【行き先】 伊吹山地・金糞岳(1317m)
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前夜22時すぎに家を出た。高山の集落を抜けて二俣出合手前のポンプ場と
トイレのある除雪された広場で午前1時30分から仮眠。気温0度。
6:55
快晴。二俣出合に大阪ナンバーのデリカが停まっている。硝子面が凍っている。
昨日からの登山者か。林道入り口に「通行止め。崖崩れ」と。「行けるところま
で行こう」と自己責任で登り始めるが50mほどのところから進めない。
雪が全て凍っている。斜度もあり危険すぎる。Uターンも出来ない幅だし・・。
スタッドレスタイヤの跡さえ付かないしハンドルも全くきかない。バックで戻る。
ここから歩くとは・・・予定外(;_;) |
「ここから歩くとなると、標高差1100mほどあるぞ。途中で敗退覚悟かな。660m
登山口まで二時間はかかりそう。雪が深くラッセルなら山頂まで時間切れかも(;_;)」
東俣谷川沿いで白谷登山口を目指そうか悩んだが、雪が深いので林道歩きで660m
登山口を目指すことにした。100mも進むともうワカンが必要となった。
まだ早朝なので雪も堅く、ワカンを付けると格段に沈まない。
この雪崩箇所はまだマシ。最後は怖かった。 | カードレールも雪の下 |
途中で土砂崩れというより斜面の雪崩で林道が完全に埋まっていて小山のように
なっている箇所が四カ所ほどあった。特に最後の一カ所はとても高くて斜度がき
つく滑落すると相当下まで落ちる。ストックをしまってピッケルでステップを切
り、確保して通過した。なかなか怖い箇所。進んでも進んでも林道は続く。
北方の景色が素晴らしい。純白の衣をまとった山がくっきり見える。「綺麗!!」
9:00
林道とぶつかり、660m登山口。昨日の人は白谷の方から来たようだ。
かすかにワカンの爪痕がある。ここから下の白谷方面は樹林帯の中。
下山にはこのルートを使おうと決めた。
どこからこの急な尾根に取り付くのかわからない。林道を50mほど進んだとこ
ろに「車中の貴重品注意」の看板がありそこから右斜め上にキックステップで登れた。
ここからの尾根歩きは左の真っ白な山を見ながらの快適な展望歩き。
木々の葉も落ちているので展望がきく。尾根筋をはずさないように歩く。
素晴らしい景色を見ながら(^^) | 「空の青さが濃いねぇ」 |
10:00
また林道とぶつかり、990m登山口。
ここが990m登山口 |
ここまで三時間かかっている。暑くてバテてきた。
天気もいいし山頂まで行けそう。この晴天では帰りは雪面がゆるんでズボズボと
はまってキツイ下山になりそうだが・・。まっ、景色が最高なのは嬉しい(^^)v。
「綺麗ねぇ。空も濃いブルーで素晴らしい色」とMICKEYは元気そのもの。
小朝ノ頭から先は真新しいワカンの跡。2〜3名かな。そばの樹林帯の方から。
昨夜はこの辺でテント泊したのかも。ここからの尾根歩きは雪庇も多く注意する。
雪庇も多くなってきた |
大朝ノ頭を登り切ったら向こう斜面から1人登ってきた。足取りが重そうに見える。
挨拶すると「日帰りですか。山頂はあの向こうです。あと1時間くらいです。
連れが2人上にいます」とのこと。下山のハズなのにすごく顔色が悪い。
最後の登りの手前に「山頂まであと20分」の看板の言葉のあとに「20分では
無理。30分かかる」とマジック書きがある。2人が下りてきた。「良い天気で山頂は
最高ですよ。特に北尾根は穴場。素晴らしいですよ。白倉峠の方は雪庇で危険。
気分が悪くなり1人先に下りました。日帰りですか。僕たちはテント泊して
ピークに行きました。」とのこと。日帰りはちょっとキツイかも(^^;)。
あと一息と思いつつ、登ったり下りたりの繰り返しと寝不足でばててきた。
「MICKEY、先に行ってくれ〜」 |
「先に進んで。」とMICKEYに先行を任せる。
ここからは風がとてもきつい。
右(西)も左(東)も素晴らしい真っ白な山々の景色を見ながらの登攀となる。
後ろをふり返ると琵琶湖がデーンと見え、伊吹山や霊仙山もくっきり綺麗に見える。
12:00
山頂。綺麗な平原って感じで360度の大展望。木のところに山名札がある。
「やったぞ〜!!」\(^o^)/ |
こんな晴天に恵まれて最高。MICKEYも「すごい!綺麗!」の連発。
「今頃、山日和さんはあの方向の奥美濃の山に登っておられるよ」と説明。
MICKEYのauに息子からメール。僕のドコモは「圏外」となる(;_;)。
風を避けるべく斜面を少し下りて昼食。雪スコでイスとテーブル。大展望付き!!
