【行き先】 白馬岳(2932.2m)・杓子岳(2812m)・鑓ケ岳(2903.1m) の白馬三山テント泊山行 【日 付】 2001年7月26日(木)〜28日(土) 【天 候】 晴れ時々曇り 【メンバー】矢問&MICKEY |
25日水曜日、お腹の調子が今ひとつのまま、医師と薬剤師からのお薦めの薬を
飲んで、ワンコを実家に預けて、早めに出発。「土用の丑」だし、帝国ホテルの
村上顧問も絶賛したという三方五湖のウナギをたべて、贅沢に日本海を見ながら
北陸道で行こうと出発。
猿倉の駐車場には18時に到着。19時の天気予報を小屋で見た。心配な台風6
号のはまだ北上しつつ停滞ぎみ。明日は晴れる!
車中泊から出発する。薄暗い。小屋の登山届けポストに持参した届けを出す。
今年は二人ともボッカ訓練不足「ゆっくり登ろう」を約束とした。
小屋の左側から登山道が始まる。しばらく登ると、ポンと広い林道に出る。
それをまたしばらく登ると左に「鑓温泉」の道標。ここから帰りは出てくる。
そのまま、林道をすすみ、沢を木橋で渡り、いよいよ登山道に。金山沢も綺麗に見える。
5:30
白馬尻小屋に到着。景色が美しい!ここの小屋に泊まっていた団体が登り始めて
いる。テン場の人も登りはじめている。
僕たちは軽く朝食をとり、トイレ休憩とした。
6:06
スパッツを付けて出発。
6:30
大雪渓の始まり点。アイゼンの装着に手間取っている人が多い。僕たちは荷物も
多いので6本歯アイゼンにした。素早く付けて登り始める。カチンコチンでスト
ックも刺さりにくい。オバチャマたちとは歩幅やペースが合わない。どんどん抜く。
暑くなる前に高度を稼ぎたい2人なのだ(^^;)中腹で一旦傾斜が緩やかになる。
大きな蟻の行列のようだったが、ほとんど抜いたようで、歩きやすくなった。
「大丈夫か〜」 | 「暑いねぇ〜」 |
「コロコロ」と左手から落石が何度かあった。「MICKEY、耳をすませよ。雪の上
は落石の音が聞こえづらいよ〜。登るコース上の岩も注意しろよ。いつ転がって
くるかわからんぞ〜」また、傾斜がきつくなる。日が上がって暑くなってきた(;_;)
明日登る杓子岳が見えた | 登り終えた大雪渓 |
大雪渓が終わって木道の階段を過ぎると、また傾斜のきつい登りが続く。
「景色は綺麗だけど、東斜面の登りは暑いなぁ〜」と弱音を吐く。僕のザックは
24キロほど、MICKEYは14キロほどの重さ。訓練不足で息が切れる。
「今年はチ〜ト情けないなぁ」と夫婦で顔を見合わせ頷く。
8:30
しぇるぱさんが言ってた避難小屋が見えた。みんなは左から回り込み小さな雪渓
を右の避難小屋方面へ渡っているが、僕たち2人は右の直登コースを登ることにした。キツイ!
あとはお花畑を見ながら、太陽をにらみながら、杓子岳の素晴らしい姿を見ながら登った。
10:00
村営頂上宿舎に到着。テン泊手続きをした。1人500円。3500円でディナーと
朝食のセットも申しこめるが、僕たちはパス!ケーキも300円。
水場は直ぐ下の雪渓の所から自由に。テン場には先客が2張り。ガラガラ。
テン場は早着に限る。最も平たくてトイレの風が来なくていい場所がとれた。
台風も来てるし、ナランさんの言ってたここのテン場の風が気になったがこの日は特に
問題なかった。ここで「ちょっと30分ほど寝るわ〜」とビール(500円)を飲んだのが失敗(^^;)
空腹には回る回る〜。30分が90分に・・。
11:30
「白馬岳の山頂で昼食にしよう」と出発準備をするも、まだフラフラしてるし気分が悪い。
心臓もドキドキ(@_@);「私が全部持ちますわ〜」と雨具や食材や、カメラなど
全部をMICKEYが持ってくれてどんどん先行。僕はちょっと歩いたら立ち止まる。
空身なのに(;_;)
白馬岳山頂 |
白馬岳山頂2932.2m。MICKEYは20分、フラフラの僕は35分もかかった。
花はこまくさ他多いが、砂止めのネットがのぞいていて風情がない。あの「シロ
バナコマクサ」はなかなか見つからない。上からMICKEYが僕のバテ姿を写真に納
めているではないか!(ーー;)山頂はガスがかかって「360度展望」とは言えな
かったが、明日はいい天気になりそうで楽しみ(^^)記念写真の三脚をセットする
だけでも僕はハ〜ハ〜言ってた。やっぱりコーラにしておけばよかった(;_;)
白馬岳と白馬山荘 | テント場 |
テント場に帰ってきたときには、テン場は満杯。スゴイものだ。18時になって
も19時になってもテント泊の人がどんどん来る。上の白馬山荘に行く人もどんどん来る。
ガスが出ているのに、お年寄りや幼児連れが多いのも気にかかる・・・。
夜は満天の星空!!隣のファミリーテントの親子は星座の話しでにぎやかだった。
家で待つ長男ナイトンにメールを出す。ナイトンからもパソコンからメールが来る。
便利になったモノだ(^^) 21時頃に1分間ほど霧雨が降った。
明日は杓子岳と鑓ケ岳の山頂を踏んで白馬三山踏破後に鑓温泉に行く予定。
27日(金) 5:00
ご来光を見てから、今日は遅めの出発。すっきり晴れている(^^)
テン場から稜線に登ると360度の素晴らしい景色!!
