沢【大峰】川迫川・白子谷


大加茂くんと平蛸くんの沢デビュー

【行き先】 大峰 川迫川・白子谷
【遡行日】 2002年5月19日(日)
【ルート】 白子谷出合−二俣−鉄山(1563m)−大川口
【メンバー】BAKUさん、亀さん、大加茂君、平蛸君、矢問

BAKUさんを乗せて大川口に着いたのは前夜の20時30分。一番行きたがってた
和田さんが不幸事があって来られなくなった。あとのメンバーは明朝着予定。
「さぁ、鴨うどん作るで〜」とBAKUさんが手際よくおいしい鴨うどんやら、焼き
ウインナーやら作ってくれ夕食と小宴会(^^)v
「明日、沢デビューの大加茂君と平蛸君のことをくれぐれも頼むと助役にも言わ
れてるし、絶対怪我無しで行こうな(^^)」とルートの再確認や問題箇所の洗い出
しをした。「まじめな前夜泊やな〜(^^)」といいつつ、BAKUさんはもうビール3缶も
空けてる。明日に備えて、22時過ぎには2人ともいつになく早い車中泊(^^)。

5:00
「BAKUさん、晴天や!」「おおっ、こりゃエエぞ〜」と体操して朝食。

6:05
「あれれ・・雲が出てきたぞ。気圧もやや下がり気味」と話していると大加茂・
平蛸組が到着。「なんか、寒いですね(^^;)」上空は冷気が入り込んでる。

6:30
亀さん到着。「去年の前鬼川以来やなぁ。今日もよろしくね〜」とBAKUさんと僕。

7:20
白子谷出合に向けて林道を徒歩で約1キロほど戻る。3人の高度計を合わせる。

さあ、頑張るで〜(^^)

石の橋の手前を下りて川に出て川を渡る「うわ〜、靴に水が・・」と大加茂君と
平蛸君には初めての沢靴でのジャブジャブ歩き(^^)白子谷出合は斜瀑の水が岩肌
を伝って流れ出ている。「矢問さん先頭で行き」「よっしゃ」と右水際を登り沢筋へ。

いよいよ水に入るぞ〜 「ヒェ〜靴に水が・・」初めての徒渉の2人

このあとは下山まで先頭を亀さん、BAKUさん、矢問があうんの呼吸で順次
交代して沢デビューの2人をフォロー。安全と思われるところは2人に先行させ、
ルートを見定めながら進む楽しさも経験させようという趣向で進んだ。

ナメや小滝が連続する。新人2人のフェルト慣らしには良い感じ。3人から色々
なアドバイスの声が飛ぶ。2人もその声に素直に笑顔で答え、即実行。吸収が早い(^^)
「矢問さん、鹿がいる」と大加茂君。左岸に鹿がいた。「水を飲みに来たのだろうね」
7mの滝には「木」は刺さっていない。右巻きよりも安全策をとり、伐採された
左を巻くことにした。ここからも小滝と斜瀑が続く。明るくて新緑とマッチして綺麗。
岩の間の4mの小滝を平蛸君がじっと見つめている。「登ってみたい?」と言うと
「いいですか」とニコリ(^^)。うまく右側からへつって滝下へ。全身シャワー状態。

へつりもなかなかウマイ(^^) う〜ん、あと一息だ!! 流石にイレブン・クライマー!

