【芦生】由良川・中ノツボ谷遡行と櫃倉谷下降
芦生屈指の険谷「中ノツボ谷」と静寂の谷「櫃倉谷」 |
【行き先】芦生・由良川 中ノツボ谷遡行と櫃倉谷下降 【日 時】2003年10月26日(日) 【メンバー】BAKU・ゲキ・じゅん・もりきみ・矢問 【コース】須後(5:45)−櫃倉谷林道(6:35)−(7:10)中ノツボ谷−(12:00)林道 〜杉尾坂付近−(12:35)櫃倉谷下降−(13:05)櫃倉谷本谷二俣 −(14:20)中ノツボ出合−(14:50)櫃倉谷林道−(15:55)須後 |
妻恋地蔵さんの著書「低山趣味」で9年前の「中ノツボ谷」の遡行記録を読んで、 行きたいなぁと思っていたらBAKUさんから「どこか行かない?」とお誘い。 即刻「厳しさと優しさを楽しめる芦生の中ノツボ谷と櫃倉谷の合体ルート」と返事。 妻恋地蔵さんの中ノツボ記録ルート+春にでも歩きたいと思っていた櫃倉谷の 合体ロングルートだ。長時間歩ききれるメンバー選定はBAKUさんに任せた。 僕にとっては今年だけでも6回目の芦生だ。 矢問号でBAKUさんとじゅんちゃん、京都方面からもりきみ号でゲキさんの5名が 前夜集合。男性2名と女性3名。僕にとってBAKUさん以外は顔は知っているもの の遡行同行は初めてのメンバーだ。小宴会ではじゅんちゃんのおいしい差し入れ で暗い夜も明るくなる。 BAKUさんのあたたかいおでんなどで簡単な打ち合わせ開始。 僕が準備してきた記録類や地図を各自に配布。 「え〜、芦生屈指の険谷なんて聞いてないよ〜BAKUさん(^^;)。」とゲキさん。 「BAKUさん、言ってないの?(^^;)」と僕。「懸垂下降したこと無いけど(^^;)」 ともりきみさん。「なんとかなりますよ〜(^^)」ともくもく食べてるじゅんちゃん。 「僕もルートはよう知らんねん(^^;)。矢問さんいわく、帰路の櫃倉谷では癒さ れるらしいし(^^;)明日はロングルート。早起きして絶対日暮れまでには帰ろうね〜。 明日は4時半起床!」と苦し紛れの返事のBAKUさん。 夜中に激しい雨が降る。朝までに止むかなぁ・・・。気温は7度。 4:30に起床。雨も止んでるし、天気は良さそうだ。朝食や濡れたテントを 撤収して準備していると時間が経つのも早い。 「ウワッ!どうしよ〜!!」ともりきみさんの大声。「中味は全部持ってきたけ ど、ザックを持ってくるの忘れた(^^;)」と。BAKUさんの手提げザックをリュック として利用することにした。 5:45 須後で入林届けを出して出発。BAKU隊長、ゲキキャプテン、矢問ルート案内とし て5名は歩き始める。ヘッデンをつけて5時過ぎに出る予定が、45分遅れでヘ ッデンも要らなかった。櫃倉林道を横山峠へと進む。50分で林道終点に来た。 「ドドッ」と牡鹿が沢を走って逃げた。音に驚いた。横山峠を越える登り口が見 つからない(帰路でわかったが、林道終点はやや左への踏みあとと右への沢へ道 がある。右手を徒渉したら取り付きがある)「朝から峠登りはやめて気持ちの良 い沢筋を歩こう」のゲキキャプテンの一言で左へ時計回りの沢筋を進む。 |
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中ノツボ谷 出合 |
7:10 中ノツボ出合に着いた。今までの景色が一変する。「うわ〜綺麗」とゲキさんの 目が輝く。台地状で落ち着いた素晴らしい樹林帯だ。「新しい沢靴で靴擦れ気味 で足が痛い」とじゅんちゃん。「私も片一方だけ痛いの」とゲキさん。靴擦れ防止の 「Compeed」を丁度3枚持っていたので貼ってもらった。「これで歩けます(^^)」と2人。 よかったよかった(^^)。 |
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「あそこを登るぞ」BAKUさん | 正面から見た姿 | 巻き後の斜面トラバース |