「水忘れた(^^;)」とMICKEY。「こんなに綺麗な雪あるやん」と雪を溶かしてラーメン作り。
向こうの方に伊吹山 |
13:00
下山開始。「日暮れまでに下りないと」尻セードが出来る斜面はどんどん使う。
予想どおり、太陽熱で雪面がゆるんで朝とは大違い!ワカンでも膝まで沈む。
ストックも力加減を上手くしないと手元まで全体が沈む。「こりゃ大変や〜」
ワカンが沈むので抜くのに力がいる。上手く抜けないときは、前のめりに僕も
MICKEYも下山の勢いがついているのでバタンと顔面から倒れる。
起きあがるのも一苦労(^^;)
14:00
「まだ登山口見えないか・・・」と思ってると990m登山口。1時間かかった。
ここからはさらに雪がゆるんでズボスボ沈む。朝はほとんど沈まなかったのに。
14:40
660m登山口。「林道のあの雪崩部分はこれだけ雪がゆるんでたら危ないなぁ。
先行者も白谷口へ下山しているようだしこっちを進もう。距離も林道より短い
し。」樹林帯の中を下るのは今までより足が沈んだ。「こんなに雪の抵抗のある
モモ上げ運動を続けるのはつらいなぁ」とシンから疲れ始めた。MICKEYは元気だ
(@_@); 堰堤まで下りた。沢沿いが始まる。右へ進み、細い橋を渡る。
しばらく行くと右に「上級・中級者向けコース」の東俣谷川沿いに白倉峠に至る分岐。
左へどんどん沢沿いに下る。深い雪に足を取られて疲れること疲れること(;_;)
365m地点で山頂手前で会った2人が休憩中。
「速いですね」と言われるが「もうバテバテです」と正直に答えた。先に進んだ。
途中で手に持っていた帽子を落としたようだ。ザックを置いて300mほど戻ると有った。
ザックのところに戻ると「斜面の沢水を汲んできたよ」とMICKEY。
「ありがとう!もう水切れで死にそうやってん」と感謝感謝。
2人の顔はお互い汗の塩で真っ白、ザラザラ。「この深い雪の下山もきついなぁ」。
16:10
「キャンプ場のロッジが見えた!!」バテバテになりながら二俣出合に着いた!!。
「囲炉裏の方ですか」とあの3人パーティーの先に下山されてた方から声をかけ
られた。やはり朝見たデリカ。「車に囲炉裏のマークがあったので。僕の知り合
いも囲炉裏にいるのですよ。普段は沢ばかりやってるんです」とのこと。
名刺を交換。もとはわらじの会にいらした「同人・飄逸沢遊会」の代表の方だった。
「お連れの2名は、あと5〜10分で到着されると思いますよ」と伝えて別れた。
帰路では青空に映える伊吹山や霊仙山、そして先ほど下りた金糞岳を見ながら帰った。
19時自宅着。きつかったが晴天で素晴らしい山行だった。
この一つ前の山行記録は「湖北・赤坂山から三国山」の記録です |