沢【北アルプス】黒部川源流・赤木沢
【行き先】 北アルプス 赤木沢 【日 付】 2005年8月5日(金)赤木沢遡行 8月4日(木) 折立〜太郎平〜薬師沢小屋(泊) 8月5日(金) 薬師沢小屋〜黒部源流〜赤木沢出合〜稜線〜赤木岳 〜北ノ俣岳〜太郎岳〜薬師峠幕営地(泊) 【天 候】 晴れ 【メンバー】MICKEY・矢問 |
2001年8月17日に囲炉裏の仲間と行って以来、4年ぶりの赤木沢だ。 雑誌「岳人」8月号の特集を見たMICKEYが「行きたい!」というので前回パスした薬師岳 も登るプランで行くことにした。 暑がり2人が涼しいウチに太郎平まで登るには、有料林道が閉まる20時(受付は19時 まで)までに通過して折立の登山口に前夜に着く必要があるというのが前回の教訓(^^;)。 そうしないと林道ゲートのあく6時までまち、登山開始は7時になり猛烈に暑くなる。 名田庄村を通り、「敦賀」から「富山」までを高速利用。富山で下りると土砂降りの夕立。 折立登山口の駐車場には18時半に到着。駐車場には今日はまだ5台ほどの空きがある。 テント場に行かなくても車が小さいので駐車スペースの残りスペースにテントを張れた。 雨が降ったり止んだりして気をもんだが、夜中0時には止んで満天の星空になった(^^)v 4:00 登山届けを出す。あたりはまだ真っ暗。暑がりの2人は、ヘッデンを点けて登山開始。 4時35分にはうっすら地面が見えだしヘッデンを消す。上着を脱いで、半袖に。 1時間ほど登ったところの北の展望がきくところで小休止。早朝の登りは涼しい(^^)v 富山からの日帰り薬師岳登山の男性1人が登ってきた。近い人は小さなザックでいいなぁ。 2時間登った道ばたにアズマモグラが死んでた。青空にニッコウキスゲが映えて美しい。 涼しいウチにキツくて暑い登りを済ませたのは正解だった。前回より断然楽だ。 小屋まであと1kmあたりでMICKEYはスピードアップ。どんどん離され200mほどあいた(^^;) |
早朝の「太郎平小屋」前は静かだ | さて「薬師沢小屋」へ向かおう |
7:45 太郎平小屋に到着。今日はテント場にテントを置いておいて明日戻って泊まると言うと、 「だったらテントを立てずに行けばいいよ。ザックを預かっておくよ。」と小屋のご主人。 ありがたくご厚意に従う。ご主人は雑誌「岳人」の赤木沢のコースタイムの提供者とのこと。 静かな小屋前で持参した朝食を食べる。携帯電話は「圏外」だった。 小屋横には真新しい「オガクズ分解トイレ」が出来ている。 8:30 薬師沢小屋へ向けて出発。花の多さに喜び、沢の水のおいしさにMICKEYは上機嫌。 明日テント泊する薬師峠のテント場が小さく見える。長い木道も懐かしい。 「この木道は、雨が降ると滑って危ないだろうなぁ」「ホントホント」 |
薬師沢小屋前の吊り橋 |
10:30 薬師沢小屋到着。ここまでで、すれ違った人は男性が3人のみ。僕たちと同方向へは 若い男性が1名のみであった。静かな道であった。 以前あった小屋前のテーブルのスペースは、新しいオガクズ分解トイレになっていた。 その上はテラスになっていてタープも張ってありベンチがあり休める。 受付を済ませてしばらく部屋で休憩。小屋の記念Tシャツ「黒部源流」を買って着替えた。 今日は混むとのことで一畳・一布団で2人の予定とのことだったが、全員が一畳一布団に 1人とゆっくり配置となった(^^)v テラスで川と吊り橋を見ながら持参した昼食にした。 午後1時半から2時間ほど土砂降りになった。その頃到着した人たちは木道が滑り、転ん だ人が多かったようだ。女性数人がねんざをしており明日の登山を心配そうにしていた。 土砂降りだったが、川の水位は変わらず。ホッ。河原を散策して明日への思いを巡らす。 夕食は17時。4年前と同じくトンカツだった(^^)。