「目に水が・・水圧が」と頭上からの水と格闘している。流石にムーブも上手で
登り切った。これには全員拍手。遡行開始直後から濡れる勇気のない軟弱4人は
巻いた。「ウウッ〜、寒い!!」「うん?これ綿のTシャツ?そりゃ寒いわ」と(^^;)。

「こりゃおもしろいです〜」と大加茂君 「きもちいいっスね〜」と平蛸君 余裕のピースの亀さん、続いてBAKUさん
「この小滝は簡単そうなぁ(^^)」と2人

9:00
右岸につぶれた送水タンクとパイプを見て8mの幅の広い滝へ。「どこから登る
のかなぁ」とデビュー2人はウロウロ。「直登するか?ザイル出すよ」とBAKUさ
んと亀さんが左から巻いてザイルセット。下で僕が平蛸君にザイルセットを確認し
上の2人にロープ出し等の合図を送るだんどり。

本日2度目のシャワークライムの平蛸君 「僕も行くぞ〜!!」と大加茂君

「うわ〜、無理です。あと一手がない〜」とシャワーの中でもがいている(^^)。
「そこはロープを持って足を乗り切ればいい。
亀さんがビレーしてくれてて、テンション待機体制になってる。何でもあり。
あるものを利用して!」と下から指示。ヒョイっと難なく中間点の棚に登れた。
僕も当初は室内クライミング感覚で、「ロープは持ったらダメ」との言葉が
頭の中で渦巻いてパニくった事がある(^^;)
それに続いて大加茂君もシャワークライムに挑戦。「滑る〜」とやや右のルート
をとった。「あまり右に行きすぎて滑ったら、振られるぞ〜」と上から下から指
示が飛ぶ。大加茂君も同じところでロープをつかんで足が乗れた。
「やりました!」と笑顔(^^)
あとも小滝やナメが続き、ゴーロの伏流帯を抜けると長いナメが断続的に続く。
「これがてるさんお薦めのナメやな」左に鉄山に突き上げる涸谷を見て進む。
二俣で「これ右ですね?」と大加茂君。「違う。左」と遡行図の現在地を教える。
あと小滝をいくつか過ぎると長いガレ場に突入。落石に注意しての登り。

「大加茂君、落石に注意して!」と亀さん

10:00
てるさんの忠告を思い出し「BAKUさん、最後の水はこの辺か?」「まだ先。心配
いらんよ」と。そのあとは・・・水が無かった(;_;)まぁ、あと500cc残ってる。
本当に浮き石だらけの急なガレ場。「雨が降ってきたぞ・・・」「もうすぐ左に
登って稜線に出る」とBAKUさん。どの左斜面も雨でぬかるんでるし石も落ちやす
くなってる。「ここや!みるくさんも苦労した斜面は。僕が単独で来たときはも
っと上から左に登ったと思うねんけど・・・??」斜面左をBAKUさん、中央右を
亀さん、さらに右を僕が登り始めた。「こりゃ、前どころと違う。滑って登られ
へん(;_;)。雨もきつくなってきたし、来た沢を下ろうか」とBAKUさん。気圧計
はやや回復傾向を示す。雲も速く飛んでいる。「雨はもうすぐ止むと思うよ」この
ガレ場を下るのも危険すぎると言う結論で、BAKUさんがそのまま登り切って
ザイルセット。大加茂君は登山靴に履き替えた。
それぞれセルフビレーで待機。「雨が冷たくて寒いなぁ」と下の待ち組4人(^^;)
ザイルを引いて登らなかったために上から投げても届かず、BAKUさんが再度下り
てきた。大加茂君は登攀器セットさせ登る。次に平蛸君にも登攀器セットして登
らせる。続いて亀さん、そして僕とゴボウで登る。「ここが今回の核心部のよう(^^;)」
と亀さん。
ここから稜線への尾根も傾斜がきつい登り(@_@);。雨はほぼ止んできた。
「白と青のテープがあるから見つけて」とBAKUさんから声が飛ぶ。先頭を僕と亀
さんで進み小雨と薄いガスの中をテープを確認しつつ登る。雨でぬかるんで粘土
層の土で滑って滑って進みにくいことこの上なし(^^;)。「しんどいなぁ」
「BAKUさん、こんなとこみるくさん登ったんかいな?」「いや、前はこんなには
すべらんかったけど、苦しそうやった(^^;)」

10:30
ヒーヒーハーハー言いながら広い所に出た。「ここでてるさんやミ〜ヨンさんと
来たときもガスに包まれてここで迷ったんや・・・闇下(暗闇の下山)の記憶
よみがえる・・」とBAKUさんが不吉な言葉で脅す(^^;)。気圧計を見ると回復傾
向なのでそう心配しなくて良いはず。「まずは落ち着いて記念写真(^^;)」

ガスでも迷わず帰るぞ!!

