氷ノ山(1510m)・2月の新雪登山
【行き先】 氷ノ山・2月の新雪登山 【日 時】 2005年2月27日(日) 【メンバー】MICKEY・矢問 【コース】 鳥取県若桜・樹氷スノートピア・リフト終点−痩せ尾根 −三の丸(1464m)−氷ノ山頂上(1510m)・ピストン |
昨日は芦生へのスノーシューテストハイクをした。 日本海側や北部は今日も夕方近くまでは天気は悪いみたいだが、行けるところまで行って みよう、と朝5時に鳥取の若桜へ出発。昨日の新雪が相当積もっていてラッセル三昧かも。 氷ノ山は何度も登っているが、若桜側からは登ったことがない。 戸倉で2WDの車が2〜3台、凍結路でおしりフリフリ。危なっかしい。気温−3度。 どんどん雪がきつくなり視界も悪い。ラバーチェーンが切れて飛んでしまった車も出た。 僕は4WDに切り替えて慎重に進む。茗荷谷ダム湖は見事に凍っていて湖面に積雪。 若桜の無料駐車場を過ぎ有料駐車場(600円)まで登った。昨日から駐車している車の屋根 には50センチも雪が積もっているではないか! 稜線や山頂は・・・(^^;) ラッセルか・・。 雪が降っているので車内で準備。 8:15 「樹氷スノーピア」のリフトへと少し下る。「本部」と看板のあるところで登山届けを記入する。 「山頂まで?今日はホワイトアウトに気をつけて。登山者も少ないし昨日の新雪でトレース は消えてると思うから大変だよ。下山したら必ず寄ってね」と(^^;)。 リフトを2つ乗り継いで最上部へ。250円×2。中間駅で僕は間違えて降りてしまった。 管理人の指示で再度乗ってMICKEYを追いかける(^^;) ザックが背もたれにあたり不安定な座り方。リフトの最終地点はなんと高度1200m地点。 |
このリフトを2つ乗り継いでいく | 積雪の痩せ尾根は慎重に |
山スキーの4人組が樹林帯を登っていく。僕たちも後を登る。僕はスノーシュー、MICKEY はワカン。僕たちのペースが速いのか抜くはめに(^^;)。トレースがあるのと無いのとでは 疲れが断然違う。昨日の新雪でフカフカで、スノーシューでも膝の下まで沈む。ワカンは 膝まで沈んでる。スノーシューのヒールリフトを立てると斜面登りも楽だ(^^)v。 樹林帯を抜けると痩せ尾根。ホントにえらい雪の痩せ尾根。こわ〜・・・(^^;) 小雪がちらつき、風は無いが、気温が低くて鼻や耳は痛いくらいだ。展望はない・・・。 |
「展望所は凍ってるよ」 | 避難小屋は半分ほど埋もれてる |
10:15 三の丸展望所。凍ってる(^^;) ここからは全くトレースが無いし、視界は15mほど。 昨日の吹雪の中を山スキーで山頂へ行き、氷ノ山越えまで行って下った地元のベテランの おじさんが来て「山頂へ行くのか? あそこにうっすら見える木を狙って登ると三の丸の 避難小屋がかすかに見えてくるよ」と教えてくれた。視界が悪くて見えづらく何度も聞く。 昨夜はコシキ岩で雪崩があり30mほどこのおじさんは流されたとのこと。 「表面の新雪が昨日雪崩たから今日は心配無いと思うんだけどね。コシキ岩の方には 行かず山頂までなら、コンパスと地形図見て慎重に行けば大丈夫」とアドバイスをくれる。 山スキーの団体さんに先に行ってもらった。浮力が大きく違う。山スキーは25センチほ ど沈んで、スノーシューは35センチ沈んでワカンは45センチ沈むという感じだ。 「後ろから見てもスノーシューは浮力があっていいね。私はワカンで沈むよ〜」とMICKEY。 10:30 三の丸避難小屋。僕らは入らずに通過することにした。下山の時間が気になるからだ。 2002年3月のみーとさんの記録を思い出す。みーとさんたちは天候悪くここで戻っている。 気圧をチェックすると安定している。これ以上悪くなりそうもないのでなんとか行けるだろう。 5分で三の丸山頂。(波賀町では三の丸と呼ぶ。山と高原地図では二の丸) 壊れかかっている展望台?がある。とても視界が悪い・・・。ここの視界は20mほどか。 雪に埋もれた「氷ノ山山頂へ2.4km」と記した道標や、案内板もある。 ここからはさらに視界が悪くなる。一旦下りになる・・・もったいないなぁ・・・。 地形図とコンパス、GPSで緯度経度の確認を繰り返す。ホワイトアウトの繰り返し。 途中で山スキーの人達はこぶを迂回しているが、僕たちは直登!ラッセルラッセル! 前を行く女性が雪庇の方へ。「そこは雪庇上ですよ。左にもどって!」と叫んで知らせた。 山スキーの団体さんはワサビ谷へ下るとのことでお別れ。50〜60代のベテランさん。 |