お茶200円、お湯100円の説明。 会話の雰囲気から雲の平方面の人たちが大半。赤木沢は数名の様子だ。 全くいびきもないとても静かな小屋の夜は初めて(^^)v。夜中から満天の星が出た。 午前2時に男性1人が早くも出発して行った。 4:30 今日も暑さに弱い「ナメクジ隊」の出発は早い(^^;)。朝食と昼食弁当を受け取る。 前回と違い、4時から受付の人がいて弁当を食券と引き替えに手渡ししてくれる。 ゴミの量を減らすためにコンビニおにぎり2個とソーセージ2本+漬け物となっている。 まだ薄暗いが、ガスが出るまでに詰め上がりたいので出発。誰もいない黒部源流を上る。 |
へつりもうまくなったね | イワナが沢山泳いでるよ | この岩をへつって巻くのね |
最初は左岸沿いに進み、途中で右岸に徒渉し進む。また左岸を進みまた右岸へ。 大きなイワナが沢山泳いでいる。「綺麗な水ね〜(^^)」とMICKEY。 MICKEYは早くも半袖に。僕は長袖1枚になった。 途中で枝沢の水を汲んで朝食を食べた。前にも後ろにもだ〜れもまだいない。幸せ(^^)v 5:50 4mの滝が吹き出しているやや手前の浅場を左岸へ徒渉し、岩と草の境目を登り巻く。 徒渉水深は膝ほどだが流れの水圧がきつく「手を持って〜」MICKEYからヘルプ要請。 巻き下りる下り口が笹で隠れてわかりにくかったが、MICKEYが「あった!」と見つけ てくれた。「エライ! 今日の第一関門突破(^^)」 |
赤木沢出合に着いたよ。綺麗ね〜 | この右の岩をへつって赤木沢に入る |
6:00 赤木沢出合に着いた。赤木沢の入り口の見える右岸に渡り、へつり方をMICKEYに説明 する。左岸に戻りMICKEYが先行してへつる。「うまい!」。次の岩のへつり巻き方がわ からないと言うので僕が先行し沢口に下りる。さあ、赤木沢に入った!! |
へっつったらこの岩を巻く | うわ!綺麗な赤いナメ! | 見とれるほど綺麗すぎるよね〜 |
「な、なに〜!!この美しい流れは!赤い岩のナメがなんとも言えない。綺麗!」と 予想通りの叫び声(^^) 「4年前もみんなここで同じ声をあげてたよ(^^)」と僕。 「素晴らしい迎え入れ方の沢ね〜(^^)」とMICKEYは満面の笑み。 |
もう中段まで登ったよ〜 | 記念写真でも撮りましょう |
2段20mの滝は右からへつって右から登る。快適に登れる美ナメ滝が続く。 |
どこでも簡単に登れるよ〜 | まだまだ楽しい滝が続くね | この滝は右の草つきを巻く |
4段の連滝は、1段目は右岸を直登し2段目は左岸の草つきを巻く。 続く5m+5mの連瀑の最初は左岸の切れ込んでいる部分に一度腰まで浸かって突破して 登る。次の5mも左岸をへつり気味に回り込み登るがこれは僕が先行して誘導する。 |
この滝は右から浸かって登るのね | 腰まで浸かって、さて登るよ |
そのあともどんどん直登できる滝が続く。「滑りにくいし綺麗し最高(^^)」とMICKEY。 |
青空と緑と水しぶきが美しいね | 綺麗な淵があるね | 平流も水が綺麗でうっとり |
ホイホイ登られるね | ナメで座って一休み・冷たい〜 | ホントに楽しい! |
どの滝も快適に登れるね | 早朝の遡行は涼しいね | 小滝はまだまだ続くね |
右から登れば簡単 | 滝と青空が綺麗ね | 迫力の30mの大滝 |
7:40 大滝に着いた。今回は前には誰もいないし足跡もなく、後ろも全く人の気配なし。 ずっと貸し切り状態の静かな赤木沢。沢水でレモンジュースを作って休憩。 |
大滝を巻いて落ち口へ | これは元越谷に似てるね | 楽しくて笑いが止まらない |
大滝から少し戻り、巻き道の口を探す。「たしかこれに間違いないと思うんだけど・・・」と ガレ場を登る。「これに間違いない。ついておいで〜」とMICKEYに伝える。 そして覚えのある地点で笹をかき分け、左へ折れて滝の落ち口へと下りる。 「うわ〜、すごい眺めね〜」とMICKEYはまた感嘆の声。 |