中ノツボ谷遡行は小川のせせらぎ歩きのように始まる。1mの滝があり20分ほ ど行きやや左に曲がるとせせらぎからは想像できない15mの滝が急に現れる。 手前で「ウヘッ」滑りやすい岩で足を取られて前のめりに水の中にドボンの僕(^^;) ここは滝の右にある細い木のある岩を登る。足場も狭い。じゅんちゃんももりき みさんも慎重に登る。ゲキさんが苦戦して上からBAKUさんがロープでヘルプ。 最後に僕が登ってわかったが、岩面の細い木は上に上げると簡単に動き、これら の木をつかまないと手がないところもあるのだが、根は上部4分の1ほどしか生 きていない。信じて体重をかけすぎると木もとれて滑落もありうる。 いつまでこの木はあるのやら・・・。斜面をトラバース気味に進み沢に降りる。 先に僕がロープを張りに行く。所々に古いロープが残っている。 「この滝の巻きでやっと目が覚めました」ともりきみさん。 |
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二条1mの滝を過ぎると遠くにバーンと芦生には無いような岩壁の山が木の間か ら見える。次に10m級の滝が現れた。右を巻く。次の二条2.5mの滝も右を巻く。 |
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ホイホイ楽しいねぇ | 「ゲキさん重い〜」とBAKUさん |
2mの滝、二条2mの滝を過ぎるとまたまた15m級の滝が現れる。滝の前で休 憩して写真撮影。ここは右のガレ場を登り残留ロープの横の木の根をつかんで巻 きあがる。斜めに下るので念のため8ミリロープでゴボウで沢へ下りる。丁度距 離は10m。2mの滝を2つ過ぎ谷はやや右へ折れる。そこにまた20m級の滝 が現れる。「うまくポンポンと飽きさせないように滝が現れるなぁ」とBAKUさん。 |
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右へと滝が続いて見える | ちょっと休憩 | またまた滝が現れた |
「台高の雰囲気に似てるなぁ」と話していると、釜をもつ3mの滝。へつりにくく、 登りにくい滝だ。右から巻くことにした。いやらしい斜面をトラバースぎみに登って いく。「BAKUさん登りすぎのような・・・」「戻って懸垂で下りようよ」とやや戻って 懸垂場所を探す。下が見えにくく空中懸垂を避けるルートを探さないとならない。 懸垂未経験者がいるので安全第一。10mほどのスッと下りれば簡単な所をみつけ、 そこの斜面を初心者を考慮してややトラバース気味に枯れ木を巻いたルートで BAKUさんが先に下りる。次にじゅんちゃんが下りる間に、初体験のもりきみさんと 久しぶりのゲキさんにセットの仕方と注意事項を覚えて貰い、セルフビレーから セットの確認をして「絶対腰の手からロープを離さない」を復唱し、慎重にスタート。 もりきんさん、ゲキさんも無事着地した。僕は体重で振られ気味に着地(^^;)。 |
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釜をもつ3mは右を巻く | 懸垂下降が初めてのもりきみさん | 「慎重に!」懸垂下降のゲキさん |
3mの滝と1.5mの滝を過ぎると巨木の倒木を落ち口に横向きに乗せた幅広の 10m滝が現れる。もりきみさんが上手い動きで右手の岩場をトップで登り後に続く。 次に出たのは20mの斜瀑でこれは水際を登るがなかなかのぬめり。慎重に登る。 2mの滝を過ぎると平流になった。 |
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「登れたよ〜」\(^o^)/もりきみさん | 大きい滝はこれで最後 |
11:09 「やっと平流だ〜」とゲキさんにっこり。油断大敵。「ドヘッ」とゲキさんが倒木 の所でお尻だけ水につけた恰好で転けた。「動けない〜(^^;)」あららぁ(^^)。 落ち葉が何層にも沢中に積もっており泥のように足がめり込む。 細い流れになってきた。平流なのに水温は今までと違ってとても低く冷たい。 |
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平流になりバンザイのゲキさん 本当にいくつもの顔をもつ谷だ |