アチャ〜、雨は止んだが、不吉な日を再現するかのようにガスがおあつらえ?の
ように濃くなってきた(ーー;)。僕はここでおニューのローカットの下山用登山靴に
履き替えた。「BAKUさん、ルートの記憶は?5回中4回ここ歩いたんやろ?」
「確か、こっちに下り気味のはずやねんけど・??記憶がガスで飛んでしもた〜(^^;)」
亀さんも「こりゃ迷いますねぇ。全然わからないや〜(^^;)」と地図とコンパスで確認。
僕もGPSを出して確認することに。ルートが出た。ややずれているが
読みとれた。「BAKUさんこの方向に間違いないよ。進もう!」と進み出すと
テープが出だした。
「これで無事下山できる(^^)ホッとした〜」とBAKUさんも笑顔。お守りに持って
きたGPSが役だった(^^)しばらく進むとまたガスに囲まれまた広いところに出て
踏み跡も消えルートが不明に。GPSで確認。やや左方向へ直進と読みとれる!
またテープが出た。ここからは頻繁にテープがあり完全に弥山との稜線に出た(^^)v。

12:10
アップダウンというか大変急な雨後に濡れた木の根と泥土斜面を登り切ると「鉄山」の木札。
「おお、やったね〜」と亀さん(^^)ガスで展望はないもののつぼみの多い
シャクナゲがあちこちに。大加茂君が動画を撮ってくれて、そそくさと下山開始。

やっと鉄山(1563m)に着いたぞ! シャクナゲはまだ蕾が多い

ここからの下山が「長い、キツイ、滑りやすい」の3拍子そろったイヤ〜な下山。
「あの楽しかった沢登りは、何やったんや〜?(^^;)」と亀さんと僕がボヤク。
「雨の後やから滑ってきつかったんや。暑すぎるより良かった(^^;)」とBAKUさん。
「沢の下山はこんなキツイ下山ばかりと違うからね」と2人にも3人から説明(^^;)
途中で「うわぁ、誰かのキジ撃ちの跡や」「それ、きっと○○○○さんのとちゃうか」
「そんなん言うからBAKUさん、呪いかけられるねんで〜(^^)」と大笑い。
ツツジの花も所々に咲いている。途中でガスがパァ〜ッと晴れて正面のバリゴヤ
の頭方面が幻想的に現れた。今日のご褒美かな?

おおっ、ガスが晴れてきたぞ〜 まだまだ急下降が続きます(;_;)

クマ笹が出だすと尾根筋も明るくなり、植林帯に入った。サンショのきつい香り。
サンショの木が沢山自生していた。辺り一面その香りが漂っている。

14:00
最後の鉄橋を渡って大川口に到着。5人で「無事遡行完了〜(^^)」と長い下山路
にヘロヘロになりながら固い握手(^^)。白の上下ジャージの大加茂君は泥んこ色。
「みーとさんに怒られるぞ〜(^^;)」「だ、大丈夫です・・・と、思います(^^;)」
大加茂君と平蛸君の沢デビューはBAKU隊長の企画で無事終了m(..)m(^^)。
亀さんもいてくれて本当にとても心強い沢遡行が出来た。感謝m(..)m(^^)

濡れた衣服を着替えて天川温泉へ!冷えた体に温泉は最高!!(^^)v
BAKUさんを家に送り、18時20分帰宅。僕にとっては今年1本目の沢でした(^^)v

一つ前の山行記録は「春・残雪の立山」の記録です
白子谷に同行の大加茂さんのページにリンク