道標を掘り出すと、あと2.4キロ | すごいエビのしっぽ |
ここからはトレースも殆ど無くてラッセルがきつくなる。膝までのラッセルだ。 時々視界が5mほどに何度もなり、不安になるが経度と緯度で位置確認を頻繁にした。 雪雲があるが幸運にも衛星をきっちりと捕らえてくれている。 北へ登れば山頂とわかる地点の傾斜はきつすぎて、ぐるっと右迂回して登った。 息が切れる。後ろから来た山スキーの3人組にあと200mという所で抜かれた。 ラッセルでふくらはぎがパンパンになった。「私が先に行ってみる」とMICKEY。 「うわっ、ダメだわ〜。膝より上まで沈む。足が上がらない」と、たった5歩でまた交代。 |
「新雪は膝まで沈むよ〜」 | やっと山頂に着いたね |
山頂避難小屋に入ろう | さて、昼食にしましょう |
12:30 山頂避難小屋に到着。先ほどの山スキー3名と、他2人。小屋の中は風もなくて暖かい。 おなかがぺこぺこ。早速昼食にした。お湯を沸かしてうどんを作った。 山スキー3名の内の男性は正月にも奥穂へ行くベテランらしい。山スキーでは50過ぎると やはり仲間が亡くなったりと危険を伴うと実感している・・・と話して下さった。 |
この木の横を通ったよね・・・ | うわ〜、トレースがない。どっち〜??? |
13:10 トレースが残っている内に下山開始。手袋をはめると2人とも手先が凍るように痛い。 汗でぬれていた手袋内部が凍っている。急いで予備の換えの手袋に履き替えた。 うわっ・・・トレースが風でとぎれている箇所もある・・・。視界は15mほど。目をこらす。 登ってきたときにGPSが記録したトラックデータを逆にたどれば元に戻れる。 衛星をしっかり捕らえてくれよ〜。厚い雪雲だけが気がかり。急げ〜。 |
あの木の間を通過して・・・ |
新雪に足を取られてこけると、そりゃ大変! 腰や首あたりまで、新雪に埋もれて立て ない。2度もMICKEYに起こしてもらった。MICKEYも登りの時にこけて19歳の男性に 助けてもらったようだ。「若い男性に手をさしのべられて助けてもらってメチャ幸せだっ たわ〜(^^)v あんなの初めてエヘヘェ(^^)」と・・・。若い??次男と同じ歳だろ・・・(ーー;) トレースのはっきりしているところはMICKEYが先に行く。 それが速くて追いつけない。何度も「待ってくれ〜」と叫ぶが聞こえていないようだ(;_;)。 14:20 斜面を登ると三の丸。 三の丸の手前や三の丸の先の平原状のところはトレースが消えていたり山スキーの 軌跡が縦横無尽についている。「山スキーの軌跡にだまされるなよ」とMICKEYに叫ぶ。 ホワイトアウトが何度か起こる。GPSで進路確認。衛星をしっかり捕らえている。 山スキーの女性が1人、視界が悪くなり自分の位置がわからず立ち往生していた。 |
痩せ尾根の下りは慎重に | さて樹林帯にはいるよ |
14:35 痩せ尾根も慎重に通過して、樹林帯に入る。あと一息で、リフト最上部だ。 14:50 リフト最上部。過去に事故があり下山にはリフトは使わせてくれない。 凍結気味のゲレンデ最上部は傾斜もきつくて怖い。ピッケルを準備し、いざ下山。 アイゼンにすべきか悩んだが直ぐに沈みそうな新雪地帯が待っている。 左へ回っていると、「右のオレンジ杭ぎりぎりを降りていけばいいよ。そして左にトラバ ースして樹林際を降りればいい」とリフト管理人のおじさんが叫んで教えてくれた。 尻セードでオレンジ杭を狙って滑ろうかと思いつつも、凍っていたら滑りすぎてオレン ジの杭を越えてコース外の急斜面へ飛び出てしまう・・。慎重に歩行で途中まで行く。 スノボーの若者達が「山頂まで行ってきたのですか。すごいパワー」と言いつつ、滑っ て行った。すごいスピード。尻セード出来るのは一部のみ。新雪で沈んで滑りにくい。 |
上を通るリフトからは「うわっ、あの傾斜を歩いてる人がいる」と聞こえる(^^;)。 |
本日のルート 赤:ピストンルート 緑:スキーゲレンデ下山ルート |
この1つ前の記録は「芦生・トロッコ道 新スノーシューテストハイク」の記録です | |
2000年12月に囲炉裏の仲間達と氷ノ山へ行った時の記録へリンク | |
1994年1995年に家族で氷ノ山へ行った時の記録へリンク | |
2006年10月に秋晴れの氷ノ山へ行ったときの記録へリンク | |
2010年10月23日にブナ黄葉真っ盛りの氷ノ山に行ったときの記録へリンク |