尻餅ならず「尻漬け」状態のゲキさん 大笑いしてたら自分も足を取られてもがくBAKUさん |
二俣を左へ進む。細い流れを鹿の足跡見ながら蛇行しつつ進む。薮が出だした詰 め切る手前で僕が偵察に先に左の斜面に登り稜線に出てみんなを待つ。 キノコの多い尾根を進み、少し下ると左へとテープが出だし、すぐに林道に出た。 丁度12時だったのであたたかい陽の当たるところで大休止。 「BAKUさんの迷ガイドは、今回GPSがあるので登場無しやね(^^)」と笑う。 沢筋から沢筋への順調なルート移動がうまく行って良かった。1/25000地図には 林道はないが、エアリアにはある。その林道を一部利用したのだ。 |
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林道を進むゲキさん&もりきみさん | 紅葉も綺麗だ |
12:25 「さて、次は静寂の沢筋と言われる綺麗な櫃倉谷。頑張ろう!」と出発。 「ナメタニ線(1.6km)/杉尾・権蔵線(杉尾0.8km)」の道標を杉尾方面へ。 綺麗に紅葉している木がある。 「杉尾峠・上谷歩道入り口」の道標前にバスが空で停まっている。 その道標前の谷筋を下降して櫃倉本谷を下降する。どんどん下っていく。 「矢問さんホントにこれでええの?」 「30分ほど下ったら本谷にぶつかるよ(^^)」 |
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「ここもいいよね〜」と女性陣 | 静寂の谷は僕らを包む | まったりした気分で進む森の中 |
13:05 二俣だ。櫃倉本谷に出た。谷相は一変し、癒しの森に変わった。 原生林の静寂とゆらゆら流れる流れが心を癒す。「綺麗わ〜。こんなに分厚いエエ森 はなかなか無いよ」と写真を撮りまくるゲキさん。「朝のルートとうってかわってホッと する沢筋ですね〜」ともりきみさん。「ホンマにええ森やね。こりゃホレボレする」と BAKUさん。 「1泊したい森ですね。帰りたくない〜。屋久島に本宅、芦生に別宅が欲しいよ〜」と じゅんちゃん。テント泊で本でも読んでボーッとしたい良い雰囲気の森が続く。 ガイドと森の中を散策している長靴を履いた一団が。「どちらからですか」と問われ、 「中ノツボを登って回ってきました」と答えた。彼らは上流へと進んでいった。 途中のゴルジュ帯で左岸の上に進む登山道を進んだゲキさんに続いて僕もそちらへ続く。 BAKUさん達3人は沢筋を進む。僕らが登山道から沢筋に下りた地点で、BAKUさんの 笛が連続して相当後ろの谷筋で鳴り、何かがあったのかとゲキさんは登山道、僕は 僕のロープをもって沢中を遡行していくと、今度は上の登山道からBAKUさんの笛の音。 最後の2つの滝がいやらしくて降りにくそうなので上の登山道に戻る変更をしたらしい。 無事合流できて良かった。「パーティーは別ルートで行くべきじゃないな」とお互い反省。 |
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帰りはあの横山峠を越えよう |
14:40 今朝感動した、中ノツボ出合に着いた。帰りは横山峠を越えて林道に出ることにした。 登りの途中でふり返ると陽に照らされた出合が樹林とマッチして素晴らしく美しかった。 林道でいろんな話しをしながら15:55に須後に到着。 明るいウチに到着した。\(^o^)/ |
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約10時間、よく歩きました(^^) |
「こんにちは(^^)」先週は生杉で調査をしていた京大の2人が今日はこちらで調査のようだ。 |
須後(5:45)−(7:10)中ノツボ谷遡行−(12:35)櫃倉谷下降-(15:55)須後 |
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この1つ前の記録は「芦生・野田畑谷からシンコボ」の記録です |