロボロで細かい岩くず地帯を過ぎるとまたゴルジュ帯。2m、5m、
5mと入り口から見える。しばし考えたが、チト寒いのと肋骨が痛むので右を巻くことに。
2mの滝の右手のガレ場を少し登り左へ木の根を伝って巻き上がったが、
途中でどうも無理だと下のMICKEYに伝えると、MICKEYはガレ場をどんどん登り
左へ巻き上がれる所を探していた。僕が下りてくると、とうとう100m程の
ガレ場を最後まで登ってしまってる(^^;)「危ない、下りてこい。そんな上まで
行く巻き道なんてあるはずがない。」ここで大分時間ロスしてしまった・・・。
「巻かずにどうするの?」「直登にチャレンジするしかないがな〜(^^;)」
「ホントに巻くのを怖がる人やね〜」ううっ、痛いところをつかれた・・・(ーー;)
5mの滝は右側の岩の割れ目に沿って登ると中段で少し棚になっていて同じ長さ
の残留シュリンゲが3本ある。「足に掛けるのか?手で持つのか?う〜ん、以前
BAKUさんはどうしたんやろ・・・」と独り言を言いながらあれこれ試すが、
左の岩に手が無くて怖い。
下のMICKEYは不安そう(^^;) |
「僕のシュリンゲを足して足をかけるから、後で回収してきて〜」と上から
MICKEYに叫ぶ。1本を足に掛け、1本を持って何とか上がれた。僕にとっては
本日第2の核心部(^^;)ザイルを降ろしてMICKEYが途中でシュリンゲを回収して登
るが最後が登れないようで「もっと引っ張り上げて〜」と叫ぶ。肋骨が痛くて・・・
なんて言ってられない。力一杯引き上げた。「リハビリと違ってこりゃシゴキや(^^;)
腕がパンパンや」「悪い悪い(^^;)だって、手が無かったし〜」とMICKEY。
10:00
あとの4〜6mクラスの数本の滝もガンガン登った。段々と水が少なくなってき
たと思ったら、13mの滝がある。「これは巻こか?」と右を巻くことに。上か
ら沢へ下りるのも木をつかみながら下りられるが「この傾斜を利用して懸垂の練
習しよか」「私、初めて・・・でもしてみたい(^^)」木にセルフで体を固定して、
エイト環の使い方、ザイルのかけ方など、囲炉裏の師匠達に教わった全てを伝える。
「なかなか面白かった。エイト環ってうまくできてるもんやね〜」とMICKEY。
懸垂の危険性、怖さも説明した。傾斜がどんどんきつくなってくる。ゆっくり進もう。
10:30
あとの滝も順調に進み、6mほどの滝に行く手をはばまれた。「えっ、これどう
すんの?ツルツルやし〜」「右手にハーケンが打ってある!BAKUさんが言ってた
滝はこれやな!」ハーケンに足をかけるところまで登るのが滑って四苦八苦。
中央のハーケンまで足がとどけば・・ |
MICKEYには上からシュリンゲを出した。
ガレ場を登るMICKEY | ガレはまだまだ上に続く・・・ |
いよいよ詰めのガレ。キツイ。大きな息をすると肋骨が痛む(;_;)途中で休憩し
つつ登る。最後近くが、先々週の白子谷状態の粘土斜面で、登っても登っても滑
って元の位置(;_;)「もっと右に逃げよう。右側の細川尾根道に出ましょ。」と
まずは僕が木や草をつかんだりして登り切り、ザイルでMICKEYをあげた。
「ここの粘土斜面も大変やったなぁ。よく濡れてるしなぁ」
11:20
尾根道を5分ほど登ると、武奈ガ岳の直ぐ北の縦走路で3分ほどで山頂。50人
以上のスゴイ人!!!まだまだ下から登ってくる。それに沢と違ってメチャ暑い!
「山頂は暑いね〜」とMICKEY | 一応、記念写真 | まだまだ登ってくる |
晴天で展望は素晴らしいが、こんな暑い日に登山道はつらいだろうなぁ。
「八淵の滝経由で武奈ガ岳ハイク予定のDOMINOさんたちはいないなぁ・・」と探
すがいない。山頂メールを試みたが途中でiモードが切れてうまくいかない。
11:50
「日陰の静かなところで昼食にしよう」と靴を履き替え少し北に戻り、先ほどの
細川尾根へ。縦走路からの分岐点はテープがある。そこから20mほどは笹で見
えにくいが踏みあとはわかる。その後はずっとわかりやすい道でテープも多い。
もう誰も来ない静かな日陰道。山頂とは違って涼しい。
12:20
12時のサイレンが鳴ると「お腹空いたよ〜」とMICKEYがうるさい。昼食にした。
p706地点は気持ちいい木陰 |
p706地点は台地状で木陰で気持ちいい。そこからはとても急坂になり、枯れ
葉が10センチほど積もっていて、地面状態がよくわからない(^^;)石があった
り穴があったり、震動が肋骨に響く(^^;)「下山の震動がメチャつらい・・・」
と泣きを入れ入れ休憩。ずっと木陰の下山道で、涼しい風が気持ちいい。
13:10
最後は杉の段々畑状の植林帯になり、国道のはるか上に並行に右に進む道となり、
朝出発した細川橋の左岸にポンと到着。「こりゃ良いコースやったなぁ(^^)」
直ぐ横の売店でコーラで乾杯した。「温泉行くほど汗もかかなかったし、バス釣
り渋滞のないうちに早めに帰ろう」ということで帰路へ。下界は流石に暑い。
朝気温15度の表示が26度になっていた。11度の温度差の日であった。
3級の沢は流石に緊張する場所があって達成感があるが、「観光沢登り」からは
チトはずれた1日でもあり、時間をかけたものの「リハビリ沢登り」からもはずれた
シゴキの1日でもあった(^^;) でもやっぱり沢は楽しい〜(^^)
この1つ前の山行記録は「段ガ峰・倉谷」の沢登りの記録です |