この枝沢を右へ入るのね | まだ小滝が続くよ | 段々水量が減ってきたね |
8:10 右から3mの滝を持つ枝沢。前回同様にこの枝沢へ入り稜線を目指す。 大きな違いは、まだ稜線そばに雪渓が残っていて風がとても涼しいのだ(^^)v 今回は時間も早いし涼しい風で、全然「暑い〜」と言わずに済んでいる(^^)。 雪渓と緑と青空のコントラストが素晴らしい! デカイ熊の糞がある(@_@); またまたMICKEYがスピードアップでどんどん先に行く。「待ってくれ〜」(^^;) |
振り返ったら絶景だわ〜 | 雪渓からの風が涼しいね | お花畑の草原に出た |
「振り返って見て」と僕。「うっわ〜。すごい大展望!!」とMICKEY。 水が切れるところで水筒に水を補給しお花畑の斜面に出る。 「うわ〜、ホントホント。アルプスの少女状態になるね〜。ペーター!!」とMICKEY が笑顔ではしゃぐ。稜線を縦走している登山者がはしゃぐMICKEYを見ている(^^;) 「はしゃぎすぎ〜。それじゃアルプスの少女ハイジン(廃人)状態やなぁ(^^;)」と僕。 |
最高に幸せなひとときだわ〜 | アルプスの少女ハイジ状態ね |
雪渓にはスノーブリッジもある。実に涼しい風が吹く。しばし寝ころんで休憩。 「ホントに最高に綺麗だったわ〜。それにこの詰めの草原は最高最高!」とMICKEY。 |
スノーブリッジもあるよ | 登山者姿で太郎平を目指しましょう |
「あの薬師川左俣の詰めの赤木平でのツェルト・ビバークが最高に気持ちいいらしいよ」 沢装束から登山姿に靴も帽子も換えて、帰路への準備。 「やっぱりハーネスやシュリンゲやザイルは要らなかったね」「念のため念のため(^^)」 「誰も先行者はいないし、後ろにも誰もいないし、すごく静かでラッキーな遡行ができたね」 |
明日はあの薬師岳に登るのね | お花が一杯の稜線歩き |
9:50 雪渓を越えて縦走路に出て、太郎平小屋を目指す。北側はすごいガスが登ってきている。 右前方に明日登る予定の薬師岳を見ながら景色と花を楽しめる帰路だ。 9:55「赤木岳」で小休止・行動食。10:50「北ノ俣岳」で展望を楽しみながらの早い昼食にした。 「槍ヶ岳」もよく見える。「綺麗よね〜(^^)」の声が続くMICKEY。3名ほど男性が休憩している。 後ろから年配の沢屋さんが来て抜きつ抜かれつ。 腰にはワラジ、年季の入ったザック、地下足袋とすごくかっこいい。 4年前工事中だった木道が長く続いて完成していた。 11:30 太郎平小屋に到着。明日、薬師岳へ登らないなら充分に下山できる時間だ。今回は登る。 小屋の前のテーブルやベンチは、今朝折立から登ってきたのであろう多くの登山者で一杯だった。 僕が着ているTシャツを見て「おおっ、薬師沢小屋のTシャツを買ってくれたんだね」と 太郎平小屋のご主人。「はい、黒部源流の遡行記念ですから(^^)」 |
薬師峠のテント場 |
預けていたザックを受け取り薬師峠のテント場へ。テント場のトイレは改修工事中で仮設トイレ。 14時過ぎに太郎平小屋のご主人がテント受付にやってきた。1人500円。 16時くらいまでは日差しもきつく、テントを張ったもののテントには暑くて入れない。 あの年配の沢屋さんは隣のテントだった。僕らは夕刻まで涼しい風が吹く木陰で過ごした。 明日は薬師岳登る。天気は大丈夫だろうか。ラジオの予報では朝早くからガスが出そう。 2つ向こうのテントの男2人、女2人のパーティーは明日赤木沢を遡行するらしい。 |
赤木沢遡行ルート |
この1つ前の記録は「芦生・櫃倉谷から奥ノ谷山周回」の記録です | |
2001年8月の赤木沢遡行の記録へリンク |