旭岳 | これから行く杓子岳と鑓ケ岳 |
丸山2768mを登り、一旦下って杓子岳のトラバース道と山頂に向かう道の分岐で
雷鳥がいた。逃げない。ジグザグのガレ道を山頂に向かう。こまくさが多い。
西斜面の登りなので、急斜面ながらも影になり涼しくて登りやすい(^^)v
6:30
杓子岳山頂2812m。最高の景色を楽しみながら行動食をとる。立山も見える。
杓子岳山頂 | 鹿島槍 |
富山側なだらかな山肌と長野側のキレたった山肌の違いがすごい。
また一旦下りぐんぐん登りが始まる。
8:00
鑓ケ岳山頂2903.1m。立山連峰、剱岳がぐっと近くに見える。鹿島槍ヶ岳
も近い。遠くに昨年登った槍ヶ岳も見えるし、富士山も見える。大パノラマ。
鑓ケ岳山頂 | 立山連峰 |
ふり返ると杓子岳や白馬岳が綺麗だ。
杓子岳と白馬岳 |
コンロを出して、絶景を前に贅沢な朝食タイムとした。
8:30
白馬鑓温泉小屋への下山開始。ガレた道。稜線から分岐を左に。大出原のお花畑
を見ながらぐんぐん下る。今日の2人は元気。温泉が待ってる(^^)v 小屋の手
前はやや注意する道が続く。鎖場はなかなか長いし足場の岩肌は登山靴ではとて
も滑りやすい。雨の時はイヤなところだろう。「これ、あとに続くファミリーや
お年寄りグループも通過するんやなぁ」と慎重に進む。
岩を持つそのそばに蛇が。「ウワッ!」と叫んでしまった(^^;)
大出原をどんどん下る | ここからが長い鎖場 |
10:00
白馬鑓温泉小屋に到着。このまま下山も出来る時間だが、のんびりするのが目的。
日本で2番目の高地にある温泉。テン場は1人500円。水場は小屋の横にある。
テン場は誰もいないので、又最もいい場所をとれた。早速、温泉へ。1人300円で
24時間何度でも入れる。女性の方は囲い付きで36度の湯。
露天風呂は40度。露天風呂は20時から21時は女性専用となる。
MICKEYも大満足。早く着いたので、僕たちの貸し切り状態(^^)v
夕方のテント場と白馬鑓温泉小屋 |
昼食は小屋の横に作られた屋根付きのベンチで作った。涼しくてのんびり出来て良い。
14時を過ぎるともう小さなテン場は満杯状態。小屋もすごい数になった。テントを
張れずに困っているグループも。夕方にも寝る前にも温泉に入った。気持いいよ〜。
テン場からの景色をデザートにしてお茶を楽しんだ。夫婦の語らい(^^)
オバチャマたちの団体の温泉からの笑い声は暗闇にもよく響く。
ちなみにビールは600円、コーラは400円。
28日(土) 5:00
今日は下山だけだからゆっくりと朝食を作り、出発。
4時過ぎには温泉から大勢の声が聞こえてた。ご来光を温泉からって趣向のようだ。
テン場を下り、温泉の湯を渡って下山道に入る。土と石の滑りやすい道が続く。
雪渓はコチンコチンに凍っている。雪渓のトラバースはまだいいが、下るのはさらに
メチャ滑る。そういう雪渓を4カ所ほど過ぎて、細い道をどんどん登ったり下りたり。
雷岩の所から見える白馬鑓温泉は山の斜面にへばりついてる様に見えた。花も多い。
「クマ出没」のいやな注意書きの看板。オオバギボウシの群落もある。
石が夜露で濡れていて滑りやすい。土から出ている石も丸くて滑りやすい。
中央が鑓温泉小屋 | 杓子沢付近のトラバース道 |
8:00
小日向のコル。急ぐ必要がないので、ふり返っては展望を楽しみながらゆっくりペース。
長走沢の出合を過ぎてしばらくしたところの段差がいくつもあるところで、夫婦連れと
すれ違う時に、登ったあとで後ずさりしてきた夫人のザックで押されてボンと
突き飛ばされた形でつんのめって段下に落ち、14キロのザックの重さでつぶれた。
「あ痛たたた〜」右足首を捻ったようだ。
「大丈夫か。荷物持とうか」「あ〜、油断した・・悔しいよ〜(;_;)明日の鹿島
槍は何とかなるかなぁ」「下山したときの状態で決めよう」
と、そこからは超スローペースで進んだ。
猿倉小屋に到着 |
9:40
猿倉に到着。MICKEYは「大丈夫。何とかなる」と言うが、靴と靴下を脱がせて、
消炎鎮痛薬を塗り込む。消炎剤を飲ませ、薬局で湿布薬や冷却剤を買い、処置。
八方の「第一の郷の湯」を見に行ったが、小日向の湯と八方の間にある、塩の道
温泉「極楽の湯」で汗を流す。500円。ここも時間が早くて貸し切り状態。
とても湯量も豊富。車が多く停まっているがとなりのプールに行く人達の車であった。
MICKEYのくるぶしの上が腫れており、痛みもあるので、明日の爺ケ岳(2669.8m)・
布引山(2683m)・鹿島槍ヶ岳(2889.1m)の予定は中止した。手打ちそばと世界のカ
レー専門店で食事めぐりをして、松本城を見て、恵那の花火を見て帰路についた。
長男ナイトンの「今度の山ではお母さんが怪我をしそう」という予想が
悲しくも見事に的中した山行であった(^^;)
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